モデル事例集「中村純子」

「和歌山の女性が残した“宝物”を伝えたい」

小梅日記(補足)を楽しむ会

会長 中村 純子さん(和歌山市)

『小梅日記』との出会い

中村さんと『小梅日記』の出会いは13年前、大学の同窓会で紹介されたのがきっかけでした。元々本好きで、和歌山のことが知りたいと思っていた中村さんは、深く興味を持ち、登場人物や地名などを図書館で調べてレポートにまとめるくらい面白く、4年ほどかけて読みこんだと言います。
その後、知人を通じ平成20年に「小梅日記を楽しむ会」(平成19年設立)に入会。「和歌山城フェスタ」で『小梅日記』を紹介するイベントやゆかりの地67ヵ所を記したマップ「小梅日記ゆかりの地マップ」(平成21年)を作成し、定期的にゆかりの地を訪ねるなど研究を続けて、平成23年には会長を引き継ぎました。現在会員は二十数人で、語り部や県外の人もおり男女比は1対2だそうです。
「川合小梅という女性は、何事にも興味を持ち自己決定力があり積極的に活動していたイメージで、ユーモアのある面もみられ同じ女性として魅力的な人。個人的な感情を吐き出す日記ではなく社会情勢や日々の生活を淡々と書いているのが珍しく、何度読んでも違う発見があり面白い。和歌山の女性が書いたものだからこそ共感する部分が多く、まだまだ奥が深い」と話されました。

絵本『小梅さんの日記』出版へ

以前から、多くの人に知ってもらうために絵本にしたいと考えていた中村さんは、会に提案。平成24年の「わかやまの底力・市民提案実施事業」に応募し、選ばれました。企画・構成を中村さん、文章を『小梅日記を楽しむ会』事務局長の山上祥子さん、作画は『わかやま絵本の会』の芝田浩子さん(わかやま絵本の会)が担当し、1年かけて作成しました。絵本作成にあたり、(1)時代が見えること、(2)日常生活が見えること、(3)和歌山の地名がたくさん出ること、(4)内容が重複しないようにとの点から選び、掲載する日記を決めました。平成24年8月出版、これまでに3500部にも増刷を重ね和歌山市内の小・中・高等学校や図書館などに寄贈しました。
絵本を小学校で読み聞かせをすると、知っている地名や昔の生活にも触れることができ興味が持てると好評で、時代背景を知らない子どもたちにわかりやすく楽しんでもらえるように工夫をすることは、自分たちにとってとても勉強になると言います。また高齢者施設では懐かしいと喜ばれ、逆に高齢者の方から昔の生活を色々と教えてもらい感動したこともあり、今後は高齢者から聞きとりした貴重な話をまとめて残すことも考えているそうです。読み聞かせは、これからも10人以上の参加があれば出向いて行う予定です。
また平成24年10月20日には一般募集した約50人と、生誕の地やゆかりの地を歩くイベントを開催しました。広く『小梅日記』の存在を知ってもらう機会として、今後も春と秋に開催を予定しています。ゆかりの地にある寺や神社では、記念碑があったりと協力的でとても嬉しかったそうです。
今後は、そうしたゆかりの地を和歌山の名所として残し、まちの活性化にもつなげていければと考え、会の活動を通じて「これからも和歌山の女性が遺した貴重なたからものとして、次世代に伝える活動を続けたい」と語られました。

(補足)『小梅日記』は、川合小梅(1804から1889)が、16歳から86歳で死ぬまで約70年間、幕末から明治にかけての日常生活や社会変革を日記に綴ったもの。紀州藩藩校の校長だった夫から聞く藩の出来事や当時の社会情勢などを記し主婦日記としては最古級。また県内の寺や神社には、絵の才能があった小梅が描いた掛軸や天井絵も残っている。現存する日記は16年分で、和歌山の貴重な史料である。

(センターニュース第57号より、一部修正して掲載)

情報

小梅日記を楽しむ会(会長 中村 純子さん)

和歌山市榎原140-36
メール:koume.no.kai@gmail.com
TEL:073-452-3399

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