モデル事例集「湯川央恵」

「 訪れた人が笑顔になれるまち-南部町をビジネスモデルに-」

みなべ山海川里魅力発見し隊協議会 紀州のおじいとおばあ

代表 湯川 央恵さん(みなべ町)

みなべ町の良さを伝えたい!-起業への挑戦-

央恵さんは、奈良県から結婚を機にみなべ町に来られ、初めて食べた干物と梅干しの美味しさに驚きと感動を覚えました。ところが地元の人に話すと、「そう?」という感じで、地元の人にとってはあたりまえの物だと気づかされます。「こんな美味しいものをもっと多くの人に知ってもらいたい!」そう思ったのが起業への発端だったと話されました。
義父母である益至さんと幹子さんは地元の魚を加工し、みなべの海や山の幸を使って色々な料理を作るのがとても得意で、アイデアも豊富にあります。央恵さん自身、二人の話を聞くのがとても楽しく、このノウハウを埋もれさせるのはもったいないと常々思っていました。元々みなべ町は漁業だけでなく備長炭、梅干しなど魅力的な特産品がいっぱいあります。

しかし、それぞれが点と点で独立していてつながりを持っていないために利用しづらく、また高速道路の延長を受け観光は滞在型から通過型にシフトしているという点に着目しました。そこで行政だけに頼るのではなく、自分たちで観光客を呼び戻し魅力ある町にしたい、と思うようになりました。
義父母は本業の釣りエサ・釣具店のほか、昔から地域のためになるならと様々な新しい事業にチャレンジしてきた人です。成功しないと人は集まらないが、人を集めるためにまず誰かがやらなければならない。夢がなければ前へ進めない、と活動してこられ、央恵さんもよくその体験を聞いていたことから、自分もこの町の活性化のために、一緒に二人の夢を叶えたいと決意。そこから央恵さんの起業への挑戦が始まりました。
事業内容は、新鮮であるにもかかわらず規格外のため値がつかない魚や大衆魚で価値が低いといわれる魚を加工した商品や、みなべで採れた野菜や梅酢や塩麹、備長炭などを使った商品の開発・販売、また観光資源を生かし、干物や味噌づくり、魚の干物や薫製が食べられる漁師カフェなどの体験型観光サービスを計画しています。

起業実践セミナー「夢をかなえる大人の起業塾」が転機に

央恵さんには、以前、起業支援のコンペに応募しようと事業計画書に取組みましたが、行き詰って断念したという経験がありました。そんなとき、みなべ町のカフェでふと目にとまったのが起業実践セミナーのチラシ。昨年のりぃぶる起業実践セミナーはまさに待っていた講座だったといいます。講師の吉住裕子さんから事業計画書策定のエッセンスがぎゅっと詰まった講義を受け、2日目を受講後、1週間で計画書を書きあげました。自分だけでは何度やってもダメだったけれど、吉住さんに叱咤激励ならぬ叱咤激激(!)の指導を受け、“吐くような”思いで書き上げたそうです。また講座では毎週起業した先輩の体験談を聞いたことや受講生同士のつながりが生かされ、本当に充実したセミナーだったといいます。受講したあとに吉住さんのサポートを受けながら、「女性起業家のビジネスコンペ」にチャレンジし自分の夢に向けて進む日々を続けています。

自分が楽しむ、そして常に発信しつづける

央恵さんは、情報発信のためのツールとして2年前に、義父母二人のキャラクターを活かした「紀州のおじいとおばあのブログ」を始めました。お二人がパソコン操作に悪戦苦闘しながらも楽しんで日々の出来事や素材を活かして作った料理を紹介しています。親しみのある地元の方言で綴るブログは、とても親近感があり今では読者も170人近くになりました。二人にぜひ会いたいという声を受け、今年6月ブログのオフ会を開催し、そこで実際に料理を食べてもらうなど交流の機会をもちました。県内外から十数人の読者が来られ、NHKの取材も受けました。夏にはフェイスブックも始め、秋には2回目のオフ会として、漁協の朝市の見学、試作品の試食会などを予定しているそうです。この活動を足がかりに、みなべ町の魅力を体験できる観光サービス“感じるいのちのプロジェクト”として発展していきたいと考えています。
現在、家族を含め地元の漁業組合、森林組合などの協力者8人で活動しています。まず自分たちが楽しんでやっていることで、応援してくれる人とのつながりが生まれています。今後は、魚介類の加工技術や料理のノウハウを持つ漁師の妻たちと一緒に商品づくりを行うことも考えています。
起業を始めて学んだことは、「自分で何もかもやろうとしないこと」「その人の得意な所を生かすこと」、そして「常に発信しつづけること」だといいます。ブログ発信もそのひとつですが、機会をつくって様々な人に会い、自分の思いを伝えることが大切だと話されました。そして、起業を考えている方へ「やる前から諦めないで! やりたいと思っている、その自分の感性とパッションを大事にしてほしい」とメッセージをいただきました。
人、食、観光…活かせるものがいっぱいあるこの町を、長く愛されるみなべ町にしたい。ディズニーランドのように、訪れた人が笑顔になれる町、また迎える町民も自分の町を誇りに思い希望を持って生きることができる町。それが央恵さんの夢だといいます。「あくまでも自分はサポート役。“おじい”と“おばあ”が主役になって、町を盛り上げていきたい。お年寄りが元気な町、そのビジネスモデルを広げたい。私がこの町に来た意味はこれを実現することだと思う」と話す央恵さん。キラキラと輝く彼女の夢の種は、これから大輪の花を咲かせることと思います。
湯川さんの写真左から、央恵さん、幹子さん、益至さん

(センターニュース第56号より、一部修正して掲載)

情報

紀州のおじいとおばあブログ:http://ameblo.jp/inaka-w (外部リンク)

メニュー

りぃぶるについて

利用案内

講座・イベント情報

りぃぶる相談室

図書・情報資料室 

りぃぶる出版物

モデル事例集

男女共同参画情報

団体・グループ情報

交通案内

リンク集

サイトマップ

このページの先頭へ