モデル事例集「田辺千恵子」

「憧れの農業 森の遊び塾や農家民泊を通じて」

森の遊び塾代表
田邊千恵子さん(紀の川市)

時期:平成16年3月 農業従事者となる。

場所:自宅周辺農地 桃山町神田

それまで素人だったのに、農地を購入することで「にわかお百姓」になりました。

漠然と自給自足生活にあこがれていたもののハードルが高く、実現できるとは思えませんでしたが、いまでは農家民泊も開始して活動を広げています。
ロケーションが素晴らしいため、自分たちだけで占有するにはもったいないと、諸々の体験活動を通じて、沢山の人々と感動を共有できるようにと続けていきたいと思っています。
以前、大阪・堺に居住していましたが自然が大好きで田舎暮らしに憧れて約20年前に岩出町に転居してきました。

都会のごみごみしたところからみると、雑草までがいきいきし、周りの山々の緑が目にまぶしくてまるで別天地に来たようでした。

何よりびっくりしたのが空気が美味しい(子ども達は『堺の時は鼻くそが黒かったけど岩出のは白い』と大発見をしたように得意気であった)のと夜の暗さにも大きな衝撃がありました。

都会の人間はこんな些細なことにも反応し、感動を覚えるのです。
自給自足というと大変ですが、自分達で作物を育ててみたいといろいろ土地を探していました。

途中、一度は住んでみたいと憧れていたカナディアンログハウスを鞆渕という過疎地に見つけた時、子ども達が中3、中1の時に移り住みました。

隣の家が1.5キロメートル先というまさに自然のまっただ中で頻繁に起きる断水や停電に悩まされながらも楽しんで生活しておりました。

(今だからこそ言える苦労であのときは若かったなあ)中学校は一クラス約10名で十分に目の届く、一人ひとりが主役になれるアットホームな学校生活も経験しました。
県の女性地域リーダー養成講座を受けたのがこの頃で、鞆渕地区が過疎対策として小・中の山村留学生を受け入れていることから、私は地域の活性化という視点で課題に取り組みました。

また、自然の中に身を置いていると癒されていくことが自身の経験から理解できたので、都会の友人達を招いて、さをり織りという手織り体験教室で遊んでもらう日帰りグリーンツーリズムを始めたのもこのころです。
そうして思い描いていたロケーションのすばらしい、大きな土地が見つかり、期せずして農業従事者となったのですが、その手続きにはかなりのエネルギーが必要でした。

農家になろうとすると様々なハードルが

もともと非農家の人間が農地を手に入れようとするとかなり難しい。

後継者不足で耕作放棄地が増えているというのに農家になりたい人を阻むとは奇妙な話である。

  1. 非農家でも1500坪以上の農地なら購入できる。それより小さい農地の購入は農地法で禁止されている為、資金面での負担が大きい。
  2. 耕作管理人(本当に農業をしているかを見守る人)を立てないといけないので知人(もちろん農家さん)に頭を下げてなっていただいた。
  3. 農業従事者として軽トラ、草刈り機、動力噴霧器(桃栽培に必要)等の所持の確認をされ車検証、領収書、製品ナンバーの提出を求められた。(持っていないと言うことは偽者と判断されるのか?)

以上をクリアーした上でさらに、その土地に自宅を建てるために土地区分を農地から宅地に変更する手続きが必要で、役場、農業委員、区長等に何度も通って書類にサインしていただいた。

いよいよ農家に

桃の耕作は全くの素人で、 リーダー養成時に知り合った知人の手ほどきを受けておそるおそる始めました。

極力農薬を抑えて県の特別栽培作物の認可を取り、病害虫に悩まされた栽培ではありましたが、今ではほぼ自然農法(無農薬、無肥料、不耕起等)で行っています。

農家民泊

地域の活性化という点からも都会と農村との交流が必要だと思っていたので、農家民泊を考えるようになりました。

県の助成を受けようとしたため、またまた書類提出にはずいぶん頭を悩ませることになりましたが、何とか無事乗り越え、今に至っています。

我が家の売りは、手織り、桃等の農作業体験、自然観察、羊たち2匹、自然からいただいた恵みで作るクラフト作り等の体験です。

政権が代わり少々縮小傾向にありますが、子ども農山漁村交流プロジェクト(平成25年には全国の小学5年生が全国の農山漁村で1週間程度の長期宿泊体験活動を実施する)にも関われるように整備に励んでいます。

料理や掃除が苦手でいつも緊張していますが、普段通りを心掛けて出会いを楽しんでいます。

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