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南葵音楽文庫 -紀州徳川家ゆかりの文化遺産が和歌山に-

紀州徳川家第16代当主徳川頼貞にゆかりある西洋音楽関連資料コレクション「南葵音楽文庫」が、公益財団法人読売日本交響楽団から和歌山県に寄託されました。

南葵音楽文庫寄託契約調印式
平成28年12月2日 調印式(知事室にて)

南葵音楽文庫とは

 紀州徳川家第16代当主である徳川頼貞(1892-1954年)は、幼少の頃から音楽に興味を持ち、21歳でケンブリッジ大学に留学し、音楽を専攻。欧州の音楽文化を目の当たりにした頼貞は、帰国後、東京麻布飯倉に音楽専用ホール「南葵楽堂」(1918年落成)を建設しました。これに併設された音楽専門図書館に所蔵されていた西洋音楽関連資料コレクションが、南葵音楽文庫(なんきおんがくぶんこ)です。「南葵(なんき)」は紀州徳川を意味します。

 1923年の関東大震災により建物は大きく損傷し、図書館活動は休止に追い込まれましたが、コレクションは大きな散逸を免れて継承され、現在は公益財団法人読売日本交響楽団が所有されています。

 頼貞が莫大な私財を投じて蒐集した同文庫は楽譜(手書・印刷)、書簡、書籍に大別され、頼貞の没後に追加されたものも含めて全体で約2万点あり、頼貞が英国留学時代の師ネイラーを通じて1917年に一括購入した貴重な資料群「カミングス・コレクション」をはじめ、ベートーヴェンやベルリオーズ、リストといった大作曲家の自筆楽譜など世界に唯一無二の貴重資料が含まれます。その他の文献や楽譜も現在では手に入りにくいものばかりで、未だ全貌が明らかになっていない点も考慮すればその価値は計り知れません。

南葵音楽文庫資料
南葵音楽文庫に係る資料(左から、西洋における最初期の印刷書籍、ベルリオーズの自筆楽譜、「南葵楽堂図書部」の表札)

※南葵音楽文庫について詳しくは「南葵音楽文庫(読売日本交響楽団ホームページ)」をご参照ください。

寄託契約について

 読売日本交響楽団は、演奏事業と並ぶ楽団の公益目的事業のひとつとして、南葵音楽文庫の活用の手立てを模索されていました。和歌山県は、その情報を得たことをきっかけに、2014年夏、同楽団を訪問。数少ない紀州徳川家ゆかりの貴重な文化遺産を和歌山県が迎え入れ、保全はもちろん資料の整理や公開、さらには世界へのアピールなど活用を図らせていただきたいとして、2015年2月に寄託に向けた協議が始まり、2016年8月、合意に至りました。

 寄託契約の内容は、読売日本交響楽団が所有されている南葵音楽文庫の保管を和歌山県に移し、和歌山県の管理下で同文庫の活用を図るというものです。約2万点にのぼる資料のうち、特に貴重な資料約100点は県立博物館で保管し、特別展等で一般公開いたします。その他の資料は、県立図書館で保管し、閲覧や研究等に活用いたします。

南葵音楽文庫の今後

 和歌山県では今後、南葵音楽文庫の保全・研究並びに普及・活用事業に取り組み、紀州徳川家にゆかりある西洋音楽資料の殿堂という新たな文化拠点を和歌山県に築くことで、地域文化のブランド力向上と県民の郷土愛醸成に繋げたいと考えています。また、世界的価値のある音楽の専門書、楽譜等の公開を通して国内外の音楽研究に寄与するだけでなく、南葵音楽文庫の寄託元である読売日本交響楽団と連携し、コンサートやワークショップ等を通じて良質な音楽を県民に提供することで、和歌山県の次世代育成と音楽文化の振興を図りたいと考えています。

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