フリーゲージトレインの必要性と導入に向けた取組

フリーゲージトレインの必要性

東京から和歌山への移動時間の現状

東京から和歌山へ鉄道で移動するには、東海道新幹線に乗車し、新大阪あるいは名古屋で、在来線に乗り継ぐことが必要です。
新大阪で特急くろしおに乗り継いだ場合、東京から和歌山駅までは4時間前後、県内で最も時間のかかる新宮駅までは7時間前後かかります。
また、東京からの距離が同じくらいの他の都市と比べても、時間がかかっています。
移動時間の画像1

移動時間の画像2

東京からの所要時間(最速)と距離(営業キロ)

  • 和歌山駅 3時間44分 628.4キロメートル
  • 新宮駅(新大阪経由)6時間55分 829.1キロメートル(名古屋経由)5時間14分 574.8kキロメートル
  • 新青森駅 2時間59分 713.7キロメートル
  • 姫路駅 3時間01分 644.3キロメートル
  • 広島駅 3時間50分 894.2キロメートル

(注意)時間は、平日、東京発の場合(平成28年3月26日ダイヤ改正以降)

和歌山駅:新大阪での乗換時間含む
新宮駅(新大阪経由):新大阪での乗換時間含む

(名古屋経由):名古屋での乗換時間含む

新大阪から和歌山への移動時間の現状

新大阪から和歌山へ鉄道で移動した場合、特急くろしおに乗車すると、和歌山駅までの所要時間は約1時間、 串本駅に着くまでに3時間を超え、最も遠い新宮駅までとなると4時間を超えてしまいます。
また、和歌山県が参加している関西広域連合(外部リンク)(注1)においては、 関西のもつ優れた歴史・文化や人・モノ・情報といったポテンシャルを十分に発揮し、 アジアや他の圏域との交流を活発にして、関西を発展させるためには、広域インフラは非常に重要な社会基盤と考えており、 関西大都市圏の実現のためには「関西3時間圏の実現」が必要であるとしています。
この観点からも、新大阪から和歌山への移動時間の短縮は大きな課題です。

新大阪からの所要時間(最速)と距離(営業キロ)

  • 和歌山駅 58分 75.8キロメートル
  • 串本駅 3時間15分 231.1キロメートル
  • 新宮駅 4時間4分 272.7キロメートル

(注意)時間は、平日、新大阪発の場合(平成28年3月26日ダイヤ改正以降)

(注1) 関西広域連合(平成22年12月1日設立)

府県域を越える広域連合としては、全国初の取り組み

  • 構成団体:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、徳島県、京都市、大阪市、堺市、神戸市(2県(福井県、三重県)は連携団体)平成28年3月現在
  • 広域連合長:井戸敏三(兵庫県知事)
  • 設立の趣旨:分権型社会の実現、関西全体の広域行政を担う責任主体となること、国の出先機関の事務の受け皿づくりなど
  • 実施事務:広域防災、広域観光・文化・スポーツ振興、広域産業振興、広域医療、広域環境保全、資格試験・免許等、広域職員研修の7分野の事業

和歌山県内の路線における現状と課題について(JR阪和線・紀勢本線)

現状と課題の画像

このように、東京からも大阪からも鉄道による移動にはかなり時間を要しています。
和歌山県には県内を南北に結ぶ幹線として紀勢本線があるのですが、この紀勢本線は海岸線に沿って走る路線であるため、曲線が連続していることが速度制約の要因となっています。また紀伊田辺から新宮間は単線のため時間待ちなどがあり、時間がかかります。
さらに、紀勢本線が通っている沿岸部には、津波浸水区間も多く存在し、鉄道利用者の災害時における安全面も課題となっています。

和歌山県と新幹線の計画

こういった課題を一気に解決するためには新大阪駅から新宮駅までの新幹線の整備が最も望まれます。
新幹線の整備は、高速輸送体系の形成が国土の総合的かつ普遍的開発に果たす役割の重要性にかんがみ、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もって国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資することを目的とする全国新幹線鉄道整備法に基づき、国の方針により、計画的に整備されています。
しかし、新幹線計画と和歌山県の現在の状況は以下の図のとおりです。

新幹線計画の画像

  1. このように、和歌山県内を通り新宮市に至る新幹線の計画がないことから新幹線の整備は非常に難しいのが現実です。
  2. そのため、他の手段により、移動時間の短縮と利便性の向上を図らなければなりません
  3. 和歌山県へのフリーゲージトレインの導入実現が不可欠です。

和歌山県へのフリーゲージトレインの導入に向けて

本県への導入により期待される効果

  • フリーゲージトレインは新幹線から直接、在来線への乗り入れが可能なことから、新大阪などで乗客は乗り換える必要がなくなり、時間短縮はもちろん、心理的な負担も軽減されます。
  • 導入に併せてカーブを緩やかにするなどの改良や短絡線の建設を行うことにより、新大阪からの移動時間が短縮され、「関西3時間圏域の実現」につながります。
  • また、津波浸水地域に位置する路線は高台への線形改良により、大規模災害発生時における鉄道利用者の安全性が向上します。
  • 鉄道が高速化することにより輸送量や観光客の増加等によって 地域の活性化が期待できます。

東京和歌山間乗り換えなし説明画像

県によるフリーゲージトレイン導入に向けた取組

このため、和歌山県では、フリーゲージトレインの早期の紀勢本線等への導入に向けた取組として、平成12年度から、政府への提案・要望を継続して行ってきています。

  • 「紀勢本線等へのフリーゲージトレインの導入実現に向けて取り組むこと」
  • 「地元・事業者の負担軽減のための必要な支援措置を講ずること」

    フリーゲージトレインの導入が和歌山県にとって不可欠であることから、今後も広域における高速交通インフラの実現に向けた取組とともに、広報活動、要望活動を行っていきます。

    「最近の活動」

    • 平成27年度の政府提案・要望活動
      国土交通省本省:平成27年6月実施 近畿地方整備局:平成27年7月実施
    • 平成26年度の政府提案・要望活動
      国土交通省本省:平成26年6月実施 近畿地方整備局:平成26年7月実施
    • 「鉄道の将来」-New generation of Railway-への参加
      徳島におけるシンポジウム:平成26年6月
    • 関空・紀淡・四国高速交通インフラ期成協議会
      大阪においてシンポジウム開催:平成26年3月
    • 関空・紀淡・四国高速交通インフラ期成協議会
      東京においてシンポジウム開催:平成25年11月
    • 平成25年度の政府提案・要望活動
      国土交通省本省:平成25年6月実施 近畿地方整備局:平成25年8月実施

    フリーゲージトレインについて

    フリーゲージトレインの開発の概要

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