○和歌山県職務発明規程

平成19年3月30日

訓令第27号

庁中一般

各地方機関

〔和歌山県職員勤務発明規程〕を次のように定める。

和歌山県職務発明規程

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 届出及び出願(第4条―第13条)

第3章 補償(第14条―第18条)

第4章 発明審査会(第19条―第24条)

第5章 雑則(第25条―第26条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この訓令は、職員が行った発明等の取扱いについて規定し、その発明者等としての権利を保証し、もって発明及び研究意欲の向上を図ることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 「職員」とは、知事部局の職員をいう。

(2) 「発明等」とは、次に掲げるものをいう。

 特許法(昭和34年法律第121号)第2条第1項に規定する発明

 実用新案法(昭和34年法律第123号)第2条第1項に規定する考案

 意匠法(昭和34年法律第125号)第2条第1項に規定する意匠の創作

 種苗法(平成10年法律第83号)第2条第2項に規定する品種の育成

 不正競争防止法(平成5年法律第47号)第2条第6項に規定する営業秘密の案出

(3) 「知的財産権」とは、次に掲げるものをいう。

 特許法に規定する特許権、実用新案法に規定する実用新案権、意匠法に規定する意匠権及び種苗法に規定する育成権者権並びに外国におけるこれらの権利に相当する権利

 特許法に規定する特許を受ける権利、実用新案法に規定する実用新案登録を受ける権利、意匠法に規定する意匠登録を受ける権利及び種苗法に規定する品種登録を受ける権利並びに外国におけるこれらの権利に相当する権利

 不正競争防止法に規定する営業秘密(技術上の秘密に限る。)を使用する権利(又はに掲げる権利の対象となるものを除く。)

(4) 「職務発明等」とは、職員が行った発明等であって、その内容が当該発明等をした職員の所属する機関の所掌する業務の範囲に属し、かつ、当該発明等をするに至った行為が当該職員の現在又は過去の職務に属する発明等をいう。

(5) 「発明者」とは、職員であって、その勤務に関連して発明等を行ったものをいう。

(6) 「本庁」とは、和歌山県行政組織規則(昭和63年和歌山県規則第19号)第3条第2項第1号に規定する本庁をいう。

(7) 「地方機関」とは、和歌山県行政組織規則第3条第2項第2号に規定する地方機関(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条に規定する公の施設を管理する機関を除く。)をいう。

(8) 「所属長」とは、発明者の所属する本庁の各課室の長及び別表左欄に掲げる機関においてそれぞれ同表右欄に掲げる職にある者をいう。

(権利の承継)

第3条 県は、職員が職務発明等を行ったときは、当該職務発明等に係る知的財産権を承継する。

第2章 届出及び出願

(発明等の届出等)

第4条 職員は、その勤務に関連して発明等を行ったときは、速やかに発明等届(別記第1号様式)次の各号に掲げる書類を添え、所属長を経由して知事に届け出なければならない。

(1) 発明等の内容を詳細に記載した書類

(2) 発明等をするに至った経過を詳細に記載した書類

(3) その他知事が必要と認める書類

2 所属長は前項の規定による届出を受理したときは、当該発明等に関する意見書を添えて知事に進達しなければならない。

(職務発明等の認定)

第5条 知事は、前条の届書を受理したときは、当該届出に係る発明等が職務発明等であるかどうかの認定をしなければならない。

(知的財産権の出願)

第6条 知事は、前条の規定により職務発明等であると認定した知的財産権(第2条第3号イに掲げるものに限る。以下この項及び次条第4項において同じ。)について、当該知的財産権の取得以外の方法により成果の普及を図る場合を除き、速やかに出願を行うものとする。

2 知事は、前項の場合において、第8条第1項ただし書の規定により発明者が既に出願を行っているときは、出願人名義変更の手続を行うものとする。

(出願審査)

第7条 知事は、前条の規定による出願(特許出願に限る。)について出願審査の請求を行うかどうかを検討し、出願審査の請求を行うことを決定したときは、速やかに当該請求を行わなければならない。

2 知事は、前条の規定により出願した発明等(第2条第2号オに掲げるものを除く。次条第1項第10条及び第16条第1項において同じ。)について知的財産権(第2条第3号アに掲げるものに限る。)の取得及び特許法第48条の3の出願審査の請求を行わないこと(以下「出願等取下げ」という。)ができる。

3 知事は、前項において出願等取下げを行うときは、その旨を発明者に通知する。

4 前項の通知を受けた発明者は、自己の費用により自ら手続を行うことを条件に出願等取下げを行う知的財産権の譲渡を求めることができる。

(発明者の出願の制限等)

第8条 発明者は、第12条第1項の通知(第5条の規定により職務発明等でないと認定されたものに限る。)を受けた後でなければ当該発明等につき出願を行ってはならない。ただし、緊急に出願を行う必要があるときは、この限りでない。

2 発明者は、前項ただし書の規定により、出願を行ったときは、直ちに当該出願に関する書類の写しを添え、個人出願届(別記第2号様式)を所属長を経由して知事に届け出なければならない。

(準用)

第9条 第3条及び第5条の規定は、前条第2項の届出があったときに準用する。

2 第6条の規定は、前項の規定により認定する場合に準用する。

(知的財産権の譲渡義務)

第10条 発明者は、知事が前条第1項において準用する第5条の規定により当該発明者の発明等について職務発明等であると認定したときは、遅滞なく譲渡書(別記第3号様式)及び譲渡証書(別記第3号様式の2)を所属長を経由して知事に提出し、当該発明等に係る知的財産権(第2条第3号ウに掲げるものを除く。次条第14条第1項第2号及び第16条第1項において同じ。)を県に譲渡しなければならない。

(第三者に対する権利譲渡の制限)

第11条 発明者は、第12条第1項の通知(第5条の規定により職務発明等でないと認定されたものに限る。)を受けた後でなければ、当該知的財産権を第三者に譲渡し、又は第三者のために当該知的財産権について仮専用実施権若しくは専用実施権を設定してはならない。

(認定及び決定の通知)

第12条 知事は、第5条(第9条の規定により準用する場合を含む。)の規定による認定の結果を速やかに所属長を経由して文書により当該認定に係る発明等をした発明者に通知しなければならない。

2 前項の通知のうち職務発明等でないと認定を受けた発明者は、当該通知を受けた発明等に係る知的財産権を所有する。

(職務発明等でない発明等)

第13条 知事は、第4条の規定による届出に係る発明等が職務発明等でないと認定した場合において、発明者から当該発明等に係る知的財産権について譲渡申出書(別記第4号様式)の提出があったときは、当該権利を県が承継するかどうかを決定するものとする。

2 第6条の規定は、前項の決定に係る発明等について準用する。

第3章 補償

(出願補償金)

第14条 県は、次の各号に掲げる場合においては、当該特許に係る発明者に対し出願補償金として権利1件について10,000円以下の補償金を、実用新案、意匠又は品種に係る発明者に対し出願補償金として権利1件について5,000円以下の補償金を支払うものとする。

(1) 第6条の出願を行ったとき。

(2) 第10条の規定により県が知的財産権を譲り受けたとき。

2 前項の規定は、分割出願、出願の変更に伴う出願及び日本国以外の国への出願については、適用しない。

(実施補償金)

第15条 県は、第3条(第9条の規定により準用する場合を含む。)及び第13条第1項の規定により取得した知的財産権の運用又は処分により収入を得たときは、当該発明者に対し、毎年1月1日から12月31日までの間の収入実績に2分の1を乗じて計算した金額を翌年4月30日までに支払うものとする。

2 前項の規定により計算した金額に100円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てるものとする。

3 知事は、前2項の規定により支払うべき実施補償金の額を決定したときは、当該発明者に通知するものとする。

(費用補償金)

第16条 県は、第3条(第9条の規定により準用する場合を含む。)及び第13条の規定により知的財産権を県が承継する発明等に係る出願について発明者が既にそれに要する経費を支出している場合に、当該発明者の申出により、当該費用の相当する額のうち知事が必要と認める額を支払うものとする。

2 知事は、前項の規定により支払うべき費用補償金の額を決定したときは、当該発明者に通知するものとする。

(共同発明者に対する補償金)

第17条 前3条の補償金は、当該補償金を受ける権利を有する発明者が2人以上あるときは、それぞれの持分に応じて支払うものとする。

2 前項の規定により計算した金額に100円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てるものとする。

(退職又は死亡したときの補償)

第18条 第14条から前条までの規定による補償金を受ける権利は、当該権利を有する発明者が退職した後も存続する。

2 前項の権利を有する発明者が死亡したときは、当該権利は相続人が承継する。

第4章 発明審査会

(発明審査会の設置)

第19条 知事は、職務発明等に関する事項を審議するため、発明審査会(以下「審査会」という。)を置くことができる。

(審査事項)

第20条 審査会は、次の各号に掲げる事項を審議する。

(1) 職務発明等の認定に関する事項

(2) 出願審査の請求を行うかどうかの決定に関する事項

(3) 補償金に関する事項

(4) 発明者の異議申立てに関する事項

(5) その他知事が必要と認める事項

(発明審査会の組織)

第21条 審査会は、会長、副会長及び委員若干人をもって組織する。

2 会長は、本庁の局長又は環境衛生研究センター、工業技術センター、農業試験場、農業試験場暖地園芸センター、果樹試験場、果樹試験場かき・もも研究所、果樹試験場うめ研究所、畜産試験場、畜産試験場養鶏研究所、林業試験場若しくは水産試験場の長をもって充てる。

(会長及び副会長の職務)

第22条 会長は、会務を総理する。

2 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。

(審査会の招集)

第23条 審査会は会長が招集する。

(副会長及び委員の任命等)

第24条 副会長及び委員は、優れた識見を有する者のうちから会長が任命する。

2 審査会の構成員は、自己又はその4親等内の親族に係る審議事項については、審査会に出席することができない。

3 発明者は、会長の許可を受けて審査会に出席し、その発明について意見を申し述べることができる。

第5章 雑則

(異議申立て)

第25条 発明者は、その発明等に係る第5条の規定による職務発明の認定に対して異議があるときは、第12条第1項の通知を受けた日から1月以内に所属長を経由して知事に対し文書をもって異議の申立てをすることができる。

2 知事は、前項の申立てを受けたときは、異議に対する決定を行い、その結果を申立人に対し、その申立ての日から2か月以内に通知しなければならない。

(秘密の保持)

第26条 発明者及び審査会の関係者は、発明等の内容その他発明者及び県の利害に関係のある事項について必要な期間中、その秘密を守らなければならない。

(施行期日)

1 この訓令は、平成19年4月1日から施行する。

(和歌山県工業技術センター勤務発明規程等の廃止)

2 次の各号に掲げる訓令は、廃止する。

(1) 和歌山県工業技術センター勤務発明規程(昭和30年和歌山県訓令第322号)

(2) 和歌山県漆器試験場勤務発明規程(平成7年和歌山県訓令第11号)

(3) 和歌山県環境衛生研究センター勤務発明規程(平成10年和歌山県訓令第29号)

(4) 和歌山県職務育成品種規程(平成12年和歌山県訓令第14号)

(5) 和歌山県農林水産総合技術センター勤務発明規程(平成15年和歌山県訓令第58号)

(経過措置)

3 この訓令による廃止前の和歌山県工業技術センター勤務発明規程、和歌山県漆器試験場勤務発明規程、和歌山県環境衛生研究センター勤務発明規程並びに和歌山県職務育成品種規程及び和歌山県農林水産総合技術センター勤務発明規程(以下「廃止和歌山県職務育成品種規程等」という。)により県が職員から譲渡を受けた特許を受ける権利、特許権、実用新案権の登録を受ける権利、実用新案権、意匠の登録を受ける権利、意匠権、品種の登録を受ける権利及び育成者権(以下「特許権等」という。)については、この訓令により取得したものとみなす。

4 廃止和歌山県職務育成品種規程等により県が取得した特許権等のうち、この訓令の施行の際現に県が特許出願し、査定が完了していないものに係る特許出願については、第14条第1号に規定する特許出願とみなす。

(平成21年3月31日訓令第29号)

この訓令は、平成21年4月1日から施行する。

(平成27年12月1日訓令第16号)

(施行期日)

1 この訓令は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行の際現に行われているこの訓令による改正前の和歌山県職員勤務発明規程第2条第2号に規定する勤務発明に係る手続については、なお従前の例による。

(令和3年6月4日訓令第18号)

この訓令は、公布の日から施行する。

別表(第2条関係)

機関

振興局の各部

各部長

和歌山県立こころの医療センター

事務局長

その他の地方機関

当該地方機関の長

画像

画像

画像

画像

画像

和歌山県職務発明規程

平成19年3月30日 訓令第27号

(令和3年6月4日施行)

体系情報
第2編 公務員/第14章 利益の保護
沿革情報
平成19年3月30日 訓令第27号
平成21年3月31日 訓令第29号
平成27年12月1日 訓令第16号
令和3年6月4日 訓令第18号