○和歌山県文化財保護条例

昭和31年9月29日

条例第40号

和歌山県文化財保護条例をここに公布する。

和歌山県文化財保護条例

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、和歌山県(以下「県」という。)の区域内に存する文化財のうち重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって県民の文化的向上に資することを目的とする。

(昭50条例33・平17条例45・一部改正)

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で県にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)

(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で県にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)

(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で県民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)

(4) 貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で県にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋りよう、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で県にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で県にとって学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)

(5) 周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの(以下「伝統的建造物群」という。)

(昭50条例33・平12条例43・平17条例45・一部改正)

(指定等)

第3条 和歌山県教育委員会(以下「委員会」という。)は、前条各号に掲げるもののうち、県にとって特に重要と認めるものを和歌山県指定文化財(以下「指定文化財」という。)として指定することができる。

2 前項の指定は、次に掲げるものについては、それぞれ当該各号に規定する者の申請に基づき、又は同意を得てするものとする。

(1) 有形文化財、有形の民俗文化財及び記念物については、所有者及び権原に基づく占有者がある場合はその占有者(以下「所有者等」という。)

(2) 無形文化財及び無形の民俗文化財については、それを保持する者(以下「保持者」という。)又はそれを保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるもの(以下「保持団体」という。)

3 委員会は、第1項の規定による指定をするに当たっては、当該無形文化財の保持者又は保持団体を認定しなければならない。

4 委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、当該無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。

(昭50条例33・一部改正)

(選定等)

第3条の2 委員会は、県の区域内に存する伝統的な技術又は技能で、文化財の保存のために欠くことのできないもの(法第147条第1項の規定により選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち、県として保存の措置を講ずる必要があるものを和歌山県選定保存技術(以下「選定保存技術」という。)として選定することができる。

2 委員会は、前項の規定による選定をするに当たっては、選定保存技術の保持者又は保存団体(選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体で代表者又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 1の選定保存技術についての前項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。

4 前2項の規定による認定には、第5条及び第6条の規定を準用する。

(昭50条例33・追加、平12条例43・平17条例45・一部改正)

第3条の3 委員会は、市町村の申出に基づき、法第143条第1項又は第2項の規定により定められた伝統的建造物群保存地区(法第144条第1項の規定により重要伝統的建造物群保存地区に選定されたものを除く。)の全部又は一部で県にとってその価値が特に高いものを、和歌山県選定伝統的建造物群保存地区(以下「選定伝統的建造物群保存地区」という。)として選定することができる。

(平12条例43・追加、平17条例45・一部改正)

(解除)

第4条 委員会は、次の各号の一に該当する場合は、指定文化財の指定を解除することができる。

(1) 指定文化財が滅失したとき。

(2) 指定文化財が著しくその価値を失ったとき。

(3) 指定文化財が県の区域外に移ったとき。

(4) 指定文化財が法第27条、第71条、第78条及び第109条の指定を受けたとき。

(5) 前各号に掲げるもののほか、委員会において適当と認める理由があるとき。

2 委員会は、無形文化財について、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由があるときは、保持者又は保持団体の認定を解除することができる。

3 無形文化財について、保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したときは、当該保持者又は保持団体の認定は、解除されたものとする。

4 委員会は、選定保存技術について、保存の措置を講ずる必要がなくなった場合その他特殊の事由があるときは、その選定を解除することができる。

5 選定保存技術について、法第147条第1項の規定による選定保存技術の選定があったときは、選定保存技術の選定は、解除されたものとする。

6 委員会は、選定伝統的建造物群保存地区について、次の各号に該当する場合は、選定を解除することができる。

(1) 選定伝統的建造物群保存地区が滅失したとき。

(2) 選定伝統的建造物群保存地区が著しくその価値を失ったとき。

7 選定伝統的建造物群保存地区について、法第144条第1項の規定による重要伝統的建造物群保存地区の選定があったときは、当該選定伝統的建造物群保存地区の選定は、解除されたものとする。

(昭50条例33・平12条例43・平17条例45・一部改正)

(指定、選定及び解除の審議)

第5条 委員会は、第3条第1項第3条の2第1項若しくは第3条の3の規定により指定文化財の指定、選定保存技術の選定若しくは選定伝統的建造物群保存地区の選定をし、又は前条第1項第2項第4項若しくは第6項の規定により、これらの指定若しくは選定の解除をしようとするときは、あらかじめ、和歌山県文化財保護審議会に諮問しなければならない。

(昭50条例33・平12条例43・一部改正)

(告示、通知及び指定書の交付等)

第6条 委員会は、第3条第1項若しくは第3項の規定による指定若しくは認定又は第3条の2第1項若しくは第3条の3の規定による選定をしたときは、その旨を告示し、所有者等、保持者及び保持団体(保持団体にあっては、その代表者。以下「保持者等」という。)又は市町村に通知するとともに、所有者等、保持者等又は市町村に指定書、認定書又は選定書を交付しなければならない。

2 委員会は、第4条第1項第2項第4項又は第6項の規定による指定、認定又は選定の解除をしたときは、その旨を告示し、所有者等、保持者等又は市町村に通知しなければならない。

3 所有者等、保持者等又は市町村は、前項の通知を受けたときは、20日以内に指定書、認定書又は選定書を委員会に返付しなければならない。

4 指定、認定及び選定又は指定、認定及び選定の解除は、第1項及び第2項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

(昭50条例33・平12条例43・一部改正)

(環境保全)

第7条 委員会は、指定文化財のうち保存のため必要と認めたものについては、所有者等の同意を得て、地域を定めて一定の行為を制限し、又は禁止することができる。

(昭50条例33・一部改正)

(管理方法の指示)

第8条 委員会は、指定文化財の所有者等に対し、指定文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。

(所有者等の管理義務及び管理責任者)

第9条 指定文化財の所有者等又は保持者は、この条例並びにこれに基づく委員会規則及び委員会の指示に従い、指定文化財を管理しなければならない。

2 指定文化財の所有者等又は保持者は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わりその指定文化財の管理の責めに任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任し、変更し、又は解任したときは、指定文化財の所有者等又は保持者は速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。

4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。

(昭50条例33・平12条例43・一部改正)

(標識等の設置)

第10条 指定記念物の所有者等は、委員会規則の定めるところにより、その管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置するものとする。

(届出事項)

第11条 指定文化財の所有者等、保持者等又は管理責任者は、次の各号の一に該当する場合は、速やかに委員会に届け出なければならない。

(1) 指定文化財について権原の移動が生じたとき。

(2) 指定文化財が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗みとられたとき。

(3) 指定文化財の保存のために他に著しい影響を及ぼすとき。

(4) 指定文化財の所在の場所が変更されたとき。

(5) 所有者等、保持者等又は管理責任者の氏名、名称又は住所を変更したとき。

(6) 指定文化財の保存の方法を変更したとき。

(7) 指定文化財を修理し又は復旧しようとするとき。

(昭50条例33・一部改正)

(現状変更等の制限)

第12条 指定文化財(無形文化財及び無形の民俗文化財を除く。)に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめ、委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については、維持の措置若しくは非常災害のために必要な応急措置を執る場合又は保存に影響を及ぼす行為についてその影響が軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、委員会規則で定める。

3 委員会は、第1項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

4 第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、委員会は、許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

(昭50条例33・全改、平12条例43・一部改正)

(経費の補助)

第13条 指定文化財の管理、修理又は復旧(以下「管理等」という。)に要する経費は、所有者等又は保持者等の負担とする。この場合において、保存、修理又は復旧のために、所有者等又は保持者等がその全額を負担するに堪えない場合その他特別の事情がある場合には、県は、所有者等又は保持者等に対し、予算の範囲内でその経費の一部を補助することができる。

2 前項後段により県が経費を補助する場合には、委員会は、その条件として管理等に関しあらかじめ所有者等又は保持者等に対し必要な事項を指示するとともに、これを指揮監督することができる。

3 委員会は、第1項ただし書により県が経費を補助した指定文化財の所有者等又は保持者等が、次の各号の一に該当する場合は、経費補助を中止し、又は既に補助した経費の全部若しくは一部を返還させることができる。

(1) この条例並びにこれに基づいて発する委員会規則及び委員会の指示に違反したとき。

(2) 経費補助の条件に違反したとき。

(3) 詐偽その他不正の方法により経費の交付を受けたとき。

(昭50条例33・平12条例43・一部改正)

第13条の2 県は、選定伝統的建造物群保存地区の保存のための当該地区内における建造物及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件の管理、修理、修景又は復旧について市町村が行う措置について、予算の範囲内でその経費の一部を補助することができる。

(平12条例43・追加)

(損失の補償)

第13条の3 第12条第1項の許可を受けることができなかったことにより、若しくはその許可に条件を付せられたことにより、又は第7条の規定による処分によって損失を受けた者に対しては、県は、その通常生ずべき損失を補償することができる。

(昭50条例33・追加、平12条例43・旧第13条の2繰下)

(公開)

第14条 委員会は、指定文化財の所有者等又は保持者等に対して、その指定文化財の公開又は出品を勧告することができる。

(昭50条例33・一部改正)

(報告)

第15条 委員会は、必要があるときは、所有者等、保持者等又は市町村に対し、指定文化財又は選定伝統的建造物群保存地区の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(昭50条例33・平12条例43・一部改正)

(委員会が処理する事務)

第16条 法第184条第1項第6号の規定により委員会が行う土地に埋蔵されている文化財(以下「埋蔵文化財」という。)、埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地(以下「周知の埋蔵文化財包蔵地」という。)及び遺跡の発見に係る事務に関し必要な事項は、委員会規則で定める。

(平12条例43・追加、平17条例45・一部改正)

(周知の埋蔵文化財包蔵地)

第17条 委員会は、埋蔵文化財を包蔵すると認められる土地について、周知の埋蔵文化財包蔵地と認めることができる。

2 前項に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地に係る事務に関し必要な事項は、委員会規則で定める。

(平12条例43・追加)

(文化財の譲与等)

第18条 法第105条第1項の規定により県にその所有権が帰属した文化財(法第107条第1項の規定により譲与した場合を除く。)について、委員会は、当該文化財の発見された土地を管轄する市町村その他委員会が適当と認めた団体に対し、その申請に基づき、当該文化財を譲与し、又は時価よりも低い対価で譲渡することができる。

(平12条例43・追加、平17条例45・一部改正)

(罰則)

第19条 指定文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。

2 第12条の規定に違反して委員会の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、指定文化財の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は委員会の現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。

3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産の管理に関して前2項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、前各項の罰金刑を科する。

(昭50条例33・一部改正、平12条例43・旧第16条繰下)

(委任)

第20条 この条例の施行について必要な事項は、委員会規則で定める。

(平12条例43・旧第17条繰下)

付 則

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過規定)

2 この条例施行の際、現に和歌山県指定文化財規則(昭和26年和歌山県教育委員会規則第7号)による指定文化財の指定を受けているものは、昭和33年3月31日までに限り、これをこの条例による指定文化財とみなす。

附 則(昭和50年12月25日条例第33号)

(施行期日)

1 この条例は、昭和51年3月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に着手している指定文化財の保存に影響を及ぼす行為については、この条例による改正後の和歌山県文化財保護条例第12条の規定は、適用しない。

3 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(平成12年3月27日条例第43号)

1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。

2 財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例(昭和39年和歌山県条例第2号)の一部を次のように改正する。

第1条中「関しては」の下に「、別に定めるもののほか」を加える。

附 則(平成17年3月25日条例第45号)

この条例は、平成17年4月1日から施行する。

和歌山県文化財保護条例

昭和31年9月29日 条例第40号

(平成17年4月1日施行)

体系情報
第12編 育/第6章
沿革情報
昭和31年9月29日 条例第40号
昭和50年12月25日 条例第33号
平成12年3月27日 条例第43号
平成17年3月25日 条例第45号