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監察査察課

                平成21年仕事始め式知事訓話

 

                                                                                      平成21年1月5日 県民文化会館

 

  皆さん明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりありがとうございました。月並みな言い方でありますけれど、私は本当にそう思っております。皆さん本当にご苦労さまでした。2008年、昨年はいろんな意味で改革の仕組みというのができた年だと思います。考えてみたら皆さんそれぞれの分野で、こういうのができたなとか、ああいう枠組みができたなとか、これが進行したな、というような思いを抱いていることができると思います。一例だけあげると長期計画ができました。それから行財政改革推進プランができました。新政策のプロセスでずっとおっていくような仕組みができました。各論的には、いろんなアクションプランができてきました。景観条例も景観計画も自然公園もみんなどんどん進んできています。公共調達はいよいよ発足しました。それから長寿プランとか医療プランとか、それぞれのいろんな計画ができてきて、これからそれを実行していくんだというような時期ではないかと思います。

 

 いい話もたくさんありました。例えば、かまぼこ、なんば焼きが日本一で天皇杯をもらいました。あるいは、紀州うめどりが日本一の鳥になりました。相変わらずモンドセレクションもいっぱい。それから元気な中小企業もいっぱい。生産も結構伸びて投資も進みました。そういう意味で県庁だけではなくて産業界の方々、県民の方々もより積極的に人生を切り開いていこうかなというような気運が出始めた、そういう年ではなかったかなと思います。

 もちろんちょっといかん、頭をかいて県民の皆さんにおわびしないといけないというようなこともありました。だけど段々そういうものが少なくなって、それでみんなが前向きに仕事をしてくれるようになったと考えています。 わたしが一番うれしいことは県庁の皆さんが発意でもっていろんな政策を考えてくれるようなったことがうれしいなあと思っています。

 最近、そういうことを県民の皆さん、あるいは県外の皆さんに紹介するのですが、それが楽しみであります。たくさんの例があるんで一つ二つ申しあげると、本当は不公平なんですけれど、例えば年末を越してくるときにこの大不況の中で資金繰りで皆困っておられた。国もなかなか早く手を打ってくれて信用保証についてものすごく迅速に枠を拡大したり、あるいは制度を変えたりしてくれました。ただ信用保証ができたとしても融資枠がいっぱいでもう使えないということになると結局は見せ金みたいな形になりますから、それに対して県の制度の方も変えましょう。これを言ってくれたのは私ではなくて、県庁の職員であります。その他、たくさんいろんな話があって、見つけると県庁仕事百景に書こう書こうと言ってちょっと原案をつくってもらって、私が直したりしているのですが、最近あまりの数の多さに少し作業が滞りがちになっているというような感じです。

 二年前に私が県庁のトップになりました。それで私も張り切っておりましたし、皆さんもどんな人がくるんだろうなあ、というふうに思っておられたと思います。それで一所懸命自分なりに仕事をしました。その結果、あいつは厳しい。確かに厳しいんであります。あるいは物事を理詰めでバシバシやるから県庁の職員が萎縮(いしゅく)するではないか、それからいろんな仕掛けをいっぱいつくって感じ悪い。そういうような話がたくさんあったと思います。いずれも極めてごもっともであります。ただ私にとって、ではそれをちょっと変える、あるいは逆の方向へ走る。そういう選択肢があったかというと、それは実はなかったわけです。なぜならば、県庁は私達県庁の職員、知事を含めてそのための県庁ではありません。県民に奉仕をするための県庁であります。県民に奉仕をするためには我々の中で、例えば誰が創意工夫をするか、そういうものを県庁の人たちのなんとなく満足感を得るために待っているということが許されないことだと思いました。今でも思っています。

 誰であろうと私であろうと県庁のそれぞれの一番若い人たちであろうと、それぞれがいいアイデアを出してそれが一番いいアイデアであったら、みんなで採用して、みんなでそれを担いで走る。それでもってはじめて県民の幸せというのが我々の目指すところになるんじゃないか、そんなふうに思いました。いろいろと批判があるのは、分かっていましたけれど、それを斟酌(しんしゃく)して手加減をするということはあえてしませんでした。その結果、不愉快だなあと思うようなことも皆さんたくさんおありになったかと思います。

 

 ただ私は一つだけ、あるいは二つだけ皆さんに自慢できる、百点満点ではないけれど自慢できるのは、一つは皆さんの言うことは一応ちゃんと聞いた。うるさい黙れ、ということはちょっと感情的になってそんなようなことを言った可能性もありますが、一応主義主張としては、全部言うことを聞いてそれを論駁(ろんばく)するということをしてきました。もう一つは外に皆さんの悪口を言ったことは、県庁の外の人それから私の元々知っている県外の人も含めて一回もありません。みんな誘導質問をしてきま す。通産省の時代、経済産業省の時代に比べると県庁の人は物足りないでしょう。とんでもない、本心からそう思っています。こんなに一所懸命やってくれてしかもみんなそれぞれ潜在性をもっている組織はまあそんなにないと私は思っています。そういう意味でどっかで悪口を言っているとすぐばれるんですけれど多分そういうのは一回も皆さんに聞こえてこなかったのではないかと思います。私は本心から表裏のない人間ですから、そういうふうに思って、みなさんに100%期待しています。その100%がぼつぼつあるいは雪崩を打って実現してきたなあ、そんなふうに思っています。県庁は学芸会ではない。県民のために365日24時間、奉仕しなければいけない。そういう組織である。とすれば、ようやくコンクールをしても素晴らしい政策が皆さんの中から続々と出てきたということを私は大変誇りにしたいと思います。

 

 2009年、この調子でどんどんいけるぞと思いましたが、天下大乱の兆しがあります。なんといっても経済不況が世界で同時に起こって、誰かに頼りながら世界経済が回るということがなさそうな初めての、私が生まれてから初めての不況ではないかと思います。例えば石油ショックの時はアラブのお金持ちとか、それから今までの重化学工業中心のような産業構造が、次にITとか、あるいは軽薄短小とか、そういう逃げ場があった。それからつい最近の、つい最近でもないのですがバブル崩壊の時の日本の不況は外国では好況で引っ張ってくれるところがアメリカだってあったし、EUもそれに近づいてきたし、それからブリックスと言われるような国が引っ張ってくれた。逃げ場があった。今度は本当に逃げ場がない、そういう不況ではないかなと思います。そういう意味ではなかなか今後の舵(かじ)取りは大変。もちろん日本経済の舵取り、世界経済の舵取りも大変ですが、和歌山の行政も大変ということになろうかと思います。また政治は若干混乱の極みかなというふうに思っております。あるいは国際情勢を考えても今までのように簡単に、日本の言うことが通るような、まあそんなに通ったこともないんですけれど、もっともっと通らなくなる、もっともっといろんなリスクが出てくる。そういう国際情勢になろうかと思います。

 その中で我々は100万人の県民を守っていかないといけない。100万人の県民を守る人は県庁をおいて他にないというふうに思います。海図なき航海に和歌山県も漕(こ)ぎ出して、そうすれば2008年にようやくできた仕組みみたいなものも、これも柔軟に考えながらしかも着実に実行していかないといけない、そういう難しい局面に我々は立っていると思います。しかし私は先ほども言いましたように県庁の底力というのを信じています。したがってみんなでがんばってぜひこの難局を切り抜けて県民の幸せを守りたいと新年に誓いを立てたいと思います。

 

 ちょっと長くなりますけれど、五つの提案をしたいと思います。

 一つは県民のために考えようということであります。先ほど言いましたように知事が言ったから何かを聞こうということだけで県民の幸せが守れるわけではありません。知事が言ったとしても、ほんまかいなと、なんでやというようなことをちゃんと皆さんが考えて、おかしいなあと思ったら、おかしいぞと言う。それでどうしたらいいのかなあということを一所懸命に考えるということが大事ではないかと思います。前例には必ずしも頼れない。海図なき航海であれば前例じゃなくて本当に考えて海図を書いていかないといけない。治にいて乱を忘れずという言葉がありますが、乱にいても治を忘れてはいけない。和歌山の将来のためにこの不況が乗り越えられたときに果たして和歌山がどこにいるか。それは今の我々の努力にかかっている。とすればどうしたら将来の和歌山を救えるかということも考えて今行政をしていかないといけないということではないかと思います。考えようということが大事です。

 

 第二は県民の中にもっと入っていこうということであります。これはいろんな仕掛けをつくりました。例えば産業界別の担当者の制度とか、あるいは振興局の強化とかそういうことをどんどんやっていま す。だけどもっともっと我々は県民が本当に今何を必要としているのかということを考えないといけないと思います。そのときのコツを私なりに考えました。これも人の受け売りでありますけれど、愛情じゃないかなというふうに思いました。対象を愛するということによって、はじめてこの人達があるいはこの状況が何を求めているのかということがわかるのじゃないか。自分に対する愛情ではなくて、対象に対する愛情ということからいろんなことが見えてくるんじゃないか。それで県民の中に出て行っていろんなことを見て、その状況をもとに考えるということをやれば鬼に金棒ではないかと思います。第二は県民の中によく入っていこうということであります。

 

 三番目は議論をし、提案をしようということであります。県民が今危機にある、世界経済が危機にあって、日本も危機にあって、県も危機にある、県民の生活が危機にあるとすれば、我々はどうしたらいいのかということを一所懸命考えないといけない。考えて自分はそれを救う義務があるとすれば、こうしたらどうでしょうか、ああしたらどうでしょうか、どんどん提案をしないとやっぱり我々の人生の意義がなくなるというふうに思います。私はそうさせていただきますが、皆さんもそうしていただいたらどうでしょうか。

 そのときに大事なことは出る杭を打っちゃいかんということであります。あいつは若いのに生意気だとか、あいつばっかりというような話は、この際この危機の中にあって捨てなきゃいけない。誰でもいいじゃないか、いいこと言ったら、おっいいわと言って協力してやろうではないかと。ちょっと体育会的でありますけれど、そういうふうにしてみんなでがんばろうということが今この危機にあって大事なことではないかと思います。議論をして提案をしよう。これが第三番目であります。

 

 第四番目は、友は裏切らないようにしようということであります。議論をし提案をするといっても最後は誰かが責任を持ってそれを決めないといけない。県庁の最高責任者は私であります。揉めたらあるいは困ったら、あるいはどうしても決断が必要だったら、私はしたいと思います。その時に、決断しておいて、これお前言ったからやなあというようなことを言ってはいかん。黙って、最後は責任をとらないといけない。今日ここに幹部の方々もいらっしゃるし、それから若い方々もいらっしゃいますが少しでも地位が上の人は部下の責任をとらないといけない。それから仲間が協力したら、その協力してもらった人に対してやっぱり礼儀を尽くして裏切ったらいかん、ということではないかと思います。友は裏切らない、というのが第四であります。

 

 第五は倒れかけたら倒れる。何を言っているのかでありますが、健康が大事であります。行革も進んでいます。県庁もどんどんどんどん人間が減っている。仕事はどんどん増えている。天下大乱の今年、ますます仕事が増えていく可能性があります。その時に気力体力が充実していれば多少は無理もできるかもしれません。だけどそれは長続きすると危ないかもしれない。そのときにいろんな兆候があると思います。例えばすごく疲れやすいとか、あるいは気力が続かないとかたくさんのことがある。あるいは風邪をひいたとか、そういうようなときに、健康であるときと同じようにがんばったら、大コケをする可能性がある。したがって倒れかけたら倒れてしまって、後はみんなに頼んで、その人がまた復活すれば今度はその人が、次に倒れかけた人の分まで一所懸命やってあげる。そういうふうに考えないといけない。県庁の職員は全員が戦力でありますから、その戦力が一人でも欠けることがないように、みんなで健康のケアをぜひしたい。倒れかけたら倒れてしまえ、これが第五番目であります。

 

 長くなりましたけれど、今年は己丑(つちのとうし)だそうであります。己というのは、これは受け売りですが、自律する心、己ですから自律する心だそうです。それから牛は寒気厳しい季節に強く耐えるというのが牛の特徴であるそうです。まさに天下大乱の時に自律する心、自らを律する厳しい気持ちを持ちながら、牛のように強く踏ん張って県民の幸せを守るということをやっていきたいと思っております。

 

 和歌山県の改革は始まっています。多分、今の世界不況の一つ前のそれに匹敵するような不況は、昔ニューディールの時、1920年代から30年代にかけての大不況だったのではないかと思います。ただ人類はだてに進歩しているわけではない。我々は発展をし蓄積も随分たくさんある。いろんな制度もどんどんできています。だから恐れることはない。ルーズベルトはあの時に、一番怖いのは恐れる気持ちであるというふうに言ったそうであります。恐れる気持ちを持たないで立ち向かえばこの難局は必ず克服できると思います。オバマさんはチェンジと言った。和歌山の改革は既に始まっている。我々はコンティニュー・トゥー・チェンジだと。改革を続けるんだと。自律する心を持って寒気厳しい中でも改革を続けながら県民を救うんだと。そうすればイエス・ウィー・キャン、きっとできる。恐れる気持ちを捨てて我々なら絶対できるという気持ちを持って2009年を乗り切ってまいりたいと思います。本日はありがとうございました。明けましておめでとうございます。

 

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