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広報室ホームページ > 連(REN) > VOL.10 > 特集:「プリミティブジャパン 〜日本人の心が宿る聖地熊野へのいざない〜」 創作落語「熊野詣」で巡る日本人の心の原郷 落語家 桂文枝 陶芸家 中上菜穂 |

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| 【創作落語『熊野詣』】 何度も熊野古道に足を運び構想を練ったという、桂文枝師匠渾身の意欲作。「今後もさらに練り上げていきたい」とのことで、将来は古典落語として、長く語り継がれていくことに大きな期待が寄せられている。過去に熊野詣を題材とした落語がなかったという点においても、大変意義深い作品。 あらすじは、江戸時代中期、お照という妻を亡くした漬物屋の平八、息子の孝介親子がその供養にと熊野詣に出かける。熊野古道を歩くうち、伝説の3本足の八咫烏に導かれて(時にはその背に乗せられて)熊野三山を巡礼し、熊野権現のご加護で癒され、元気を取り戻すという内容。 熊野九十九王子を歩き、無事に熊野詣を終えて帰ってきたことを祝う山祝いの餅についての話や、頭巾を被った比丘尼と親子のやり取りのほか、本宮では湯の峰温泉のつぼ湯の話、熊野速玉大社ではナギの葉の話、那智の滝では延命長寿の水をいただくといった話が登場する。 |
| ―昔から、伊勢へ七度、熊野へ三度てなこと申しまして、お伊勢参り同様、熊野詣でも大変盛んやったそうです。― 一花一石に息づく、自然と人々の営みの融合 「熊野古道を愛する会」からの依頼を受けたことをきっかけに、創作落語に取り組んだ文枝師匠。以来3年間、ひたすら古道を歩くことで構想を練ったという。今回は世界遺産登録後、初の熊野詣。 同行するのは、和歌山県新宮市出身、芥川賞作家・故中上健次さんの次女・中上菜穂さんだ。陶芸家として活躍する彼女もまた、父が残したたくさんの物語を受け継ぎ、この地に対する想いも厚い。熊野が取り持つ縁に導かれ、ふたりの「熊野詣」が始まった。 ―紀州に入りましたこの親子連れ。紀州路をのんびり四日ほど歩いて、田辺へとやって参ります。田辺から熊野へは、山ん中を分け入る中辺路(なかへち)というそれはそれは険しい参詣道(さんけいみち)― 霊場「熊野三山」にいたる参詣道は、出発地点に応じていくつかの経路が開かれている。ふたりは落語に語られる平八、孝介親子同様、最もポピュラーだった中辺路ルートのスタート地点に立った。このルートは比較的整備された古道だ。とはいえ鬱蒼と苔むす森に分け入るのは決して楽でない。 霊域への始まりとされる熊野九十九(くじゅうく)王子のひとつ、滝尻王子の前に佇み、そっと手を合わせる。「蟻の熊野詣」と呼ばれるほど賑わいをみせた往時の参詣者がそうしたように。そして、彼らを難行苦行に駆り立てたこの先に一体、何が待ち受けていたのか、いまを生きる自分たちの肌身で体感できますように、と。 |
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