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過疎対策特集 ふるさと和歌山で生きる。暮らす。画像 日高川町寒川地区

 厳しい社会経済情勢の中で、働く場の確保、防災、医療、福祉、教育、インフラ整備など、人口減少を防ぎ、県民の皆さんが希望と安心をもって暮らせるために県が取り組むべき課題は多岐に渡ります。
 その中で、県内で進む過疎化は深刻です。過疎地域の16市町村の人口は、昭和35年では35万9千人であったのが平成17年には26万人と約3割も減少しました。これらの地域では、医療、交通などの生活機能の維持が困難になり、第一次産業等の担い手不足など地域の活力が低下しています。
 過疎地域の活力を向上させることは、農地や森林の保全などにつながり、市街地を含めた県全体の発展の支えにもなります。
 県では平成22年度を過疎対策元年と位置づけ、和歌山が元気になるよう過疎地域の再生・活性化に向けた取組を行っています。

わかやま版“ 疎集落支援総合対策”~「過疎生活圏」という単位での取組~問い合わせ 県庁過疎対策課 電話073-441-2374

 市町村単位での取組ではなく、より住民が生活するうえで一体性が確保できる地域の単位を「過疎生活圏」と位置づけ、その地域の住民が主体となり地域の再生・活性化を図る取組です。

「過疎生活圏」とは?
 役場支所や診療所、商店など日常生活を支える機能のある基幹集落と、その機能を利用していた周りの複数の集落を一つの生活圏として考えます。例えば、昭和大合併前の旧町村や中学校区などが想定されます。(県内約200カ所) ※下イメージ図参照

どのように取り組むの?
 それぞれの「過疎生活圏」で抱える特有の課題を話し合う機会として「寄合会(よりあいかい)」という場を設けます。そこで、地域の住民が主体となり、各種団体や市町村、県も入りお互いに知恵を出し、話し合いを重ね、課題解決に向けた実効性のある取組内容を決めていきます。それぞれの過疎生活圏の取組計画に対し、1生活圏あたり3年間で上限1千万円の補助を行っていきます。

想定される課題は?
(1)地域に密着した医療・福祉
(2)生活するうえで必要な交通手段の確保
(3)生活必需品が容易に手に入る手段の確保
(4)地元の資源を活用した産業育成
(5)鳥獣被害の防止対策 などです。

 

「過疎生活圏」での取組は、9市町村12の生活圏で始まっています。(平成22年10月末現在)

過疎生活圏のイメージ図取組を行っている「過疎生活圏」

市町村名
過疎生活圏名
紀美野町 真国(まくに)生活圏
かつらぎ町 四郷(しごう)生活圏
高野町 高野(こうや)生活圏
富貴(ふき)生活圏
有田川町 四村(よむら)・粟生(あお)生活圏
八幡(やはた)生活圏
安諦(あで)生活圏
日高川町 寒川(そうがわ)生活圏
みなべ町 清川(きよかわ)生活圏
田辺市 三川(みかわ)生活圏
すさみ町 佐本(さもと)・大都河(おおつがわ)生活圏
北山村 北山(きたやま)生活圏

 

「寄合会」で地域を元気に!

 平成22年8月、県内で初めて「寄合会」が開かれた日高郡日高川町寒川地区は、15集落、人口約430人、高齢化率51%の山あいの地区です。寄合会のメンバーは20歳代から80歳代の住民18人に町・県職員が参加します。この地区の課題と寄合会の意義などについて、区長の堺 好孝さんにお話を伺いました。
「寒川地区は昔からまとまりがあると言われています。寄合会でもみんな自由で活発な意見を出してくれています。この寄合会で出てきた課題を、すべて解決できるとは思っていません。ただ、重点的な課題である鳥獣害に強い施設でのシイタケ栽培や高齢者の交流場所ともなる寒川カフェなどは必ず実現させたいです。また、地区の祭りは地域のまとまりが高められる良い機会となるので、ぜひ残していきたいです。今回の県の取組は、補助が有る無しにかかわらず、過疎地域に目を向けてくれたという点で感謝しています。寄合会では、地域共通の課題が浮き彫りになり非常に意義がありました。自分達の考えで作り上げていく、みんなで頑張っていくという気持ちができ、これが実効性のある計画策定につながっていくと思います。」


1.鳥獣害に強い施設でのシイタケ栽培 2.地域交流拠点の整備 3.伝統文化の継承



三川元気夢来(むら)プロジェクト~過疎地と市街地の住民交流~

問い合わせ 県庁商工振興課 電話073-441-2742

 県は市町村とともに今年度、過疎地と市街地の住民交流が推進できるなど、商店街のコミュニティ機能が強化できる事業に支援を開始しました。
 田辺市の三川地区は、旧大塔村の山間部に位置する人口約440人、高齢化率52%の地区です。平成22年7月、この三川地区の産品直売所兼交流サロン「三川夢来人(みかわむらびと)の舘(やかた)」が田辺市の市街地・海蔵寺通りに開設されました。朝採りの新鮮な野菜や花、山菜をはじめ、漬け物、こんにゃく、干しシイタケなど加工品も店に並びます。営業日は土~水曜日ですが、常に買い物客が絶えない状態です。商品搬入や販売はすべて三川地区の住民が交代で担当します。また、市街地の方を対象に地区住民が講師となり、わらじ作り教室なども計画されています。

 

地域の担い手として「移住者受入」を推進しています。問い合わせ 県庁過疎対策課 電話073-441-2930

 近年、県や市町村への問い合わせが増加するなど、都会を離れ田舎で暮らしたいと希望する人たちが増えてきています。県では、「農山村に元気を取り戻す」ことを目的として、田舎暮らしを希望する方の移住支援に取り組んでいます。
 その取組の一つとして、民と官が連携して移住者受入を進めていくための「田舎暮らし応援県わかやま推進会議」を平成20年10月に発足。現在82団体・事業所、28市町村が会員となり、「わかやま田舎暮らしセミナー」を毎月大阪市で開催するなど、移住希望者への情報発信と受入態勢の整備を進めています。

移住希望者と地域の橋渡し

 現在、12市町村(地域)が県と連携して移住者受入に取り組んでいます。それぞれの市町村(地域)には、移住に関してワンストップ相談を行う職員を配置するとともに、地域住民による受入協議会も発足しています。両者が連携しながら田舎暮らしに関する相談、地域案内や空き家紹介、それに移住後の支援など、移住希望者と地域の橋渡しを行っています。
 それらの取組により、平成18年度の事業開始以降、市町村や県の支援を受けて移住された方は161世帯、315名(平成22年10月末現在)にのぼり、集落の一員・担い手として多くの方が生活しています。

※受入協議会のある12市町村
紀美野町、かつらぎ町、高野町、有田川町、日高川町、田辺市、白浜町、すさみ町、新宮市、那智勝浦町、古座川町、串本町

窮屈な都会から あったか田舎暮らし

 愛知県から新宮市熊野川町嶋津地区へ2年前に移住された平野皓大さん夫妻は、二人で陶人形を制作し、ネットショップなどで販売しながら暮らしています。最近では、借り受けた古民家を改修し、ギャラリーもオープン。ギャラリーには縁起物や開運にちなんだユニークな招きネコやカエル、イヌ、干支などの陶器が展示されています。


 都会は何をするにも窮屈な感じがしたので、こちらに移り住むことにしました。すぐ目の前には北山川、少し歩けば熊野の森、とにかく自然いっぱいです。夜は真っ暗なんですが、反対にこんなに月が明るいとは思わなかったです。ただ、川の増水や土砂災害など自然の怖さがここにはあります。都会では人は冷たく感じましたが、こちらの人はすごくあったかで、みんな家族みたいです。田舎では、頑張れば収入が少なくてもなんとかなります。不安は、やはりこの地域の過疎高齢化です。数年後、この地域がどうなってしまうのか心配です。地域が有名になれば人は来てくれます。今後、熊野古道などを活用して、何か地域に貢献できるような取組がしたいです。


若い人が住むと活気が生まれます 嶋津地区の区長 野尻元幸さん

 嶋津地区では9世帯、13人が暮らし、ほとんどが80歳代です。平野さんのような若い人が住んでくれると活気が生まれ、息子みたいなのが来たという感じです。車で高齢者宅の買物を一緒にしてくれるなど気遣ってくれています。ただ、やはり田舎暮らしは大変だと思います。仕事があり目的があれば生活できますが、住居を探すのも難しいですよ。田舎特有の決まり事もあって、合わせるのも大変でしょう。また、いきなり、高齢者ばかりの集落に若い世代が入れば、孤立してしまわないか不安な気持ちになるでしょうから、住民と移住者の垣根を取り除く努力が必要ですね。


 

「地域の元気づくり」のため、賃貸や売買が可能な「空き家」を紹介してください!

問い合わせ 県庁過疎対策課 電話073-441-2930

 移住推進市町村(地域)では、集落の維持・活性化や耕作放棄地の解消など、移住者に対する大きな期待があります。しかし、それらの人たちが居住する空き家が不足しているのも事実です。
 県では、(社)和歌山県宅地建物取引業協会や市町村と連携し、年々増加傾向にある空き家を移住者受入のために活用する取組を進めています。

人が住まないと、
    家はあっという間に老朽が進みます。
人が住むことにより、集落が元気になります。

 空き家への移住希望者へは、現地見学やおためし滞在、先輩移住者の体験談を聞くなど、田舎暮らしへの段階を経て、空き家住宅を紹介します。
※地域の実情をよく理解したうえで、移住することが田舎暮らしの成功につながるため、最初から空き家住宅を紹介することはありません。

空き家の情報をいただくと・・・

訪問・調査 市町村担当者などが空き家を訪問し、賃貸・売却が可能なことを確認した後、登録されます。

安心して空き家の賃貸借・売買契約をしていただくために・・・

賃貸借・売買契約 移住を決めた方に、登録された空き家を紹介します。貸主と借主の双方が合意した後、宅地建物取引業の専門家である「田舎暮らし住宅協力員」の仲介により賃貸借あるいは売買契約を締結します。
※安心して賃貸借契約ができるよう、「定期賃貸借田舎暮らし標準契約書」を活用していただけます。これは、契約内容に田舎暮らしに対応する項目を付加した和歌山県独自のモデル契約書で、空き家の所有者だけでなく借り主も安心して契約できます。
平成22年度空き家の登録を行っている市町村(実施地域)

(1) 紀美野町(全域)  (2) かつらぎ町(天野)  
(3) 有田川町(安諦)  (4) 日高川町(全域)  
(5) 田辺市(旧龍神村、旧大塔村、旧中辺路町、旧本宮町、旧田辺市の秋津川・長野)
(6) すさみ町(全域)  (7) 新宮市(旧熊野川町)
(8) 那智勝浦町(色川)  (9) 古座川町(全域)
(10) 串本町(全域)

※空き家の水回り改修補助について
 県では、県外からの移住に際し、居住するための空き家のトイレや風呂・洗面所への改修など、一定の条件を満たした水回り工事を行った場合、その改修費の2/3(上限40万円)を補助する制度があります。この事業の対象地域は上記の10市町村(地域)となります。

詳しくは、ホームページでもご覧いただけます。
http://www.wakayama-inakagurashi.jp/jyutaku/

 

「移住者(世帯主)の年齢層」 移住者の世帯主の年齢層は、平成18年6月から平成22年10月までの合計で、10歳代が0.6パーセント、20歳代が11.8パーセント、30歳代が36パーセント、40歳代が14.3パーセント、50歳代が15.5パーセント、60歳以上が21.8パーセントとなっており、子育て世代の30歳代が最も多くなっています。

県ふるさと定住センター
〜田舎暮らしをサポート〜

東牟婁郡古座川町直見212 電話0735-78-0005

 県内への定住を考えている方や田舎暮らしに関心のある方を対象に、定住に関する相談や情報提供、農山村体験研修などを行っています。また、既に定住された方にも、農林産物の栽培技術や加工技術を身につける田舎暮らしサポート研修などを行っています。

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