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和歌山県の津波避難困難地域と津波対策について

 津波から住民の命を救い、死者をゼロとするため、「津波から『逃げ切る!』支援対策ブログラム」として、津波避難困難地域の解消のための対策を策定。

Ⅰ 津波避難困難地域

  • 津波到達時間、避難開始時間、移動速度等の一定の条件に基づき、地域単位で避難先までの経路と距離を詳細に考慮して、津波到達時間までに浸水域外の高台や津波避難ビル等に避難することが困難な地域を、津波避難困難地域として抽出。
  • 津波避難困難地域の抽出は、「東海・東南海・南海3連動地震(3連動地震)」及び「南海トラフ巨大地震(巨大地震)」の2つの地震について実施。

津波避難困難地域の抽出方法

  • 平成25年3月公表の3連動地震及び巨大地震の津波浸水想定に基づき想定。
  • 避難対象地域は、津波の想定浸水深が30cm以上の住居地域。
  • 津波到達時間は、津波の想定浸水深が1cmとなる時間。
  • 避難開始時間は地震発生より5分後とする。
  • 避難方法は徒歩とする。
  • 道路に沿って移動し、移動速度は毎分30mとする。
  • 避難場所は、市町が指定する避難先(浸水地域外の避難施設若しくは広場、または津波浸水地域内の津波避難タワー若しくは津波避難ビル等)。

(参考)津波避難困難地域の設定方法

① 3m以上の道路は30m/分で避難範囲を設定
② ①の道路がない地域は同心円(下図)により、21m/分で避難範囲を設定
1.浸水域外の避難通過点、避難場所を設定。
2.避難通過点、避難場所から21m/分の同心円を描き、津波到達時間との接点までが避難可能な範囲と設定。

→津波が居住地まで来る間に避難通過点、避難場所に達していない場合に津波避難困難地域と判断。

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Ⅱ 3連動地震

1 津波避難困難地域(3連動地震)

  4町、22地区、約85ha(浸水面積の約1.5%)、約4,000人

【津波避難困難地域(3連動)】
町名
地区数
地区名
対象面積
対象人口
すさみ町 1地区 周参見 0.2ha 10人
串本町 10地区 江田、田並、有田、高富、二色、串本、大島、伊串、津荷、田原 26.4ha 1,340人
那智勝浦町 9地区 浦神、粉白、下里、二河、築地、勝浦、天満、浜ノ宮、宇久井 52.4ha 2,351人
太地町 2地区 太地、常渡 6.1ha 317人
22地区 85.1ha 4,018人
※地区は、海岸地形、津波浸水域等を勘案した地域をひとつの地区としている。 津波避難困難地域(3連動)
※画像を押すと拡大表示されます

2 3連動地震の津波対策

 3連動地震は、約90年~150年周期と発生頻度が高いレベルの地震として想定されるため、住民の命と財産を守るため、ソフト・ハード対策を最優先で実施。

(1) 津波避難困難地域の解消対策

津波避難困難地域において、全ての住民が津波から避難できるよう、「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」を策定。概ね10年で優先的、緊急的に推進し、津波避難困難地域を解消。

【津波避難困難地域の解消のための津波対策】
対策項目
対策概要
①避難経路の詳細な設定・周知
 及び早期避難の徹底
 (4町22地区)
具体的に避難可能な避難経路を設定したうえで、津波避難訓練や教育・啓発等により、適切な避難経路による早期避難を住民に周知・徹底することにより、津波到達までに避難を完了させる。
②津波避難ビルの指定
 (3町6地区)
新たな津波避難ビルの指定により、津波到達までに、避難を完了させる。
③避難路・避難階段の整備
 (3町6地区)
避難路・避難階段を整備することにより、津波到達までに、避難を完了させる。
④津波避難施設の整備
 (3町9地区)
津波避難タワー等を整備し、緊急の避難場所を確保することにより、津波到達までに、避難を完了させる。
⑤堤防・護岸の整備
 (3町6地区)
堤防・護岸の嵩上げや耐震化等により津波第1波の浸水抑制を行うことで、避難時間を確保し、津波到達までに避難を完了させる。
⑥その他
 (1町2地区)
JR陸橋の耐震化や県営住宅への外階段設置により、津波到達までに、避難を完了させる。

団体 地区 避難困難地域人口
(人)
避難困難地域面積
(ha)
対策メニュー
避難経路設定① 避難ビル指定② 避難路等整備③ 避難施設整備④ 堤防・護岸整備⑤ その他⑥
すさみ町 周参見 10 0.2
串本町 江田 4 0.1
田並 78 2.2
有田 47 1.1
高富 14 0.1
二色 8 0.1
串本 843 15.6
大島 132 1.8
伊串 11 0.1
津荷 27 0.6
田原 176 4.7
那智勝浦町 浦神 163 2.5
粉白 48 1.7
下里 737 22.4
二河 91 3.0
築地 306 5.7
勝浦 110 0.9
天満 565 11.1 (JR陸橋耐震化)
浜ノ宮 33 1.1
宇久井 298 4.0 (県営住宅外階段設置)
太地町 太地 310 5.6
常渡 7 0.5
  4,018 85.1 22 6 6 9 6 2
※面積は、地区単位の端数処理により、合計に一致させている。

ア 避難経路の詳細な設定・周知及び早期避難の徹底

 具体的に避難可能な避難経路を設定した上で、津波避難訓練等により住民に周知・徹底し、適切な避難経路による早期避難により、津波到達までに避難を完了させる。

【避難経路設定のイメージ】


【避難経路設定の例】(※画像を押すと拡大表示されます)
避難経路設定の例
1cm津波到達の分布を踏まえ、浸水域外等へ逃げ切るための避難経路を検討した。
 →S1、S2は適切な避難経路による早期避難により避難可能。
 →S3は津波避難施設の整備により避難可能となる。

イ 町による対策
 アの対策では津波避難困難地域の解消が困難な地域について、町において津波避難ビル指定、避難路や津波避難タワーなどの津波避難施設の整備等、地域の状況に応じた対策を推進。

ウ 堤防等の整備
 ア及びイの対策では津波避難困難地域の解消が困難な地域に対しては、県において津波の第1波を防ぎ、避難時間を確保するための堤防等を整備。

【堤防整備の対象地区】(3町6地区)
団体 地区 津波の状況 施設の状況 整備内容
串本町 串本 第1波ピーク3.9m、第1波ピーク到達時間16分
最大波8.5m 確保時間 32分
堤防高3.3m~3.9m
漁港外郭3.0m~5.7m
海岸堤防嵩上、耐震化
漁港外郭嵩上、耐震化
那智
勝浦町
築地 第1波ピーク5.5m、第1波ピーク到達時間13分
最大波も同じ
岸壁高2.0m 防波堤等整備
※整備は、町と協議して決定する
下里 第1波ピーク6.3m、第1波ピーク到達時間8分
最大波9.1m 確保時間 20分
堤防高4.5m~5.3m 海岸堤防嵩上、耐震化
河川堤防嵩上、耐震化
天満 第1波ピーク6.2m、第1波ピーク到達時間8分
最大波7.6m 確保時間 26分
堤防高3.4m~6.0m 海岸堤防嵩上、耐震化
河川堤防嵩上
宇久井 第1波ピーク4.9m、第1波ピーク到達時間12分
最大波も同じ
堤防高6.5m (北側)
海岸堤防耐震化
太地町 太地 第1波ピーク4.3m、第1波ピーク到達時間8分
最大波も同じ
堤防高5.5m~5.9m
漁港外郭6.7m
海岸堤防耐震化
漁港外郭耐震化

【第1波対策の堤防整備イメージ】

(2) 津波避難困難地域以外の津波対策

経済被害を抑え、早期の復旧・復興につなげるための津波対策について、10年を目途に推進。
市町…津波避難ビルの指定や避難路・避難施設の整備
  公共施設等(庁舎、消防本部、幼稚園、学校、福祉施設、病院等)の高台移転
県…港湾、漁港の堤防等の整備
  港湾・漁港の既存施設の嵩上げ、拡幅等による強化を優先的に進め、地域の経済被害を低減。

【堤防整備の対象市町】(15市町[6港湾、10漁港])
市町 施設名 市町 施設名
和歌山市、海南市 和歌山下津港 印南町 印南漁港
和歌山市 和歌浦漁港 みなべ町 堺漁港
有田市 箕島漁港 田辺市 田辺漁港
湯浅町、広川町 湯浅広港 文里港
由良町 由良港 すさみ町 周参見漁港
日高町 阿尾漁港 串本町 有田漁港
御坊市、美浜町 日高港 串本漁港
御坊市 塩屋漁港 新宮市 新宮港

【堤防の強化整備イメージ】

【県・市町の3連動地震の津波対策に要する事業費(概算)】
 3連動地震の津波対策に要する経費は、市町による避難路・津波避難施設整備又は公共施設等の移転整備や、県による堤防整備を行うため、概算で約680億円程度必要。

3連動地震の津波対策の事業費(概算)
  津波避難困難地域
の解消対策
津波避難困難地域以外
の津波対策
市町の対策 23億円 200億円 223億円
県の堤防等整備 100億円 360億円 460億円
123億円 560億円 683億円
主なハード整備 避難路、津波避難タワー等
津波避難施設、堤防整備
左記に加えて、庁舎移転、
消防・病院施設等移転
 

 ※市町の対策は把握した範囲での施設整備等の概算額で、用地費等の関連費用は含んでいない。
 ※県の堤防等整備には、県が実施する事業の事業費のみを計上した。

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Ⅲ 巨大地震

1 津波避難困難地域(巨大地震)

  12市町、61地区、約682ha(浸水面積の約5.5%)、約22,700人

【津波避難困難地域(巨大地震)】
市町 地区数 主な地区 対象面積 対象人口
美浜町 1地区 吉原・田井・浜ノ瀬 20.8ha 932人
御坊市 1地区 薗・名屋 35.5ha 1,209人
印南町 2地区 印南、島田 4.9ha 133人
みなべ町 1地区 山内・気佐藤・南道 24.7ha 548人
田辺市 5地区 芳養、江川、上屋敷等 13.7ha 801人
白浜町 11地区 中、栄、富田、日置等 83.2ha 1,800人
すさみ町 6地区 周参見、江住、見老津等 44.3ha 1,182人
串本町 18地区 串本、西向、田原、田並等 185ha 5,915人
古座川町 1地区 高池 1.6ha 33人
那智勝浦町 10地区 下里、天満、築地等 221.4ha 8,047人
太地町 3地区 太地、常渡、森浦 30.2ha 1,320人
新宮市 2地区 三輪崎、熊野地等 16.5ha 785人
61地区   681.8ha 22,705人

※地区は、海岸地形、津波浸水域等を勘案した地域をひとつの地区としている。

津波避難困難地域(巨大地震)
※画像を押すと拡大表示されます

 

2 巨大地震の津波対策

 巨大地震は、実際に発生したことを示す記録が見つかっておらず、発生頻度は極めて低いものの、仮に発生すれば甚大な被害を及ぼすものであり、津波から「何としても逃げ切る」ための対策を実施する。

(1) 津波避難困難地域の対策方針

  • まず3連動地震の津波対策を実施する。
    その対策だけでは津波避難困難地域の解消が困難な地域について、高台移転や複合避難ビル等構造物の整備などの地域改造も含めて市町において住民と相談して検討を行う。
  • その際、南海トラフ地震の発生メカニズム等の調査研究の進捗状況も見極めながら、必要な投資を適切に行うよう検討を進める。

(2) 津波対策

 紀南地域では、津波の到達時間が早く、3連動地震の津波対策(堤防整備等)を行うことにより、巨大地震の津波避難困難地域は一部減少するが、津波避難困難地域すべてを解消することは困難である。このため、地域改造を含めた以下の対策案について、関係市町と協議して今後策定していく。
 特に、津波避難困難地域の解消には、①の地域改造の検討を進めることが必要。また、②~⑤の対策についても津波避難困難地域の解消に有効であるため、引き続き対策を進めていく。
 なお、津波避難困難地域の抽出は、地震発生時から5分後に移動を開始することとしているが、津波到達時間が早い地域にあっては、より一層の早期避難を徹底する必要がある。

① 高台移転や複合避難ビル等構造物の整備等による地域改造
  • 津波避難困難地域を解消し、全員の命を救うためには、市町において地域住民と十分相談を行い、高台移転や複合避難ビル等構造物の整備等による地域改造を検討していくことが必要。
  • 複合避難ビル等構造物の整備は、津波避難困難地域の解消対策に有効であるため、津波の到達時間が早いなど、特に条件が厳しい串本町、那智勝浦町、太地町等について、高層の県営住宅・市町営住宅等の整備を検討。
② 避難経路の詳細な設定・周知及び早期避難の徹底
③ 津波避難ビルの指定
④ 避難路・避難階段の整備
⑤ 津波避難施設の整備


【高台移転や複合避難ビル等構造物の整備等による地域改造のイメージ】

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Ⅳ 基本的な津波対策

 津波避難困難地域の抽出は、地震発生時から5分で全員が避難を開始することとしており、この前提が成立してはじめて上記Ⅱ及びⅢの津波対策が効果を発揮。
 すべての県民の命を守ることにつながる基本的な地震津波対策として、以下の取組を推進。

1 早期避難の徹底

 津波対策は、「すぐに逃げること」が基本であり、すべての県民の命を守るために津波浸水地域及びその周辺の住民の方全員が早期避難を徹底することが重要。

(1) 住民一人一人の避難対策の実施

 津波避難困難地域の抽出を通じて、津波浸水地域の住民一人一人のどの避難経路を通ってどこに避難できるかが確認できたところであり、抽出過程データを、市町を通じて、自主防災組織での取組や住民の津波避難訓練等に活用。

(2) 津波避難訓練への取組

 津波から命を守るためには、「津波から逃げること」が最も重要であり、住民が積極的に津波避難訓練に参加できるよう、継続性・発展性を持った訓練等の取組を推進。

2 条例を活用した避難路の確保

 地震により倒壊した建築物等が避難を妨げず、安全かつ確実に津波からの避難が可能となるよう、「津波からの円滑な避難に係る避難路沿いの建築物等の制限に関する条例(平成24年和歌山県条例第45号)」(津波避難路条例)に基づく特定避難路の指定を促進。

3 耐震化、家具固定の促進

 3連動地震では震度5強~震度7の、巨大地震では震度6弱~震度7の地震が発生し、 家屋倒壊や火災による被害が生じるため、住宅の耐震診断・改修支援、大規模建築物の 耐震化及び家具固定の促進の取組等を一層推進。

【主な事業】
  • 住宅の耐震改修支援の充実・・・・耐震改修の対象に非木造住宅を追加。
  • 大規模建築物の耐震化促進
    ・・・・宿泊施設や病院など大規模建築物の耐震診断や補強設計、耐震改修を支援。
  • 防災教育の徹底による地域防災の担い手育成
    ・・・・釜石の教訓を取り入れた防災教育や高校生防災スクールを実施。
  • 家庭における家具等の転倒防止対策を重点的に促進
    ・・・・出張!減災教室での家具固定の実演や、家具固定施行事業者の紹介により、家具固定を支援。

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【参考】被害想定

 国においては、平成24年8月及び平成25年3月に被害想定の公表が行われたが、今回、 国の被害想定の手法を用いるとともに、本県で行った津波浸水想定(平成25年3月公表) の結果を反映させ、3連動地震及び巨大地震の被害想定を実施。

1 被害想定の目的

  • 地震動と津波を推計して被害想定を行い、県・市町村の地域防災計画や防災減災対策の基礎資料とする。ライフライン関係企業、公共交通機関並びに病院、福祉施設及び工場などの民間施設等、様々な機関の防災減災対策の基礎資料としても活用。
  • 被害規模を明らかにすることで、県民の防災対策への理解を深め、自助・共助の取組を促進。
  • 被害想定を踏まえ、防災減災対策を講じることにより、被害を最小限にするとともにすべての住民の命を守り、死者ゼロを目指す対策を進める。

2 被害想定の概要

  • 市町村の地震・津波対策に活用できるよう、人的・物的被害を市町村単位で想定。
  • 季節・時間・風速等、複数のパターンで被害想定を実施。
  • 巨大地震の人的被害(死者数)は、より詳細な地形データを活用して県が実施した津波浸水想定の浸水域が国の想定より大きいため、死者数が増加。
    (cf.平成24年8月内閣府公表:本県の人的被害(死者数)の最大値約8万人)

(1) 3連動地震

  • 3連動地震に対する地震・津波対策について最優先で取り組む必要があるため、国では被害想定が行われていないが、本県において独自に実施。
  • 人的被害(死者数)の最大のケース()では、全体で19,200人、うち建物倒壊等で1,500人(全体の8%)、津波で17,700人(全体の92%)。
    ※最大のケース:冬の18時、風速8m/s、避難開始は発災10分後で35%等。(2)のケースも同じ。

(2) 巨大地震

  • 国が公表した被害想定をもとに、国の津波浸水想定をより詳細な地形データを用いて見直しを行う等、国の詳細版として、市町村単位での被害想定を実施。
  • 人的被害(死者数)の最大のケース()では、全体で90,400人、うち建物倒壊等で4,700人(全体の5%)、津波で85,700人(全体の95%)。

3 主な想定結果

主な想定項目 3連動地震 巨大地震
震度分布 震度5強~震度7 震度6弱~震度7
建物被害 全壊棟数 約5万9千棟 約15万9千棟
人的被害 死者数 約1万9千人 約9万人
ライフライン
被害
上水道 約88万人 約97万人
電力 約18万軒 約50万軒
通信 約8万回線 約24万回線
都市ガス 約2万戸
約1万6千戸
交通施設被害 道路 約1,500箇所 約2,100箇所
鉄道 約600箇所 約800箇所
港湾 約100箇所 約300箇所
生活への影響 避難者 約28万人 約44万人
物資 約200万食 約310万食
医療機能 約6千病床が不足 約2万病床が不足
災害廃棄物等 約800万トン 約2,200万トン

※巨大地震においては、本県の被害が最大となる「地震:陸側ケース、津波:内閣府ケース③」を採用。
※季節・時間・風速等、複数のパターンで想定したうち、被害が最大となる数値を記載。

 

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