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知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します。

平成20年11月25日 知事記者会見

平成20年11月25日 知事室

新公共調達制度の一部改正について

 本日は、発表項目が2つと話題事項が1つでございます。

 まず、新公共調達制度の一部改正ですが、資料にあるような形に、早急に制度を手直ししようと思っております。和歌山県の新公共調達制度は、結構長く議論をしまして、制度的にはバランスのとれた形でできていると思っておりますが、昨今何が起こっているかというと、一部どうしても工事が欲しいという方が採算を度外視して入札に参加しようとする。はっきり言うとダンピングなのです。そういうふうになると、ちゃんと採算を合わして公正な競争をしようとしている人もあおりを食って困ると。工事を取った方の人も、取ったのはいいけれども、その結果、採算が合わなくなっているわけですから、長期的に見ると衰退したり倒れたりするということになると、これは産業界にとっては大変な問題になるので、ダンピングについては、自分たちのことですから皆さんでよく考えて、是非そういうことをしないように、そういう雰囲気をつくってくれませんかと、この間も業界の方を呼んでお話をしたところ、それはまあ分かるけれども、制度的にちょっとそれを後押ししてほしいという意見がありました。

 私は、知事選の時から建設業界に石をぶつけたりしたらいけませんよと、汚職が起こったのは建設工事発注に関してではありますが、重要な産業である建設業界にみんな石をぶつけているような感じが当時あったので、とんでもないことですよと、石をぶつけちゃいけませんと言って、果たしてそれが選挙運動になったかどうか分かりませんが、ずっとそういうことを言い続けてきました。そういうつもりで公共調達制度も作りましたが、全体としてはよくできたと思っていますが、ダンピング防止にもう少し力を入れてやってみようと思ったわけです。

 まず、最低制限価格の適用範囲の拡大をやりたいと思っております。現在、最低制限価格というのがあります。入札の時は、予定価格というのが公表されていて、調査基準価格と最低制限価格とがあります。調査基準価格というのは5千万円以上、最低制限価格というのが、同じ構造ですけれども、5千万円未満ということになるわけです。どこが違うかというと、調査基準価格の方は、「これはちょっと怪しい、こんな安く出来るわけない」と、もう一回調べ直すのです。ですから入札の情報を必ずしも信用しないということになるわけで、調べて、「なるほどそんなに安く出来るのか」ということであれば、その人を失格させない。一方、最低制限価格の方は、調査にすごく時間がかかるものですから、ものすごく来られたら対応不能になるわけです。したがって、便宜的に、それ以下の価格で持ってきた人は失格としているわけです。現在、5千万円なのですが、これを1億円まで上げようかと考えております。資料を見ていただきますと、平成19年は、まだ旧制度です。平成20年6月から新制度になったわけです。数字は平成20年6月から9月までの契約分についてまとめたので、左の契約件数は随分違うのですが、カットをしているのは3%しかありませんから、年度を通して見るとそんなに違わないはずです。これがどうなっているかというと、「低入札件数の比率」のところで、5千万円未満は低入札調査及び最低制限価格を下回った件数は、5千万円未満は7件であったのが、284件になっている。これは、平成19年は最低制限価格を公表していたので、最低制限価格にみんな収束して、同価格になってくじ引きをしてと。これは絶対に赤字応札みたいなものが横行するから、止めた方がいいということで止めたわけです。この7件というのは、はっきり言うと、おそらくミスです。間違って出しちゃったというくらいの感じで、284件の方は、分からないで出したら下回った。したがって便宜的にこの人たちは失格になったということです。5千万円以上1億円未満のところで、去年は20件の件数があって、調べたら1件は黒ということで、失格にしてもらった。この辺は、実は調べていたのです。一挙に失格ではなく、調べた。同じように平成20年もやっているのですが、15件来て、一生懸命調べて、5件失格にしたということなのです。調べるということはものすごく大変で、したがって、ダンピングをするなよという意味でも、調べるという手間で我々がパンクしないということでも、1億円未満まで最低制限価格を上げようと考えたわけです。今までは、低入札価格できても、調べた結果、白であると見れば失格にされなかったのですが、今後は失格になりますよと。ですから、あまり低入札に狂奔するというようなことは止めてくださいというメッセージと、もう一つは、1億円以上の残されたものについては、低入札制度すなわち調査基準価格のまま残すのですが、そこに我々の資源を重点投入して、徹底的にダンピングしていないかどうか調べるということにしたい。調査員とか捜査当局ではないので、調べるにはものすごく手間がかかる。したがって、早く工事をするという意味では、この辺を全部調べていられないから、下の方の金額のものは最低制限価格の形にして、金額の多い方を徹底的に調べるというふうにしたいというのが見直しです。

 その次は、低入札調査の厳格化ということで、残された1億円以上の工事については徹底的に調べる。従来どうであったかというようなことも含めて調べようと思っています。

 三番目は大規模工事の予定価格の事後公表ですが、先ほど言いましたように最低制限価格というのは今、事後公表です。なぜならば、ダンピングでも何でもいいから、とにかく工事が欲しいから最低制限価格のところにみんなが収束して、抽選をやっているというこの制度というのは、あまりにも業者にとっては気の毒だし、建設業界の発展などを考えると決してよいことではない。したがって、これは隠してるわけですね。それで事後公表をするということになるのです。予定価格は発表しています。我々としては、予定価格は、このくらい以下で皆さん競争して下さいと、国土交通省などの指標を参考にして、非常に客観的に出しているのですが、それは事前に公表しているわけです。ところが知恵が回る人がいて、事前に予定価格を公表すると、だいたい最低制限価格とか調査基準価格とかの水準が分かるというのです。そんなことを勉強するよりは、もっと自分の採算の方をやってもらいたいと私は思います。この予定価格の方も非公表にしてほしいという話が出てきました。これについては、論理的には非公表にして何ら問題はないと思うので、非公表にすることにしました。実は県庁内部には反対がありました。なぜならば、予定価格を聞きに来る人がいる可能性がある。担当者は何らかの形で不正に聞きだそうとするターゲットにされると。それはかなわないので、公表をしてしまった方がよいと。こういう考え方があるわけです。私は、それはちょっと本末転倒だと思います。もちろんリスクはあるわけですが、県庁職員の安全を守るために、業界のビヘイビア(行為)に悪い影響を与えることを置いておくというのは、あまり好ましくないから、したがって非公表にしようと。県庁職員については、倫理規程もちゃんと作ったし、監察査察制度もあるし、いろいろな投書制度もかなり充実していますから、もし疑念の点があれば、割合簡単に発見できるような制度になっている。何よりも、県庁の職員自身がそんな怪しげな心情を持つような人たちではないのです。みんな志気は高いのです。したがって、そういうところは信用していいから、制度としては非公表にしようということにしました。業界の幹部からは、全部非公表にしてくれという議論があったのですが、それは後で撤回をされまして、小さいところの企業については残してくれと言うのです。やはり、まだ積算能力とかが弱いから、自分の工事の目安として、だいたいこのくらいということが分かった方が、とりあえずいいということなので。多くの人たちの意見を聴いて、小さいところについては残すことにして、大きいところの工事については非公表にするということにいたしました。基本的には、積算能力がちゃんとついてきたら全部非公表にしてもいいというくらいの気持ちですが、とりあえず予定価格1億円以上の工事については非公表にするということにしました。

 次に民間工事実績の認定があります。これについてはダンピングの話とは関係がないのですが、一般競争入札をするにあたって入学試験をし、格付けを行いました。そのときに、県の工事あるいは国の工事などをやったことのある者については、加点をするとか資格を与えるとか、そういうことをやっているわけです。ところが、民間で同じような同等の工事をしている者については、必ずしもそのときに合格とはされないということになっているわけです。その結果、県内の業者で民間の工事はちゃんとやっているのに、より小さい県の工事などで、あなたは有資格者ではありませんと言われて、やむを得ず、例えば大阪の事業者とジョイントベンチャーをしなければいけないとなっている人もいるのです。それは不合理だから、民間の工事については認定制度を設けようと。民間の工事といっても、例えば大きな工事を取ろうとする人が、私の家の台所をちょっと直しましたというだけだと、能力があるかどうか分かりません。したがって、同等の能力があるかどうか、ちゃんと審査をする機関を設けて、審査をして合否を決めて、民間事業だけでがんばっている人も救ってあげようとすることにいたしました。なお、建設工事に係る委託業務については、すでにそうなっているのです。そういう意味では、ハード事業の方にそれを入れ忘れたなと思っていて、それを今回入れることにしました。

 建設工事に係る委託業務については、2つ改正をします。1つは最低制限価格の適用範囲の拡大ということで、3千万円以上にすることにしました。これについても、基本的にはお互いにダンピングで叩き合いをしてはいけませんよ、冷静にやりましょうというメッセージ、自動失格にするから皆さん冷静にやってくださいということであります。

 それから、工事と同じように大規模委託業務の予定価格の事後公表もするということで、当面、予定価格3千万円以上の委託業務については、予定価格を事前公表から事後公表にするということにしたいと思います。

 以上、この改定を決めまして、早急に手続きを取って12月中旬から実施したい。今日をもって告知期間の開始です。PRを大いにやって、今年度、まだ工事はだいぶん残っていますから、12月中旬から実施をする。談合をしないというのは独禁法の精神からは当たり前で、ましてや官製談合というのは別の法律に触れるぐらいで、当たり前です。ですが、談合しないだけがいい制度ではないので、同時に建設工事の質の確保や業界の健全な発展なども狙って制度を作っていかないといけないわけです。特に今回は、後者2つの目的です。ダンピングで応札されて落札したら、ひょっとしたら手抜き工事をされてしまう可能性があるということになるし、仕事は取ったけれども倒産しましたということでは困りますから、そういうようなことに少し力点をおいて制度の改正をしたと。もちろん他県で行われているように、時代を巻き戻して、もとの制度にするとかでは決してないのです。そのようなことをしたいと思っております。これをもって、後は業界の努力により、企業力も磨いてもらわないといけないけれども、それを前提として適正な競争をする、ダンピングはしない、みんなで努力してくれということであります。

市町村への分権に関する計画(仮称)策定に向けた取組状況

 市町村の分権に関する計画ですが、平成12年4月1日施行の地方分権推進一括法という法律ができて、県の条例によって市町村へ事務の移譲が可能になりました。その後、いろいろな県で動きがあって、実は和歌山県は他県に比べると動きが弱いということです。和歌山県はなかなか進んでいない方から数えて5番目である。14法律の移譲をしました。一方、静岡県などは86法律やりました。やはり地方分権と言っているわけですから、できるだけ住民に近いところでサービスできるものはサービスしたらいいという世の中の流れからすると、ちょっとどうかなという議論があるわけです。この地方分権の流れというのは、ずっと続いています。資料1ページの「国の状況」というところに書いてありますが、地方分権改革推進委員会の方では、県から市町村に移譲すべき事務が、最大64法律359事務と提案していて、どうも来年秋ぐらいには新分権一括法を国会に提出する運びになるのではないかと。そうすると、自分で決めるというよりも、国に移譲しなさいと決められて、じゃあやりましょうということになる。ならば、自分で何を移譲したらいいかということを、もうちょっと積極的に考えた方がいいと思っております。したがって、現在、市町村課が中心になりまして各市町村と話し合いを開始いたしました。その結果、だいたい今年度いっぱいで、この分権の考え方を議論して計画を作ろうではないかと。それで条例改正をして、国にとやかく言われる前に自分たちでやってしまおうじゃないかと、こういう考え方でおります。

 基本的には、いろいろなサービスはそれがふさわしい場合、住民に近いところでサービスされた方がいいわけです。市町村というのも基本的には住民にサービスをするということを喜びとする役所でありますから、したがって分権をしてもらうというのは喜んでいただけるのではないかと思うわけです。県の方は権限を手放さないなんて言ってはいけないので、移譲した方がいいものはどんどん移譲したらいいと私も思います。

 どんなものを移譲したらいいかというのは2つあると思っています。1つは県が統一的にやった方が論理的だし、その必然性があるというようなものは県に残した方がいいと思うのです。それに加えてもう1つは、やはり現実性というのもあります。県にまとめてやってもらった方が効率的にできるという場合もあるかもしれません。その2つの基準で、よく考えてやったらいいのではないかと思います。統一的にやる必要もないこと、これはそれぞれの市町村でやったらいい、現実を考えてもそれで非効率になるわけではないというのなら、どんどん移せばいいと私は考えています。ともすると、市町村の役人、県の役人、国の役人、みんなそうなのですが、官僚の方は受ける方の立場で考えるのです。自分の立場で考える。そうすると「こんな仕事またやらされるのか、面倒くさい」と思ってしまうわけです。この逆に、県や国は「こんな仕事面倒くさいから移しちゃれ」と考えるわけです。これは両方とも間違いです。面倒くさいから住民サービスをしないというのは、何のためにあなたは市町村にいるのか、役場にいるのかと言う気になる。かといって、これに便乗して、うるさいからとか行革でお金がないからとか、それで権限をあげちまえというようなことを考えるのも、また間違い。素直に淡々と考えればいい。みんな住民の方から、住民サービスはどっちがいいかということを考えて、これから精力的に議論をしていくということではないかと思います。

道路財源の確保を求める緊急要望を実施します。

 これから11月末にかけて、もう一度改めて道路財源の確保を求める緊急要望を実施します。私はポイントは幾つかあり、1つは、現在、道路財源の一般財源化ということが行われて、地方に1兆円配りますと、これは自由にしてよろしいと、こういう議論があります。それはそれでよろしいのですが、一方、道路に回すお金はちゃんと確保していただけるのでしょうねというのもあります。それは2つあって、1つは、例えば臨交金のように国が地方に助けてくれるお金をちゃんと確保しておいてもらわないと、配ってやったから、もう終わりと言われたら、実はあまり意味がない。特に和歌山県のように遅れたところは辛いというのがあります。したがって、財源をちゃんと確保しながら、一般財源でさらにいただけるなら下さいと言いたいと思っているわけです。それをもうちょっと一般論化すると、地方にちゃんと財源を回してくださいということを言わないといけない。

 もう1つは、例えば高規格道路、高速道路、国道などのものすごくお金のかかる改良ですね。そういうようなものが、だいぶん済んでいるところと済んでないところとあるわけです。和歌山県なんていうのは済んでないところの筆頭みたいなものなのですが、そういうところに、都会のセンスだけで、もう田舎の道路はいいんだとか、むだ遣いは止めようとか、そんなことを今頃言われたら、ものすごく辛いわけです。高速道路というのは、地方の方々が日本経済の全体の富の一部を利用できるチャンスなのです。要するに、観光地だって来てもらわなければどうしようもない。それから運べなければ競争に負けるから、そんなところでビジネスなんかできないのです。そういうことができているところとできていないところで、もう圧倒的に差がついているわけで、和歌山県は最後に回されてしまったのですが、せめて最後まで完成して、イコールフッティングでがんばれと最後までやってよねと言わないといけないわけです。したがって、ちゃんと高規格道路なんかの計画は早期に遂行するようにして下さいねと、和歌山みたいなところをお忘れなくやってちょうだいねというようなことを言わないといけないなと。それを緊急要望の形で、やや堅い言葉で取りまとめると3つあるということで、高規格幹線道路から市町村道に至るまで、地方に必要な道路整備を着実に推進するため、国直轄事業及び補助事業を含めた道路事業費を安定的に確保すること。地方のニーズに応じた道路整備を緊急かつ集中的に実施するため、現行の地方道路整備臨時交付金制度の趣旨に準じた制度を創設し、地方の道路財源として確保すること。これまで道路特定財源の暫定税率等の維持を求めてきた経緯を踏まえ、一般財源化に当たっては、長年に亘り多くの揮発油税を払い続けてきた地方の自動車ユーザーが納得のできる制度とすること。このようなことを訴えたいと思っております。最後の点については、和歌山県は、揮発油税なんかは、だいたいずっと3倍以上、東京都民に対して一人当たり払っているのです。東京の人なんかは公共交通手段に頼る人が多くて、自動車を持っていない人も結構います。ところが田舎に行くとそうはいかないので、我々は自動車に頼っているからたくさんガソリンを使うのです。その結果、3.6倍現在では払っている。「それならばもういいじゃないか、3.6倍お前らにやるから勝手に使えと、それはちょうどいいんじゃないの」と言うのも一見合理的に見えますが、それを50年間60年間やり続けてきたということをお忘れなくと言いたいわけですね。1950年代60年代、例えば東京オリンピックのときの姿なんて見たらよく分かるように、東京や大阪の道路なんかをどんどん良くしてきたわけです。田舎の方は後回しにされたわけです。それはデータを見ると、明らかに出ているのですね。今、高速道路なんて、ものすごく膨大なお金がかかりますよね。それを急に、はい終わりと、あなたは3倍ですから、3倍の単年度のお金で高速道路を造りなさいと言われても、絶対にできないですね。それなら50年分くれと言いたくなるわけです。そういうことはできないでしょうから、そこは国の責任で最後まで幹線ネットワークはきちんと整備するようにしてくれということを言わないといけないと私は思います。このようなことを、自由民主党、公明党、財務省、国交省、県選出国会議員、そういうところに要望に行こうと思っております。この直後くらいに国の方で中期計画の見直しの話とか財源をどうするか、それから1兆円と臨時交付金の関係とか、そういうことがみんな決まってくると思うので、その前に、ちゃんと言いたいことをみんなでまとまって行こうじゃないかということで、和歌山県、県議会、市長会、町村会、市議会議長会、町村議会議長会それから和歌山県道路協会が、みんなでまとまって意思表示をしに行こうと思っております。

 以上です。

記者発表資料

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Q&A

毎日新聞:入札制度についてですが、低入札調査制度の厳格化とありますが、具体的にどう厳しくどう調査をされるということは決まっているのですか。

知事:今言っているのは、例えば現在、下請けなんかをいじめていないかとか、資材価格はちゃんと現実的な価格で入っているかとかを、一部つかまえて調べに行くわけですが、それだと、なかなか分からないところなのです。そうすると、例えばそれに加えて前はどうしていたんだ、あなたは実績があるでしょう、そのときいくらくらいかかったのとか、なんでこんな価格で調達できるのとかをヒアリングなどを綿密にやろうかと思っているのですね。そういうことを私は言っているのですが、本当にやります。実は抑止力になってくれるといいなと思っているのです。それをものすごい人数をかけて全部についてやれば、最低制限価格の上限を上げるということは、必ずしも必要がないのかもしれないですけれど、現実にはそんなのもできないですからね。ですから、現状を鑑みれば、最低制限価格の上限を上げるということはやむを得ないかなと思います。その代わり、それよりも上については徹底的に調べるからなということです。

毎日新聞:9月までのデータを拝見しますと、今回知事がおっしゃられている低入札、ダンピングというものは、例えば建設工事だと1億円未満、委託業務の方だと3千万円未満のところで圧倒的に増えてきて全体の数字を押し上げているように見えます。それに対して今回の改定内容というのは、そこの部分に関して制度的に何かどうこうという部分では弱いかなと。それはなぜかと申しますと、例えば特に今回制度的に極めて分かりやすいのは予定価格の事後公表の部分であるとか、最低制限価格の適用範囲の拡大ということだと思いますが、予定価格は1億円以上、最低制限価格は5千万円以上1億円未満で見た場合に、5千万円未満が圧倒的に多いわけですよね、数字的に見ますと。

知事:5千万円未満がぱっと出てきたのは、5千万円未満の方は最低制限価格になっているわけです。これが増えたのは、さっき言ったみたいな理由で、実は今年からこれが発生するメカニズムですね。従来は公表していたから。公表しないから、これが半分も出てしまったけれど、ここについては自動失格になるからまあいいじゃないかと思うわけですね。5千万円から1億円については自動失格になっていなくて調べに行っているのだけれど、なかなか調べるのは難しい。数もこんなに増えてきたらもう対応できないから、現実的な方策として、1億円未満は最低制限価格を小さいところと同じにするぞと。ですから、それについてはぴったり対応しているのです。対応していないというのは前者の方です。前者の方は、もっとダンピングを少なくしようと思ったら、確かに事後公表の方がいいのかもしれない。私もそう思います。そうしようかなと思ったら、業界の声というのがあって、こういう現実と妥協したわけです。現時点において全部事後公表にされたら、積算なんかについてなかなか習熟していない向きもあるのでなかなか辛いと。そうすると、予定価格が分かると予定価格に応じて積算の積み上げをだいたいやっていくわけですね。目標点が分かった方がしやすいというわけです。それは論理的かと言われると、そうでもない。つまり、なくてもできるはずだと思うけれども、「はず」というのと現実というのは違うのですね。ですから、ここは現実と妥協して、業界の声を入れて残したということです。そういうことはもうみんなできるということになってくれば、全部事後公表でもいいかもしれないと思ってます。

毎日新聞:知事が建設業界の方に来てもらっていろいろとお話をされたというのは、自動失格になるようなダンピングが多発しているということも含めて、それを見直さないとえらいことになりますよという趣旨で。

知事:そうです。自動失格のところも、自動失格よりも上のところも、みなさん取ることが目的じゃなくて工事をきちんとやってもらうと。それからやってもらうことによって、ちゃんと収入もあって多少の利益も出て、建設業界が切磋琢磨しながら、弱いところは吸収されていくと思いますが、そうなりながら力を蓄えていくということが大事なのですから、ダンピングでたたき合いをして、みんなが全滅するというようなことはやめましょうと言ったわけですね。

毎日新聞:そこの部分に対しては、最低制限価格を上げましたよと、1億円未満にも対応されましたよという意味でも、知事がおっしゃる抑止力としてということで。

知事:抑止力及び現実適応です。数が増えてくると厳正に審査できないということもあります。早くやらないとだめだから。ですから抑止力もあるし、現実対応というか、そういうこともある。

毎日新聞:そういう抑止力で、業界の皆さんにきっちり考えて下さいという趣旨での制度設計。

知事:メッセージとしてはそうなりますね。

朝日新聞:最低制限価格を5千万円未満にしていて、それ以上は調査されるということで、調査されるから適当なことができないという抑止力が働いていたかもしれないですけれども、それを上げたことによって、さらにあまり積算せずに入れてしまうような業者や、逆にダンピングが増えるというようなことは考えられませんか。

知事:調査により調べるか、いきなり失格と言われるかの違いですね。ですから、逆にダンピングがというのは論理的には考えられないと思うのです。つまり、ダンピングをしたい、あるいはしようかなと思っている方からすれば、いきなり自動失格の方がずっと厳しいでしょう。調査というのは、ひょっとして調べに来るけれども、県庁の職員の調査が足りなければ、ひょっとしたらそれで通っちゃうかもと思うかもしれない。したがって、ダンピングをしようと、あるいはしてもいいと思っている人にとっては厳しく、あまり適合的でない制度になったわけです。

朝日新聞:計算せずに入れるというのでは、自動失格なので。

知事:論理的にはそうならないと思います。論理的には、むしろそのような議論をしようと思ったら、事後公表をするともっとやりにくくなるのですよ。事後公表を全部しなかったから、ちょっとこれは妥協ですと言ったでしょう。そこのところは、もっとダンピングに厳しくしようと思ったら、全部事後公表にすると言う方がよかったのだけれども、そうなると、小さいところは余計に自分たちにとっては辛いと現実に言っておられるものだから、そうかと言って小さいところはしばらくは予定価格は出しておこうかと思ったのですよ。

朝日新聞:今回、ダンピングの防止についていえば、ある程度、一定の枠組みの中での対策にしかなっていないですよね。金額的な面でいうと、低価格の部分については、あまりダンピング対策になっていない。

知事:もともとなっているのです。だっていきなり自動失格になっているから。

朝日新聞:でも自動失格になる件数の方が多いですよね。もともと自動失格になる5千万円未満のものの方が低入札の件数としては多いですよね。

知事:7件と284件の差というのはどうなっているか分かりますか。7件の方は最低価格も事前公表していたわけです。ですから、この7件ははっきり言うとミスなのです。これは失格すると分かっているのに入れた人なのです。284件というのは、やはり分からなかったから、事後的に「あなたは最低価格より下でしたね、自動失格」となったわけです。ですから、多く出てきたわけですね。だから7件から284件になっているというのは、何の意味もないのです。284件あるということは問題なのです。したがって、これについてはやめてと言い続けるしかない。最低価格は事後公表ですが、予定価格も事後公表にしようかと思ったのですけれども、どうぞやめて下さいと業界の方がみんなおっしゃるので、あまり理論ばかりでやると、かえってみなさんを泣かすことになるから、だんだんと成長してもらうということで、しばらくの間、予定価格は依然として公表することにしようかと。そうするといろいろ積算するときに分かりやすいわけですね。そういうようなことを思ってちょっと妥協しましたということです。

毎日新聞:私が先ほどお伺いしたのも、やめてよねと言い続けるしかないという部分でしか、今回のところは残念ながら。先ほど県の業務の大変さと言ったときに、調査も大変だと思うのですが、この284件を再入札ですよね。

知事:違います。これは全部それより上の人に入る。全然、大変ではありません。最低制限価格というのは、実は県にとっては大変ではないのです。けれども、そのときの理論的なリスクは、私はダンピングじゃないのになんで失格させられるのという人も、あまりないと言われていますが、入っている可能性があるわけです。ですから、本当は全部ダンピング調査をした方がいいのだけれども、現実にはそれはできないから、最低制限価格で退去していただくということにしているわけですね。

毎日新聞:春さきの実施のときに、国の改定とかに合わせて最低制限価格が上がっているという話をされたかと思うのですが、今回の中でも、もう少しそれだったら最低制限価格を上げてもいいんじゃないかという発想というか議論があるかもしれないんですが。

知事:とにかく業界のために、論理的に正しくなくてもやろうと思ったらおっしゃるようなことをしなければいけない。しかし一方では、我々が支払うお金というのは県民の大切な財産なのです。ですから、最低制限価格が今、なぜ最低制限価格として堂々とまかり通っているかと言うと、それは論理的だからなのです。それはいろんなデータを取って、これ以上下がるはずがないということを、例えば国や県やみんなが「そんなものやな」と思っているから、現実に妥当するわけですね。それを恣意的に上げたり下げたりできたら、それはかなりインチキです。インチキをしてはいけないのです。インチキをするということは、それを上げてもらった方はうれしいかもしれない。自分の積算とは関係なく、とにかく高いところで取れるのだから。けれども一方では、県民の方からすると、なぜ高い価格で払うのかということになるわけです。こんな制度というのは、論理的にきちんとしたものをつくらないといけない。ただ、さっき言ったように、やはり実行していかないといけないから、そんなにたくさんのものを調べられるかというような議論があるのです。

毎日新聞:妥協とおっしゃられましたが、それを妥協せずに済むようになる見通しというのは。

知事:済むようになるというのは、この制度が定着してきたらだんだんと。例えば和歌山県に関して言えば、公共工事の発注量がものすごく減っているというわけではないのです。インフラが遅れているのですから、その部分は、やることはやらなくてはいけませんから、発注量は出ていくわけです。そうすると、独り占めしてほかの者に丸投げすることは許されないような制度を作った。ですから、自分の積算で出しておけば、一回目は外れても、二回目は当たるとか、そういうふうになっていくはずなのです。それから競争力がある者がじわじわと勝っていくはずなのです。そのようなものを何度もやっていると、皆さん制度に習熟されて、普通にやっていればいいんだなという意識がみんなに回ってくれば、あまり私が「ダンピング、ダンピング」と言わなくても、自然といい活動になっていくのではないかと思います。ただ、全国的にいうと、和歌山県も長期的にはそうなのですが、公共調達の量というのはじわじわと減ってきています。そういう意味では、今を生きるためにやむを得ずダンピングをせざるを得ないというような方も結構多いでしょうね。けれども、だからといってしょうがないと言っていたら、きっといろいろなところでひずみが出てくるので、「しないでください」と頼み続けるしかないですね。

朝日新聞:予定価格の事後公表について、事前に公表していたのは、職員に聞き出そうとする人がいるということで、癒着や談合防止があると思うのですが。

知事:談合防止は関係ないですね。汚職ですよね。

朝日新聞:汚職防止のために、惹いては談合につながるかもしれない。

知事:談合にはつながらないでしょう。

朝日新聞:その情報を聞き出して、情報を持っている人がリードを取って談合することもできますよね。そういったことが考えられるから事前にということでやってこられたのですが、今回、事後にするということで、癒着の部分について防止できる新たに加えて対策をということは。

知事:ありません。私はそういう攻勢防御的に、先走って一歩先二歩先のところで防御線を引くというのは、いろいろな弊害が出てくると思います。したがって、県庁の職員はそういったリスクを抱えることになりますけれども、みんな志気が高いですし、そういったことは言わないですよ。ちゃんと堂々とした仕事をしたいと思っているのですから、大丈夫だと思うし、何か怪しいことがあったら、すぐに分かります。すぐに投書が来たりしますし。したがって、そういう点ではあまり心配していません。

毎日新聞:今のお話に関連して、倫理規程とか監察査察制度は、そういう制度としていいかと思います。それは今のように攻勢防御というか事後の発生に備えた体制があり、それが戒めになるのですが、そうなった場合、皆さん、倫理意識が高い人ばかりだし、そんなものはいやだとなると思うのですが、他府県の事例やこれまでの事例を拝見していますと、それを絡め取ってしまうような、例えば業界にそういう構造があったり、例えばどこかから絡め取られてしまって、ついつい巻き込まれてしまうというような、県でも直近では知事が来られる前の方ですけれども、そういったことがございました。和歌山で官製談合という大きな事件があって、今後もし、仁坂さんのもとでそういう事件があったら、それは監察査察制度などですぐ分かったとしても、極めて大きな傷になります。その場合、攻勢防御の弊害というのはおっしゃるとおりで、業界に対して悪影響を与えてまでというのも分かるのですが、やはり構造的に防御しておくということも含めて考えておく必要があるのではと思うのですが。

知事:構造的に防御しておくというのは、変な知事を選ばないということです。皆さん言っているように、あれは知事の犯罪です。知事をめぐる人たちの犯罪です。それにそっちの方が得だと思ったから、業界の人も巻き込まれただけで、一番攻勢防御をしようと思ったら、変な知事を選ばないというのが一番いいのです。私は大丈夫だと自分では思うのですが、それが一番の攻勢防御だと思います。

 ただ、今みんなが心配しているのは前の大事件のような話ではなく、現場でそういうような話が、一人ひとりに、例えば昔からのお友達が近寄ってきてどうのこうのというのは嫌ですから、予定価格を出させておいてほしいなと、その方が楽に仕事ができますから、忍び寄ってきても何もないわけですから、その方がいいのになという気持ちは県庁の職員にはあると思います。それによって逆にダンピングがしやすくなる、絶対にできるということはないのですが、しやすくなるというリスクがあるとすれば、今は県庁の人の志気が高いし、それからいろいろな制度ができているから、汚職がそう簡単にできそうにないので、総合的な判断として非公表にした方がいいかなと。全部やろうとしたら、やめてくれと言う人が小さいところに多くいるので大変だと、そこは妥協しているということですね。

朝日新聞:今回制度を変えることで、動き出してから半年くらいですが、スタートするまでにとても時間を掛けて議論して周知して、やっと半年経って慣れた時期にまた変えるということで、現場の方で混乱が生じたりというのは。

知事:混乱は唯一これだけでしょう。制度として枠組みがころっと変わっているわけでも、元に戻るわけでも、朝令暮改でも何でもありません。基本的にはダンピングというのは独禁法上の不当廉売ですから、独禁法でいえば是正命令をかけて、従わない者がいれば過料をかけるというようなものです。そういうことを止めようとみんなが思えば、それでなくなる、いい制度のはずなのですが、みんなつらいので、どうしてもそういうところに手を出してしまうという現実があるのでしょう。だとすれば、この制度を変えなくてもそういうことは防げるのですが、やはり、ダンピングをしにくいようにした方がいいというふうに、ちょっと手直しするというのは非常にいいことではないかと思うのです。制度としての根幹は変わっていないのですが、すでに手直ししたことはこれまでもいくつもあります。例えば、実績算定期間を10年から15年にしたとか。いろいろ業界の声も聞いているのです。なるほどと思うこともあるのです。10年と決めたときは、だいたい10年くらいかなと決めたのですが、ちょっと待てと、その10年というのは県内の業者をあまり信用しなかった10年だと。どんどん大阪とか東京とかに仕事が回ってしまった10年なので、急に仕事がなくなった、前はやっていたというのがあって、それなら前のやつだって算定してあげたらいいのではということで15年にしたのです。そういう話として今回も考えています。別に今までの制度をちゃらにしたということではありません。今後とも、こういうことは必要があったら、また、それが正しい限りにおいて、どんどんやります。

産経新聞:予定価格の事後公表で、応札者が全部予定価格を上回った場合、再入札になるのでしょうか。

知事:もちろんそうです。

産経新聞:予定価格の事後公表で「当面」とありますが、これは今後どう変える可能性があるのでしょうか。

知事:今の考え方としては、もっと下にしたらいいのではないかと私は思っています。ただ、業界の成熟度というか、ちゃんと積算をして自分で限界利益が出るところはどこかとか、そういうことをより小さい人たちもきちんとできるようになっていく、それが正しい道だと思うのですが、そうなっていくスピードとの関数で、事後にしていったらいいと思います。

産経新聞:方向性としては、今後、また徐々に引き下げるということで。

知事:そう思いますが、それは現実を見ないと。あまり何年後と思っているわけではありません。それから私のもくろみが外れて、担当者がどんどんと捕まったりすると、それはまた考えないといけないかもしれませんが、それはないと信じています。

産経新聞:一部の建設業界の方がデモ行進を計画されているようですけれども、これについては。

知事:こういう発表をお聞きになると、お喜びになるのではないかと思います。もっとと言うかもしれないですが。そういう方も自分では、ダンピングはしたくないのにせざるを得ない窮状にあるという中で、いろいろ企画されたのではないでしょうか。それならば、よりしにくくなる制度的応援をするわけですから、評価してくれるのではないでしょうか。

毎日新聞:分権の話で、先ほど知事が県で統一的にした方がいいとか、県でした方が効率的なものという話がありましたが、具体的にこういうものがというのは。

知事:ありません。資料に載っているような法律がたくさんありますが、そういうものについて、これから徹底的に議論していけばいいのではと思っているだけで、予断を持って何とかというのは私は今はありません。

和歌山放送:いろいろな支援をお考えのようですか、例えば資格がいるとか費用が膨大にかかるということで市町村が「できません」というものもあるかと思いますが、そういう場合は。

知事:現実の問題として、今は市町村が合意のもとで条例を作っていくということで議論しているわけです。国がいきなりというのではなく。そういう観点からすると、例えば資格がなくてできませんというのは、ひょっとすると権限移譲ができないということかもしれません。現実の問題として考えると。それがひょっとしたら県が助けたらできる、例えば資格もキャパビル(能力開発)をして市役所の方に取ってもらうということになったらできますとなったら、段階的にやっていくという解もあるかもしれません。ですから、一つ一つむちゃくちゃなことはしないで、よく考えて合意のもとでやると。ただ、仕事が面倒くさいとは言わないでよねと。住民のためでしょうと。県庁の方も面倒くさいから移譲するということはもちろんしません。それから移譲するときには、県庁がいただいている財源があるわけで、県庁はそれでマネジメントしているわけですが、それは全部差し上げますということです。

毎日新聞:人的支援のところで、例えば県から職員の派遣とかそういうことも含めて考えているという理解でよろしいでしょうか。

知事:それが必要だったらそうなると思いますが、その辺りは具体的にそうせざるを得ないような大きなものか、ちょっと分かりません。それからひょっとして市町村が別に県の人は要りません、財源だけくれればいいのですとなると、無理矢理押しつけるわけにはいきません。それはひょっとして県の方で仕事がなくなって財源も減るということであれば、行革をもっとしなくてはいけないということになります。ですから、みんなちょうだいと言うか、要らないと言うか、そういう問題ですね。押しつけてはいけません。一番この手の問題で起こり得ることは、仕事が増えていやだなと。これだけはやめようと思います。県と国との関係もそうだし、市町村の方もそういうふうにすぐ反応するというのは、嘆かわしいことだと思います。市民の目で向こうから見る、市民の方から見るというのが大事ではないでしょうか。

毎日新聞:先週、オンブズマンの方が県庁の全庁調査をという申し入れで来られていたのですが、その際にレンタカーの問題について応対した方が、知事からそういうようなことがあったのでというようなことでおっしゃったのを聞きました。以前、オンブズマンさんがレンタカーの申し入れに来たときに、知事は県の業務ではなくて政治活動としての話だからこちらで受け取らないと指示されたと聞いて、それは一つの見識であると思うのですが、今回の件は、知事が知事として職員の方にお願いしたのか、それとも一政治家としてお願いしたのか。

知事:お願いしたというか、自分の気持ちを言いました。会いたいと言っている時には、例えば隣のお兄さん一人一人会っているというわけにはいきません。そうすると、やはり権威のある団体であってほしいです。正当性のある権威のある団体とかグループであってほしいと思うのです。そのためには、やはり公平なことをなさらないとおかしいと思うのです。それならば、よく巷間言われているように某政党にだけは絶対に手出しをしないとか、そういうことはおやめなさいと。論理的には明らかに不当利得なのだから、それはそちらの方がお返しになるようにも努力をなさらないとおかしいよなと。そうすると我が友になるのになということを言ったわけです。

毎日新聞:お伝えした内容のことが、良いか悪いかというのはこの場で言うつもりはないのですが。

知事:「言うといて」と言いました。

毎日新聞:言うといてと言ったのが、先ほどのことで言われた場合、それは知事の業務として言ったのか、そういうつもりで言われたのか、どうなのでしょう。

知事:難しいですね。知事の業務として言ったときの話というと、今から考えて言うと、正当性を出すというのは知事の業務ですね。正当性、つまり会見者としての正当性を判断するというのは知事の業務としての判断です。ですから、知事の業務として会見に応ずるかどうかという点については、やはり正当性を持った人たちであってほしいというのが知事の意見です。

毎日新聞:例えば、人と会う、会わないというのは、いろいろな事情がありますが、例えばそれを知事が直接お伝えするなら、それはよかったと思うのですが、ことづてというのが先ほど申し上げたとおり、知事が政治活動のことだからということで受け取りにならなかったことと類する話で。

知事:それは全然違うのではないかと思います。とにかく会ってくださいという公式面会要請がありますと言われているわけです。それに対して私は会って差し上げなかったわけです。たまたまいなかったのですが。時間を変えてお越しくださいと言ってもいいわけです。それでもうちょっと正当性を出すような団体であってほしいということを言ったわけです。私が会ったら言うのですが、会っていないので誰かに伝えておいてちょうだいと。

毎日新聞:それは、知事仁坂吉伸ということでおっしゃられた。

知事:今から考えればそうでしょうね。論理的な筋道を今、つければそういうことではないでしょうか。私はああいう市民団体というのは評価しているのです。本当は、一般論として言うと。いろいろなことを言うのはいいと思うのですが、自分たちだけが正当であると言って、みんながそれを認めろというのはおかしいと思います。NPOというのはみんなそういうものなのですから。あえて言うと、少なくとも不偏不党は、こういういいことをしているのですから貫いてもらいたいなと個人的には思います。

読売新聞:レンタカーの際は、知事がおっしゃられた理由が当てはまるような気がするのですが、この間は会計検査院の全然関係ない話で来たわけですね。それに関しては彼らの市民の考えを何人かの者と来られたわけですが、その件に関して彼らが正当性がないとおっしゃっているわけではないですよね。なぜそこでレンタカーの問題を持ち出すのでしょう。

知事:市民の代表というのは、誰が認めた市民の代表なのでしょう。

読売新聞:彼らが代表と言っているわけではないのですが、彼らは権力を持っていないという前提で市民何人かの方が集まられて。

知事:市民何人かが集まるのは結構なのですが、それが特定の政党にだけえこひいきしている人に会いたくないなと思うのは個人として立派な判断だと思うのです。ですから残念だねと。

読売新聞:それは、今回の件と関係なくてもということですか。

知事:関係なくてもですね。そういうことについて意見を持っている人はものすごくたくさんいると思います。たくさんいる人たちの中で、なんであの人だけということについて、私たちはいつも説明責任があります。そうすると、たくさん言う人に耳を傾けるのだけれど、私たちは立派な代表性があるのですというような人たちと会って話をしないと不公平になるから、そうすると立派な代表性を自己証明してもらわなくてはいけないので、自己証明のためには不偏不党性というのは少しくらいやってくれませんかという感じですね。

読売新聞:では、一般の方とかでも、団体の方とか地域住民の方とかが県議が連れて同行されて要望されて来ますよね。それは特定の政党に肩入れしていたりして。

知事:県議の方が連れて来られる、紹介してくださるというのは県議の人も一緒に来ますから、これは形式的にはそれでいいと思います。県議の方が何党であろうともいいと思います。そうしています。けれども断った例があって、私はあなたの隣の家に住んでいた某で、その息子です。ひとつ言いたいことがあるので今度おやじを連れて行きますと言うので、それはおかしいのではないか、公私混同ではないかと返事をしたことがあります。

読売新聞:県議の方が連れて来られるならいいというのは、彼らはそんなことはしないと思いますが、オンブズマンの方が誰か県議と一緒に来たら会われるということですか。

知事:結構ですよ。その県議の人が会ってくれということだとすれば、それはひとつの正当性を形式的に物語っているのではないかと思いますから。説明ができますよね。

読売新聞:それで先ほどの全てを公平に見ていないということは帳消しになるのですか。

知事:なりませんが、何とか党の方がこの人たちと会ってくださいと連れて来られたときは、何とか党の人たちが会ってくださいと言ってきたのですから、県議というのはたくさんの人から投票を受けて、県政について参画しているわけです。そういう人たちが連れてきたのだから、その人たちは当然、何とか党の友達かもしれませんが、それでいいのではないですかと言ってお会いしてもいいのではないでしょうか。それは形式的な問題ですね。けれども、本人がぱっと来たときに、あなたはどうしてあなたの正当性を言えるのですかということは、いつも問い続けないといけません。少し甘くてもいいと思います、こんな話は。新聞だってそうでしょう。私を取材するのは知事だから取材に来るわけでしょう。それから市民の人だって、反対意見を言っている人は、この人は頼りになる団体だなと思うからその人の意見を聞きに行くわけでしょう。けれども、なぜこれかと言われることについては、自分でそれに対する説明責任を果たしながら取材しておられるわけです。それと同じだと思います。私はときどき新聞についてそう思うことがあります。なんでこんな人が反対意見の代表選手なんだろうと個人的に思うことはありますが、それは新聞社が堂々と受けて立つ話なのですから。今度は知事として、部長とかもそうですが、それは常になぜあいつだけだということについては、我々は常に説明責任があります。正義の味方を言うのでしたら不偏不党もちゃんと言ってほしいと思うと言っているだけです。好みで言っているわけではありません。それから中身についてはちゃんと読ませていただいています。

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