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知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します。

平成20年11月4日 知事記者会見

平成20年11月4日 知事室

「プレミア和歌山」(和歌山県優良県産品推奨制度)のシンボルマークが決定しました!

 本日は、5つ発表項目があります。

 まず、プレミア和歌山のシンボルマークが決定いたしました。なかなかかわいらしくて、かつ、洗練されたデザインだと思います。プレミア和歌山というのは、和歌山の中だけではなく、全国、全世界に発信していきたいと思っています。そういう意味では、和歌山の心も表しているし、全国、全世界に通用するような趣味の良さというのも同時にないといけないと思うのです。そういう意味で公募をして、議論をして、いいものができました。

 デザインは山ですね。それから、和歌山の「わ」なんですね。そういう感じで、かわいらしい目がついていて、プレミア和歌山と書いてある。なお、外国向けにはアルファベット表記のものも作ります。

 全国から358点の作品が寄せられまして、選考委員会(委員長:永坂嘉光大阪芸術大学教授)の選考を経て、長野県在住の坂本竜司さんの作品に決定いたしました。

 それから、第1回のプレミア和歌山の推奨品の決定を10月末に予定していたのですが、初めてのことで慎重に審議をしておりまして、その結果、12月18日に第1回の推奨品の決定をしたいと考えております。審査委員長は一柳良雄さんという方で、和歌山県では企業ソムリエ委員会委員を長くやっていただいておりまして、和歌山の立派な中小企業の発掘に協力していただいています。一柳アソシエイツという会社の社長さんで、コンサルタント兼ジャーナリスト兼オピニオンリーダーをやっている方です。ちなみに、経済産業省で私より6つくらい先輩であります。独力で仕事をしている立派な方だと思います。テレビにも最近よく出ています。そういう方に審査委員長をお願いして、若手も含め、いろいろな方面の審査委員をお願いしたところであります。そういう方々に今、議論をしてもらっていまして、11月から12月にかけて審査委員会を開き、18日に発表をするということです。20年度中に2回目の募集をしようと思ったのですがあまりにも早すぎるので、21年度になってから2回目をすぐやろうと。1回目に応募し損なった方は、2回目に是非、出していただいたらいいと思っております。

旭精機株式会社が紀北橋本エコヒルズ「橋本隅田地区」へ進出

 企業誘致案件が2つ決まりました。1つは旭精機株式会社という会社で、紀北橋本エコヒルズ「橋本隅田地区」に進出することになりました。旭精機は河内長野市にある会社で、売上高5億円くらいの精密金型部品などを造っています。最近、業績がいいものですから、社業の発展ということで橋本でやろうということになりました。投資予定額は2億2千万円。14名の正社員を雇用してくれる予定で、22年1月に操業開始ということです。

 橋本隅田地区にUR都市機構、元は住宅・都市整備公団ですが、ここが持っている土地があり、工場用地を造成してくれていたのですが、小泉行革により、これ以上の投資はできないと言われたのです。その時点ではインフラ、例えば道路やライフラインなどは計画が出来て、実施をしていたわけですが、売却するところが森のまま残っていたのです。そうすると、整地して企業に来てもらうには時間かかるので、県が先行投資をして、整地をしました。その結果、企業が入ると売り上げから先に県にお金を返してもらうという契約で、その地域を生き返らせたということでございます。これは19年度の補正でお願いをした予算です。

 今、北の端から売れ始めていて、今回もそこに立地するという予定になっています。ちなみに西の方は小峰台という工業地域に隣接しておりまして、ほぼ完売いたしました。例えばアルバックなどがそこに進出しています。さらに西に行くと、橋本市民病院などがあります。まだ隅田地区については大きいところも残っているので、これから全力を挙げて売っていこうと思っております。

株式会社しんこう技研が工場を増設

 続きまして、株式会社しんこう技研が、紀の川市貴志川町に現在ある工場の隣接地に増設して工場を造るということになりました。現在は、全体で約84名雇っておられて、売り上げが15億8100万円という板金加工業の会社です。新しい工場に3億7千万円の投資をするのですが、地元の新規正雇用が19名という予定であります。

 どこかに工作機械のメーカーや空調のメーカーなどがあるとすると、中身は村田ですと、村田製作所がテレビで宣伝していますが、「外見はしんこうです」ということで、精密機械などの外側の枠をつくって納入するという会社です。そういう企業が増設をして、もっと増産をしようということになったということです。

 この2つが、新しく立地を発表してくれましたので、発表をしておきます。

中小企業向け県融資制度

 中小企業向けの県の融資制度についてですが、これは銀行にお金を預けて、返してもらって、その間の金利差で有利な金利を付けるという方式をとっていますが、その中小企業向けの県の融資制度に2つ追加をするということになりました。この前提として、今回、国の方で信用保証制度を抜本的に拡充してくれました。ほとんどの業種といってもいいくらいの545業種について、セーフティネットの信用保証を受けられ、信用保証のセーフティネットは100%で、今回制度化してくれました。10月31日から制度が発足していて、その制度でもって、今度は融資がその前にあり、それで相まってうまくいくのですが、融資の点で何か欠けているとこはないかとずっと検討をしました。その結果、この2つの点について更に深掘りをすれば完璧になると思い、今回追加をします。政策融資の今のからくりを考えると、これは大特急で銀行などと話し合いをして制度を作っていかないといけないわけで、我々が勝手に決めればいいというものでもない。大急ぎで話し合いをして、11月10日から実施するということになりました。実施期間は今回の緊急性に合わせてやりますから、22年3月31日までということになります。

 1つは再借り換えを認めようということであります。資金繰り安定資金で緊急対策枠の新設ということですが、従来は、借換資金は1回認めるということでやってきました。1回しか認めないということだったのです。そうすると、1回借り換えてしまった人は、今度借り換え需要期に借り換えることができないということになると、資金繰りがかなり苦しくなるわけです。金融が余裕のある時だといいのですが、金融危機のさなかには金融機関も自己防衛に走りますから、貸し渋りや貸し剥がしなどが行われている可能性があるのです。そういう中で、借り換えができないという人に著しく不利になっては困るということで、再借換を認めようと。返済期間は最長10年に設定して、安心して借り換えてくださいということにしようと、これが1つ目であります。

 2つ目は、経営支援資金について、現在一般枠とセーフティ枠があるのです。その両方を借りて全部で5千万円までということにしているわけです。セーフティ枠は単独で借りると5千万円、一般枠は単独で借りると3千万円。両方併せても5千万円までというのが今の制度なのです。それを両方併せて8千万円まで貸してあげますと。それぞれ目一杯借りてもよろしいということにするわけであります。それから、セーフティ枠の融資期間延長も図ることにしまして、今、7年で返してくださいということですが、10年で返してくださいということにする。これは融資ですから返してもらわないといけないわけですが、現在、資金繰りがショートして辛い、あるいは時代の波の中で翻弄されて大変なことになりそうだとか、そういう企業についてはこれで救済できるのではないかと思います。もちろん、元々採算が合わないとか長期的に見通しがないとか、そういうところに延命策を施そうと思っているわけではなく、今、本当に困っている企業は、是非これにアプローチしてがんばって生き延びてもらいたいと思います。

 最後に、この中小企業向け融資制度の説明会を開催します。全県でやろうと思っておりまして、11月7日から17日まで商工振興課職員が説明をしてくるということであります。説明内容は県の中小企業向け融資制度の概要で、今、拡大した部分だけ申し上げたのですが、根本にもいい制度がありますから、その制度の説明も含めてやらせていただきます。それから国の緊急保証制度の説明をして、こういう信用保証が受けられますということについて、概要や手続きを分かりやすく説明していこうじゃないかと。ちょっと需要があるなとか、資金で困っているという方は、是非、この説明会を聞いていただき、詳細な手続きなどを知っていただいてどんどんアプローチしてもらったらいいと思っております。

「建設事業者対象の融資制度等説明会」の開催について

 建設事業者については、さらに国で特別の融資制度「地域建設業経営強化融資制度」を今回の経済対策の中で作ってくれました。和歌山県も例外ではありませんが、各地域とも公共調達の金額が結構減っています。国においても行革という流れの中で少しずつ減っています。民間の設備投資が結構伸びていて、それが救いになっていたのですが、一方では昨年から、住宅の建築基準法が改正になって、その結果、建築確認がなかなか進まないので混乱が起こって、住宅の需要が伸びなくなったというのが日本において大きな問題だったのです。今度はその頼みの綱の設備投資が、世界的大不況の中でどうなるのかという議論もあるわけです。なかなか経営は大変だと思いますが、特に資金不足で困っておられるような方については、できるだけ手厚い融資制度を作ろうじゃないかということで、国の方で地域建設業経営強化融資制度を作ってくれました。制度を知らずに利用できなくて倒産するということがないように説明会をやろうということになりまして、11月10日から14日まで各振興局建設部で行いますので、是非来ていただきたいと思います。その時に、新公共調達制度についても、もう一回説明したいと思います。「どうも分かっていないのでは」という間違った苦情というか、「あれ、この人全然分かっていないな」という話も県庁としてはたくさん経験しておりまして、それは間違った人が悪いと決めつける必要はなくて、どんどん説明をして分かっていただき、十分うまく利用していただくと。そのために制度を作ったわけですから、そういうことをもう一度説明をしようじゃないかと。併せて中小企業の一般的な融資制度についても説明をしようということになっておりますので、建設業の方は是非、それぞれの所へお越しくださいますようにお願いしたいと思います。

 それから、公共調達については6月から新制度になったわけですが、どうもまだ制度の主旨がわかっていなくてダンピングが起こっているのではという議論があるのです。みんな仕事は取りたいと念願しておられると思いますが、ダンピングというのもやはり違法なのです。独占禁止法で談合は違法ですが、ダンピングは不当廉売ですから、これも違法なのです。我々はダンピング防止のための制度も作っていて、例えば前の制度であると、最低価格は発表していて、とにかく仕事が欲しいものだからダンピングであろうとなかろうと、つまり自分のコストに合っている仕事であろうとなかろうと、全部最低価格に応札が張り付くということが起こって、そこで抽選が行われていると。これはダンピングの公認みたいなものですから、そんなものはいけないということで、今はそれを発表しないようにしている。小さい工事だと、いちいち調べるのは大変なので自動失格制度にしているのです。我々が心の中に持っている最低価格よりも下の場合は自動失格になるのです。これはダンピング以外に考えられない。大きい工事の場合はいちいち調べに行くわけです。それはちゃんと積算してますかとか、下請けをいじめてませんかとか、そんなことでできるのですかとかを調べに行くのです。ただ、調べに行けないくらいダンピングらしいものが多く発生し始めていて、是非これは業界の方も大いに反省をしてもらいたいと思うのです。

 こういうのを許しておくと、建設業界がおかしくなるというのは当然なのです。もっと言うと、公共工事の質に、つまり出来上がった工事に支障が出るともっと大変なのです。したがって、ダンピングだけは絶対やめてもらいたいと。正しく応札をしてもらえば、和歌山県に関してはそんなに公共事業の量が減っているわけではないのです。他県に比べると、まだ需要がたくさんあるということを前提にして我々は考えていますので、正当な値段で発注できる事業がたくさんあると思うのです。しかも、独り占めはできないようになっているのです。不当に独り占めをするとご遠慮いただくというシステムになっているので、自らの採算点に即してちゃんと適正利潤がとれるような価格でダンピングしないように応札してもらいたい。それを業界代表の方を呼んで注意申し上げようと思っています。ちょっとダンピングが目に余るという感じであります。ダンピングも違法だということを、是非忘れないようにお願いしたいと思っております。

第85回近畿ブロック知事会議の開催について

 話題提供ですが、第85回近畿ブロック知事会議が、今度は和歌山であります。今年から来年の初めにかけて和歌山県が近畿ブロック知事会の会長県で、私が会長なのですが、慣例により秋の知事会議はそれぞれの会長県でやる。春の知事会議は大阪府または鳥取、徳島、三重など、2府5県以外の県のどちらかでやるということになります。今年の秋は和歌山のロイヤルパインズにお迎えしてやりたいと思っております。11月11日13時半からです。ちなみに昼食会は、ちょっと和歌山らしさというのを出したいと思いましたので、温山荘で、東郷平八郎さんや清浦奎吾さんの額や庭を見ながら、みんなで将来を語り合いたいと考えております。ロイヤルパインズの方では全面的に議事は公開でございます。

 会議の中身ですが、まず特集が2つありまして、1つは「公共調達の過去・現在・未来と入札制度改革」ということで、和歌山県もお願いをした郷原桐蔭横浜大学教授、今、国全体の公共調達の第一人者になっているのではと思いますが、この方にいろいろ話をしていただき、各府県知事から質問や意見があれば言ってもらうということになります。後半は、関西全体の問題の中で、特に経済問題に中心をおいて、関西経済の活性化について、皆さんからフリーディスカッションをしていただく。それから緊急提言、若干の報告事項ということでございまして、これについては当日いろいろ議論をして、緊急提言をまとめるものがあればまとめていくということになります。その後、17時10分から記者会見をして17時30分に終わると。それから懇親会をして終わりというのが今回のブロック知事会議であります。

 以上です。

記者発表資料

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Q&A

毎日新聞:中小企業向けの融資の件で、返済期間を最長で10年に延長したことなど、全国的に各都道府県が取り組んでいるものでしょうか。

知事:これは県単独事業です。それぞれ、多かれ少なかれ中小企業向けの融資制度を持っているのです。例えば利子補給をしたり和歌山県のようにお金を預けて、そのお金を運用してもらって優遇してもらうなど、いろいろな制度をそれぞれ持っています。和歌山県についていえば、例えば平成20年度中小企業金融のしおりというものすごく精緻な資料がありますが、たくさんの制度があるわけです。この制度ひとつひとつについて言うと、各県それぞれバラバラなのです。だいたいみんな真似をするから収束しますが、細部においては違うわけです。

 和歌山県については非常に多くの制度があるのですが、この中でどこか欠けているところがないかと議論をしたら、借り換えの問題で再借り換えになっている人が大丈夫かなと。「再借り換えはあかん」ということを言っていたので。もう一つは、5千万円と3千万円の枠を使えるのであれば両方とも使ってもええやないか、併せて5千万円というのは、このご時世では厳しいなと。いつもであれば県の政策融資だけに頼らないでくださいと言いたくなるのですが、今は銀行なども大変なので、したがって政策融資でこの短期間はカバーしようじゃないかと。いわば枠の拡大です。そういうことをやろうということになったということです。

 和歌山県は中小企業が多い県で、全国でも中小企業は圧倒的に多いのですが、和歌山県は特に多いのです。ですから、そういう方々の力がなくなってしまうということは、和歌山県の力がなくなるということなので、この辛い時代ですが、何とかみんながんばって生き延びてもらいたい。生き延びるための金融というのは万全を期そうじゃないかという考え方です。

時事通信:融資限度額の8千万円というのは1企業ですか。

知事:1企業です。

時事通信:全体ではどのくらい確保しているのですか。

知事:別に一個一個の枠組みというのはなく、何百億円は貸せるのです。要するに、こちらで原資を出して、そのお金を元に有利な金利で出してもらう。こちらの出したお金に対して、まだ若干余っているなという感じはあるので、まだたくさん貸せます。ひとつひとつの企業について、枠は「なんぼです」というのが別にあるわけじゃないのです。メニューはいっぱいありますから。商工振興課長が一生懸命考えてくれて、本当は10月31日に間に合えばよかったのですが、モラルハザードにならないかなどの議論があり、銀行との話し合いなどでちょっと遅れましたが大勢には影響なく、困っている人は救えるのではないかと思います。

毎日新聞:公共調達制度の話ですが、間違った理解があるのではないかとおっしゃられていましたが。

知事:ダンピングと言った話は間違った理解ではないと思います。元々公共調達とはこうなっているということについて何度も説明していて、その結果、説明が長すぎて実施が遅れたというところがあると思いますが、それでも「この人は全然分かっていないな」ということが多くあるということです。

毎日新聞:それでダンピングが起こっているのではないかと。

知事:それは必ずしも一致していません。ダンピングの話はまた別です。公共調達という制度があって、どうアプライ(申込み)したらいいか、どのような手続きになるのか、どういうことをやったらいいのか、どういう事を審査されるのか、その心は何かなど、そういうことがあまり分かっていないということです。

毎日新聞:では、ダンピングが起こっているということで、先ほど主旨がよく分かっていただいていないということを知事がおっしゃられたと思いますが。

知事:ダンピングの話は違うのです。ダンピングの話について言えば、たぶん主旨が分かっているけれども、苦しいからダンピングをしてでも何でも取ろうと、ちょっとやりすぎ状態になっているのではないかと。もっと冷静に自分の採算点できちんと出してくれば、県の工事が短期で何分の一になってしまったというのではないのですから。それで我々としてはいつも言っているように、予定価格に対して契約価格が低いということを誇りたいと思っているわけではないのです。論理的には手続きが適正であれば予定価格だっていいはずですから。予定価格はこれくらいになってもいいということで計算しているので。もっと企業努力によってそれが下がったのなら、県民はそれによって裨益するのだけれども、ダンピングでそれを達成しても仕方ない。やみくもに落札率を誇るというのは理論的に間違っているといつも言っているわけですから。それは言っているのですが、本当に苦しいからダンピングでも何でもいいから取ってやれと思っているような気がするので、ちょっと待ってくださいと、みんなそれぞれが冷静に応札してくださいと、みんなに言っておかないとあかんと思っていますということです。通商問題でいえば、あっという間にダンピングでアウトですからね。国がサンクション(制裁)を起こされるのですから。

和歌山放送:制度を堅く理解しているということではないでしょうか。

知事:それはダンピングをする方の制度の理解が不足しているからではないような気がします。あるいはひょっとしたら、政策当局の意向で、とにかく安い価格でないと発注しないぞと思っているのかもしれません。そんなことはないので、予定価格を決め、最低制限価格ないしは調査価格というのはそれ以下だとダンピングと見なす、あるいはダンピングのおそれがあるから調査に入ると。調査に入るというのは下手人をあげるような調査ですから、あなたは不適正なことをしていないかということで調査に入って、いや、やはりこの会社はものすごく競争力があってこれでいいんだということになったらゴーにしますけれども、それは大きいところだけで、そんなことをいちいちやっていられないから、小さい工事については自動失格にしているわけです。そういうものなのですからということを、もう一回みんなに言っておかないといけないと思います。公正取引委員会も、時々、不当廉売で調査に入りますからね。

産経新聞:実際にダンピングが多いというのは、低い価格で。

知事:多いかどうかは分かりません。ダンピングではないかと思うようなものが増えてきた。

産経新聞:それは実際にその価格で落とされるものが増えてきたということですか。

知事:いや、応札が増えてきた。我々は予定価格を発表しますが、最低制限価格ないしは調査価格は発表せず、ランダム表を使って事後的に発表しているわけです。ちょっと見てみると、その下に多くあるわけです。自動失格する方はバサッと切られるのですが、ある程度以上の規模でも多くあって、それは我々が一個一個調べに行かないといけないわけです。ある意味大変なのです。そんなことを我々は求めているわけではないのだから、みんなでダンピングしないように、一人ひとりが心がけてやって下さい、冷静にと言いたいということです。

産経新聞:その一方で、入札不成立ということも、ある程度のペースであるようで。

知事:ちょっとあります。これは特に建築系が結構多いです。これはひょっとしたら、設計の段階で一回入札に出しているでしょう。その後、工事の段階でもう一回出します。そうすると、設計の段階でいくらくらいで出来るという見込みが厳しい場合があるのです。そうすると、そんなので出来るかと言って、誰も応じてこないということがあって、それはもう一度やり直しにする、あるいはもうちょっと領域を広げてやるなど、いろいろ工夫をしないといけないので、それも問題と言えば問題なのです。

毎日新聞:例えば価格が下回って不成立になったものが増えているということですか。

知事:今、9月末のデータが分かります。去年9月末のデータと一昨年のデータとを時系列で比べてみると、今年9月末の時点で、まず自動失格価格を下回ったものが増えている。その上のレベルが調査価格ですが、調査をしなければいけないような低入札が去年、一昨年に比べると増えているということです。もちろん談合はいけません。それは違法ですから。一方で、ダンピングというのも意識してやったらそれは独禁法違反ですから、そういうこともよく考えて下さい、両方いけないのですよということを言わないといけないということです。

共同通信:先ほどご注意申し上げたいということは、建設業界への。

知事:建設業界の幹部を呼んで、ちょっとみなさんにこの意向をちゃんと伝えてくれと。もちろん、みなさん新聞を読んだりテレビを見たりしておられると思いますが、そこはやはり業界の方々からも。そのために業界団体があるのだから、来てもらって注意しようと思っているのです。

共同通信:今後ですか。

知事:日にちはまだ決まっていません。技術調査課長が今、調整しています。

時事通信:知事が直接話をするのですか。

知事:しようと思っています。

朝日新聞:その場で建設業界の方から入札制度について意見があれば、そういうのは考慮されたりするのですか。

知事:もちろんそうです。元々技監以下の新公共調達制度推進委員会があって、最近建設業界にも担当者が行っていろいろ話を聞いたりしているから、意思の疎通はとれていると思うのです。政策要望、制度要望というのは新公共調達制度推進委員会へ持って行っていろいろ議論しているのです。それが正しいと思ったらそういうことはどんどん採用していったらいいと思っています。思想的には一環として、仮定の問題として言われたけれど、そういうことがあったらそれはそうでしょう。

時事通信:意見が寄せられている中で、先ほど間違った苦情が来ると言われましたが、間違った苦情じゃないかと知事が判断されているのはどういった内容ですか。

知事:例えば、一番大きいところで私の意見を言うと、指名競争入札に戻してくれという意見が結構多い。もちろん、談合しないという前提で考えたら、指名競争入札も現在やっている一般競争入札も同じだと思っているのです。誰でもいいというので一般競争入札にしているわけではないでしょう。ちゃんと入学試験をして、あやしい業者は排除して、能力に応じて格付けをしてやっているわけですから、格付けされたものの中で、例えば10社指名をしますという意図的なことをやっていないというだけなのです。したがって、その中で十分公正な競争はできるはずなのです。10社、25社あるいは35社で競争をするのであっても談合をしなければ同じなのですから。そういうのは一種のノスタルジアだと。時代が談合的な行為についてはものすごく厳しくなっていますから、県庁ができるような話ではないのです。そういうことを認めるということはできないでしょう。そうすると、一般競争入札でも指名競争入札でも、実は同じだということに論理的にはなります。昔の方が楽だったから昔に戻してくれと。業界の人が思っている昔というのは、5年、10年前なのです。例えば木村前知事が逮捕された時の制度とは、今と同じかもっと厳しかった、あるいは業界が疲弊した制度かもしれません。例えば最低価格を公表したら、仕事が欲しい人はどうしてもそこに集中するわけです。集中してくじ引きをしている、これは私から言うと、ものすごく気の毒な図式というか、仕事が欲しい人に無理矢理ダンピングをさせているような感じがするのです。それに比べれば、今の方がはるかに合理的にはなっているはずなのですが、ノスタルジアはあります。それをいちいち聞いているわけにはいきません。時代も変わっているのだし、そういうことは許してくれないから。ちゃんと分かっている話として言うと、正しいことは言っていかないといけないと思います。

 ただ、私が分かっていないと言ったのは、必ずしもそういう苦情の話ではないのです。今、苦情でと言われたのでそう答えたのですが、全然分かっていないというのがあると思うのです。制度でどうしたらいいんだというのが全く分かっていない、何を求められているのかということも分かっていないということがまだあるから、そこはよく分かっていただかなければいけないと。例えば、「指名してくれへんのかよ、俺たち差別しているのか」という話があったら困りますよね。

共同通信:ダンピングという言葉は「不当廉売」ということで、厳しい言葉だと思いますが、今回、その言葉を使われた理由は。

知事:我々としては、失格価格というは、認識としてはダンピングに相違ないと思っているから失格させているのです。そうでないと、違法でないのに失格させたらそれはどういうことだと訴えられてしまいます。もともとあの制度は不当廉売を防止するために、公共調達制度の全体の秩序を守るためにやっているのです。ですから、そんなにたくさん出てくるというのは、本当にちゃんと自分で積算して、黒字を確保しながらやっていますかと言いたいのです。ダンピングであると言っているわけではないのです。疑いはものすごくある、そういうことはおやめなさいと言っているのです。

朝日新聞:この制度を作るときに、こういう事態が起きるのではないかと想定は。

知事:それはある程度ありました。運用の問題としてこういう問題は注意しながらやっていかないといけないのです。

朝日新聞:実際に問題があって、疑いがあるという判断をされている。それで今の段階では、こういうふうに改善していくと、業界の人を呼んで意識を正してくださいと言う以外に、県として、求めるだけではなく何かしようということは。

知事:そこでいろいろな議論が出るでしょうから、そういうことも含めて、我々もまた考えないといけないかもしれないし、業界の努力も期待しなければいけないし、制度の問題については、今のところ白紙です。

産経新聞:最低価格を事後公表にしたことで、ある意味予想された事態で、今まで張り付いていた人たちが下にきて、失格が増えている。ある程度予想されたと考えられる気もしますが。

知事:意図としては、ダンピングは失格になりますということで、制度を導入したのです。ダンピングというのは、通商法規などでもそうなのですが、経理をちゃんと見ないとダンピングかどうかは実証できないのです。公表された最低価格に張り付いていたとしても、ダンピングである場合は本当はあるのです。ない場合もありますが。ダンピングであっても、予定価格を公表されていて、入札したときにパニッシュメント(処罰)はないわけですから、ダンピングを実はやっているのだけれども、やっても許されるという意味で、ダンピングインセンティブになっているのです。ところが今回の場合は、それは公表していないので突如失格になるのです。ですから、そんなことをやったら損だから、論理的に自分の正しい価格を出してくるであろう。そういうふうに制度としては設計しているのです。けれども、やっぱり苦しいから、とにかく取りたいという一心で、むちゃしているのではありませんかということで、皆さん冷静になってください、自分のたこ足を食べていたら、大事な業界がなくなってしまいます。そんなことを我々は望んでいるのではありませんと、とにかく言うことは言わないと、みんなに説得していかないとということからやっていかないといけないのではないかと思っています。

毎日新聞:新制度のひとつの肝として、論理的に談合がやりづらいということが制度設計の柱になっていますけれども、残念ながら談合の疑いがあるかもしれないという事態が新制度施行後に起きています。それが本当に談合であったかどうかは分かりませんが。

知事:それがいいのではないでしょうか。何度か調査をしたり、談合の疑いがあったら当局はパッと調査をする。そうでなさそうならいいけれども、そうであったとしたらやり直しをする、場合によっては証拠をつかんだら犯罪ですから、刑事告発もあり得るかもしれないとみんなが分かってくれていたら、そんなことはしたくもなくなるだろうから、はじめはやっているぞなんていう話がたくさん来るのです。それがむしろ普通のことではないですか。

毎日新聞:ダンピングはよくないし談合もよくない。それで業界に自浄努力を促す意味で注意をされる。自浄努力がまっとうなものであればいいのですが、そうでない危険性もはらんでいるのではないかと。例えば、やはりみんなで話し合いをしてということにつながりかねないという危惧もないでしょうか。

知事:それは言い過ぎでしょう。ダンピングするなと言ったら、「談合しろと言っているのか」と取る人はいないでしょう。これは通商法規でもよくあることで、ダンピングでやられるということと、独占禁止法でやられるということと、不公正貿易でやられるなどいろいろあります。ですから、ちゃんとしたフェアトレードをきちんとやっておかないといけないのです。県の調達制度はちゃんとしたものを作っておいて、業界は素直にそれに応じて、競争力が高いものは伸びていくということにならないといけない。競争力がやや落ちたところは、相対的に発展は遅れるけれども、あっという間に1社独占になってしまうようなことは望ましいことではないので、地域にある程度、産業は残った方が防災などという点ではいいのです。そういうことを考えて、少しずつ力がある人は伸びていくような制度設計をしたのです。

毎日新聞:11月3日に叙勲受章者が発表されて、久々に県職員OBが受けられていましたが、これは。

知事:実は、そろそろよいということになったので、県のOBも認めていただけることになりました。

毎日新聞:そろそろというのは。

知事:以前、知事以下、県職員が逮捕されました。そうすると、何回かは自粛しなさいということなのです。その自粛期限が過ぎたので、もうよろしいということになって、推薦されていくということです。同じようなことは、独禁法違反で大企業が捜査を受けたりすると、その会社は自粛しなさいという内規があるのです。本当はもらえるはずの人が延期になるということがあるのです。そういうことに和歌山県はなっていたのですが、もうよろしいということで、これからは県職員で業績のある職員は表彰されていくということになるのではないでしょうか。自分と関係のないことで待たされた人も気の毒ですね。

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