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知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します。

平成20年1月22日 知事記者会見

平成20年1月22日 知事室

道路特定財源の暫定税率延長に関する県民への呼びかけについて

 お正月を過ぎますと、ずいぶん種がたまってまいりましたので、今日は発表することが3つと、それから話題事項が2つございます。

 第1は道路特定財源の暫定税率延長に対する県民への呼びかけについてということで、資料が1枚とパンフレットが1枚です。県の組織を挙げてといったらいいと思いますけれども、県、県議会、市長会、町村会、市議会議長会、町村議会議長会、それから産業界の代表全部がまとまって、先週東京にお願いに行ってまいりました。これは政府だけじゃなくて与野党全部ですけれども、そのときに、「あなた方みたいな代表はいろんなことはよくわかっているけれども、しかし、わかってない人がいる」と、これは特に与党系、あるいは政府系の人たちの意見ですけれども、「わかっていない人がいて、その人たちがガソリンの値下げだけでいいんだというふうに思っているとすると、なかなかいろんな動き方がしにくいじゃないか。ちゃんとわかったうえでみんな判断してほしい、そういうようなことを県民の皆さんにも改めて言ってください」という話もありました。一方、野党の方に行くと、野党のパンフレットやビラもありますが、あれと全然違うことを言っているし、なるほど真実はちゃんとたくさんしゃべらないとわからないなあ、ということもありました。

 したがって、たくさんしゃべるということをこれからやろう。何も議論を一つだけに誘導する必要はない。私は県知事として責任がありますから、自分は「こうなると」いうことは申し上げますけれども、それをむやみに聞きなさいというつもりは全くなくて、「いろんな議論はあってしかるべきだと思うから大いに語り合おう」というような呼びかけを今後していきたいと思っています。これまでの動きと今後の動きはそこに書いてあるということであります。

 それから、パンフレットを作りまして、これは私たちの思いを、この間東京に行ってお願いをしてきたときの考え方をここに書いてあります。一言でいうと、「和歌山のような地方圏、そういう地方の人のチャンスを奪わないでください」というのが私たちのメッセージです。ガソリンが値下がりになったりして、いいことはもちろんあるわけですけれども、その他に道路特定財源暫定税率がなくなると、道路がなくて私たちの生活を良くするようにみんなが考えられますか、ということを考えないといけないと思います。

 余談になりますが、あえて申しあげますと、「暫定税率がなしでいいですか、ガソリンが下がった方がいいですか」というふうに聞かれたら、多数の人はそれは下がった方がいいに決まってる。環境派の人がいて、「そんなのおかしい」という人がいるはずなんだけど、ちょっと環境派の人がこれに気が付いてないと思うのであんまり言わない。だけど、ほとんどの下がった方がいいというような人には、私は4種類あると思うのです。

 「暫定税率がなくなるということなんですけれども、道路の財源がなくなるということなんです、いいんですか」と言ったら、「えっ、そんなの聞いてない」というのが第1です。

 「道路の財源らしいな。うん、わかってるわかってる。だけど政府が何とかしてくれらよ」と、あえて和歌山弁で言うと、そういうふうに思ってる人が第2番目の類型だと思います。これは何ともなりません。和歌山県でいうと新しい道路はもちろんのこと、今造っている道路もほとんど全部止まります。維持補修くらいしかほとんどできないということになると思います。あるいは、もしそれを強行してやろうとすると、何らかの形で、例えば福祉のお金をバサッと切らないといけない。県は国と違って赤字県債というのは出せない。もし出せたとしても、県の財政は1年半しかもたないという中で、そんなことできるかということでありますから、「何ともなりません」というのが答えです。

 それから3番目は、「道路はいらんよ」という人がいると思います。ただ道路がいらんよといっても、「多分無駄がいっぱいあるから道路はいらん、くだらん道路いっぱい造ってるからいらん」という人がいると思いますが、「あなた方の言ってるこの道路も造れなくなるんですよ」と言った瞬間に、「えっ」と言って、「それは困る、それだけは造って」という人がいる。これも無理です。つまり財源がなければ、ある程度優先的に配慮するということはできるにしても、それもできない。

 4番目は、「道路はいらない、もう私たちはこれ以上のものは何も望まない。例えば、自分の子ども達なんかみんな都会に出てしまってそれぞれの生活がある。私たちは老後をここで迎えればそれでよろしい。それでお小遣いが多少増えた方が自分にとっていいんだから、もうそれでいいと。何にも望まない」という人がいると思います。

 人生観の違いだから、第4の類型の人が多数だったら、それはまあそれでもいいと思うんだけれども、よく詰めてみると、多分第4の類型以外の人が私は多数じゃないかと思います。だから、よく議論をしてみようと、時間はまだまだあるからということで、これからいろんな人と議論をしていきたい。特に和歌山県においても議論をしていきたいと、こんなふうに思っております。

「紀州材生産販売プラン」を策定

 それから2番目は、紀州材の生産販売プランです。これについては、「ついに」と言ったらいいと思いますが、林業の再生プランと言ってもいいんですけれども、それを発表することができました。5年間くらいの計画になっているのですけれども、何とかこの5年間をしのいで、それで所得を上げて、林業従事者の暮らしがこのままいけば維持できるというような見通しが立ってきたということであります。

 その内容は一言で言うと、低コスト林業をやる。今まで以上にコストを下げて木材を安く供給できるようにする。そうすると市場で儲けが出ます。そういうふうにしたい。もう一つは、紀州材の加工販売、その体制をもっと強化して売れるようにしたいということです。現実には、間伐材の利用を進めて、つまり間伐を進めてと言った方がいいかも知れません。それによって現在残っている、どんどん育っている木の商品価値と利用可能性をさらに高める。そうすると5年後、終わったときに資源を費消するんじゃなくて、資源が増えるという形で、この5年間はしのげるわけです。そういう形でどんどん良くなっていくという図式が描けるかなというふうに思っております。

 具体的に言いますと、資料の1枚目に書いているのですけれども、現在、紀州材は素材で17万立方メートル生産をしている。主として柱材など木材で利用しているところが多いのです。それで建築のプロの説によると、例えば柱なんかは紀州の針葉樹、杉や檜の柱が大変よろしいということで人気は高いのです。いいものを原木市場で選んで持ってきて、製材所で加工して出すというのが今までのやり方です。今後どうするかというと、6万立方メートル、17万に対して6万立方メートル増産をしようと。先ほどの低コスト林業を導入して、コストを安くして6万立方メートル増産する。その6万立方メートルの内の2万は今までの流通、つまり木材として利用しようというところに回そうと。これはA材です。立派な材木です。それから、BC材は、一つは県内でラミナの生産工場、ラミナというのは集成材の原料です。この生産工場の設備増強をして集成材工場に持って行くというような形にしていこうということで、このラミナを利用しようということをこれから詰めていきます。残念ながら合板工場というのが、県内に大量にさばいてくれるところがないので、残りのBC材については、素材として3万立方メートルを県外に持って行くということでだいたい話がついています。したがって6万立方メートル増産をして、その結果どういうふうになるかというと、資料のいちばん最後のページにありますが、全体として5年後、現在よりも24億円ぐらいの収入を増加させようと、それによって林業就業者はだいたい今のままというぐらいの感じです。今の人たちを維持していこうということで、まだ増えるところまで行かないのですけれども、林業就業者を今と同じぐらいの約千人ぐらいということにして、年間所得を25万円上げるということにしようと。資源価値が上がりますから、63億円の純増ということになって、もうちょっといい時代になるかもしれないというような、そういう構造です。

 どんなことをやるのかというのは2枚目に書いてありますけれども、低コスト林業のためには森林を団地化して作業道などを造るのです。この作業道というのは、従来の林道とは違って、街を走るトラックじゃなくて資料[紀州材生産販売プラン 2ページ]にあるような作業車がスルスルと通れるような、ちょっと崩れたら直しながら通れるような、そういう道を造っておいて、1ヘクタールあたり60メートルぐらいの割合で造っていくのですけれども、それでそのところから、スイングヤーダによる搬出、プロセッサで造材、フォワーダによる運搬、こういうふうにありますけども、こんな感じでです。ちょん切って、道端まで持って来て、造材をして、運搬をする、そういう形で少ない林業従事者でもやっていけるようにしようということです。ビデオを見せてもらいましたけれども、そんなに大量の人が働いているわけじゃないのですけれども、この機械なんかは女性が運転しています。力持ちじゃなくても、ちゃんとできるのです。

 その次は、素材の流通で積みおろし回数を削減する。それから、原木市場でせり売りを必ずしもしなくても長期契約でどんどん売っていく。それから、素材生産情報を一元化するというようなことで低コスト林業を達成して、その次の加工販売促進で加工施設の整備促進をする。それから性能表示もする。ラミナ生産工場の設備増強、強化をする。

 それから、販売の方では、これは農産物なんかと同じで、大消費地に販売促進をかけていかないかん。林業の場合は、ジャパン・ホームショーというのが11月にありますので、これに攻めていくというようなことを中心にしてやっていく。写真が出ておりますけども[紀州材生産販売プラン 5ページ]、我が県の予算で、県外でモニュメンタルな建物を造るときに紀州材を利用してくれたら補助金差し上げますと、その代わり宣伝させてくださいというのがあって、今年は東京大学の駒場のリサーチキャンパスに「くうかん実験所」というものを建ててもらって、それをマスコミに宣伝させてもらうということになっています。それからその他に、例えば、BC材の販路開拓などをこれからもうちょっとやっていく。できれば最終的には県外に持って行っていたものを県内で全部加工して、集成材にして出荷できるようになったらもっといいなと思っているのです。

 それから、バイオマスでもうちょっと利用できないかとか、そういう努力はまだ発表できるようなものはありませんけれども、アヒルの水かきふうに、県もそれから業界の方も今、一所懸命努力をしてるということです。しかしそれがなくても、ご覧のような形でだいたい5年間をしのげるという目途がたったので、これで、もちろん今までのような予算も使いながらやっていこうじゃないかというふうに考えているということであります。

第2回わかやま産品商談会in大阪について

 次は農水産物と加工食品についてです。「第2回わかやま産品商談会in大阪」というのを2月4日に、大阪マーチャンダイズ・マートで行います。時間は1時から4時までであります。これは私が就任直後、県外に攻めて行った第1回目の仕事になったのですが、和歌山の歴史始まって以来初めて県外に打って出た。和歌山の農産品業界を中心とするような産業界の人がみんなで攻めて行って、「どうだ、見てくれ、買ってくれ」という商談会をみんなでやったというのが、実はこれが初めてなんです。結構多くの人に注目されて、バイヤーさんなんかはずいぶん来てくれたということで、この時期になったら和歌山が大挙してやって来るぞというような固定観念といいますか既成事実を積み重ねていこうじゃないかということで、2月の始めには大阪で和歌山県の産品商談会をやると、毎年やるということで、今年も第2回目を行います。

 第2回目の特徴としては、和歌山の業界の人が自分のブースを持って、お客さんに、いらっしゃいと勧めるとか、商談をするとか、そういうのが中心なんですけれども、一方では、説明会、プレス・バイヤーセミナーというのをやろうということになりました。始めのプレス・バイヤーセミナーは、私が本県の取組方針、特に「農水産物・加工食品の販売促進戦略」などを紹介して、こういう取組をやっておりますというようなことを申し上げます。それから水産物に関しては、養殖クエがついに商業出荷ができるようになって、和歌山県の温泉地などで一斉に売り出しています。その苦労話とか、その内容とか、そういうことを近畿大学にプレゼンテーションしてもらいたいといって調整をしています。それから農産品で、ついに和歌山の農業試験場が日本でいちばん美味しいいちごを作りました。まだ、G44号とかいう、鉄人28号みたいな名前しか付いていないのですけれども、そういういちごを作ったので、それについての説明会をやるということであります。それから新しい系統の梅も作りました。これはうめ研究所がアピールをするということにしたいと思います。それからクエ鍋とか、いちごの試食とか、みんなと一緒にやってみようと。クエ鍋美味しいですからね、その場で食べてみようということであります。それから、畜産物の紀州うめどり、うめたまごの紹介とか、林産物の紀州備長炭、それから特用林産物いろいろありますけれども、それの説明もセミナーという形でもやろうということであります。

 昨年の実績なんですけれども、県内の業者111社、購買企業117事業所でありました。いろいろアンケートをして答えてくれた人だけの集計では、28件ぐらい商談が成立して、それで成立した人は大変評価してくれている。もういいという人は今年は出ないし、またやるという人は出るし、それから次の人がまた出てきているというようなことが結構あります。今年は今のところ、県内のサプライヤーは約100社、その内新規出店が53社です。入れ替わっていきます。それから、購買企業は107事業所ですが、これは多分あと2、30増えるんじゃないかなあと、去年も登録しないで来る人が結構たくさんいたので、内心思っています。そういうふうにやっていきたいというふうには思っています。是非、県内の方々への刺激もありますので、皆様も取材に来てくださいますようにお願い申し上げます。

地球深部探査船「ちきゅう」関連行事について

 それから話題提供ですが、地球深部探査船の「ちきゅう」が2月5日、母港である新宮港に帰ってまいります。そこで、ずっと南海トラフを掘っておられた平さん(海洋研究開発機構理事)以下、関係機関の方々がシンポジウムをしてくれます。2月9日の9時から15時であります。これはもちろん国際シンポジウムで、子ども向きとかそういうのではないのですが、聞いていたらおもしろいかもしれないです。それから、世界中の地球に関する学者さんが新宮に集まるという、そういう催しであります。「ちきゅう」の一般公開もあります。その他にこの資料には書いてませんが、高校などへの出張、出前授業、そういうのも「ちきゅう」の乗組員の人たちがやってくれるということになっております。

「YOKOSO! JAPAN 大使」に本県からクルト・キュブリ氏が決定

 それから話題提供で、1月17日に政府の方からプレスリリースがありましたが、高野山の無量光院にいらっしゃるお坊さんのクルト・キュブリさんが、スイス国籍の方ですが、「YOKOSO!JAPAN大使(ようこそ ジャパン大使)」というふうな大使に任命されました。これは、ビジット・ジャパン・キャンペーンということを日本政府は一生懸命やってますが、その内の一つです。全部で17名任命されましたが、和歌山からはクルト・キュブリさんが任命されたということであります。その他は日本人の方もいるし、外国人の方もいるということです。クルト・キュブリさんはフランス語、ドイツ語、英語、イタリア語の4カ国語で高野山の魅力を海外に語ってくれているということで「YOKOSO!JAPAN大使」になったということであります。

 以上です。

記者発表資料

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Q&A

和歌山放送:ガソリンの価格が世界の水準に比べて日本の水準が低いんじゃないかという議論があるのですけれども、その観点からこの問題を考えるということはあり得ますか。

知事:あると思います。この間の記者会見(1月15日)で環境派の人とかが何も言わないのはおかしいと申し上げました。まず今言われたガソリン価格は、OECD(29カ国)の国の中では下から6番目に安いんじゃないかなと思うのです。いちばん安いのはアメリカです。日本より下にいるのは、アメリカと、オーストラリアと、カナダと、メキシコと、ニュージーランドしかないのです。ヨーロッパなんてめちゃくちゃ高いです。この間、NHKの毛利さんの出る環境の番組を見ていました。そうすると、ヨーロッパではスウェーデンがものすごく偉いんだとか言っているのです。ガソリンの価格が225円に対して、確か私の記憶が正しければ、とうもろこし以外のバイオ燃料の価格が155円なのです。それは税金の操作等々によって、そういうふうにしているんだというようなことを言ってました。155円で安いというのは日本のガソリン価格が今どんどん高くなっているけれども、まだ155円より安いのが結構多い。そうすると、ガソリンだけ比べるとこんなに違うし、「安い、安い」と言っている外国のガソリンより日本のガソリンの方がまだ安い。それをさらに25円安くしたら、環境グループで議論をするときに当然ぼろくそに言われるでしょうね。なぜ環境派の人が何も言わないのかなと、不思議な国だなというふうには思います。いつもワアワア言っている、そういう人が何も言わないのは変だなというふうに。あれは嘘だったのかというか、ポーズで言っているだけかというふうにすら私は思うという感じはします。それからもう一つは、理論的にいうと、ガソリン価格が高くなったから目的税を下げるということは全くナンセンスなのです。私は今、和歌山県の知事ですから、実態的な話をしたいわけです。なぜ県民が困るかという話をしたい。だけど、昔のくせが出て理論的なことをちょろりと言ってしまうと、ガソリン価格が上がるから税金をまけるというなら、物価が上がったら消費税を下げるのかとか、こういう話になるわけです。それから、所得が下がったら所得税を下げてやるのかとか、そんな無茶苦茶なことをやってはいけないので、税金というのはある目的にしたがって取るんだとか、ある理論的な形にしたがって、例えば所得税なら何パーセント取るんだとか、何パーセント以下は何円以下の人は取らないんだとか、そういうふうなルールを決めるものなんです。大江さん(参議院議員)の言葉でなるほどと、だんだんわかってきたのですが、「物価政策と混同している」というのが、確かにそのとおりだというふうに思いました。

毎日新聞:各社の世論調査では、暫定税率を廃止した方がいいというような意見が大勢を占めていますが、どうお思いでしょうか。

知事:さっき言いましたように、「あなた、こういうことはどうですか」と言って、一つひとつ聞いてみないといかんと思うのです。もう1回言うと、「ええっ、道路造らないの」というのが第1にあって、その人に「造らなくてもいいんですか」と聞くと、「そんなものは聞いていない」と言って、同じ人が「下げた方がいい」と言うかというと、また違う話になる。設問によって答えはコロコロ違う。

 2番目に、「何とかしてくれる」と思っている。県の場合は、あるいは市町村もそうだと思いますが、本当に何ともなりません。国はひょっとしたら何とかなるかもしれない。というのは、2つ方法があって、一つは消費税を上げるか、あるいは赤字国債を出すかです。消費税を上げるというのは大変勇気のあることです。それから、赤字国債というのが非常に安易なのですけれども、私はもし政府がそれをやったら世界中の金融界に復讐されると思います。現在、実物経済だけの世界ではなくて、金融も含めて国の信任ということで資本が行ったり来たりする時代です。そういうことを考えると、赤字国債で何でもやっちゃうんだというような国に果たして資本が集まってくるのかというと、それはものすごく疑問です。こんなものはすぐにわかるわけです。だけど、どうかな、そんなことまで言っているかな。

 それから3番目に、「いらないよ、そんな道路なんて、あんなにたくさん」とこういう人は結構多いと思うんだけど、例えば和歌山市内でも、市駅小倉線なんか絶対に駄目ですよとか、西脇山口線なんかストップですよとか、危ないかもしれないけど歩道は付かないですよというようなこととか様々なことがあって、どんどん「ごめんなさい」と言って断っている状態なんですが、そういうことについても「そこもそうなんですよ」と言ったときに、「ええっ」と「それは違うだろう」と言う人が多くて、そこもそうなんですよと認識したうえでいらないと本当に言うんですかと聞くと、違う話になってくるんじゃないかな。

 それから4番目は、明らかにどう言ってもガソリン税の値下げの方が賛成という、「何も道路なんか、何も期待していない、チャンスなんかくれなくてもいい」と言っている人はそれでいいかもしれない。本当に設問をちゃんとしたアンケートなんか見たことがない。

紀伊民報:もし仮に延長しなくて期限が切れてしまうと、120億円くらい減収になるということなんですけれども、今、知事査定で予算編成をしているところですが、どうなるのでしょうか。

知事:まさか天下の責任ある政党が、こんな無茶苦茶なことをするわけがないと思って予算を組まないとしょうがないじゃないですか。したがって、当然なにがしかの道路財源が来ると思って組んでいます。それがもし本当に来なかったら直ちに歳入欠陥だから、予算の組み替えをするか、執行不能になるかです。はっきり言うと、福祉の予算とか、そういうようなところから取ってくるということがなければ、それはもう本当にしたくないし、道路はほとんど全部止まるでしょうね。

 百何十億円ということなんですが、それを基にして、例えば交付税措置をしてもらったり、後々払う借金ということにして平準化していくのですけれども、それから直轄事業の負担金に充てて直轄を引っ張ってくるとか、そういうことがたくさんあるのです。したがって、原資が本当になくなるとそっちができないから、あるものでいえば10倍とか、あるものでいえば3倍とかいう予算がポンとなくなる。しかも我々は、かつての借金を返さないといけない。それから維持補修も多少はしないといけない。その水準も落ちると思います。そういうことを考えると、今、全体で700億円くらいの事業規模があるんだそうです。その700億円事業規模の内の400億円くらいが執行不能になるのです。そうすると、200億円ぐらい借金を返してというようなことをやっていくと本当に何にもなくなるのです。さっき「何ともなりません」と言ったのはそういう意味で、本当に何ともならないのです。

 民主党の政調会長の藤井さんに、「何ともならないじゃないか」と言ったら、そしたら「直轄の負担金をあなたたちに全体で1兆円くれてやるから、だから嬉しいだろう」と言うけれども、全く嬉しくない。なぜならば、我々は直轄でやってくれと言って、今、頼んでいるんじゃないかと。高速道路だって、トンネルだって、直轄でやってくださいと言って頼んでいるんです。直轄の方のお金を全部取り上げるというような藤井さんの考え方でしたから、向こうに何にもなければこっちに負担金をもらったってしょうがない。しかもその負担金みたいなお金がどこから来るかもわからないわけです。「財源をカットしておいて、代わりにこの財源が」というのならわかります。さっき言ったみたいに、赤字国債でいいんだとか、消費税を上げようとかいうふうにはっきりおっしゃるのだったらいいんだけれども。ちょっとおっしゃっていたのは、環境税で1年後に、つまり1回やめて白紙に戻しておいて、ガタッと落としておいて1年後に、環境税か何かでひょっとしたら戻してやるかもしれない、と。「環境税でなんで道路かね」という感じもするし、はっきりと見通しを我々が立てられるような説明は何もないわけです。私は、「あなたは主計官をやっていただろう。それから元の自民党の税調の幹部なんです。それでそのときも、その前の主計官のときもあなたの仕事の誇りというのは、全てつじつまを合わせることじゃなかったのか。それは、こういうことをやるとこっちの方で欠陥が出るからこっちへ財源を回してとか、全部つじつまが合っていましたよ。だけどつじつまも何にも合わなくて、それで無駄はあっちこっちにあるからそれを何とかすればいいだろうとか、そんなことを言われたって信用できるか。つじつまを合わせる誇りというのはどこへ行ったんですか」と最後に言って帰って来たのです。

 それと驚くべきことは、藤井さんは25円を下げることなんてどうでもいいんだと、やめろやめろと言ってるというのです。あのキャンペーンは何だと、25円を下げることしか言っていないじゃないか、30年暫定税率は長すぎる、理屈はそれ一つです。下げればいいんだとだけ言っている党のいちばんの政策、本家の政策を作った人が、「25円なんかどうでもいいんだ。資源配分のゆがみを正すのが目的である。特定財源はおかしい。一般財源化しないといけない。したがって特定財源であったが故に多くの金が回りすぎている道路の予算は切らないといけない。だから暫定税率はカットだ」とはっきり言っているわけです。「こんなことはみんなにはっきり言え」というふうに私は思います。全てのことは明らかにして、私は県知事ですから県民ばっかりに言いますが、国民はどうしますかというのが正しいやり方です。一部のことだけ言えば、それはデマゴーグ(民衆扇動家)です。私は真面目人間ですから、そういうのは嫌いです。なかなか狡っ辛い政治家にはなれないね。

紀伊民報:暫定税率が延長しなければ予算の組み替えも生じてくるということでしょうか。

知事:生じてくるというよりも破滅的影響が出るから、どうするのだろうね。それよりも国はどうするのだろうということが先にありますよね。例えば、民主党のいいなりになりますというふうに、政府与党の方が意思決定されたら、破滅的影響が出ると思います。

共同通信:暫定税率が政局の一つになっていることについて、どのようにお考えでしょうか。

知事:政局の一つとして扱われるということは、おかしくはないと思います。ただ政局だったら、何を訴えているのか、その結果、訴えた政策によって世の中がどうなるのか、ということを堂々と問うべきです。藤井さんは25円なんかどうでもいいんだと、口当たりのいいようなことはどうでもいいんだといって政策を作っているわけです。そしたら、それを国民に問うべきではないか。地方を大事にすると言っていたのだったら、どうやって地方を大事にするのかということを問うべきではないかと思うわけです。それで、政府与党と野党で意見が違うのであれば、いろんなものを全部出し合って、それで政局にすればいいのではないかと思うわけです。大事なことを全部隠しておいて、口当たりのいいことだけで政局にするというのは、それはちょっと卑怯というか、節操がないというか、そんな感じがします。私は政党人ではないので、そのようなことには無縁でいたいと思います。どんな政権であっても、和歌山県のことを大事にしてもらえばいいわけです。だけど、本件だけは、「やってしまわれれば和歌山県は破滅です」という意味で、あえてこういうことをいろいろ言っているわけです。それから、この間、連合の会議のときに、「皆さんよろしく頼みます」と言って、市長の大橋さんも一緒に言っておられたのですが、民主党の方があいさつのときに、そのことについて何も反論しない。それでも値下げの方がいいでしょうとか、さっき言いました4類型の内の最後の類型のニュアンスがきく話で、それならわかります。ところが、何も言わないで「これは政局になるでしょう。選挙になると思います。選挙になったらよろしく」と。それでは和歌山県民はわからない。材料というか種にするだけかと。和歌山を犠牲にして党利党略を考えてもらわれたら困るというふうに思いました。言われた方は私は大好きな方なので、個人的には言いたくないです。少なくとも、和歌山県にとっても困るということです。

NHK:対話集会は具体的にいつするのですか。

知事:これは今考えていますけれども、一つは女性の会を2月10日ぐらいにと考えてくれている人がいます。いろんな女性団体の統合組織、連合会、そういう方に話をしたら、「やってあげようか」と言ってくれました。2月10日に和歌山市で、その他にももっと南の方でやってもいいかもしれない。決まっているのはこれだけです。

共同通信:この対話集会には国会議員は来られるのででしょうか。代議士は呼ぶのでしょうか。

知事:代議士は呼ばないと思います。県議会議員や市町村の人とかは我々の側だから、国会議員の人はお願いに行く方の立場ですから、講師として相応しい人がいたら呼んでもいいと思いますけれども、呼ばないとはっきり言うつもりはありませんが、考えていません。呼ぶかも知れません。

NHK:資料の活動内容2番目の「市町村長自らによる住民理解を得るための広報活動」とは何ですか。

知事:これはそれぞれの市町村が考えてくれることになりました。昨日、30市町村長が集まって、それぞれでいろんな活動をしようと、例えばビラを配ったり、街頭演説のようなことをやると言っておられた方もいました。

NHK:どこの市町村長ですか。

知事:例えば、北山村長さんは「私はビラを配る」と言っていましたけれども、それはそれでお任せしますから、私はあまりコミットしません。

NHK:知事もされるのですか。

知事:私はこういうことはやりません。集会を開いてもらったら喜んで出させていただく。それこそ虚心坦懐に、藤井さんと議論したようにみんなで議論する。みんながわかって、「全部わかったけれどもやっぱりだ」と言ったらそっちがいいんだとする。私は「和歌山県のためには、和歌山県をこれから良くしたいと思っているから、本当に道路というのはそんないいかげんなものではありませんから」というふうに思います。けれども、民主主義ですから、私が何と言っても人の意見というのは変えられない。だけど情報は全部提供しないと卑怯であるということであります。

毎日新聞:もともと道路特定財源の一般財源化というのは、自民党の安倍政権のときに言い出したのですが、それを自民党が方針転換をしたと。

知事:それはしていないでしょう。つまり、あのカラクリは小泉さんのときから言い出して、あのとき一般財源に持って行ってもいいじゃないかという議論がまずあって、だけど道路は必要だなということもある。必要な道路だけ造った後、残ったら一般財源にというのが一昨年の12月に意思決定されています。私が選挙をしているときです。新聞を見て「おう、大変だ」と思ったのだけど、「おう、大変だ」と思って知事になって和歌山県の道路事情を見ると、例えば紀伊半島一周の高速道路だって凍結されているし、京奈和自動車道もいつできるかわからないし、それからX(エックス)軸ネットワークも早く造らないと話にならないし、いろんな必要のある道路が和歌山にはものすごくあるわけです。ある意味では、藤井さんは30年は長すぎると言うかもしれない。この30年の間で和歌山県民は東京都民に比べて3倍のガソリン税を供給、つまり払っている。その財源で都会から順番にインフラを整備している。なぜ都会からかというと、これはBバイC[ベネフィット バイ コスト(費用対効果)]論理です。つまり交通量の多いところ、インフラが集中しているところの方が計算上、上に行く(値が大きくなり優先される)のです。だけど、これが正しいのかというと、実は正しくないのです。皆さんに証拠を見せますけれども、都会のB、すなわちベネフィット(便益)は、ほとんど道路によって目立った変化はないのです。すっと行けるというのはあるんだけれども。それで交通量がどっと増えて、ものすごく便利になったということはあるけれども、計算よりもっと凄くなりましたということはほとんどない。ところが和歌山県になると、半分付いている道路、ああいうところで、あのときのBバイCの記録が全部あります。そうするとそれの1.5倍くらい皆伸びている。どういうことかというと、田舎は道がないから車が来ない。特に観光地なんかはそうです。道が付いたらどっと来るんです。「あれ、来ちゃった」というのが本当のBバイCのカラクリなんです。それを計算の方式が悪いというのは、統計屋としてはそれが正しい方向です。だけど、それを信じる人のセンスがもうちょっと相対的にならないといけない。つまり、チャンスができたらチャンスに応じていろんな活動が盛んになる、ということがあるのです。そういうことで、それは大変だということで、実は道路懇談会を作って理論武装して、今私が言っていることはそのときの議論なんですけれども、道路懇談会の議論を踏まえて、道路懇談会の議論というのは「造れ造れ」じゃないです。選択と集中が一方であったわけです。それによって、本当は造りたいんだけれどというのをうんとセーブして計算したら、この10年間で和歌山県は平成19年度の19倍いるということになったのです。つまり、その前の10年間よりも2倍いるというのが必要な道路の試算なのです。全部がめたわけじゃないんです。それは藤井さんも認めていたけれども。それを国土交通省に出して、国土交通省はそういう情報をいっぱい集めて必要な道路はどれくらいかというのを試算して、高速道路は明示した。最終的には65兆から議論して59兆になった。「59兆くらいは使うんですよね、必要な道路なんですよね」というのが政府与党の決定なのです。そうすると道路特定財源の額と比べるとあまり残らないというのが現在のところの議論となっているというのが正しいところです。したがって、自民党がぶれているわけでも何でもない。ところがそれで「やれやれ、これで和歌山県は悲願が達成できる」と思っていたら、「財源は全て、ない、ない」と言われて、今和歌山県としては慌てているという、こういう状態です。新たな大敵現るですね。

 皆さん、林業の話も是非注目してください。これぞ1年かけて心血を注いで作りました。5年間何とか生き延びるということで。この次の5年間はさらに良くなる。生き延びなければ次の5年間はないわけですから。

読売新聞:2007年からとなっていますが、もう既に始まっていることもあるのですか。

知事:計算上の起点を2007年にした。2007年と2012年を比べるとこうなるんですということです。そういう意味で2007年です。

読売新聞:5年間で、県はどのくらい補助金を投入するのですか。

知事:ビシッと決めているわけではないですが、だいたい今の水準です。これは林業に関しては少なくはありません。この水準をずっと投資していく。全体の財政との関係で、ちょっと減らさないといけないかもしれないけれど、林業だけは絶対に減らさないとか、増やすとかいうことは難しいかもしれない。ガタッと無茶苦茶に道路に回さなければいけないということがなければ、がーんとやる気はない。そうすると、今の額のちょっと少ない目くらいの額をずっと投入して、それを効率的に使って低コスト林業ができる。

紀伊民報:この5年間何とか生き延びる方法とは、何もしなければなかなか生き延びられないということですか。

知事:例えば、25万円所得が増えなかったら和歌山県から出て行きます、という人ばかりかというとそれはわかりません。だけど、少なくとも低収入であえいでいたら元気も出ないし、せっかく来ていただいた緑の雇用の人たちも先が見えないとおもしろくない。これでちゃんと頑張っていけば所得も上がるし、5年間つないで資産も上がっていったら次の5年間はさらに良くなる。絶対良くなりますよ。和歌山の資源は伸びていくんだし、世界的には木材資源は枯渇していきますから、そういうことを見通せればいいんじゃないかということです。

 それから産品商談会(第2回わかやま産品商談会in大阪)もよろしくお願いします。

共同通信:三重県の前知事の北川さんや宮崎県の東国原知事とかが、新しい運動組織の「せんたく」を作ったのですが、知事はそういう組織から「どうですか」という招待はあったのですか。

知事:招待は現時点ではないです。あまり理解をしていないのですが、発起人を昨日見たのですが、知事だけではなくて知っている人もうじゃうじゃいるし、立派なグループじゃないかなと思います。ある意味では政策集団というか、政策を語る懇談会みたいな感じかなと思います。オープンな気持ちでつきあっていきたいと思います。入れとか、メンバーになれ、という話はありません。

 メンバーといえば、道路でメンバーになりました。麻生知事会長から電話がかかってきて、「道路特定財源を守る対策本部を作って、本部長は広瀬大分県知事になってもらうので、副本部長の一人として加わらないか」と言われたので、「かしこまりました」と言っておきました。道路部局に行ったら資料をくれると思います。

共同通信:それは具体的には陳情活動や広報活動をするのですか。

知事:既にいろんなことをやっているのですけれども、知事会としても声を合わせてアピールしていこうということじゃないかと思います。ひょっとしたらそれに加えてアクションもついてくるかも知れません。

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