知事記者会見 令和6年1月10日

知事記者会見

記者会見での発表事項等を紹介します

令和6年1月10日 知事記者会見

令和6年1月10日 記者会見室
 

 それでは、令和6年、最初の定例記者会見を行います。その前に、令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、今なお被災され避難所等でご苦労されている関係各位の皆様に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。発表事項の前に、若干、地震関連のお話をさせていただきたいと思います。
 これまで、県の対応については、縷々、報道資料をお配りしていますが、昨日、10名の県庁職員を、カウンターパートである能登町に、主として避難所の運営支援という形で出発式をさせていただき、取材のご協力ありがとうございました。その後、石川県へのDMATの派遣についても、提供資料をお渡ししたとおりで、県立医大附属病院、和歌山労災病院、公立那賀病院、新宮市立医療センターの皆さんに、順次、本日から活動に入っていただくということです。
 それから、和歌山県内の公営住宅についても、既に資料提供をしていますが、県営住宅と市町村営住宅を提供することを発表しています。県営住宅22戸、市町村営住宅51戸、計73戸を提供させていただくことになります。
 現状、昨日までの段階で、和歌山県内からの派遣者ですが、警察、消防を含めて160人前後の派遣です。延べにすると、大体1300人強の派遣がこれまで行われて参りました。その他に、日赤和歌山医療センターの医師、看護師等の民間の方々、ボランティアの方々は、多数、石川県に入っていただいているというように聞いています。
 特に、私どもとしては、能登半島という半島の災害であり、他人事ではありません。南海トラフを含め紀伊半島の南は、道路事情もよく似ているので、おそらく同じように孤立集落等も多数発生することが見込まれます。そういう意味では、今回、おそらくかなりの期間、能登町をはじめ石川県へのリエゾンも含めて、入れ替わりで大勢の職員に行っていただくことになるので、半島独自の災害状況、その後の復旧支援等について、しっかりとお助けすると同時に勉強してきていただいて、少し落ち着いたところで、これまでの県の防災体制をもう一度見直すきっかけにしていきたいと考えています。防災関係、地震関係についてご質問があれば、全体の説明の後でお受けしたいと思います。

南紀白浜空港の愛称が決定しました。

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 まず、発表事項にうつります。今日の発表事項の1番目は、南紀白浜空港の愛称を決定しました。ご存知のとおり、南紀白浜空港というのが正式な名称ですが、今年、世界遺産登録20周年ということもあるし、何と言っても和歌山の観光にとって南紀白浜空港は一つの鍵になるので、この際、愛称を決めさせていただいて、観光誘客に繋げたいということで公募しました。昨年10月から11月にかけて公募し、1645件応募いただき、本当にありがとうございました。いただいたものを、南紀白浜空港利用促進実行委員会でご審議をいただき、最終的に、「熊野白浜リゾート空港」に決定させていただきました。まさに熊野は、世界遺産登録の対象ですし、世界的にとても有名な名前です。場合によっては、白浜よりも熊野の方が海外での知名度が高い。もともと南紀白浜空港ですから、白浜というのも外せません。実際、応募の中で、熊野や白浜という名前を付けてくださった方が圧倒的に多くいました。
 それから、昨年、私ども観光のキャッチフレーズ、新しいコンセプトとして、聖地リゾートというキャッチコピーを作りましたので、これを入れて、熊野白浜リゾート空港です。なお、今年7月ぐらいから積極的に愛称を広めていきたいということで、イベントも用意しているし、かつ世界遺産登録20周年と併せたイベントにして、盛り上げていきたいと考えています。これが1点目です。

和歌山県はENEOS株式会社、花王株式会社及びサントリーホールディングス株式会社と包括連携協定を締結

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 2点目が、本日、この後、去年発表いたしましたサーキュラーエコノミーの方針に基づいて、ENEOSさん、花王さん、サントリーホールディングスさんと、循環型の経済を推進するための包括連携協定を締結します。

和歌山県と吉本興業ホールディングス株式会社が包括連携協定を締結します

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 来週、吉本興業さんとの包括連携協定を行って、産業振興やスポーツ振興、健康福祉等、吉本興業さんの強みを活かさせていただいて、県の活動にご貢献いただきたいということです。

株式会社日本ユニストが和歌山市にシステム開発拠点を開設

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 本社が大阪市で、不動産売買や不動産活用に関するコンサルティング、ホテル運営事業等を実施している株式会社日本ユニストが、システム開発拠点として和歌山市に進出していただくということで、協定の調印式を結びたいと思っています。

わかやま産品商談会in大阪を開催いたします!

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 毎年、大阪でわかやま産品商談会をやっていますが、かなり大規模なもので、1月19日金曜日、私も参加をする予定です。ぜひ、ご取材もお願いできればと思います。

わかやま成長産業開拓ビジョン検討会(第2回)の開催について

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 話題事項ですが、わかやま成長産業開拓ビジョン検討会の第2回目のリモート会議を、本日午後行います。私の方で主催をさせていただきたいと思っています。

 以上です。
 

質問と回答

NHK:地震関連で2点質問があります。一つ目が、聞き漏らしているかもしれませんが、県内からの派遣者で160人と1300人という二つの人数の数字が出てきたと思います。この数字の違いを、もう一度確認させていただきたいのですが。

知事:1月9日を切って、石川県に行っている方が160人程度。そして、消防を含めて緊急援助隊は1日に出発していますが、入れ替わり立ち代わりでやっているので、昨日までの延べ人数が約1300人強です。細かい数字は、担当に聞いていただければと思います。

NHK:リエゾン3人を派遣されていると思いますが、その方達から現地の状況は何か報告がありましたか。

知事:大変厳しい状況で、実際、能登町にも入っていますが、やはりものすごい災害を受けて、職員の方も被災をされ、小規模な市町で、現場の職員さんたちの対応がなかなか大変なので、外から支援に入ることの意味がとてもあるというようなことを、まず一般的に聞いています。

NHK:どういったことが一番今求められている、みたいな報告はありましたか。

知事:まさに人手です。それは、行政をやる人もそうだし、物資を運ぶ人手から始まって、やっぱり人手が必要だし、特に、行政能力に長けた職員の派遣が望まれるというふうに聞いています。

産経:地震関係でお聞きします。先ほど知事も、半島ならではの状態をこれから教訓にするということですが、具体的にどういう点なのか。木造家屋とかが密集している状況で、確かに非常に南部の状況と似ているところがあると思いますが、具体的に、耐震性の見直しや、何か今後進めなければいけないと感じたような点はありますか。

知事:まず、災害というのは同じ形では起きないと思いますが、今回、能登半島の先端は、道路が限られていて、道路が寸断されると孤立集落ができてしまいます。災害は、規模や状況が違うので、予め決め付けることはできませんが、仮に同じような規模の地震なり津波なり、もっと大きい津波が来るかもしれませんが、その場合、紀南の方は道路が少ないので、同じような問題が起きると思います。
 その場合に、やはり空路による輸送を、もう一度きちんと整理をしたらどうかと思っています。今、能登空港が全く機能していません。20日以降、民間機が飛ぶということですが、南紀白浜空港は、おそらく南海トラフ等の時の命綱になると思います。今回、能登空港が機能していない原因もよく調査をした上で、今度、熊野白浜リゾート空港になりますが、この空港をどのように維持できるのか。もちろん、岩盤が非常にしっかりしているとか、能登とは違う状況もありますが、例えば、電源が喪失された場合にどうすればいいのかなど、空路でどれだけ孤立集落を救えるのかについての研究はしたいと思います。その場合、ヘリコプターもそうですが、例えば、ドローンをどのように活用するのか。今回、ドローンが全然使われていないように拝察していますが、ドローンがどれだけ使えるようになるのか。和歌山県はドローン先進県を目指していますので、それも研究していきたいと思っています。

朝日:地震関連で、3点質問させていただきたいと思います。まず1点目で、同じような質問になるかもしれませんが、今回の地震で、幹線道路の寸断で、生存率が落ち込むと言われる72時間までに、物資の輸送や救助作業が妨げられるということが起きました。県内でも同様の問題が生じると見込まれると、先ほど発言がありましたが、その理由と、防ぐために何が必要かを、もう一度教えていただけますか。

知事:理由は、同じような地形であるという半島独自の特色があるということだろうと思います。72時間以内ということであれば、道路が寸断されているので、先ほど申し上げましたように、空路を使う、ドローンを使う、或いは実際に人を運ぶためにはドローンというわけにはいかないので、その場合はヘリコプターになりますが、空路をどれだけ使えるかの研究はすべきだろうと思っています。72時間以内に限りませんが、緊急物資或いは支援物資を送ることについても、どれだけ空路が使えるのかが課題になろうかと思っています。

朝日:2点目です。今回の地震で、過疎地なうえ高齢化率50%前後の自治体で被害が拡大したという事ですが、高齢化や人口減少でコミュニティの担い手が少なくなっている中、災害時の住民による共助の仕組みが困難になっていると思いますか。もし、その課題がある場合は、どのような対策が必要だとお考えですか。

知事:過疎地が存在することはどうしようもないことで、そういう所に住むなとは言えないし、それぞれの方が、故郷でしっかりと最後までお住みいただくことが私は大事だと思っています。そういう場所にお住みになっている方々が災害に遭われた場合、どうするかということだろうと思います。高齢化していることは事実ですが、介護でも老老介護というのがあり、必ずしも、年齢にはかかわらない元気なお年寄りがたくさんおられますから、年齢で切るのはどうかと思います。
 そこで、まず共助していただくのですが、それでもおっしゃる通り限度はあろうかと思います。そうした場合に、例えば、都市部に避難していただく。すでに始まっていると思いますが、もっと早く、都市部のホテル或いは旅館を使った避難の仕方です。これも、移送する手段という意味では、今回も、孤立集落の場合、ヘリコプターで随分移送されていますが、そういうことも予め想定して、できる限り過疎地或いは孤立集落になった中山間の方々を、安全な場所に移して、避難していただくというようなことを、抜本的に考えるべきではないかと思っています。
 そうは言うものの、それぞれ若年層の方もいらっしゃいますので、日頃の避難訓練で、隣町のまだ若い方々が少し中山間の町の避難訓練に参加していただいて、災害が起きた時も、そういう方々が助けに行けるような訓練も当然すべきだと思っています。できることは何でもやって、対応すべきだと考えています。

朝日:最後に、過疎地の自治体の防災力、発生時の対応力に課題はあるとお考えですか。その課題に対して、県の取組について、あれば教えてください。

知事:これは、災害だけには限りません。実は2040年問題があり、総務省からご指導いただいていますが、2040年になると、和歌山県の南の方の市町村は、人口がおおよそ半分になります。そうなった時に、行政能力が、なかなか厳しいものがあります。特に、専門職の方々を市町村でお雇いいただくのは、保健師さんはじめ技術職の方はなかなか雇えないことになるし、小さな市町が合併したところで問題は解決しないので、できれば、県庁が市町村と一緒に行政をしていくやり方を模索するのが、今の総務省の検討の方向で、我々も勉強しています。実際、地域振興の担当者が、市町村の首長さんのところに回って、2040年問題の勉強を始めているところで、防災に限りません。
 しかし、防災についても、県と市町村が行政を一体化していくという流れの中で捉えていけばいいと思います。それが日の目を見るというか、形をとるまでは、まずは県がサポートしていくことをやっていきたい。そのためにも、今、私が掲げている振興局の機能強化はそういうことで、振興局の機能を強化する、県庁機能を地域に持っていくということです。別に県庁を移転しなくても、県庁の機能を移転するというようなことを真剣に考えていくのが、防災のみならず、今後の和歌山県の行政の一丁目1番地になっていくのだろうと思います。
 もう少し目先の話で言えば、孤立集落ができた時の訓練はやっています。孤立集落ができたという通信訓練をして、どうやっていくかはその次ですが、そういう意味では、過疎地の防災力がもちろん万全でない前提で訓練も行っているし、将来的には、県、市町村一体となった行政の方向で、防災もしていきたいと思っています。

紀伊民報:今後の災害対策として、空路の輸送を研究されたいということで、海路の活用について言及が無かったと思いますが、それは、港湾が破壊されるという懸念があるからですか。

知事:いえいえ、もちろん海路は一番大事ですが、孤立集落や、今回の道路が寸断されていることが問題だというご質問で、我々もそういう問題意識を持っていて、仮に、港に支援物資が届いても、そこから先の道路が寸断されているので届きません。そこは、港からヘリコプターで運ぶという意味で空路と申し上げたので、海路というのはものすごく大事です。
 ただ、今回もそうですが、実際、岸壁が崩れた場合、砂浜にホバークラフトで重機を運ばれるようなケースもありましたから、そういうことも含め研究はしていきたいと思います。その辺は、実は、自衛隊の皆さんとも、日頃、危機管理局がものすごく親しくいろんな研究をしていただいているので、当然、海路からの支援物資の供給というのは、大前提です。

紀伊民報:支援物資が届かないことを想定して、家庭でどの程度の備蓄が必要だというふうにお考えですか。

知事:それはケースバイケースだと思いますが、やっぱり今回を見ていると、最低1週間は自助で賄えるようなご準備をいただくことが必要かと思います。そういう意味で、公的機関も、少し今までの防災体制を見直して、どの程度の期間、持ちこたえられるような準備が必要なのかどうか、これもやっぱり見直していきたいと思います。

紀伊民報:白浜空港の愛称ですが、改めて、どういう印象を持たれていて、この愛称でどういうことを期待されているかを教えていただいてよろしいですか。

知事:本当に、1600件を超える応募をいただいて、皆さんのご関心の強さを肌で感じました。特に、これから、やっぱりインバウンドのお客様を誘客したい。そのために、チャーター便(の誘致)を担当者が一生懸命やっていて、去年はベトナム、今年は早々に韓国からチャーター便が飛びますが、インバウンドの皆さんに来ていただくために、熊野というのは、非常に海外で有名な名前なので、熊野白浜リゾート空港。リゾートが入り、うちの観光キャンペーンと軌をいつにできるので、私としては、とても良いネーミングをいただいたと思っていて、担当職員と一緒にしっかりと宣伝をしていきたいと思っています。

日刊工業:今日の包括連携協定について教えてください。従来、こういったものは一対一で企業とされていると思いますが、今回、この座組になった理由と、そこで期待されている連産品はどういうものなのか。この時点で何かお話しいただけることがあれば、お願いします。

知事:おっしゃる通りで、包括連携協定を複数の会社と結ぶのは、おそらく初めてのケースだろうと思っています。ただ、これも昨年、いわゆる循環型経済の勉強会をした時のメンバーで、そこである程度、循環型の経済を作っていくことの重要性をお互いに共有できた仲間です。具体的な施策はこれから詰めていきますが、例えば、SAFの原料になる廃油も、基本的には事業者の廃油を使うのがベースですが、場合によっては、家庭の廃油を回収するような循環型の仕組みができないかどうか。来年度の新政策も関係してきますが、今後、それぞれ素晴らしい会社の皆さんなので、いわゆる循環型経済を作るために、具体的な施策を一緒に作っていきたいと思っています。

日刊工業:この座組の中で、花王さんとENEOSさんは分かりますが、サントリーは、和歌山県に事業所があるわけではない。どういった経緯でここに入っているのか、もう少し教えていただけますか。

知事:一つは、アドバイザリーボードのメンバーに、サントリーホールディングスの新浪社長に入っていただいていて、いろいろとアドバイスをいただいています。
 それから、循環型なので、例えば、ペットボトルの回収について、非常にサントリーさんが先進的な取組をされているので、この際、そういうご知見もお借りしたり、いろんなリサイクルの先進的な会社なので、お知恵を拝借したいということもございます。アドバイザリーボードのメンバーなので、お知恵を貸していただきたいと申し上げたところ、大変快く引き受けていただいたということです。

日刊工業:この包括協定を、4者でどういった形で進めていくのか。何かワーキングを組まれるのか、その辺り教えていただけますか。

知事:担当者は、それぞれまさに昨年の研究会で信頼関係ができているので、まずは、担当者ベースで3者の皆さんと個々にお話をしながら、何か具体的な種ができたら、そういう検討会も開いていきたいと思っています。

時事通信:地震の関係です。先ほど、県庁機能を市町村に持っていくといった話も出ましたが、そういったことを進めていくには、自治体DXの推進も大切になってくると思います。能登半島の地震を受けて、防災DXにも関心が高まっているところがあると思いますが、その点、知事の見解と、県としてどういうふうに進めていくか、今のところあれば教えていただきたい。

知事:今回、まさに防災関係でもDXが大事だということを痛感しています。今、県庁では、総務部の中で、県庁のDX化を進めています。市町村課や或いは各担当部局で、市町村のDX化、さらには和歌山県の民間企業のDX化も含めて進めていて、その中に防災という観点をしっかりと埋め込んで、かなり大きな柱としてやっていきたいと思っています。そのことは、今回、特に痛感したところです。

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