知事からのメッセージ 平成28年3月 九度山真田ミュージアムオープン

九度山真田ミュージアムオープン

 3月13日九度山町に、真田ミュージアムがオープンしました。私もオープニングセレモニーにお呼びいただいて、参加してきましたが、とてもよいものができ、真田幸村にちなんだ九度山町の町おこしに大変有効なものができたと喜んでいます。また、町の方々も大勢お越しになって、竣工を喜んでおられました。九度山町の演出もなかなか妙を得て、NHK大河ドラマ「真田丸」の大谷吉継役の片岡愛之助さんがテープカットから来て下さったので、大いに盛り上がりました。
 

 九度山は、関ヶ原の戦いで敗軍となった真田昌幸、幸村父子が流されて、蟄居していたところです。幸村にとっては、大坂冬の陣に駆けつけるまで、じっと耐え忍ぶ日々を送った所で、九度山の村人からは、とてもよく慕われて、それが今の九度山の方々の真田びいきの原点になっているようです。
 九度山は、小さい町ですが、とても住民の方々がよく頑張っておられ、岡本章町長の積極的なリーダーシップによく応えて、様々な積極的な活動をしてこられました。古い町並みを利用して女性の会の方々が運営する茶屋など観光客を呼び込む様々な工夫をしたり、信州からそばの技術を導入して真田庵の近くにそば茶店を作ったり、柿を始めとする郷土の物産をPRし、真田幸村をアピールする道の駅を作ったり、大石順教尼や松山常次郎といった郷土の偉人の記念館を作って、アピールしたりと本当に立派な活動をしてきています。(ちなみに大政治家松山常次郎のお嬢さんが、御自身も東京芸大出身の芸術家で平山郁夫さんの奥さんになられた平山美知子さんでありまして、今回の式典でも平山ミュージアムより太刀一振りを真田ミュージアムに寄付されて平山さんが表彰を受けておられました。)
 

 その中でも、九度山の方々の一番強い思いは真田です。
 岡本町長や信州上田の母袋市長のリーダーシップのもと真田幸村をNHK大河ドラマにという大変な熱意が署名運動になり、こうして集まった多くの人々の熱意がNHKを動かして、今回の真田丸放映につながったと理解しています。
 「真田丸」の評判は上々で、テンポの良い展開が視聴者を引きつけていますが、その方々が今度は九度山に来て下さったらという思いがこの真田ミュージアムにつながりました。
 

 私も大河ドラマの際のいわば慣例として、各地で大河ドラマ館ができ、大河ドラマ展ができるという事を知っていて、ずっと初期の時期から、色々と相談にあずかっていました。どうせ建てるのなら、他所に多く例があるような仮設のものを作るより、恒久施設としてずっと後世まで、観光などにこれを役立たせ得る施設がいいなあと思っていたのですが、あの小さい九度山町が決断して、大枚をはたいて、本当に立派なミュージアムができました。
 

 外観は武家屋敷というか、ちょっとしたお城のような構えで、周りの人家ともよくマッチしている感がありました。町長さんの御案内で館内も見せてもらいましたが、真田幸村に関することが何でも分かる常設展示部分と県がスポンサーをした大河ドラマ展のブースとに分かれますが、私も分かっていなかった事がいっぱい展示されていて、これはおもしろいと思いました。特に町長さんの遊び心でという説明でしたが、ハプニング的なおもしろさのある部分もあって、特に子供さんには大人気だろうと思います。
 

 とにかく素晴らしいミュージアムです。私も次は1~2時間じっくりとねばって堪能したいと思っています。皆さん是非、九度山真田ミュージアムに一度足をお運びください。九度山にいざ出陣じゃ。
 

 実は真田幸村のブームはNHK大河ドラマ「真田丸」にとどまりません。9月にはトリック、20世紀少年などで人気の堤幸彦監督の「真田十勇士」が劇場映画で公開されます。この間から和歌山市のコスモパーク加太で大坂夏の陣の合戦模様が撮影されていました。近隣の多くの人がエキストラで出演しています。これも中々おもしろそうな試みです。これで真田ブームにもっと火がつくといいですね。
 

 真田と言えば敵役は徳川家、その御三家の和歌山城(幸村の時は浅野幸長、長晟の城でしたが。)が和歌山市にあって、これは姿形で言えば私は日本一の美しい城だと思っていますが、近年外国人観光客に大人気です。お城の入り口に和歌山市の作った「わかやま歴史館」がありますが、このミュージアムもなかなかのものであります。それから東照宮も日光と並ぶものです。和歌山市というと、戦国時代の真田幸村と並ぶ英雄は雑賀孫一です。この由縁の地も本願寺鷺の森別院など和歌山市にあります。それから紀ノ川を少し北上すると根来寺さらに粉河寺がありますが、これは真田幸村の馳せ参じた豊臣秀頼の父秀吉に焼かれてしまったお寺です。高野山に行くと、敵味方に分かれて殺し合った戦国武将が奥の院の墓所で死後仲良く休んでいますし、真田家由縁の蓮華定院もあります。このように和歌山県は真田幸村など戦国の話題が一杯の所です。和歌山県では、この機会に、この九度山を含む「戦国わかやま」の周遊ルートを全国の歴史ファンにアピールしていきたいと思います。

このページの先頭へ