現在表示しているページ
ホーム > ようこそ知事室へ > 知事からのメッセージ > 平成26年6月 脱法ハーブ

メニューをとばす

知事からのメッセージ

知事からのメッセージを紹介します。

平成26年6月のメッセージ

平成26年6月

脱法ハーブ

 また、東京で「脱法ハーブ」がらみの車の暴走があり、尊い人命が無惨に奪われ、お怪我をされた方もいらっしゃいます。
 「脱法ハーブ」などというものに手を出して取り返しのつかない事をしでかす輩はけしからんのですが、法の目をかいくぐって「脱法ハーブ」を作ったり売りつけたりしてお金を儲けようとする人がいる事はもっと許せません。何故こんな事がまかり通るかというと、一般に薬物は薬事法で規制されていますが、取り締まりの対象となる禁止薬物は、その成分が危険であるという事を厚生労働省が証明して初めて指定されるので、この指定がないと、危なそうなものでも野放しになります。この点に目をつけて禁止薬物とよく似た成分が含有されているが、まだ禁止薬物になっていないものを「脱法ハーブ」として販売する輩が出てくるのです。もっとも人体に直接吸引するような行為は許されてはいないのですが、お店やインターネットでは「お香」とか「アロマ」とかと称して売っているようです。成分が明確に禁止の対象でないお香などを取り締まることは憲法の営業の自由に反しそうで中々対応が難しいのです。こういう事情はつとに指摘されていて、厚労省も禁止薬物としてどんどん指定をしようとしていますが、何分危険だと立証するのが大変な上に、次々と新商品が出てくるので、後手に回っています。
 そこで、東京都や大阪府では、独自の試験機関で国よりもっと迅速に調べて条例で都府だけの指定薬物を指定し、これも取り締まろうとしています。
 また、国も以前は、禁止薬物と類似の物質であっても、構造式が少しでも異なれば改めて指定しなければ規制することができなかったのですが、基本骨格が同じ物質は包括的に指定できるように薬事法を昨年改正しました。

 しかし、それでも次々と現れる怪しげな「お香」や「アロマ」を取り締まる事は限界があり、脱法ハーブがはびこる原因となっています。

 和歌山県でもこれを大いに憂慮し、このようなイタチごっこを根本的に解決する手段はないかと考えました。
 そこで、平成24年12月28日に「和歌山県薬物の濫用防止に関する条例」を施行しました。
 この条例では、独自のデータに加え東京や大阪の分析データなどから、精神作用等を及ぼし、人の健康に被害が生じるものとして確定できたものを「知事指定薬物」とし、製造、栽培、販売などを禁止しました。(和歌山県は小さい県なので調査機関の力も大きくはありません。だから、独自でデータ分析をやることに加え、東京や大阪のデータも借りてくることにしたのです。)
 この「知事指定薬物」までは、東京、大阪などの条例と一緒ですが、工夫したのは「知事監視製品」というジャンルを設けたことです。
 これは、科学的に危険性が立証されていなくても、興奮、幻覚などの精神作用を及ぼすおそれがあり、本来の用途に反して身体に使用されるおそれのある製品を指定するものです。どうも新製品が出たぞと分かると、有害かどうかが証明されていなくてもまず知事監視製品に指定するのです。
 知事監視製品に指定されると、たとえ「お香」と称していても、これを販売する業者は、あらかじめ販売場所などを知事に届け出ること、販売時に購入者に対して使用方法(お香として使用し、吸入しないことなど)の説明書を交付し、説明することを義務付けられます。
 また、購入者にも一定の規制をします。住所、氏名及び本来の用途以外に使用しない旨の誓約などを記載した書面を、県内店舗で購入した場合には販売業者に、インターネットや県外店舗で購入した場合には、知事に提出することを義務付けました。
 そして、これらの規制に違反した販売業者、購入者には罰則を科すことにしました。県は、この規則が守られているかどうか監視します。購入者も、これらの規則を守らずに吸ったりしているのが見つかると処罰されます。
 つまり、法や条例で未だ禁止の対象になっていない物質を含む「お香」を売ることを禁止することは、憲法違反かもしれないが、「お香」というならあくまで「お香」として売って、「お香」として使ってもらおうではないかという開き直りの論理を使ったのです。

 さて、この条例制定の効果ですが、条例施行後、販売業者や購入者を徹底的に監視した結果、知事監視製品を誓約に反して身体に使用した者や県内店舗以外から入手したにも関わらず誓約書面を知事に提出しなかった者を摘発しました。
 また、条例に基づき知事監視製品販売の届出を提出した業者もその後廃業し、和歌山県内に知事監視製品を販売する店舗は現在ありません。
 この条例の唯一の弱点は県職員が監視に飛び回らなければならないという事です。しかし薬務課の諸君は本当に頑張ってやってくれています。これも県民の命と健康と安全を守るために必要だという使命感があるからです。

 和歌山県は、この苦しいが画期的な措置を平成25年からやっています。もちろん記者発表もしています。しかし、県外にマスコミが報じることはありませんでした。
 あの痛ましい事件を考えた時、国も他都道府県も、もう少しこの和歌山方式の脱法ハーブ対策を考慮したらいいのにと思います。

このページのトップに戻る