知事からのメッセージ 平成25年12月

知事からのメッセージを紹介します。

平成25年12月のメッセージ

平成25年12月

軽自動車税の引上げとマスターズゲーム

 今12月県議会定例会で標記2つの件について、質問があり、私がお答え申し上げましたが、いずれも強い思い入れがあることなので、皆さまに紹介します。なお、引用しました私の答弁については、私がそうだと記憶している所に従いましたので、議会としての正式な答弁記録とは違います。これについては、いずれ議会から発表される議会議事録によって下さい。

 第1は、軽自動車税の引上げについてでありまして、12月11日、大沢広太郎議員から、「地方の住民の足でもある軽自動車の利便性を維持するためにも、軽自動車税の引き上げ反対に向けて取り組んで頂きたい。」という質問があった事についての答弁です。

 「平成25年度税制改正において、消費税10%段階での自動車取得税の廃止の方向性が示されましたので、現在、与党税制調査会において、地方の代替財源確保の様々な方策の1つとして、軽自動車税の見直しが議論されているところであります。
 これはそもそも、消費税が取得段階でかかりますので、消費税を取りながら自動車取得税をさらに存続させるのは、ダブル課税であって、理にかなわないというところから発生している問題でございます。
 一方、その取得税は県税であったり、あるいは、軽については市町村税の部分が多いものですから、市町村を中心として、県もそうですが、税収が減ってしまうということがございます。税収が減ったら困るということで、これをどうしようかという議論があったわけでございます。
 今年、総務省などから出てきた案は、取得税はやめるけれども、代わりに保有税の増税をするという案です。その際、かねて問題が指摘されておりました、普通車に対して軽自動車の税が安すぎるので、これを調整した方がよろしいということが背景にあって、普通車に対する取得税も見直すけれども、軽自動車税の額をかなり上げて、それでもって取得税廃止による市町村の収入減を解消しようと、こういうような案が出てきているわけでございます。
 自治体サイド及び総務省としては、税収が確保されればそれでよろしいということで、むしろ全国市長会とかあるいは全国町村会からは、自動車税との負担の均衡を考慮した軽自動車税の税率の見直しすなわち引き上げがなされればそれでよろしい、あるいは引き上げるべきだという議論がなされているわけでございます。
 私は、これはなんとも情けない話だと思っております。というのは、市町村にしても、もちろん県にしてもそうですが、経営体としての市町村の経営、税収、そういうことはございます。しかし、その税収があれば、そこに住んでいる住民が重課されてもいいのかということについて、我々はそれ以上に、自分の経営体としての収入以上に、思いを致さなければいけないと私は思うのであります。
 特に、軽自動車の保有割合は、地方において圧倒的に多いわけであります。例えば東京などは、普通車が多くて軽自動車が少ない。しかし和歌山県を始め、地方部に存在する県は、軽自動車が圧倒的に多い。さすれば、軽自動車税を上げるということは、実は、地方住民からたくさん取り上げて、結果的には、東京都の住民などは取得税がなくなった分だけまあよろしいということになる。これは地方、田舎から都会への所得移転ではないかと私は思います。
 そもそも、消費税を上げた時に、消費税収が国も上がるわけですから、その消費税収の一部を、取得税をやめて収入が減る地方にまわすべきであったと私は思います。そういうことをしないで、地方のこの自動車関係の税収の中で調整しようとしているのがおかしいと思っておりまして、それならば、交付税の一部を市町村にまわせばいいじゃないかと思います。それは一般的な税収でまかなってもいいのですが、自動車関係で言えば、自動車重量税というのは国と地方がそれぞれシェアしているわけでありますが、自動車重量税などでシェアの割合を変えればいいじゃないかと思いまして、実は、少し前からかなり熱心にそういうような案を作りまして、税調の関係委員とか、あるいは和歌山県選出の国会議員とか、そういう方のところにお願いにまわっているところでございます。
 また、行政体としての市町村に対しても、県の方から、住民のことは考えなくてもいいのですかというような注意を、これは命令をするわけにはいきませんが、そういう注意を喚起しているところでございます。
 そういう考え方で私は活動してまいったわけでございますが、例えば知事会の他のメンバーにもいろいろ働きかけをしましたが、どうも経営体としての収入のことばかり考えているところがございまして、はっきり言うと、私の行動は今のところあまり力にはなっておりません。ただ、一つの意見として、影響を少しは与えているのではないかと思っております。
 この税制調査会、与党でいろんな議論が行われていて、大詰めにきていると思っておりますが、そういう観点から、心配をしながら、注意深く見守っているところでございます。」

 結局、本件は与党の税制調査会で意見が集約され、軽自動車税は引き上げられることになりました。しかし、少しは和歌山県も含めた反対の意見が功を奏したか、引上げ幅は、当初の原案より大分減ったし、既取得車への税率は従来のままとなりました。
 少しは県民のためにはなったかなと思います。

 第2は、マスターズゲームに関してでありまして、12月13日に山下直也議員から質問がありまして、「国体で整備した施設の有効活用と地域活性化のために、マスターズ大会を誘致してはと考えるが、知事はどう思っているか」についての答弁で、以下のとおり申しました。

 「スポーツによる元気な和歌山の実現にむけてすばらしい提案をいただけたと感謝申し上げます。ワールドマスターズについては、2021年の関西での開催が、関西広域連合ですでに決定しており、これの国際機関とも合意ができています。関西を生涯スポーツの先進地にしていくための様々な取り組みを進めるなど、その成功に向けて関西全体となって一丸となって取り組む所存です。私はこの構想がでた一番最初から無条件で賛成し、旗を振ってきました。その心はふたつあります。ひとつは、多くの方が全世界から関西へお見えになる、もちろん日本の方々もお見えになる。ワールドマスターズは予選がないので、家族を連れてきてくれますから、その意味で関西の活性化になるだろうと思うのが第一点。そればかりではなく、むしろそれよりも、第2には日本にとっても世界にとっても高齢化が進んでいますが、その中でいかにして健康で幸せな老後の生活を送るかが人類にとって大変大事なテーマになってきています。そのときスポーツでそれを達成し、世界の人々とスポーツを通じて人脈がつながるというような希望の星を関西で是非あげたい。その希望の星がともなっているのが関西であるということが、関西にとっても和歌山にとっても象徴的な良い話なのではないか。そう思って旗を振ったわけです。
 議員ご指摘の通り、ワールドマスターズに限らずマスターズ大会はたくさんあります。国内では日本スポーツマスターズや全日本マスターズ陸上競技選手権大会などが定着しています。後者はご指摘のように、和歌山が発祥の地で、今は本部は東京にいっていますが、会長はひきつづき和歌山の鴻池さんがやっておられます。その関係でアジアマスターズ陸上競技選手権大会にも非常に関係が深いです。世界マスターズ陸上競技選手権大会も世界でひらかれています。
 2021年のワールドマスターズ大会のステップとして、関西広域連合では、関西マスターズ大会という、これは一般名称ですが、それをやろうということになっています。
 それは、既にあるこうした立派な催しを押しのけてやるのではなく、むしろそういう方々と協力して、できれば関西マスターズという冠をかぶさせていただいて、行っていこうというふうに思っております。
 県としても生涯スポーツの振興と地域活性化の観点から、このような色々なマスターズゲームに取り組んでいきたいと思っております。
 もちろん、ワールドマスターズゲームズの中で、どこで何をやるかは決まっていませんが、いくつかは和歌山に誘致したいと思っておりますし、関西マスターズとの関係で和歌山でもいくつかをできるようにしていけばいいんじゃないか。それはたまたま国体関連施設が和歌山で整備されたばかりですし、おもてなしのこころもみがかれたばかりですから、非常に良い大会ができるのではないかと思っております。」

 という考えで今後とも努力していきたいと思います。

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