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知事からのメッセージ

知事からのメッセージを紹介します。

平成21年11月のメッセージ

平成21年11月

担当者制度

 塩野七生さんの「ローマ人の物語」の最近のものにディオクレティアヌス帝についての話がありました。帝はローマ帝国を4分割し、4人の皇帝の働きによって、とりあえず帝国の治安と防衛は守られたが、4地域がそれぞれ固有の軍備を整え、固有の官僚機構を整備させたので、全体としてはそれまでの何倍もの政府ができてしまって、これが結局はローマの活力を失わせたというのです。それまでは、辺境守備を分担している軍団が、大敵が押し寄せてきた時は皇帝の命令一下、ただちに動員されて、共同で敵に当たってきたのが、国を四つに分けてしまって、命令する皇帝も4人にしてしまったので、四つの国それぞれに相当の軍隊を常備しておかなければならなくなったということです。官僚の方はもっと簡単で、国を四つに分けたら、一つの担当をする役人が4人必要になったということです。今でいうとタテ割行政の弊害、大きな政府の非効率というところでしょうか。
 私は県庁をお預かりして3年近くになりますが、時によりこのタテ割行政の弊害を見かけます。自分に与えられた仕事はきちんとするが、他の部局と連絡、協議、協力をすることは少ないため、案件が部局の谷間に落っこちたり、逆に同じような予算要求が複数の部局から上がってくることもありました。県の職員は真面目で有能ですが、自分の直上の上司には説明しますが、横の連絡をとって調整をするということが比較的苦手だったのです。そうすると、各部局の仕事を調整するのは知事一人ということになりますがこれでは大変です。私が、若い時から過ごしてきた通商産業省は、平気で他の部局や他の省庁の仕事にも口を出すところでしたから、(この間テレビで放映されていた「官僚たちの夏」にもそういう雰囲気はよく出ていました。)余計こういう雰囲気には違和感があります。
 そこで、タテ割行政の弊害が出ないようなさまざまな工夫を始めました。説明を聞く時は、関連部局と話をしたかなどと意識して聞くようにしていますし、一つの部局に主として関連する話でも、多少別の組織にも関係するなと思う点があれば、その組織の長に、私の方も努めて連絡することにしています。そういう一般的な注意の他に組織的な工夫もしました。その一つが産業別担当者制度です。県の職員は、政策金融担当といった政策手段の担当をもっていますが、同時にそれぞれの人に○○産業担当という産業別の担当者になってもらいました。○○産業に関するさまざまな行政需要は、この担当者がすべて承知して政策手段の担当につながなければならないというものです。そうすると、担当者は、大いに産業界の人々と交わって、その苦労や状況を聞いてこなければなりません。これは、昨年度から始めていますが、徐々によい機能になっているようです。担当者はこういう慣れないことをするのは大変です。産業界の人々と話をしに県庁の外へ出かけて行かなければなりません。アポをとるのも大変です。「何のご用ですか」と言われてしまうと困ってしまいます。その時点では「用」を説明できないからです。「××排水の検査に行きます」などというのは、まずありません。何か困っていることがないか発見に行くのです。それは話をして初めて、発見することのできる可能性があるものだからです。それでも担当者の諸君で、とても頑張った人も出てきました。産業界の人によい意味で「かわいがられる」ような評判のよい人も出てきました。県の方でも産業界に関する情報が大分集まるようになりました。問題点もどんどん発見されるようになりました。後は、この発見された問題点を他の人々と一緒に、もっというと、全庁的に解決していくことです。始めたばかりの制度ですから、機能がよくなるまで時間もかかるかもしれませんが、それぞれの産業界の抱える問題点を担当者がワンストップで受けて、タテ割行政にならぬよう全庁でこれに対応するという方式を粘り強く追求していきたいと思います。
 今年からは各振興局内で、地域別の担当者を決め、市町村の職員とはもちろん、地域の方々ともっと交わって、地域のあらゆることの把握に努めよという制度も発足させました。これもこれからです。
 職員はこれまでの仕事に加え、こういう担当の仕事もあって大変ですがタテ割行政に安住することなく頑張っています。県民の皆様におかれても、こういう制度を利用して、担当職員に何でもアプローチしていただくようにお願いします。

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