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知事からのメッセージ

知事からのメッセージを紹介します。

平成21年4月のメッセージ

平成21年4月

職員倫理規則とゴルフ

 3月の末に4月1日から和歌山県職員倫理規則を改正しますと発表しました。 その1つとして、ゴルフの扱いについては、これまでの絶対禁止から、 「利害関係者」と行おうとする時は、誰といつという情報を監察査察室に届け出て、 自分のプレー代を自分で負担する(つまり、割り勘です。)場合に限り認めるということとしました。 食事や他のスポーツと同じように接待はいけないが、割り勘ならよい。 ただし、用心のために「誰とか?」ということを事前に届け出よということとしたものです。 発表に際しては、記者の皆さんとも議論のやりとりが結構ありましたので、 その詳細をお知りになりたい方は、県庁のホームページの「ようこそ知事室へ」内の 「知事記者会見」(3月30日)をご覧ください。 これについては、批判が結構ありました。 数はそんなに多くはありませんが、県政ポストへもご意見がありました。 中には接待ゴルフを容認したといった誤解に基づいて、批判をしている方もいますが、 きちんと理解をした上で「そういうことはすべきではない。 クリーンだと思っていた仁坂知事なのに、見損なった」といった意見もありました。 そのような趣旨のご意見の中で、結構、私に好意を持ってご意見をしてくださったと思われる 匿名の方のお手紙を拝領しました。 大変、心打たれましたので、以下にご紹介させていただきます。

『和歌山県知事 殿

平成21年4月

 近年、高齢化や景気低迷、食品偽装と社会を取り巻く問題が山積しておる中、 県の高齢者への意識調査や高速道路の促進、プレミア和歌山等々、 多岐にわたる実施は高評に値すると感じております。
 その上で、今回の倫理規定の緩和について一言申し上げたくお手紙を書かせて頂きました。
 木村知事の汚職から仁坂知事に替わり、最初は半信半疑で知事を拝見していましたが、 その後の言動から、知事は頭の回転が良い、誠実な人だという印象を受けました。 しかしながら、今回の規則の改正は全く印象とは違う見解であり非常に残念です。
 今までの全ての汚職は、遊びから始まっているのでは有りませんか。 最近では、紀美野町、みなべ町と連続です、決して緩和するような状況下では無いはずです。 ましてや、汚職の代表県である和歌山県がどうして緩和するのでしょうか? 世間では「和歌山県の特産物は、みかん、梅、談合事件・・・」とまで言われているのに、 首長みずからが、緩和を推奨するようなコメントを発し、ほんとうに残念でなりません。
 例えば、携帯サイトで凶悪事件が多発している昨今、国を挙げてフィルタリング等々の 防止策を講じていますが、このような事件が少なくなったからといって防止策を緩和する必要があるのでしょうか。 知事の発言はこれと同じだと思います。
 産業振興の観点と言われますが、それを利害関係者としなければいけないでしょうか? 知人や友人とでは駄目ですか?企業の全てを助ける対策などありえないと思います。 それに打撃を受けているのはどの業種でも同じで、世界的な金融危機、公共事業の減退等が背景にあるからではないですか。
 利害関係者との遊びは規則を改正してまでしなければいけないことでしょうか? やはり、そこには公務員としての倫理が存在すると思います。 規則を緩和しなければならない理由が、全く解りません。 地区住民の間では「知事はゴルフ場の経営者から賄賂をもらっている」という声が頻りです。
 私は、知事であればきっと疑いをかけられるようなことはしない、今までの知事とは人物が違うと思っていました。 知人にもそのように熱弁を振るってきました。 その知事が今回の緩和策を推奨したことは残念でなりません。 田舎町は、このような不可解なことを絶対に忘れません。
 知事さん、緩和ではなしに厳しい規則を設け、他府県から見本にされるような県にして下さい。 そうすればきっと橋下知事にも負けないくらいの支持を得られると思います。
 色々と、失礼なことを申し上げましたが、これも知事を信頼しているからこそであります。
 私は、知事のことを応援したいと思っていますので、 何卒、最良の策を講じて頂けますよう切にお願い申し上げます。』

 私も、今回の改正については、批判を呼ぶだろうと思いましたが、あえて規則を変えました。 別に緩めたとは思っていません。不合理だと思うことを直したかったのです。 私のような知事にとって、マスコミなどで主流になっている考えに沿って、 クリーンをうんと標榜していると結構楽です。しかし、楽で安全だとは言え、 不合理だと思うことを言わないでいることは、やはりいけないのではないかと思いました。 国の規則がそうなのですが、ゴルフだけが不品行なスポーツだという位置付けがおかしいということを 勇気を持って言いたくなったのです。 2年前に職員倫理規則を制定した時は、それを言う勇気がありませんでした。 実は、その時も議論はしたのですが「木村前知事の汚職の協力者がゴルフ場の経営者ですから、 ここは国の規則通りにしましょう」と職員から進言されたからです。 しかし、一方で石川遼君があんなにもてはやされている中、 また、スポーツや会食が、ルールを守って堂々と行うのならよろしいという中、 何でゴルフだけ日陰に置くのでしょうかと常に思っていました。 そう思っているのに、批判を恐れて黙っているのはいかがなものかと思ったのです。 それが今回の改正の理由です。
 もっとも、ゴルフ接待を受けてよいということではまったくありません。 公的発注担当者が発注先とやるといったケースのように、 業務上密接な関係にある人とも費用を出しさえすればやってよいと思っているわけではありません。 そういうのは届出を出しても是正してもらいます。「利害関係者」というと名前が悪いのですが、 県と何らかの関係がある人、そういう企業に勤めている人、大変多くです。 そんな気がなくても、その人の勤めている企業が何らかの関係にあると、 これに該当してしまう可能性があります。元々の友人だって、すぐそういう関係になります。 そうすると、きちんとした手続きがないと「利害関係者」になりそうで、 友人とすら危なくて一緒にプレーできないということになるのです。 それなら「誰々とやる」と届けて、監察査察室のチェックを受けてやった方がよいのではないか。 そうやって、自分で料金を払ってするということなら、 野球でもサッカーでも同じではないかと言いたかったのです。

 それでも色々な見方があります。 理屈はそうであっても、少しでも不祥事の可能性は摘んでおいた方がよいから、 予防的に全面禁止をしておいた方がよいという人もいるでしょう。 それも1つの考え方ですが、国体種目でもある一人前のスポーツをそこまでして危険視しなくても、 きちんとした手続きをとった上で認めることとし、情報公開のルールにさらされるという前提で考えたら、 ルールを破ってゴルフで汚職をするという危険は防げるのではないかと思いました。 私は予防的な考え方はあまり好きではありません。 別の例では公共調達制度で職員が汚職にまきこまれるおそれを絶つために、 予定価格を公表していたのをやめました。 汚職にまきこまれないようにするには、各自がそれぞれ努力すればよいし、監視制度も別途できているし、 この副作用として建設業界がダンピングに走るきっかけを与えているということが分かったからです。 今回の場合は、それほど、どうしてもやらなければならないということはなかったと思いますが、 予防策をかける必要もないのではないかと思いました。

 さらに、理屈はそうであっても、あえてそんなことまで言い出さない方が 得なのではありませんかという意見もあります。 ゴルフなんぞは汚職の温床と決めつけて放っておいた方が身の安全なのではありませんかという意見もありました。 これは、まことにその通りだなあと思いました。 もっとも、そこまで安全というリスクを冒してゴルフを救済しようとするのは、 よっぽどのゴルフ好きか、ゴルフ場から何か賄賂でももらったかというようなことを言われるのは心外です。 まったく違います。 しかし、ゴルフの扱いが不合理だといった細かい所に正義感を発揮する必要がどこにあるかといった批判は、 視点を変えてみるとなかなか説得力があります。 とりわけ、和歌山の最近をよく知らない全国のマスコミが、「あのダーティーな和歌山が、 のどもと過ぎれば熱さを忘れて、またルーズな規則改正をやったぞ」 とでも言いたいような報道をしたのを見ると、青くさいことを言って、 理屈をこねたので、県民の皆さんにとんだぬれ衣を着せてしまったという結果になったかなとも思っています。 県民の名誉を侵害させる種をこしらえたかもしれません。

 あれは、このように種々の議論はありますが、是非ともこれだけはお願いしたいのは、 和歌山県も私もクリーンであることをやめたなどとは思わないでくださいということです。 「クリーン」を「クリーンかつもっと正しく」と考えたのが動機です。 決して「ルーズにいいかげんにしてもよい」とルールを緩和したわけではありません。

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