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知事からのメッセージ

知事からのメッセージを紹介します。

平成21年1月のメッセージ

平成21年1月1日

「乱にいて治を忘れず」

 県民の皆様に謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 さて、「治にいて乱を忘れず」というのは古い中国の言葉であります。平和の時代にあっても、万一の動乱に対してもおさおさ備えを怠るまいという教訓です。いつの時代でも大変大事なことであると思います。
 特に知事のような県庁といった組織のリーダーにとってはおろそかにはできない教訓であると思います。
 一方、乱にいてはどうでしょう?私は「乱にいてこそ治を忘れるべきではない」と思うのです。
 どうも本年は「乱」の時代です。知事があまりそう言っては、県の経済活動にマイナスのマインドを与えてしまうかもしれないとずっと抑えていたのですが、昨年の初めぐらいから、経済の先行きに不安感を持っていました。アメリカで住宅に端を発したバブルがはじけ、その上で踊っていた金融に火がつき、アメリカのみならずヨーロッパの金融からアメリカの自動車と次々にバブルがはじけて今や経済の実体面にまで影響が広がり、日本にも、そして、経済の牽引車であった中国などの新興国の経済にも悪影響が広がりつつあります。片や、とりわけ日本の政治は、この難局を国民が一致団結して乗り切らなければならない今日でも、やはり政権争いが最大の関心事であるような感があります。経済がこう悪くならなくても、喫緊の課題である、永続性のある社会保障制度の再構築、地方分権など地方制度の再編、財政再建、教育問題、地球環境問題などの課題が放棄されています。
 どうもまさに「乱」の様相です。人々はこういう状況のもとでは、多かれ少なかれ、いらいらとしますので、とにかく現状を変えてしまえ、今の制度を破壊してしまえ、そうすれば今よりももっとましな社会ができるだろうと考えがちです。また、すっかり無気力になって「どうせ何してもあかな」と思ってしまいがちです。しかし、本当にそうでしょうか。改革には大変なエネルギーがいりますが、それは破壊に向けられるべきではなく、周到な戦略と見通しとそして実行し続ける持続的な気力がないといけません。
 現状を破壊することにだけ向かってしまったかつての学生運動から何が生まれたでしょうか。明治維新もただの倒幕運動ではなくて、それに続く近代国家へのビジョンがあって始めて日本の発展に寄与したものだと思います。
 また、無気力になってぼやいたり、一生懸命努力している人をけなしたりしているよりも、生き抜くために気力を奮い立たせて、必死で工夫して前へ進むべきでしょう。
 色々なデータから見ると和歌山県の状況はここ1~2年で少なくとも相対的にはかなりよくなってきています。ようやく再び和歌山の時代だと思い始めた矢先「天下の大乱」が来そうです。しかし、この「乱」は和歌山を襲うばかりではありません。世界のどこにでも及んでいます。こんな時にこそ、和歌山はしっかり「治」を確立して耐え抜くことが大事です。県としては財政規律を守りつつも、長期総合計画で描いた政策を着実に実行しなければなりません。次の発展に備えて、幹線道路網などインフラ作りも怠らず、産業の種も大いにまき、知恵を絞って医療、福祉や教育を守り、県民の気力を常に鼓舞し続けなければなりません。県民の皆さんも「乱」を迎えそうな今年こそ、風雪に耐え、かつ新時代のための戦略を建てて、一歩前へ踏み出していただきたいと思います。
 経済に再び話を戻せば、数年前の大不況期の中で、液晶などの新技術が用意され、それにいち早く投資したシャープやその工場を誘致した三重県が次の好況期に優位に立ちました。今の和歌山も捨てたものではありません。ここ2年で決定された50になんなんとする投資案件が次の時代には我々を支えてくれるでしょう。県庁の展開するプロモーションに和して、県内の若手の経営者や農林水産業の方々の中からも積極的な動きがどんどん出て来たのを感じます。
 「乱にいて治を忘れず」がんばりましょう。

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