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寄稿・提言・訓辞・挨拶集

新聞・雑誌等への投稿や、各種行事での講演・挨拶、政府への政策提言等を通じて、知事の考え方や政策を紹介します。

政府主催全国都道府県知事会議

平成20年11月19日 総理大臣官邸/東京都

総理との懇談会

【仁坂吉伸和歌山県知事】

 和歌山県知事の仁坂でございます。
 今から11年前に麻生経済企画庁長官に励ましていただいて、地方分権の白書を書きました担当課長でございました。地方分権の観点からいたしますと、総理の最近のご発言は大変勇気づけられるものがあると思っております。
 今、いろいろな議論があって、例えば地方支分部局の整理の問題、あるいは権限の移譲の問題がありますが、それについては山田委員長からご発言がありましたように、私はこれ以上申し上げることはないと思います。
 ただ、どうもちょっと見ておりますと、権限をよこせ、よこさないの綱引きであったり、あるいは都合の悪いところは地方にあげるけれども、いいところは確保とか、どうもそういう綱引きの議論に終わっているなと、あるいは終わりかねないという懸念も少し持つものであります。
 そういう意味で、今の議論はともかくといたしまして、将来の問題といたしまして、地方分権をもっと進めていくためには、もう1度この国の形というものを、むしろ政府のほうで議論されることが必要ではないかと私は思います。
と申しますのは、日本が日本であるためには、例えば義務教育の水準が各地域で違っていいのかとか、あるいは地方の貧しい人が都会の貧しい人と違う扱いを受けていいのかとか、福祉とか、防災とか、あるいは経済制度とか、あるいは高速道路みたいな幹線ネットワークとか、そういう問題については国を責任を放棄してはならないし、全国津々浦々同じようなものでなきゃいけないと私は思います。
 そういう意味で、今我々は地方分権の名のもとに倒幕運動をしているのではない。明治維新の維新をやっているんだと思います。そういう意味では、麻生総理にぜひ維新のグランドデザインをかいていただいて、国はこういうものだから残りは全部地方でやりなさいというビジョンを描いていただきたいと思う次第でございます。ありがとうございました。

【麻生太郎内閣総理大臣】

 和歌山県の知事の話が一番格調高かったな、大したものだと思いました。経企庁というところにおられたせいかどうか知らんけれども、少なくとも倒幕ではなく維新、正しいよね。僕もそれはほんとうにそう思います。国の形として、やっぱり三百諸侯でばらばらにしてあったものを1回まとめて維新にして、そして正確には昭和16年の国民学校令、あれぐらいからずっと中央集権はさらに強まったんだと思います。戦後も同じように強まったんだと思いますが、どうやらその限度が来て、もう一回、国の形のあり方について議論すべき時期に来ているということなんだと思いますので、それに当たって割っていくということになったときに、どこか最初にやるところを決めて、そこで成功して、そこで当たるとやっぱりあっちのほうがいいやといって、わーっといくのかなと思ったり、正直そこの点についてはいろいろな考え方があるのかと思っています。地域主権型の分権論というのは、私は国の形の方向としては正しいのではないかと、私自身はそう思っているということを申し上げます。


閣僚との懇談会

【仁坂吉伸和歌山県知事】

 高速道路等幹線ネットワークについて申し上げたいと思います。2点申し上げたいと思います。
 第1点は、国の責任ということであります。実は調べてみますと、和歌山は1人当たりの道路財源、すなわちガソリン税を、今、東京都の3.6倍を払っています。これをもとに、この間のガソリン税騒ぎのとき、民主党などの一部では、だから地方で勝手にやったらいいではないかという意見もありました。私は、これはとんでもないことであると思っております。なぜならば、これはまた別に調べますと、1950年代とか60年代、70年代にかけて、同じような構造で集めたお金を、東京を中心とするような大都市にものすごい勢いで集中投下しているわけです。私は、長い国家発展の歴史の中では、その時期があったって別に構わない、それを非難しようとは思っておりません。だけど、ようやく残りのところが少なくなって、まだないところに国の責任で、鉄道時代みたいに満遍なくやっていただく。満遍なくというのは、ものすごく密度高くではなくて、一応、一通りしていただくという時期に来ているのではないかと思っているんですが、ここでやめてしまわれると、それこそ50年分、60年分返してくれと言いたくなってしまうわけであります。したがって、途中で国の責任を放棄することなく、きちんと財源を手当てされて、全体をしてもらって、地方の人にもチャンスをいただきたいと思うわけであります。
 2つ目は、実はその中でも、どこを優先的に採択していこうかという議論があると思います。いわゆるB/Cの議論であります。ところが、現在のB/Cの議論は、明らかに現状の経済力等々で交通量の測定をする。現在のデータで交通量の測定をして、それをもとにしてB/Cを計算しますから、したがって交通量の多い、すなわち人口がたくさんいて、発達しているところに有利に出てくるわけであります。しかも、それは、少しだけの目的しかカウントしていませんから、例えば緊急医療で人の命を助けるとか、防災のときに代替手段が全くないとか、そういうところを評価するようなシステムにはなっていないんです。
 現に、こういうやり方でやっていますから、和歌山で単線の高速道路、暫定供与のところが大分あるんですけれども、そういうところのデータを調べますと、道路をつくるときに算定した交通量の2倍から1.4倍ぐらいみんな出ています。したがって、B/Cは、明らかにそういう地域では過少に出ている。そうすると、先ほど言いました別の要素を入れてB/Cを再構成するのに加えて、現在、データがちゃんと出ているわけですから、当該地域のデータで補正をしてしまうということが、私は科学的な態度ではないかと思っております。国土交通省にその旨申し上げておりますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。

【岡田直樹国土交通大臣政務官】

 次に、栃木、和歌山、島根県各知事から道路整備、国の責任を放棄するな、そして、おくれた地域を取り残すなという叱咤激励をいただきました。ありがたく思うとともに、また身の引き締まる思いでございます。5月に閣議決定をされました基本方針の中に、2つゆるがせにできない点がございます。これは、地方財政に影響を及ぼさないよう措置する、もう一つは必要と判断される道路は着実に整備する、この2つは決してゆるがせにできないと考えております。
 1兆円の問題につきましては、ご存じのとおり、今、自民党のプロジェクトチームで議論を始めたところでありまして、PTの推移も見守ってまいりたいと思います。私どもの金子大臣も、非常に慎重な発言に終始しております。ただ、客観的に申し上げまして、今の道路整備費があまり劇的にカットをされますと非常に厳しいわけでありまして、今、臨交金を除いて2兆円のレベルで直轄補助事業をさせていただいております。この中には直轄の管理費のように削れないお金も入っておりますので、全体が大きくカットされ、極端に言いますと、1兆円とされると予算が半分以下になって、継続事業の完成時期も大幅におくれてしまう。先ほどご要望の大きかった広域交通ネットワークの整備、また、命の道と申しておりますけれども、災害時や救急医療に必要な道の整備もおくれてしまうということでありまして、こうした事態を生じないように、先ほど国債というお話も出ましたけれども、財務省や総務省のご理解もいただきまして、道路予算の確保をしっかりとさせていただきたいとお願いを申し上げます。
 臨交金の件については、総務大臣おっしゃいましたとおり、7,000億円についてはそのまま維持することはできないと思いますけれども、やはり地域に密着した道路整備の推進に必要な規模と内容を確保して、新たな仕組みをつくっていくことは絶対に必要であると考えております。年末までにそれをなし遂げてまいりたいと思うわけであります。
 和歌山県知事がおっしゃった道路事業の評価方式、確かに諸外国ではもっと多くのメルクマールを用いて、総合的に評価をしていると聞いておりますし、今、私ども、有識者からなる道路事業の評価手法に関する検討委員会というものを設けまして、審議をいただいております。都道府県のご要望も参考にしながら、評価手法の見直しも検討してまいりたいと思っております。

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