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寄稿・提言・訓辞・挨拶集

新聞・雑誌等への投稿や、各種行事での講演・挨拶、政府への政策提言等を通じて、知事の考え方や政策を紹介します。

土木計画研究学会発表会懇親会

平成20年11月2日 アバローム紀の国/和歌山市

 皆さん、和歌山県知事の仁坂でございます。
 ご来賓の方々からご挨拶をと言われたのですけれども、どちらかと言えば家主代表というような気持ちで皆様のご来県に対して、心から歓迎の意を表したいと思います。
 和歌山県の知事をやっておりますと、皆様のような土木学会というものすごく立派な会、それから土木計画学研究会という、全国レベルの立派な会合がこの和歌山の地で開かれることだけでも、ものすごくうれしい感じがします。全国から忘れ去られたかなということも時々思うようなことがあった和歌山県でありますので、このように皆様のような全国の精鋭が集まってくれただけで、たいへんうれしいなと思っております。
 実は私は今、行政官でありますと同時に選挙で選ばれた知事でもありますが、和歌山のこの地は「知」と「理」と「情」が支配するような、そういう所にしたいなと思っております。「情」の方はもともとたっぷりあるものですから、これはよろしいですけれども、「知」と「理」が伴わないと「情」のコントロールが効かないということになって、誰かが汚職をしてしまったり、「まあまあ」や「なあなあ」になってしまったりそんなことになるということだと思います。
 和歌山は今大変苦しんでいることがあります。日本全国から遅れてしまったというところがあります。これはもちろん我々の責任でもありますけれども、しかしながら、与件としての、例えばインフラ整備の遅れということが、いろいろな作用を及ぼしているところもあるんじゃないかと思っております。これは「知」と「理」でちゃんと証明しようということで、実は石田先生(石田東生 筑波大学大学院システム情報工学研究科教授)にお願いをして、それで和歌山県の道路をどう考えたらいいのかということを議論しました。もともとの問題意識は、国の方で策定する中期計画に乗り遅れたら、10年間ぐらいまた和歌山は後回しにされる、これをなんとかしないといけない。だけどこれをワーワー言っているだけだと、地方の県がエゴで言っているんだと言われるかもしれない。もっとひどいことになると、建設業者に仕事をあげたいから言っているんだろうというようなことを、ステレオタイプで解釈されるかもしれない。そこで、石田先生にお願いし、もちろん県内の有識者にも頼んで、あとは伊藤元重さん(東京大学大学院経済学研究科教授)、木村陽子さん(総務省地方財政審議会委員)や大阪大学大学院経済学研究科地方財政専門の齋藤愼先生に集まっていただいて、議論してもらって、それぞれの意見をちゃんと言ってくださいということで、和歌山県道路懇談会を作りました。そこで「知」と「理」を磨いて国土交通省にいろいろ進言をして、昨年の終わりの頃にできた中期計画ではそういうことをだいぶ盛り込んでくれたと思っています。ただ「情」だけがまだ支配する日本になってしまいまして、これだけ「知」と「理」を磨いても、なかなか言うように進めてもらうことが難しく、それでついにでき上がったばかりの中期計画を早速改定するということになりました。そして、今また「知」と「理」を磨いて、石田先生にいろいろ指導していただいた延長線上でもう一度いろいろな議論をしているというのが、我々の現状であります。
 私も実は、国土庁に出向したことがありまして、国土庁にはちょうど第四次全国総合開発計画ができあがった直後でありますが、そのずっと昔からいた人たちのもっている夢みたいなのがたくさんあって、それと国土庁用語で「トンカチ」といっていましたが、夢とその「トンカチ」とをどのように組み合わせて本当に立派な世の中を作っていくんだという議論をしていました。ともすると、「トンカチ」がないと、世の中は書いたものだけで終わりということになります。書いたものだけで終わりということになると、これで人々が幸せにならないわけであります。したがって、その「トンカチ」をどうやって付けるかということを計画とともにみんなでやろうじゃないかということが、私の国土庁時代の一つの努力目標でありました。
 そういう意味で、「トンカチ」を伴ったその計画、計画を伴った「トンカチ」というのが、本当に必要になってくるんじゃないかと思います。
 和歌山はいろんな意味でなかなか辛いですが、そういう意味で「知」と「理」に基づいた行政及び政治というのが是非必要になってくるんじゃないかと、心から確信しております。「知」と「理」では必ずしも常に勝つとは限りません。たまには、政治によって負けて、吹き飛ばされるということがあると思います。しかし、その吹き飛ばした政治というのが、きっと何年か何十年か経ったときに現実をもって復讐をすると確信しています。最終的には「知」と「理」に基づいたそういう政策でないと、それは時代に復讐されるぞと思います。そのためにはどうしたらいいか。実は皆さんのような知的な雰囲気が漂っている人だけが、絶対に世の中から信頼されると私は思うのであります。したがいまして皆さん、「知」と「理」を大いに磨いていただいて、それで若干の「情」をもって、よし、ここで自分がやってやるぞという気持ちで、大いに「知」と「理」を世の中に発信していただきたいと思います。いまや皆さんの活動によって、日本が救われるかどうかとういうことは決まってくるんじゃないかと思っております。「知」と「理」、「計画」と「トンカチ」とそういうものを深く期待しまして、私のご挨拶といたします。ありがとうございました。

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