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寄稿・提言・訓辞・挨拶集

新聞・雑誌等への投稿や、各種行事での講演・挨拶、政府への政策提言等を通じて、知事の考え方や政策を紹介します。

国際協同組合デーin和歌山

平成20年7月7日 グランヴィア和歌山/和歌山市

 皆さん、こんにちは。仁坂でございます。本日は「国際協同組合デーin和歌山」にお呼びいただきまして、本当にありがとうございます。
 単一の農協とか、漁協とか、生協などを超え、皆さんが集まられていろいろ勉強する、こうした催しはなかなか立派なことだと思います。
 特に、この「協同組合」というのは、この世の中において、大変な意義があると思っております。この世の中というのは、こんなに大変な世の中という意味です。なぜならば、この世の中に対応していくためには、「文殊の知恵−みんなで考えてみんなで行動する−」ということが一番大事だと思うからです。協同組合という組織ができたのも、元はといえば、大資本家とか、労働者とか、個々の農民、漁民、消費者とかというのではなくて、みんなで力を合わせて、みんなで考えて、そしてみんなで行動してみんなでやっていこうという理想があったのだと思います。そういう意味では、このような大変な時代に、これからどうやっていったらいいのか、一人の力だけではなくみんなの力で、そしてみんなの行動によってできあがっていくというこの協同組合という組織をもう一度見直さなければならないと思います。
 県庁は、特に和歌山県はそうだったと思いますが、どちらかというと知事を中心とした独裁型の会社組織のようなものであったような気がします。私は今これを職員に言って、協同組合型に変えていきたいと思っています。「文殊の知恵」でみんなでいい知恵を出し合って、みんなでワイワイ議論しないと、なかなか知事のトップダウンだけでは、もちろん知事のトップダウンによってできることもたくさんありますが、十分ではありません。
 同じようなことが、実はそれぞれの協同組合にもいえるのではないかなと思います。組織というのは、できてしまうとみんなが守りに入ってしまいます。一番初めに「みんなで考えてみんなで行動しよう」という形でできあがった組織が、トップは偉い人、それぞれの構成員は自分の職分を守るというふうになってしまうと、協同組合の本当の理想を追求できないのではないかと思います。なんでも「目的」で考えて、あるいは「任務」で考えて、みんなで行動しようじゃないかというのが、和歌山県庁だけでなくて、それぞれの組織で重要になってくると思います。
 つい最近も、私は、鮎の協同組合の皆さんと協力して、東京の築地市場に鮎の売り込みにいってまいりました。私の若い頃というのは、鮎は大変な高級魚で、たまに釣ってきた方がくれたのですが、ものすごく塩焼きを楽しみにして、幸せな気分になっていただいた記憶があるわけです。それでそういう気分で、鮎というのはこんなに和歌山でたくさん生産されて、天然物とそう変わらない味で、どんどん消費者に提供しているわけですから、「是非、皆さん、喜んで食べてください」と配り歩いたりしたわけです。その時に、知事がこんなことをしてくれたのは初めてだし、仲買人がこんなに集まったのも初めてだといって、理事長さんが大変感激の面持ちで語っておられました。しかし、本当に売れないと何にもならないというのが、私の気持ちです。知事が出て行くというのは一つの手段であって、その手段がいわば存在証明とか、あるいは行ったから終わりとかになってしまうと何にもならないわけです。
 売り込みに行った後、仲買人の皆さんといろいろとお話して、大変なショックを受けました。どういう点でショックを受けたかといいますと、養殖鮎の売上げはサバとアジがどっと入荷した時に落ちるといわれました。これはどういうことかというと、サバやアジと同じ市場で商売したわけではない。私の気持ちの中では、サバは毎日食べられるが、鮎はめったに食べられない立派なもので、それが手軽に手に入ったら嬉しいはずだと思っていました。ところが、消費者はもはや骨があって小さくて大変で嫌だとしか考えていないような事態になっている。これを今度は「本当においしいんだぞ」というイメージを創ってもう一回売り出すにはどうしたらいいか。これは生易しいことではないと思いました。
 一方で、もう一つ、これはいい方のショックなのですが、東京の仲買人さんたちの話では、最近フランス料理屋さんが食材としての鮎に着目しているということでした。今まで塩焼き一本でイメージを創っていたのが、別の売り込みもできるかもしれない。助けてやるからお前らも協力しないかと言ってくれました。では研究会を作ってやろうと盛り上がって帰ってきました。何を申しあげたいかというと、鮎を本当に売りたいと思ったらどうしたらいいかということをみんなで一緒に考えて、文殊の知恵として、それで協力する人を組織化して、目的からあるいは自分の任務から考えて行こうではないかと思っています。県庁もそうやっていきたいと思いますが、皆さんも是非よろしくお願いしたい。この和歌山を救っていただくために、それぞれのお立場の方々のご努力がいるのかなと思っています。
 ただ、こうして、皆さんのお顔を拝見していると大丈夫かなと思います。こうして勉強をされて「よっしゃ」という気持ちになっておられるなと思いますので、是非みんなで一緒に協同して、組合を作って、和歌山を大事にしていきたいと思っております。本日はお招きいただきまして、ありがとうございました。

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