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寄稿・提言・訓辞・挨拶集

新聞・雑誌等への投稿や、各種行事での講演・挨拶、政府への政策提言等を通じて、知事の考え方や政策を紹介します。

道州制に関する意見交換会知事発言要旨

平成20年6月3日 自由民主党本部/東京都

 道州制の議論は、国をかたちづくっていくうえで重要な課題であり、発言の機会を与えていただき感謝いたします。
 私の意見は配布した 「道州制についての意見」のとおりですが、5つのキーワードでお話ししたいと思います。

「この国のかたち」「自己責任」「ナショナルミニマム」について

 初めの3つのキーワードは、「この国のかたち」「自己責任」「ナショナルミニマム」です。
 「この国のかたち」を議論するとき、何でも地方に委せてしまった方が良いと単純に考えない方が良いと思います。むしろ国に何を残すべきか、国は日本という国の統一を保つために何をやるべきかということを先に考えて、残りはすべて地方に移してしまえば良いのです。
 現在の制度はもたれ合いであり、地方も国も分担して皆で団子になってやっています。それでは地方の力はついてこないし、地方の力を増すことで国力を増すということも困難です。
 そこで「自己責任」が大きな命題となります。それぞれの責任を決めたらその責任は自分で果たすことが大事です。そのとき、和歌山県のような地方が責任を果たせるか、道州制になったときに周辺部の力のない道州がすべての責任を負えるかが問題となります。
 ここで問題となるのが「ナショナルミニマム」です。日本人として保障されるべきものは国が保障しなければいけません。例えば、義務教育を勝手に道州で細工をしていいということではないはずです。義務教育を日本の国是とするのであれば、国が100%面倒を見ないといけません。
 本当に必要なことはどこかを先に決めて、それは国が責任を持ってやるから、選択的にやって良いことは地方でやって下さいということが、道州制にかかわらず地方分権の議論ではないでしょうか。

「広い視野」について

 次のキーワードは「広い視野」です。縦割り行政の弊害ということが言われますが、縦割り政策の弊害ということもあります。地方分権、道州制を議論する人は地方分権、地方財政の専門家だけに限られており、国際経済の専門家や国のあり方を考える人が十分に議論に参加していません。
 一例を申し上げると、全国知事会の「道州制に関する基本的考え方」では「内政に関する事務は基本的に地方が担う」となっています。一見そのとおりだと思いますが、このとおりにすると、例えば、道州ごとに経済制度が変わってくることが考えられます。世界では何が起こっているかと言えば、制度をめぐる囲い込みが行われています。規制緩和と呼ばれたり、制度の統合と呼ばれたりしますが、EUは一国では日本に対抗できませんが、EUを通じてひとつの制度を作ることで日本よりも若干優勢になりつつあります。アメリカはNAFTA、中国は大きな人口を抱えていますがそれでも経済連携協定で囲い込もうとしています。日本が経済連携協定を作ろうとしているのもその趣旨だと思います。
 例えば選挙で選ばれている首長が、選挙に有利だという理由でポピュリズム的な施策を提供して制度を変えてしまったら、日本の経済活動は落ち目になり、日本は本社を立地する場所として相応しくないということになってしまうのではないでしょうか。
 立法権は地方に与えるべきだと思いますが、こういった観点から、何を与え、何を与えてはならないかをきちんと議論しておく必要があると思います。

「和歌山県の住民」について

 第5のキーワードは「和歌山県の住民」です。和歌山県の住民にとって、現在の県は財政調整上かなりの効果を有しています。例えば、公共インフラを作るに当たっても、市町村が作っているところよりも圧倒的に県が作っているところの方が多く、それを国が助けてくれているのが現状です。
 私は和歌山県の知事ですので、道州制になって、基本は基礎自治体だけに委せて、残りの部分だけ道州でやるとなると、周辺の地域、人口の少ない地域に対する資源の配分が、果たして今までのようになされるのかが心配です。道州間、道州内の調整制度をきちんと作っておかないと、道州制が生きたものにならないと思います。

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