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寄稿・提言・訓辞・挨拶集

新聞・雑誌等への投稿や、各種行事での講演・挨拶、政府への政策提言等を通じて、知事の考え方や政策を紹介します。

和歌山県印刷工業組合2008新年会

平成20年1月23日 ホテルグランヴィア和歌山/和歌山市

 皆さん、あけましておめでとうございます。
 印刷工業界のこういう新年会にお呼ばれしてたいへん幸せに存じます。
 さて、印刷工業界の方々がにっこり笑っておられる、にこにこして「儲かったな」などと言っておられる。実は、それが私の最大の願いであります。なぜ印刷かと申しますと、たぶん和歌山の業況あるいは産業界の活動状況、それからいろいろな文化的な活動も含めてそれが盛んになれば、皆さんの業界はきっと儲かるはずだ、利益が上がるかどうかはわかりませんが、仕事が多くなるはずだと思うわけであります。その意味で、今日ここへ来させていただく時に「どうですか?」と訊いたのですが、「あかんな」というふうな答えがまだ返ってきていまして、皆さんのところまではまだまだ及んでいないなということも思います。
 ただ、悪いことばかり考えていると、どんどん気持ちも消沈してまいりますので、例えば昨年あったこれからプラスになるかなというようなことも時々思い出して、いつ効果が出てくるかなと期待しながら、皆さんの方も来るべき上げ潮の時代に備えていただければと思っております。
 それから、皆様方のご活躍にはたいへん敬意を表しています。とりわけ組合で「企業の森」をやっていただくというようなことも去年決めていただきました。本当にありがとうございます。皆さんは紙をお使いになって、その紙をつくるべき山の緑を一緒になって守っていただくということで、たいへんありがたいことだと思っております。
 さて、和歌山県も少しずついいことが出てまいりましたけれども、今や最大の危機を迎えております。それは何かと申しますと、和歌山県の道路とそれから和歌山県の財政が吹っ飛ぶような話が今、国のレベルで行われているということであります。
 道路については、国は、一昨年の12月ぐらいに、必要な道路しかつくらない、あとは道路特定財源は一般財源に回して赤字国債の償却か何かに回すんだというふうに決めました。それで私は、和歌山県を再設計するグランドデザインドライバーを考えていましたから、少なくとも基本的なネットワークというのはきちんとできないと、いつまでたっても和歌山県は乗り遅れる、高速道路の充足率が下から3番目、道路の改良率が下から2番目というような状態で、例えば紀南に住んでる人、紀の川筋に住んでる人、あるいは和歌山市に住んでる人ですら、そのビジネスの設計がどのようにしてできるのかと。そんなもの、できはしない。したがってチャンスを活かすには、きちんとしたインフラがあって、その上で早く全国とつながってはじめて勝負ということになるはずだ、とこういうふうに思っていたわけです。
 このままではいかんということで、去年の6月に道路懇談会というのをつくり、真に必要な道路整備を検討いただき、全国のモデルになったところです。
 国土交通省は、必要な道路を年末までに10カ年計画をつくって決めると言っていましたが、その時に、どんな考え方でこれを考えたらいいのか、どれくらいの量の工事が本当に必要なのか、インチキじゃなくて、おねだりじゃなくて本当に必要なのか、というようなことを国土交通省は求めていました。したがって、我々はそのイデオロギーといいますかその思想と、きちんとした試算をもって8月に国土交通省に行きました。それから、国土交通省の方が全国にこのような和歌山モデルでちゃんとつくれというような指令を発して、それで和歌山でも高速道路を全部つくってもらうんじゃなくて、一部現道を使ってつじつまをあわせながら最終的には紀伊半島一周の道路、京奈和の早期開通、それから府県間道路とネットワーク幹線道路−−−後者の方はたぶんですけれども、そういうものが明示されたような計画を作ってもらったわけです。
 これでやれやれと思って、ようやく「うまくいった」と思っていたら、なんとその財源は全部取り上げると言われてしまって、ガソリン代が安くなるからいいだろうというプリミティブ(原始的)なことを言われて、非常に困っているということであります。ガソリン代が安くなると私も嬉しいし、皆さんもきっと嬉しい。特に印刷の皆さんは運ばなければいけませんから、ずいぶんコストがかかっていると思います。そういう意味ではガソリンが安い方がいいに決まっていると思います。ところが、ではそのガソリンが安くなる結果、和歌山県が取り残されて、それで経済活動が全国と切り離されたような状態で停滞してしまったら、果たして皆さんの明日はあるのかということです。
 そういうことを一切言わないで、これはたくさんの議論があるんですが、一切言わないでパンフレットに、『30年の暫定期間は長すぎる、だからガソリン税25円値下げを絶対実現しましょう』としか言わないような政党が出てきて、それがテレビか何かで「まぁ、いいんじゃないの」というような話になっている。「これは、許せん」と。本当にこういうことをやるとどういうことになるか、例えば、県で言えば、道路はたぶんほとんど手が着かなくなると思います。新しい道路はもちろんのこと、今やりかけの道路もほとんどできなくなると思います。なぜならば財源が吹っ飛んでしまうから。いろいろな複雑な計算をして、国に助けてもらったりしながらやっているんですが、この財源が吹っ飛んだらほとんどそれもなくなってしまいますので、たぶん維持補修と借金を返すこと、この2つしかできなくなると思います。
 それから、もっとすごいのは地方にお金がどれだけ回るかということだけではなくて、国がやってくれる仕事も全部止まります。府県間道路の重要なところとか、京奈和もつかなくなってしまいますし、それからようやく我が悲願達成かと思われた紀伊半島一周の高速道路も絶対にできなくなってしまうと思います。そういう意味で、これは和歌山県にとって最大のピンチだと思って、今ちょっと騒いでいるところであります。
 全てのことを議論した上で、それでもこれはいいんだと、道なんかいらないんだと、和歌山県の発展もいらないんだと、私のビジネスはもうどうでもいい、子孫が和歌山で暮らせなくてもいい、そしてお小遣いがちょっと増えればいいという方は、それはそれでよろしいと。しかし、全員がそうでないことは明らかではないかと思います。私に対する期待も、企業をもっとたくさん連れてきて和歌山を元気にしてくれ、という方がほとんどだったと思います。それならば、それをできなくしておいて、果たして和歌山が元気になるか。お小遣いがちょっと増える、それは麻薬みたいなものでちょっと快いところがあるかもしれませんが、それによって和歌山の発展は永遠に閉ざされると思っています。
 このようなことを、これから皆さんと大いに議論しながら国に対しても働きかけをして、私たちがもし間違ってると思ったらそれは直して、そういうようなことをこれからやっていって和歌山県の後顧の憂いをなくしていきたいと思っております。
 そうやってうまくいくと、これでぐーっと我慢していると、今、経済成長率、一番最近の県の経済成長率は、たぶん和歌山県はトップクラスであったと思います。実質6%成長、名目4.1%−−−不思議ですけれど、物価が下がっているという状態です。これは2年前のデータになりますが、これが最新です。これが、この30年間の県内総生産の伸び率が最下位だった和歌山に、ようやく見えてきた反転進攻の兆しなんです。
 去年は25社が新しい設備投資を和歌山へしてくれると決めてくれました。その中には1,000億円単位の設備投資もあります。今年になって500人単位の雇用を和歌山市で、というような企業もでてきました。
 そういうような動きに水をさすようなことなく、皆と一緒に頑張って、そして数年経てばきっと「和歌山もあの時代が一番苦しかったなぁ」ということになるのではないかと私は期待しております。
 どうぞ皆さん、それぞれの作業をうつむくことなく前を見て、しっかりといろんなことを議論されて、お続けくださるように是非お願いしたいと思います。
 皆さんのこの会合に出て、ほとんどの方が異口同音に「いやぁ、よくなってきたぞ」というふうに言ってくだされば、それは和歌山県全体がよくなったということだと思います。
 皆様のご活動とますますのご健勝を祈念いたしまして、長くなりましたけれども私のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

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