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寄稿・提言・訓辞・挨拶集

新聞・雑誌等への投稿や、各種行事での講演・挨拶、政府への政策提言等を通じて、知事の考え方や政策を紹介します。

公共工事品質確保に関する議員連盟部会

2007年11月30日 自由民主党本部

 今回の会議において、和歌山県の制度について説明する機会を与えていただきまして誠に有り難うございます。
 私は去年の末から知事に就任していますが、その前に起こった事件に伴い、公共調達制度について新しく良い制度を作らなくてはいけないということが早急な課題でした。そこで、現状の制度はどうなっているのかということを先に調べました。すると、前知事が逮捕された事態と全く様変わりしたような大変透明感があるものでしたので、すぐに汚職は起こりそうもないと考え、じっくりと一番良い制度を作ることとしました。
 当時、全国知事会からリコメンデーション(勧告)がありまして、どのくらいの採用率を達成するとよい県だというような評価がありました。しかし考えてみると、あのリコメンデーションは各県の最小公倍数的なもので、その内容は特に気にする必要はないかと思いましたので、この際和歌山県のモデルをちゃんと作ることにしました。
 そこで、桐蔭横浜大学法科大学院の郷原先生を始め大学の先生・弁護士の方に集まっていただき、精力的に検討していただきました。

 委員会では次の四点について検討していただきました。
 一つは「効率性の向上」。これは談合によって県民の資産が無駄に使われるのは困るということです。
 しかし一方で、それを追求しすぎると公共工事の質が低くなるのは困りますので、二つ目に公共工事の質の確保ということ、「安かろう悪かろう」ではいけません。
 三つ目は、官製談合というのが事件の内容でしたから、それが起きない内容にしていただきたいということ。
 そして四つ目は、建設業界が健全に発展できるようにしたいということです。和歌山県の建設業界が他県に比べ立派だとは思いませんので、他県に攻めていけるような立派な建設業界を達成する素地を作りたいと考えたためです。これは全部、トレードオフの関係(一方を追求すると他方が犠牲になるような、両立しえない経済的関係)になります。それをどう調整するかを是非考えてくださいと申し上げました。
 5月10日に提言をいただき、6月15日に提言を基にしたパブリックコメントをいただいた上で制度改革を公表し、その後も細かい内容を詰めていった上で、来年の6月に完全に実施することとなります。

 中身については、第一に、条件付き一般競争入札を全面的に導入します。どこまでは指名でということは一切しません。ただ、そうなると「信頼できない」「質が悪い」などの問題が発生します。したがって、全業者について改めて業者評価をし、きちんと評価した人については入口で合格しているのであるから、一つひとつの工事について説明したりしない、という制度を構築しました。
 二つ目は、総合評価方式を積極的に導入することとしました。
 三つ目は、地域要件についてかなりきめの細かい配慮をしました。基本的には、地域要件が競争制限的となる素地があるので、究極は全県一区とするのがよいのですが、現実的にはいろいろな不都合が生じるかと思うので、それについて詰めている最中です。

 それと、ダンピング対策。これについては、一方で業者が疲弊するような状態で放置しておくと問題が多発しますので工夫していくということです。以後、それぞれについて説明します。
 第一点は、条件付き一般競争入札ということについて。全面導入に際しては、不良不適格業者の参入を防ぐ、工事による品質の低下を防ぐ、県内の優良業者の淘汰を防ぐ、つまり優秀な業者がなくなるのを防ぐということです。これらの対策として、不良不適格業者の排除のためには、入札参加資格審査の厳格化と施工体制のチェック強化を図らなくてはいけない。そして、工事における品質の確保ということでは、技術力、施工実績などを重視することでもう一度見直す、最後に地域社会の要請に応えうる優良県内業者の育成については、例えば災害時の貢献等を考えて、地元にもきちんとした建設業者がいないと困るので評価項目としました。
 具体的には、入札参加資格審査というもので、税金を滞納していないかということや、暴力団の関係者ではないか、といった欠格事項を調査します。それを過ぎた後は総合点数で評価しますが、客観点数としては経審(経営事項審査)の点をいただき、経審の点数を2とすると地方基準の点数1の割合にして加算していきます。この地方基準点が大変大きいというのが和歌山県の特色です。その総合点数に伴い4つにランク付けし、そのランク毎でできる工事が決まっています。ただ、小さい工事を取りたいために自分の会社を大きくしない業者が現れてきます。そうすると、県の建設業が発展しませんので、企業が大きくなっても下の工事は受注できることとし、安心して企業努力ができるようにしていく予定です。
 地方基準点に関しては、法令の遵守や災害復旧への貢献、環境への配慮、これについてはISOだけ書いていますが、パブリックコメントの結果、もう少し簡易にして中小企業でも良いようにしてあげることを考えています。そして常用雇用をしている企業や機械を持っている企業については評価するようにしています。そして、「不正行為等に対する処分」については従来よりも厳しくしています。
 二点目は総合評価方式。1点目で説明したとおり、業者の評価をやり直すことによって、総合評価の制度を導入しやすくなったというメリットがありました。すなわち、中規模の工事については「簡易型」を、大規模な工事については「標準型」を導入し、特殊な工事については「高度技術提案型」の総合評価を導入します。これによってほとんどすべての工事で原則的に総合評価を近く導入する予定であります。業者評価によって技術者数などは既に評価されていますので計算は必要とせず、これに当該工事における配置予定技術者の資格や簡易な施工計画などで点数をつけて、値段との間の相関関係を算出することで、簡易に総合評価を実施することができます。ただ、「高度技術提案型」については、もう少し入念に評価しなくてはだめですが、これは件数が極少ないということで、対応できるものと考えています。したがって、新業者制度により総合評価制度も導入しやすくなったと考えられます。
 三点目、「地域要件の拡大」ですが、現在は9ブロックになっていますが、今後は、大きいものについては今までどおり全県1区で、中規模については県内3ブロック、5ブロックというふうに分けました。ということで、だんだん工事が大きくなるにつれ、隣のブロックまで工事を受注できるようになりました。よって大きい規模の工事は条件も厳しいので、業者さんには頑張ってもらう必要があるということになります。ただ、小さい工事については、その地区の業者がなくなってしまうのはいけないので、従来どおり参入障壁を設けることとしたいと思っております。これは、郷原先生とも議論した中で、いきなり全県1区にしてしまい右にゆれたり左にゆれたりするのはナンセンスだから、企業成長とともに少しずつ検討していく方がよいと考えました。
 最後にダンピング対策ですが、競争入札にしますと企業が過剰に競争してしまい、ダンピングをして色んな弊害が出てきてしまうことを危惧しました。したがって、その制度の中に、無理な競争をしなくても良い工夫を導入しました。和歌山県では現在、「最低制限価格」と「低入札調査基準価格」は事前に発表しています。その結果、工事がほしい業者については皆、何も検討しないで最低制限価格で入札してきます。そして抽選になると、上手く工事ができない業者が落札することとなり、企業が疲弊したり最悪の場合は工事に問題が生じたりしますので、事後公表としました。
 そして、低価格で入札した業者は、大きい工事については低入札調査で後で審査し、小さい工事については、事務量が多く大変なので、失格という手段をとらせていただきます。その結果、自分の身の丈にあった価格で入札できるようになります。ただ、そうすると、一つの業者に工事が集中しないか、という問題が懸念されますが、もしその業者が容量以上の工事を受注してしまい、丸投げなどの不正行為をしてしまった場合は、不適格行為による処分を受けることとなります。例えば、一括下請では3か月間の入札参加資格停止、というふうに幾つか定めています。よって、真面目に工事をしようとする、自分が取れる能力があって余裕があるという業者のみ参加していただくようにしています。これで、一部の企業だけ丸取りをしてしまうことがないようになります。
 それから、低価格入札工事対応ということで、大きな工事について調べますが、その結果問題なかったという場合については幾つかの要件を課しています。契約保証割合の引き上げを行ったり、重点監督の実施を行ったり、受注者側技術者の増員、立入調査を強化したり品質管理の充実を図ったりといった対策を行います。これで、本当に大丈夫かということを十分に検討します。
 こういった制度を導入しましたので、自然な状態で入札して下さい。それによって予定価格の応札率が何%にならなければいけないなどというようなことは言いませんということを申し上げて、発表を終わらせていただきます。

追加発表

 最低制限価格や低入札調査価格などを発表しているのはなぜか、ということを聞いたところ、県庁職員が汚職まがいのことに巻き込まれるのを防ぐために実施していたとのことです。しかし、それでは本末転倒で、職員が規律正しくしていればいいわけで、企業に犠牲を強いて自分の身を守ることにしているのではだめだということで、価格の事前公表はなしにしました。代わりに職員が自発的に規律を守ることに努力する様にしますが、公務員の倫理規則や当県特有の監察査察制度を導入して透明性を高めて、少しおかしなことをするとすぐに分かってしまうという制度を導入し、一方で企業に当然の仕事の仕方を守ってもらうこととしました。
 また、先程申し上げましたとおり、6月に制度改革を公表してから2段階に分けてどんどん制度内容を細かくしています。夏に制度を公表してからパブリックコメントを募集して県民の方々から意見をいただきまして、それに基づき制度を作成したのですが、引き続き点数の評価の詳細も発表して、説明会もして、パブリックコメントを求めようと考えています。周知期間をおいて来年1~3月で業者の評価をして、6月から一斉にスタートする事としています。しかし、現在ものすごい回数で説明会をしているのですが、なかなか分かっていただけない。この方達の声を聞いていると、はっきりとは言わないのですが、20年前の制度がよかったので戻してくれということを言われました。現在の制度でも現在作っているこの制度でもないのです。そういった現状を受けて、今後導入していった上で、20年前とは言わないけど現状よりはいいな、と言っていただけるような制度にしたいと考えています。

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