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寄稿・提言・訓辞・挨拶集

新聞・雑誌等への投稿や、各種行事での講演・挨拶、政府への政策提言等を通じて、知事の考え方や政策を紹介します。

中京圏マスコミ関係者との懇談会

平成19年11月22日 中日パレス/愛知県

 皆さんこんばんは。和歌山県知事の仁坂でございます。本日はお忙しいところ、中京圏を代表するマスコミ界の方々にお集まりいただきましてありがとうございます。

 それでは私から、和歌山県のお国自慢を兼ねまして、和歌山県の概況を説明させていただきます。

 和歌山県は、ここ約三十年間県民成長率が低迷しています。それ以前は、気候は良いし、いろんな資源に恵まれて、そんなに生活に困ってることもなく、割合良いところだったと思います。低迷した原因は色々あると思いますが、これから和歌山が浮上するために、今ある資源を有効に活用したいと思っております。その方法はたくさんあると思いますが、一つは観光であり、一つは農産物であり、それから、工業生産であるし、サービス業であるし、その前提としてのインフラ整備の促進であると思っております。

 和歌山のお国自慢ですが、和歌山とはどういうところかと申しますと、三重県の知事さんがとっても立派な人で、覚悟を決めて、高速道路を作ってくれておりますが、地理的には名古屋から残念ながら結構遠い所にございます。具体的には、新宮・熊野地方、それからぐるっと半島を廻ってですね、白浜とか、果ては和歌山や高野山へ行くのに、ここに書いてありますような形で結構遠ございます。これは逆に行くと、大阪からも遠いので、なかなか辛い位置関係となっています。ただし、電車で行きますと意外と便利で、私も、和歌山市から南紀に行くときはできるだけ電車を利用しています。そうすると、和歌山市から新宮まで二時間半程度、それから、名古屋から新宮まで三時間十分程度ということです。車窓からの景色はすごくきれいで、楽しく見応えがあると思っております。

 次に、魅力はまず総延長648kmに及ぶリアス式海岸の海があるということです。名古屋の方は、伊勢方面の海をよくご存知なので、似たようなものかなと思われるかもしれませんが、なかなか変わったところもあります。例えば、ギリシャのエーゲ海を彷彿とさせる真っ白な岩でできている白崎海岸がありますし、白浜には三段壁(さんだんペき)や円月島(えんげつとう)など色々な海岸美があります。それから、映画のロケ地に相応しいような田辺の天神崎があり、マリーナもあります。また、本州最南端の地・串本には、ラムサール条約に登録されましたサンゴ礁の群生が見られます。最近は、沖縄に次ぐダイビングスポットになりつつあります。

 次に川があります。川は、例えばこれも南紀が中心となりますが、熊野には瀞八丁(どろはっちょう)や、三重県・奈良県・和歌山県に跨っている全国で唯一の飛び地村の北山村では、びしょ濡れになりますが、観光イカダ下りが夏場は人気を博しています。また、清流がたくさんあり、古座川には一枚岩があり、これは山のように見えますけれども、一枚の岩になっているんです。要するに砂の山ではあります。

 それから、広葉樹林があって、南方熊楠が活躍したところなんですが、那智原生林や那智の滝もあります。

 次に、温泉があります。和歌山県にはたくさんの温泉があって、海の温泉、でっかい温泉、それから山の温泉、ひなびた温泉、色んな温泉があります。

 次に、海の幸が結構あります。例えば、生マグロです。これは新宮から少し西側に行ったところに勝浦港があり、生マグロだけですと日本一の水揚げになってます。それから、クエは、これからの冬場すごく美味しく召し上がっていただけます。これは、私も子どもの頃はあまり食べませんでしたが、フグよりも美味しく、刺身はマグロみたいな味がします。更に、しらすがあり、釜揚げしらすは熱々ご飯に良く合います。

 次に、果物は、実は和歌山県は青森県と果樹生産高の日本一を競っています。ここ三年は負けているんですが、青森がりんごのモノカルチャーで、和歌山は色んな果樹の合わせ技一本で対抗しています。みかん一位、柿一位、梅一位、ハッサク一位、それから桃が四位になっています。名古屋市場では、みかんは割合静岡のものが入っているので、和歌山県産のシェアは低くなっていますが、柿は2位のシェアを誇っています。特にこの秋は、柿とみかんのできが良いんです。柿は、まず収穫されるのが種無し柿で、次に富有柿が出回ります。種無し柿は、渋柿なんです。これを炭酸ガスに通すと、渋が飛びますので、ものすごく美味しくなります。今年はとっても良くできており、結構売上げが伸びています。

 それから、みかんは、古来から「和歌山みかん」として有名でしたが、一時、静岡と愛媛に抜かれていました。ようやくまた頑張って抜き返しまして、最近、生産量は一位になっています。今年は、ちょっと小ぶりですが、夏が暑かったですから、甘みが結構凝縮しています。私もすっかり病みつきになり、一日に10個くらい、夜中に大変美味しく食べています。その他、素朴な味の料理が結構ありまして、梅干はもちろんですが、和歌山ラーメンやさんま寿司など、ブレイクしたものもあります。

 次に、鯨料理や精進料理があります。高野山は、今は妻帯も肉食もしますが、元は精進潔斎(しょうじんけっさい/ある一定の期間、飲食を慎んで身を潔めること)をしながら粗食をとって生活していたところでした。したがって、極限まで精緻になった精進料理が完成しています。先日、東京からお客さんが来られ、これを見て刺身だと思ったら違ったり、エビの天ぷらだと思ったら違ったりということがありました。

 また、清酒は和歌山は元々酒所で、この中にモンドセレクション(最高金賞)19年連続受賞しているお酒があります。ただし、この酒は販路拡大も生産量アップもしないで、テレビでも宣伝しないで、ただ、賞を取ってニッコリ笑っている。これが和歌山の流儀のようであります。

 次に、お宝いっぱいということで、国宝・重要文化財は愛知県と比べると勝ってるところはほとんどありませんし、京都や奈良にもたくさんありますが、実は和歌山にも色んなものがあります。これも少し宣伝不足で認知されていない気がしています。例えば高野山で色んな国宝などがありますが、建物を除きある保険株式会社が試算すると、総資産額が70兆円から80兆円になるそうです。私が見学しましたら、防火装置付きの倉庫の中に桐のタンスがずらっと並んでいまして、それを片端から開けると巻物が三つずつ並んでいてそれが全て国宝ですといった感じでした。それがなぜ残っているかというと、燃えなかったからです。残りは、根来寺とか粉河寺とか紀北筋にたくさんありましたが、織田信長と豊臣秀吉に焼かれました。高野山だけは残っていますので国宝・重要文化財の数がたくさんあるということです。

 それから、長保寺というお寺があります。和歌山市の南の海南市にありまして、これは紀州徳川家の菩提寺でして、本堂・多宝塔・大門が三つ並んでおり三つとも国宝です。このスタイルで三つとも国宝なのは長保寺と法隆寺(法隆寺は多宝塔の代わり五重塔)しかありません。それから、パンダが白浜に今6頭います。世界中で中国以外に30頭程いるんですが、和歌山には6頭いるんです。中国との協定で先日2頭返しました。東京の上野に1頭、兵庫県に2頭、現在日本に9頭います。上野のパンダは檻の中に入って窮屈そうにしていますが、白浜のパンダは芝生の上を走り回っていますし、また、生まれたばかりで可愛らしい子パンダがいます。

 次に、世界遺産です。これは、三重県・奈良県ともにそうなんですが、紀伊山地の霊場と参詣道でして、高野山と熊野三山と道、この道が世界遺産になっているのはキリスト教徒の参詣道であるスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラとこの紀伊山地の参詣道と二つしかありません。今後もこれを上手く残していくために、景観条例を制定し保護をして、それでずっと永遠に味わってもらおうと思っています。ご夫婦連れで歩きに来られることが、今すごく流行っています。そういう方々のご意向も大事にしながら進めていきたいと思います。

 それから、最初は和歌山。これはちょっとした自慢ですが、実は和歌山では結構色んな創意工夫に富んでいまして、例えば、醤油とか、根来塗という漆器を一番最初に技術確立したとか、かつお節やかつおの一本釣り、他にも色々ありますが、これらを一番初めに創ったのが和歌山です。ところが備長炭とか一部を除きますと、かつお節は薩摩が有名ですし、かつおの一本釣りは土佐が有名ですし、醤油は銚子でしょうと言われますし、みんな大きいところは他の地域に取られています。これまで隠し立てなどせずにおおらかにきたのが良かったのだと思いますが、新しいものもまた生まれてきてます。例えば、住友金属の転炉や島精機の無縫製ホールガーメント、これはセーターなんかを縫製工程無しで全部一遍に作ってしまうのですが、この二つが今年の大河内記念生産特賞を受賞しました。これは、生産技術の日本一の賞で、例年は大体年間一つですが、今年は二つであり両方和歌山から選ばれました。この様な発明をどんどんしながら、また新しい産業を興していかなければならないと思っています。

 最後の自慢は暖かい人情ということで、特に熊野に関して私が最高に自慢したいことは、「老若男女を問わず、貴賤を問わず、浄不浄を問わず、信不信を問わず」多くの人々を受け入れていたということです。これはものすごい哲学だと思っています。老若男女を問わずとは文字とおりですが、貴賤を問わずというのは天皇家が幾度となく行幸されましたが、それ以外に身分に関係なく人々を暖かく迎え入れてきたという伝統があります。それから、浄不浄を問わずとは例えば罪を犯した人とか、そういうことはいいんだと、誰でもおいでよと、それで心がきれいになって心がけを変えればまた蘇るよということなんです。それから、最後が一番すごいと思うんですが、信心が無くても結構です。この前、熊野三山の一つ熊野本宮大社の宮司さんと話をしましたら、「来ていただければ良いんだ」、「キリスト流の十字を切っていただいても結構です」、ですから皆さん心中に色んな思い悩みがあり、それは熊野で蘇ってもらいたいとのことでありました。

 また、トルコ「エルトゥールル号」、デンマーク「クヌッセン機関長」ですが、トルコの場合は、地元漁民が船が難破して海に投げ出され溺れているトルコ船の乗組員の命を救った。デンマークの場合は、クヌッセン機関長が海に飛び込んで、溺れている漁民を助けようとして命を落とされました。それ以来、50年間ずっと機関長を顕彰してお祀りをしています。このことがきっかけとなり、デンマークとも友好関係が築かれています。この様に、和歌山ではちょっと田舎だけど、ちょっとはにかむけど、暖かい人情で来られた方に「ようお越し」の気持ちでお迎えしています。

 東海地方からは、古来より東牟婁地方、特に新宮・勝浦・串本にたくさんのお客さんがお見え下さっていました。大体、十数パーセントのシェアです。最近、少し落ち気味になっています。それで、我々も観光アクションプログラムを作り頑張ろうとしています。世界遺産を売り出すとか、美味しいものを売り出すとか、温泉を売り出すとか、歴史を売り出すとか、これらを売り出すために工夫をしてやっていきたいと思います。同時に、最もお客さんが来てくれそうな、例えば首都圏や近畿圏やここ中京圏から大いに集客をしようと思っています。ただし、名古屋ではどのように集客をしたら良いか、どういうことをしたら一番受けるか、この辺の知恵がまだまだ不足しています。それを皆さんから教えていただければ、来年は名古屋で集中的に集客イベントを行い名古屋の方々、東海圏の方々に是非和歌山を味わってもらえるようにしたい思います。以上です。ありがとうございました。

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