現在表示しているページ
ホーム > ようこそ知事室へ > 寄稿・提言・訓辞・挨拶集 > 紀州林業懇話会

メニューをとばす

寄稿・提言・訓辞・挨拶集

新聞・雑誌等への投稿や、各種行事での講演・挨拶、政府への政策提言等を通じて、知事の考え方や政策を紹介します。

紀州林業懇話会

平成19年10月30日 アバローム紀の国

和歌山の林業振興

 大変立派な話を有り難うございました。今、夜明け前は暗いという話がありましたが、私は夜明けは絶対に来るぞと思っています。というのはですね、世界情勢を見ますと、中国はばかばか需要が増える、それから、インドもばかばか増える。人口もすごいから、ものすごく増える。それから、世界経済はその意味で人口も増えながら少しずつ発展している。
 供給の方をみたら、ロシアは生(原木)では出さないと言い始めている。それから、私はブルネイにおりまして、ブルネイはボルネオ島です。ボルネオ島は南洋材の出し手の最大のもんですね。あれを見たらハゲ山ですよね。ブルネイはお金持ちで石油の国ですから、それほどでもないのですが、マレーシアやインドネシアへ行ったら、一部の国有林とか自然公園を除くと皆伐ですよね。ツルツルですよ。和歌山と違って放っといても山は回復しないですよね、簡単には。そういうところがいっぱい増えてきた中で、和歌山へ帰ってきて空から見ると、ものすごい潜在的な可能性が高まってきているなと思いました。比較を言いますと、昭和30年代、私の子どもの頃ですが、和歌山の山は実はあんまり面白くありませんでした。
 何故ならば、私は蝶々を採っとりますが、和歌山の山はハゲ山になっているか、スギ、ヒノキの幼林ばっかりで、あまり面白くなかった。蝶々はもう別に和歌山で採らなくていいのですが、何を言いたいのかというと、和歌山の山はしっかり緑に覆われて回復していると思いました。ところが、夜明けになった時にはたして嬉しいかというと、少し心配になりました。何故かというと、中へ入って行くときれいに整理されているような山はあまりなく、真っ黒で、細い木ばかりで、それで上から見たらですね、完全に茂っているように見えるスギとヒノキの林がいっぱいある。これだと多分材木の価格が上がってきたといってもですね、二足三文にしか売れないのではないかと思うのです。それから林業も弱ってきて、林業従事者がきちんと継承されていないと、山仕事もできないじゃないかと。さあ売れるぞといっても何処からどうやって供給するのかわからないと林業対策がたいへんだと。森林・林業という、トレンディな言葉と言われましたけど、さっそく(県庁内の部局名を)緑の雇用推進局から森林・林業局に変えて、お褒めの言葉がありましたが、森林・林業をもう一回立て直すんだと、和歌山県の最重要政策の一つだといって、今頑張っているところです。
 たくさん頑張るところは、皆さんにとってもおありだと思うのですが、県にとって頑張らなくてならないところは、実は間伐の周辺ではないかと、私は思っています。というのは、立派な木材を伐ってきて、立派にお使いになりお売りになるというのは皆さんのノウハウがある訳だから、そこのところの補助金をカットすると、そんな事は言ってはないのですが、これ以上あんまり考えてもしょうがないし、皆さんがちゃんとおやりになるでしょう。だけどあの真っ黒な林の中を、どのようにもう少し木がすくすく育つ環境にするかというのが大事で、そのためには、他にも役に立つと思いますが、お話になったあの低コスト林業の低コストのところをですね、是非皆さんの間に普及させて、皆さんのコストが低くなるようにするというのが一つと、もう一つは間伐材の需要をつくること。今で言うと逆有償(売り手が販売にかかる費用を負担する販売方法)でしか売れない気がするのです。熊野古道なんか歩きに行くとですね、先程ビデオにあったような木がごろごろ転がっているし、もっと言うとですね、私の胴体よりももっと太い木だって、単に間伐しただけで転がっているんですね。もったいないなと思いました。たぶん林業家がお伐りにならないで、公園系の人がお伐りになったからそうなったと推測しているんですがね。
 それから加工品ですね。吉野ではヒノキをキュービックにして、ビニールのシートにくるんで、吉野ヒノキの入浴剤として500円で売っていました。結構そんな事まで必死になって考えているところがあります。そういうところを和歌山県も真似をして、工夫する余地があるのではと、皆さんの前で言う必要はないかも知れませんが、思いました。 
 それからバイオですね。これもさんざん森林・林業局の諸君と一緒になって、あっち行ったりこっちへ行ったりですね、ちょっとでも可能性があったら和歌山でもできないかとやってみたのですが、なかなか答えは出てません。だけどそういうような逆有償ではなく、有償で持っていってちょっとでもいいからお金を取れるようにしておけば、間伐のインセンティブになりますね。間伐のインセンティブだったら、間伐だけで儲けなくてもいいわけですから。間伐を上手くやっておけば今度は木が太ってですね、今度夜明けになった時に大復活できるんではないか。そんなふうに思ってますので、なんとかならんかなと実は思っています。私も来たばっかりだし、森林・林業局の諸君も頑張っておるんですけど、皆さんからも是非知恵をお貸しいただいて頑張っていきたいと思います。

山林の継承

 企業の前へ行ったら「企業の森」を一生懸命PRをしています。こないだも関経連に行ってきましてね。PRをして、一回偉そうなことを言っただけでは絶対だめだから、全員営業マンになってですね、私は社長に電話をするし、森林・林業局の諸君はそれぞれ個別に営業をかけてですね、それでやって下さいといって、一生懸命頑張っています。 
 今、お話のあったように、とりあえず伐ってしまった後、空いているところがありますね。そういうところを放置しておくと、次の時代はない訳ですから、したがって、これは「企業の森」に上手く借りてもらって、それで元の林に戻すと、広葉樹を植えることが多いでしょうけど、広葉樹だって何ら役に立たないということもないから、そういうことから和歌山の森を崩壊から救おうかと一生懸命頑張っています。
 それから相続税について、林野庁は基本的に味方ですからね。難敵は財務省ですよ。どうやろかという話を大分してきたんですが、基本的には伐った時に一回相続税も含めて払う。伐った時でないと収入がないわけですからね。それから何代にもわたっていちいち取られるのではなくて、伐ったときに何代目であっても、一代限りの相続税を払っていくというのが、林野庁の究極の目標であると言っています。 
 ただ、例えば保安林になった時に現状はどうかというと、例えば保安林で上手くやると、色々入れると相続税が0になることもあり得るのですね。保安林ですよ。皆伐してしまった場合は保安林でも30%位控除されるだけですが、いろんなテクニックがあるわけで、調べてきたところ、立木の評価は時価の85%、施業計画を継続する場合はさらに5%マイナス、保安林の場合は30~80%控除、水土保全林になると20%足すと、森林と人との共生林では40%足せると。上手く使うと、100haある場合でも、控除が大きい保安林では0になる可能性もあると言っている。山林について、所得税のところで随分優遇されているのですね。あんまり相続税でやりすぎると、所得税にひびくかなとびびりもあるんですよね、と林野庁は言っている。
 森林が維持できなくなったら、収入は何代かにわたって一回しかないのだから、特に小規模な所の森林が維持できなくなったら、誰も手入れしない訳だから、今後継続して努力していく必要があると思っています。
 ただ、今年は完全に間に合いません。今年何か努力するということは約束できません。今年というのは20年度の税調です。20年度の税制改正ですね。これは、来月位からもうほとんど決着がついてしまいます。来月から12月初めにかけて決着がついてしまいますから、要求も出してもらってないし、これは無理ですから、無理なことをできるかのように嘘をつくことはできませんので、21年度の税制改正から頑張りたいと思っています。
 例えば、山林の持ち主が相続できなくなると、日本にとって何が困るかとういうことを立証して理論武装しないといけない。たとえば自分の山が他人にわたった時に、いいじゃないかと、他の場合もそうなんだから、家屋敷だってそうだろうと、それで何が困るのかと。いやいや困るんだと。例えば能力のある人にわたらないと、財産だけではどうしょうもないとか、山が荒れるとか、そういう理屈をちゃんと作っておかないと門前払いをされるだろうなと思いますので、21年度要求をさせるためには、20年の8月までには林野庁に全部パチンと入れて、要求を合わせないといけない。そのためには、春ぐらいにはごりごりと説得にいかないといけません。運動もつくらないといけないので、できるかどうか分かりませんが、やるんであればそういうタイミングですので、我が森林・林業局と皆さんとの間で理論武装をきちんとやるということで初めて可能となってくるので、それをやって行きたいと思います。どうぞ一緒にやりましょう。

このページのトップに戻る