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寄稿・提言・訓辞・挨拶集

新聞・雑誌等への投稿や、各種行事での講演・挨拶、政府への政策提言等を通じて、知事の考え方や政策を紹介します。

和歌山商工会議所女性会知事講演

2007年7月17日 和歌山東急イン/和歌山市

[志は県民と共に]
 皆様のご支援を受け、知事にならせていただきましてはや半年以上経って、月日の経つのは大変早いと思っております。この半年間いろんなことがたくさんありましたので、最近では時系列が目茶苦茶になっています。これはいつの話だったかと、たくさんの話の順番がごちゃごちゃになっています。全部覚えているのですが、これは誰に頼まれたのかなとか、忘れることもございます。
 一番困っていることだけ先に申し上げますと、人の名前が覚えられないことでございます。昔はわりと人の名前を覚えることが得意だったのですが、その時と今とで2つ違うことがあります。1つは何かというと、年を取った。2つ目は一度に100人ぐらいの人がどっと押し寄せるんです。懇親会などで、立ち上がってこんにちはとか言って、誰々ですとか話をしたら、また次の人が来る。反芻している暇がなくて、それで1日経つと今日100人ぐらいの名刺をもらったけどどの人かなあという感じになります。
 こちらのことは覚えてくださってると思いますし、あの時に例えば私の父のことを言ったなあとかいうようなことを相手の方が覚えておられると思うのですが、それをこっちが忘れそうなんで、大変失礼なことになるのではということが、一番困っていることであります。
 もう1つ困っていることがあり、それは後で申し上げますが、それ以外はあまり困っておりません。県庁の職員とは仲良くしてもらってますし、みんななかなかよく働いてくれます。時々嫌みを言ったり怒鳴ったりもしますけれど、良いことをした時は、あるいはよく頑張ってくれた時は褒めてあげないとと思ってまして、それは、会話をよくやってるということです。県庁の方々はみんな優秀で、なかなか自分のところはきちんとやると思います。ただ、私から言わせると、2つ3つ問題があると思っています。1つは、知事のことを大事にしすぎる。これは伝統的にこうなったと思いますが、端的に言うと私はこれをやめさせましたけれど、例えば私の就任時にこの会があったとすると、玄関で数人待っている。受付のとこで数人待っている。また、こっちこっちとか何とか言って、たくさんの人が外で待っててくれるわけです。みんなが寄って集って知事を大事にしてくれるわけですが、県庁の職員がやったらいいと私が思うことは、皆さんのために仕事をすることです。知事がどこかへ行くというのは、運転手1人いれば連れて行ってくれるわけです。表に来るとホテルの人などが何階ですとか言ってくれるし、案内してくれるわけですから、県庁の職員は会場にいて皆さんとお話をして売り込まないといけない。それで皆さんと仲が良くなって、今度は私の代わりに皆さんのご要望を聞いてもらう、というのが仕事だと思っているので、知事だけ相手にしていたらだめだということであります。
 2つ目は、どうもまだ完全に解消されていない気がするのですが、仕事の分担の仕方を任務で決めていなくて、所掌事務とか定型的な仕事の分担で決まっている気がします。例えば、商工の振興を図ることが私の任務ですということと、商工会議所の女性会の仕事ですというのと、全然違うわけです。そうすると、後者であれば皆さんと公式の会合で付き合っているとだいたい話が足りる。ところが、商工振興が私の仕事ですということであれば、今、何をするべきかとか。女性会だけでいろいろ話しててもダメだとか、そういうことを考えなければいけないのが任務です。そういう意味で、だんだんと任務で決めていこうと、商工観光労働部では課長以下、企業の分担、産業別分担を決めています。それで、普段は何々という補助金の担当ということに加えて、化学工業担当、雑貨担当、皮革担当とか決めて、そこの有力企業ときちんとコミュニケーションを初めから図るというようにやっていて、商工観光労働部長がそういう癖を付けるために、今部下を叱咤激励しているところです。そうやって自分の所掌範囲、商工振興のために何をやらなければいけないのか、そのために皆さんのお話を聞いてきて、今、何をやったらいいかのということを本音で喋っておかないと情報は入りません。そういうことを県庁はもっとやったらいいと思っています。
 それから、私が就任した時に大きく分けて5つの公約を掲げたのですが、5つというのは、「働く場所を拡大する、職づくり、人づくり、地域づくり」、「談合を防止して清潔な県政」、「安心・安全」、「観光の振興」、「楽しい和歌山」ということで、結構これバランス悪いんですけども書きました。今でもその考え方でいいと思ってますが、これを分けると3つぐらいになると思います。順不同で言いますと、安心・安全というのは1つの大きな柱です。それからもう1つは元気作戦で、職場作り、観光も1つの産業だと考えるとこれも1つの大きい柱になると思います。全部いろいろやっております。まず、清潔県政の方は、これはほぼ仕組み作りは完成したということで、あとは県政の方をちゃんとやればだいたい済みますから、できたと思っています。
 公共調達制度については、7月1日から新しい制度に移行していて、20年6月から本格的に新しく変わります。これは多分、日本で一番いい制度ができたと私は思っております。全国知事会の基準というものがあります。これからどの位離れているかということで世の中は評価されるのですがこの基準は例えば一般競争入札をしろとか、いろんな関係とか脈略とか考えないで、適当にいろんな制度の一番いいとこだけとって、それでリコメントします。そういう形ですから、これをそのままやるというのは多分できないし、それをすれば副作用がいっぱい出て来るというのがあるわけです。それを考えながらやらないといけない。私たちが作ったものというのは、そういう副作用の除去みたいなものも全部含めて、かつ実態を踏まえて時系列を入れてやったものですから、これはきちんと実施できるんです。6月15日に一般の意見を聞いた上で制度の発表をして、7月1日から実施しているという形であります。
 その他で、外務省と和歌山県にしかない制度が1つあります。これは、監察査察制度で、大阪地検副検事さんに退職していただき、県の監察査察監という役職に就いてもらいました。この方は、皆さんからの密告、たれ込み、投書などを1人で全部受けます。監察査察室というのがありまして、日頃の定期的な行政監察と緊急の査察などを全部やるということになっています。
 この制度が外務省に比べてちょっと違うのは、トップの犯罪、知事の犯罪もちゃんと暴けるようになっていることです。昨年の和歌山県の犯罪はトップの犯罪でありましたから。外務省はいろんな一連の不祥事があったので、この人達を中に入れて組織を綺麗にしているわけですが、大臣の犯罪まで暴けるというわけではありません。和歌山県は知事の犯罪も暴けるようになっていて、どういうメカニズムにしたかというと、私が任命して私の直属ですから、私が都合の悪いことを押さえ込む可能性があります。押さえ込まれたと思った瞬間に、彼はマニュアル上、それを監査委員にぱっと渡さないといけない。
 県には監査委員というのがあります。4人の方が監査委員です。来た案件は全部公表してますから、知事がこんなことを問題にされているんだけど押さえ込んでいると言ったら、一日を置かず指令が渡ることになります。それで監査に入るかどうかは監査委員の決定なのですが、そんなリスクを冒してまで押さえ込むことは私はしません。したがって、これは十分な抑止力になると思っているわけで、私は当分の間犯罪は起こらないと思っています。
 ただ、例えばパワーハラスメントとか、上司が目茶苦茶するとか、セクハラとか、それからもっと多いのは多分、組織の無駄。あそこは一日中タバコ吸ってますという様な話はひょっとしたらこの制度でかなりクリアーされてくるかもしれない。そうすると行革などをしまして、無駄を省いていったら、みんながもっと働けるようになるわけです。それから、払う月給も少なくなるわけですから、県の財政もよくなると思っております。やってみないと分からないのですが、今のところ機能しておりまして、もう密告もけっこうあるようですし、私のところへ来た話も調べてもらったらあっという間に解決してくれました。
 それから、知事、副知事も全部対象となる倫理規則を作って、いろいろ規則をたくさん作って、規則を守って、みんなと大いに付き合えとこういうように思っております。私も、県民の皆さんとお話をするのを厭うつもりはないし、堂々と公費で行ける時は公費を使わせてもらってます。それは、ホームページの私の「活動報告」に載ってまして、食事、某会社社長、公費とか書いてありますから、いくらの食事を食べたのかというのをお知りになりたい時は、情報公開請求をしていただければよろしいかと思います。別にやましいことはありませんから全部ガラス張りにしてやろうと思って、知事の「活動報告」に誰に会ったとか全部書いてあります。
 ただし、私もこっそりやっている仕事があります。これは主として企業まわりでありまして、例えば和歌山県に来てくださいという話をしに行く時は、こっそり行ってます。なぜならば、これを公表したら絶対会ってくれなくなるからです。投資の可能性がある企業だと私は思っているから私は行くわけで、それは、ちょっとした情報で投資計画があるとかないとか判断してやっているわけです。そうすると、和歌山県知事に会ったというのは、「投資について何か考えている」とライバルから思われるので絶対困るわけです。したがって、和歌山県知事なんかと二度と会ってくれなくなるので、これは一切言わないということにしております。
 今度は安心・安全ですが、これは一番初めの予算のときに少子化について手を入れました。例えば3人っこ政策の話とか、あるいは病院や保育園における保育、これについて補助金をもう少しさしあげようとかやって、働く若い人達を支援しようと考えました。
 また、安心・安全にはたくさんいろんなものがあります。例えば、防災にも手を付けました。新潟沖の地震でもテレビに映ってましたが、ペチャンコになる家が結構あるんです。補助金も、診断、あるいはちょっとした筋交いなどを付ける補助金とかいろいろ付けましたが、あんまり利用してくれないんです。一生懸命PRしているんですが。そういうことをいろいろやりました。ただ、安心・安全については、まだいろんな問題が残っています。
 それから医療についても手を付けつつあります。特に拠点病院が崩壊したら大変なので、和歌山県立医大の定員を20人増やすということができそうです。25人になるかもしれません。増えた分は地域医療に10年間ぐらいは奉仕してもらうという特別枠を作るということにしたいと思ってます。
 最後に、経済的な活力を取り戻すことなのですが、これについてはいろいろ手はほぼ打ち尽くしたという感じになってます。初年度としては。例えば、農林水産物のアクションプラン、特に販売のアクションプランとか、あるいは観光のアクションプランとかいろいろ作りました。
 それから企業誘致については、だいたい制度的にはもうできているんですが、ちょっと貸付金額が少なすぎて困るので、私の時になってから増額しました。こういうインセンティブでは、大企業の投資には、実はほとんど効いていません。100億円ぐらいで大企業が誘致できると思ったら大きな間違いになります。投資金額からしても全然桁が違うし、会社100年の大計なんです。したがって、100億円ぐらいでちょっとこっちにおいでと言っても全然ダメであります。ただ、ないよりはましなので、ありがたくこれを利用させてもらってます。もちろん、県民の財産ですから有効に使わないといけない。現在は、20から30の企業についていろいろ勧誘してるのですけど、なかなか上手くいきません。
 今日は、ようやく上手くいった2社の記者会見をしました。だけど、その2つの企業も今は経済の拡張期なのです。拡張期っていうのは、今ある技術で拡張して行くわけですから、企業にとって一番どこが投資先としていいかといえば、隣なんです。敷地の隣、あるいは敷地の中、敷地に余裕があったら敷地の中に造成します。敷地の用地がなくなったらできるだけ近隣、今、工場にいる技術者が通えるところが一番多いです。和歌山の今日発表した2例もまさにそういうものです。この30年間ぐらい、和歌山は大きな企業の勧誘に完全に失敗しています。特に不況時に。実は拡張期ではなくて、再編期が起こるんです。再編期というのは、今までの技術というのがあまり役に立たないので、今までの工場を閉めて、資産を捻出して、バランスシートを綺麗にして、それで乾坤一擲どこかに行くわけです。例えば、シャープの亀山とかは、その時期に決めた話なんです。しかし先ほど申し上げた2社については、今ある敷地を横に拡げただけなんです。ちくしょうと思うんですが、和歌山だって何にもないわけじゃありませんから、島さんとこ(島精機製作所)はもちろんそうなんですが、住金も今、大投資してくれています。住金は和歌山にいるわけです。いるからそこで大投資をしてくれる。今、高炉を作っているんです。高炉は20年くらい作ったことのないものだったわけです。それをもの凄い勢いで作っていて、1千億から2千億円ぐらいの投資になるんじゃないんですか。ひょっとしたら、もう1つという可能性もあるということで、これからの期待なのです。
 ただ、住金の様な会社が数として非常に少ないので、その企業がそれぞれ拡張していくといっても、和歌山で拡張していく数が限られている。これが辛いところでして、失われた10年とか20年とか言いますが、和歌山県にとっては、これは本当に失われた20年だったという感じがしています。そうはいっても、今から種を蒔いておけばそのうち成功するかもしれないし、成功したらまた当たって、また次増えるかもしれないから、めげず弛まず努力するしかないということではないかと思います。
 その他、いろんな手はだいたい打ったのですが、後はこの結果、本当に経済が良くなるかということです。企業を誘致できるかどうかというのもそうですし、企業が成長して皆さんの商売がもっと膨らむというようになるかどうか、これはなかなか難しいと思います。難しいというのは不可能であると言っているのではなくて、県のガバメントリーチ、県のやれることを超えてしまうのです。県のやれることは、インセンティブを付けたり、補助金を付けたり、いらっしゃいと言ったり、条件を整えたりなのです。その後は、民間活力がそれに乗って爆発するかどうか。したがって、一番初めに困っていることとしてもう1つ申し上げたかったのが、ガバメントリーチを超えた県の成果が、本当に上がるかという点について、はっきり言うと心配で困っている。上がらないと決して思っているわけじゃありませんが、上がらないと困るけど、上がるのかという点について、まあやってみないと分からないということで、はっきり言うと心配で困っているということです。
 後は困っていることは何1つございません。皆さんとお話をしながら元気にやっておりまして、私も職業人としての誇りは失わないようにしたいと思いますので、今は県知事でありますから、県民の皆様の幸せのために献身しようと思っております。これは当たり前のことかもしれませんが、実はこれは単純ではありません。県知事というのは、なかなか全国的に見ても重んじられる職業であります。したがって、私が県知事に座って、和歌山県民のためにではなくて自分のためにやろうと思ったら、いろんなことができます。売り出すこともできるし、いい格好することもできます。例えば、国政に文句を付けて格好良くやるということもできないことではありません。だけど、国政に文句を付けて何とか言うのなら、国政の選挙に出るとか、あるいは役人で頑張るなり、総理のアドバイザーになるなり、野党のアドバイザーになるなりしてそっちで勝負すべきなのであって、今は知事ですから、和歌山県の100万人の県民が幸せならば、はっきり言うと国政はどうでもいいというような気持ちでやらないと、職業人の倫理は果たせないのではないかと思ってます。
 私は、例えば道州制の委員長なんか絶対やりません。和歌山県にとって得になるかどうか分からないですから。和歌山県に得になることは全部やってるつもりであります。そういう意味では、志が低いと言われればそのとおりでありますが、志は県民と共にあるということで、自ら満足しているということであります。

[中心市街地の活性化について]
 回答(仁坂知事)
 この問題はものすごく難しい問題であります。人々の幸せは何かという哲学的な問題になると思っています。
 まず、私自身の考え、好みを言うと、私は中心市街地が栄えた方が良いと思います。中心市街地が栄えて、郊外も栄えるというのはどういうことかというと、和歌山市、あるいは和歌山県がものすごく沸いていて、東京みたいにどこへ行っても需要があるというようになるといいわけです。だけど、和歌山市の40万人の人口で、仕事がなくて困っているというような時代のもとにおいては、全ての人を満足させるということはできないと考えておいたらいいと思います。
 それでは、中心市街地はどうやって盛んになってくるかというと2つあって、そこが便利であるということが1つです。もう1つは、そこしか行けない、そこしか便利にならないというところです。前者の方は、もうやれることは限られているのではないかと思います。例えばモータリゼーションがこのようになってきて、自動車で行けるところの方が便利だとみんなが思い始めたら、駐車場の少ないところはあまり入ってこないわけです。そうすると、なかなかやれることは限られていると思うのです。
 では、何が中心市街地を盛り立てるかというと、3つあります。1つは商業です。お店です。2つ目はオフィス。これは集積という意味で、要するにみんなが集中していたらいいんだということが中心市街地ですから、何が集積したら良いか、お店、オフィス、それから3番目に住宅です。
 それで、お店というのを考えると、この3つの中でお店というのは実は供給側なのです。需要側ではないのです。経済というのは、需要と供給で成り立っているから供給側ばかり頑張って、設備投資しても需要がついてこないと、勇み足で倒産してしまうことになりかねないので、お店というのはあまり政策変数ではないと私は思います。今までの中心市街地活性化施策というのは全部、店を振興するということを考えていますが、これはあまり本質的な問題ではないのです。
 それから2番目はオフィスです。例えば東京とか最近の名古屋とかでは非常に有効な施策で、オフィスを真ん中にたくさん持って来て、それで人々を集積させて、それによって中心市街地も活性化しようというのが多いのですが、和歌山でもできるかというと、仕事がなくて困っていて企業も誘致しないといけなのですから、オフィスを集積させるといってもなかなか難しいわけです。したがって、これも決め手にならない。
 3番目は住宅です。和歌山市で40万人もいますから、ある程度これは決め手になったはずです。過去形で言いました。というのは、和歌山を見てみると中心市街地のけやき通りで、漸く再開発事業でマンションができるというのは、和歌山県始まって以来の再開発事業で、これは国土交通省の補助金なども貰えるのです。それで、県や市も資金を出すのですが、そういう再開発事業がもうじきできるそうです。
 だけど、例えば住宅について、どこで開発しているかというと、和歌山市の中で言うと、私は車庫前生まれですが、私の家の裏とか、高松とか、住宅地に建つわけです。和歌山の東の方に行くと、田圃の真ん中や新しい道の横に建て放題なわけです。これをなぜ許しているのかと私は思いますが、そうやって散ってしまった人達というのは、みんなそこの中に住んでいるわけですから、ぶらくり丁に行くかというと、行くのは大変なのです。自分で車を持ってるから、近くへ行こうかといって終わってしまう。そうすると中心市街地はいつまでたっても活性化されない。
 これはなぜこうなったかと言うと、都市計画です。都市計画が非常に優しい、あるいは甘い。どこでも何でも人が自由自在というスタイルにするからこういうことになるので、これを30年か40年時計を巻き戻して、中心市街地をある程度活性化させようと思ったら、和歌山市の外側に発展した住宅街を全部田圃に戻して、どんどん市内に来てくださいと。市内には築後年数が相当経過した家がたくさんありますから、それをお買いいただいてマンションでも建てていただければいいので、高い住宅はけやき通りとブラクリ丁周辺にお願いしますと。それから低い住宅は、車庫前ぐらいにどんどん建てて下さいと。こうなってくると、なんとなく街の秩序というのは出来てくるわけです。 
 私は、熊本市で全国知事会があったので、ほんの数日前に行って来ました。空港から市内まで3、40分かかります。その間、全く何も無い。一部、工場とか農協の施設みたいなものはありますが、その周りは全部農地なのです。しかし市内に来ると、たくさん建ち上がってくるわけです。中心市街地の周りにマンションがずらずら建っている。そうすると、中心市街地で例えばおじいちゃん、おばあちゃんがマンションから出て来て、買い物に行くわけです。歩いてそういうことができるようになるわけです。熊本市の人口は67万人で、和歌山の1.5倍ぐらい大きいんですが、それでも全然都市の風格というのは違うわけです。
 実は、中心市街地の話は、市役所の問題なのです。それで市長さんにも申し上げて、やはり道路側に建たせるとこうなりますよと申し上げたのですが、しかし、今の市長さんにこれを全部ひっかぶせるのは、酷いわけです。なぜならば、一旦建ててしまったものを取り壊してやめろというわけにはいかないのです。外側に移って、そこに住んでいる人の人生はそこで始まるわけです。それをあなたの人生、間違っているというわけにはいかないです。無茶苦茶なことをしたら、市民の多数の人が困る。だからこれはちょっと難しいと。それでこの30年、40年かけてやってきたことは、その倍ぐらいの時間をかけて戻すんだったら、戻していかないとしようがないのかという様に思います。
 実はこの話は、とうとう国も怒りまして、怒ったというのは、気が付いたというか、いい加減にしろと言ったということでありまして、実は中心市街地活性化というのは、経済産業省を中心にやっていたわけです。例えば商店街の飾り付けの補助金出そうかとか、イベントの補助金とかそういうことをやっていたのですが、そんなのはもうダメだと。それで、国土交通省が一緒に加わって、経済産業省と一緒にプロジェクトをやります。その時は、再開発事業とか、区画整理とか、それから街路整備とか、全部投入します。ただし、その原因は、野放図に郊外の発展を許したということになりますから、郊外の発展を止めてください、もうこれ以上大きなものは建てさせないとか、そういう都市計画はきちんとやっていただかないと、お手伝いできません。こういうことになっています。
 したがって、みんな大変なんです。今や、郊外もたくさん人は住んでいるわけです。その人達の不便になることを敢えてしないと、中心市街地の活性化はできないということになっているわけです。全国の各市町村長はみんなものすごく困っています。和歌山市長さんも多分、困っておられると思います。
 富山や青森が覚悟を決めてやってます。青森は、冬の雪かきが大変ですが、市の財政がもうもたないから、小さいコンパクトシティーにして、外側はもう開発させないという様に決めてしまったんです。その結果、多分外側の人はもの凄く不便です。買い物に行くにも、これからは新しい店が出来ないわけですから、内に入って来ないと行けないので。
 そういうことになると、一体どうしてくれるんだ、ここにマンション買ったんだけども、という人がいっぱい出てくるんじゃないかなと思います。だけど、それは覚悟を決めた。富山も覚悟を決めたそうです。富山というのは、かなり中心がきゅっとなってます。ただ、富山で恐ろしいところは、それをやっているのは富山市なんです。隣には、魚津や氷見があったり、いろいろなものがいっぱいあるわけです。自動車が盛んですから、30分もあったらあっという間にどこへでも行けるわけです。そこで、郊外のマンションに住んで富山に通うという人がいたって、全然不思議じゃない。そうすると、富山の中心市街地はいつまでたっても活性化されなくて、富山市の人口が伸びなくて、近隣だけ増えるということにもなりかねない。経済というのは、こういう恐ろしいところがあると思うのです。
 もう1つは、さっき国も怒りましたと言ったけども、日本ですから、国はすごく怒らないんじゃないかと私は思います。ただ、すごく怒らないということはどういうことかと言うと、計画ができて実行されても、中心市街地は簡単に再興できないかもしれないということと全く一緒なのです。
 この問題は、中心市街地が寂れて困っているという人と、それから郊外に出て、車に乗って、子供を抱えて、あちこち買い物に行って、便利に過ごしている人との間で、二律背反が起こっているということをみんなが認識しないで、あっちもこっちもと無理なことを言っているというのが、今の現実じゃないかなと思うのです。
 だから私は、この問題は分かりません。私が30年前に市役所の政策を担当させていただいていれば都市計画は猛烈に厳しく運用したはずですが、今となってそれをやれと市長さんに言うのは、本当にできるのかなという意味でお気の毒な感じもします。

[監察査察の体制について]
 回答(仁坂知事)
 極めて立派なお話で、その通りなんです。実は、竹中平蔵という同級生がおりまして、彼が大臣の時に伊藤元重に「悪魔は細部に宿る」と言ったと私は聞きました。その通りだと思います。細かい事を親分が知らないと言ったら、きっと腐敗が起こります。ところが親分にまず、能力があるかどうかという問題もありますが、調べている暇がない時もあります。その時は、一つひとつ、事がすぐ発見されるかもしれないぞという仕掛けを作るのです。それが、監察査察監です。
 さっきも言いました様に、このチームはゴリゴリやることを使命にしてるから、どんどんいくわけです。同じ様な話で、県の監査委員制度もあるし、それから行政改革室というのもあって、これは積極的にどうしたらいいのかということを考えているわけです。
 それから、一人ひとりの管理職がちゃんとされているかと聞かれたら、時々ウッと思って、これはやばいと思いますよ。こういう積み重ねで、ジワジワやっていかんとあかん。一番大事な事は、間違いが発見されてからではなくて、発見される前に抑止力として働くということなのです。
 したがって、ばれたら困るな、えらいことだと思っていることが一番大事なんです。ばれたら困る、きちんとやっておかないと危ないと言って、みんな一生懸命にやるだろうということで、ジワジワとやるしかないんです。仕掛けは作ったけれど、効き目はジワジワということでないでしょうか。

[県産品の県外PRについて]
 回答(仁坂知事)
 和歌山県の食べ物は世界で一番おいしいと公言してるのですが、誰も信用しないんです。なぜかというと、本当に食べたことがないからなんです。なぜ食べたことないかというと、食べたことない人が悪いんじゃなくて、食べさせなかったことが悪いんです。
 さっき、農産品の販売促進のアクションプログラムを作りましたと言いました。それでみんなが集まって、攻めて行って食べていただくと、これはおいしいから商売になる、取り扱いたいから送ってきてとか、こういう連鎖をどんどん増やしていかないといけないわけです。そのためのプランを作りました。これをどんどん拡大しようと思ってますけども、一度めはり寿司がどのプランで売ったら得か、多少販売費もかかりますが、是非ご検討いただいて、やったらいいと思います。
 今年はいろんなメニューがありますが、まず東京に攻めて行きます。フーデックスという日本で一番バイヤーが集まる催しがあります。今まで最大の売り場を持っていたのが石川県なのですが、目標を石川県の倍とかいって、和歌山県の産品をたくさん並べるわけです。もちろん並べるといっても、めはり寿司とかも出品してくれないと話にならないわけです。そうすると、皆さん見るでしょう。それで食べてみて、あっ、これおいしいという人が出てきたら、商談になるわけです。そういう機会の提供などを、東京でも大阪でもやって、それから和歌山県に特定の企業を引っ張り込んで皆さんに集まってもらうとか、いろんな盛りだくさんのメニューがあります。
 それから、果物の輸出をしないといけないです。どうやったら輸出できるか私も分かりませんので、商社の商品部門にいて定年退職をした人をアドバイザーで雇ってきて、その人達にアドバイザーしてもらって、輸出もするし販路開拓もしてみようという様なことを考えております。
 それから、トップセールスをやります。この間は桃をやってまいりました。その前は梅をやりました。
 和歌山には喜集館というのが東京の有楽町にあるのですが、宮崎県は新宿の南口に宮崎館があるのです。これは調べてみたら和歌山の借料の10倍を払ってます。それで20倍の売上げを上げています。では、和歌山で10倍の借料は高い、お金がないなとか、そういうことを思うわけで、コストパフォーマンスを考えないとただの無駄遣いになります。そういう意味で一番効果的な方法は何かというのを考えたのがアクションプログラムなので、一度皆様で食品を扱っておられる方は、是非見ていただきたい。
 サントリーがモンドセレクションで最高金賞3年連続受賞、サントリープレミアムモルツと言ってます。わが和歌山県には19年連続最高金賞受賞の羅生門龍寿というのがあります。羅生門龍寿からすればひよっこですよという感じで、この前関西の財界で言ったら、伊丹空港の売店から羅生門龍寿を是非置かしていただきたいと言ってセールス商談に来ました。さっそく会社にも言いましたけど。
 そういう何か、出て行くのもいいけど、出て行く時の素地も作らないといけない。出て行った時の勝負は、絶対に宮崎県知事の勝ちです。彼が行ったら必ず、マスコミが付いて来ますから。そうすると必ず宣伝になります。
 私にはマスコミは付いてこないので、よっぽど頭を使って仕掛けを上手くやらないと、効果は負けます。宮崎県に負けないように和歌山県の産品を売って、皆さんの懐を豊かにしたいから、頭を絞っていろいろやっておりますので、是非それをご利用いただきますようにお願い申し上げます。

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