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寄稿・提言・訓辞・挨拶集

新聞・雑誌等への投稿や、各種行事での講演・挨拶、政府への政策提言等を通じて、知事の考え方や政策を紹介します。

関西経済連合会常任理事会知事講演「和歌山を元気に ~和歌山県と関西のこれから~」

平成19年6月18日 リーガロイヤルNCB/大阪府

 こういう立派なところにお招きいただき感激しています。
 資料に5つの政策目標を掲げていますが、これは知事選挙に出馬しましたときに、私が何をしたいかを県民の皆さんにお伝えするために考えたものです。

 今から考えると少し整理が悪いところもありますが、第1の「職づくり、人づくり、地域づくり」は、和歌山県は最近発展の流れから取り残されており、働く場所が段々少なくなって、若い人達がどんどん県外に出て、お年寄りが残っている。かつては貯金も多く、なかなか豊かなところでしたが、段々元気がなくなって、これは何とかしなければいけないという気持ちが多くの県民の皆さんにあるものですから、みんなで頑張って立て直しましょうということです。

 次の「談合をなくし、清潔で透明な県政を実現」は、前知事が官製談合で逮捕されましたので、清潔な県政を実現して二度と和歌山県が笑われないようにしようということです。

 次の「安心・安全の確保」が大事なことだと考えています。私は経済産業省出身で産業政策を取り扱うのが好きですが、県民の暮らしを考えると安心・安全を疎かにしているとみんなの心が不安になり、元気が出なくなるので対応していきたいということです。

 次の「観光の振興」は職づくりの一つという気もしますが、ブルネイから帰ってきまして、ブルネイもなかなか美しいところだと思いますが、改めて特に空から和歌山を見ますと、美しいと感じるところがたくさんあります。それをどうやって活かすか、もてなしの心も含めてこれから考え直していかなければいけないところがたくさんあるということで目標の一つにしました。

 最後の「楽しい和歌山の実現」というのは、目標は4つより5つの方がよいだろうということで付け加えたものです。本日お集まりの皆さんの中にも和歌山出身の大先輩がいらっしゃいますが、もともと和歌山は文化のレベルが高かったところです。あえて過去形で申し上げましたが、今でもそういったところはたくさん残っています。県民の習い事のレベルは高く、先日和歌山の方が民謡の日本一になりました。民謡40派のチャンピオンが競い合った中で全国一になったのです。そのために30数年間修行に修行を重ねられたわけです。このように経済の問題ばかりではなくて、みんなで頑張って自己実現を図ろうというために「楽しい和歌山の実現」を目標としました。

 清潔で透明な県政を実現するためには、大きく分けて二つのことがあります。一つは、公共調達の場で不祥事が起こりましたので、県の発注をめぐる建設業の環境を良くしなければならないということ。もう一つは、県政の問題。県の知事たるものが官製談合をした、あるいはできたということが問題です。
 この二つを解決しないといけませんが、両方が絡み合っています。こういった不祥事が起こると、政治家らしい政治家は「私は天地神明に誓って二度とそのようなことはしない」と絶叫いたします。私も「天地神明に誓って」は当たり前ですから言いますが、ずっと「制度屋」の訓練もしてきましたので、官製談合ができない、あるいはできにくいシステムにすれば、天地神明に誓っていない人が知事になってもできませんので、そういう方向でやろうと思いました。

 まず、公共調達改革については、知事選挙中にどう改善すればいいかは大体分かりましたが、制度は一つの座標軸の上で右に行ったり左に行ったりするだけではなく、一つのことを行おうとすると垂直の方向に副作用が出るのでそれにも対処しなければいけません。また、垂直の方向だけではなく、立体の方向に副作用が出てくるかもしれません。かつ、時間軸も考慮しなければなりませんし、特に実態との関係では4次元で考えないといけません。したがって、あまり軽々にするといけないと考えて、公共調達検討委員会で調べてもらうことにしました。和歌山の制度を日本で一番いい制度にしようと考えて、メンバーを選定しました。国土交通省の不祥事に対応したのが郷原委員長です。委員の皆さんはお忙しい人ばかりでしたが、1月の初め以来5月10日まで、1回あたり5~6時間の会合を9回開きました。計50時間近く討議し、熱心にヒアリングして下さいまして、最初は県の職員は信用できないということでヒアリングに職員を同席させてくれませんでした。私も時々呼ばれて、意見を述べるなどして議論をした結果、結論を得ました。

 はじめに委員会に4つのお願いをしました。一つは、「効率性の観点」から考えてほしいということ。これは端的に言いますと談合防止になると思います。談合で利益を分け合うことがあると、県の資源がそれだけ無駄使いになりますので、談合が簡単にできないようにして下さいということです。2番目の「公共工事の質の確保」は、安かろう悪かろうでは困る、橋が落ちては困るし、工事を請け負った人ができなくて中断しては困るので、工事の質が確保できるようにしてもらいたいということです。3番目は「天の声」が降りないようにしてくださいということ。これは公共調達の制度だけではなく、県庁自身の制度でも工夫をすることにしました。4番目は、和歌山県の建設企業が健全に発展するようにしてほしいということです。
 3県で知事が逮捕されて、和歌山は談合3兄弟の次男と言われて恥ずかしい思いをしました。そのときに全国知事会から緊急提言が出て、各都道府県がその緊急提言の内容に合致するようにどのくらいのことをしたかで各県が評価されました。それは主として、一般競争入札をどのくらい早く導入するかということでした。
 和歌山県に関して言えば、奇異に聞こえるかもしれませんが、前知事は裁判で認めているので官製談合に関与したのでしょうが、一方で談合ができないように制度を透明化することに反対していないのです。私が調べてみますと、官製談合が起こる可能性はほとんどない制度になっていました。たとえば一般競争入札の基準も、全国知事会の基準は1千万円以上ですが、5千万円になっていましたし、その他の制度も誰もが汚職できそうな制度にはなっていなかったので、じっくり制度を考えようと思ったのです。一般競争入札だけではなくて総合的に考えることにしました。

 結果として、矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、指名競争入札をやめて全部一般競争入札にすることが一つ。一般競争入札は問題解決の一部分で、競争を阻害しているもっと本質的な問題は地域要件なのです。和歌山では発注単位が9つの建設部に分かれていて、さらに能力に応じて縦横マトリックスになっており、各業者はその区分の中から出られないわけです。成長できるような元気な企業も上に行くと下の仕事は取れない、上に行くインセンティブが働かないようになっていたのです。したがって、地域要件は最終的にはゼロにせよというのが委員会の結論でした。ただし、委員会は現実的ですから、他の要素と合わせて、ステップを踏んで実現していけということでした。
 さらにJV制度(合弁事業)が談合の温床になっていました。和歌山県では、特定の工事は必ずJVを組むことになっていました。県外の企業と県内の企業が必ず組んでこいということをやっていたわけです。これを見直して、県内の企業が少ないときは競争にならないので、そのときは県内と県外企業でJVを組んでもよいですよと発想を逆転させました。
 公共工事の質の確保のため、入札参加資格の仕組みをすべて変えます。最初から試験をやり直します。ともすれば、借金はないです、実績はたくさんありますというだけで、技術力もないのに仕事をとって丸投げしているような企業が指名で守られていたわけです。このようなやり方を改めて、本当に能力のある企業を評価するとともに、大きな企業については、社会的な責任を果たせるようにコンプライアンスの視点から評価していきたいと考えています。
 「天の声」に関しては、透明性の確保、恣意性の排除により出せないようにしました。
 建設企業の健全な発展のために、時間軸の中での地域雇用の確保を図ります。地域要件を一挙に全廃すると、例えば災害が起こったときに、地元の企業にすぐに片づけてくれと頼んでいるのですが、できなくなって災害の時に困ってしまいます。また、地域の雇用がなくなると困るので、時間軸を考慮して地域要件は段々と緩和していくのですが、とりあえず一番小さい工事については現行どおりとするということから始めています。
 企業が成長しても、今までのような小さな工事も取れるようにしておかないと、成長するインセンティブが働きませんから、そういうことは配慮しました。また企業が大きくなれば、例えば、常用雇用を増やすとか、廃棄物の処理方法を確立するなどの尊敬できる社会貢献をしてくださいとしています。
 このような提言を受けて、ほぼ1ヶ月かけてパブリックコメントを求めたうえで、ほぼ考え方を踏襲して制度を作りました。
 7月1日から、JVの混合入札方式などすぐできることはすぐに始めます。ただし、一般競争入札を導入するためには今までの建設業者の格付けをやり直さなければなりません。格付けが完成するのは来年の6月ですので、来年6月から全て新制度になります。それまでの間、この8~9月に試験問題、格付け基準を考えて発表し、2ヶ月程度パブリックコメントを求めていきます。
 こういったことを6月15日に発表しました。

 さらに公共調達制度の改革に加えて、県庁内部も清潔にしなければなりませんので、監察査察監を設けました。
 これは外務省からアイデアをいただいたもので、組織の中に検察関係者がいるのは和歌山県と外務省だけです。外務省は現職の検事が出向して、その方が汚職、パワハラ、セクハラ、無駄、不当な外交活動などを調べて、省内的に襟を正しています。和歌山県の実力では、現職の検事に出向で来ていただくのは無理でしたので、大阪地検特捜部の副検事の方に退職して部長級で来ていただきました。県職員である部下とともに定期的に県庁の中の見直しをしていくことが大事です。
 次に、「公益通報制度」という言葉があります。密告、タレコミの類のことですが、これは大事にしないといけません。しかし、和歌山県のような狭い組織は県庁一家です。親戚一同がたくさんいるような中で、誰かに問題があると思っても、密告した方がつぶされてしまう恐怖心があります。このように内部的な組織には通報は有効ではないという議論があり、多くの自治体が通報窓口を外部の弁護士に頼んでいますが、これではその場しのぎにならざるを得ないと考えています。外部の人では組織的にじっくり調査できないし、自分で問題点を探すことも困難です。しがらみのない人が職務としてじっくりと問題を洗い出すことが一番大事だと思います。
 したがって、和歌山県と関係のない検察庁におられた方をトップにすえて、密告、タレコミの類は本人にしか分からないようにして、内部的に活動してもらいうことにしました。
 外務省と和歌山県の違いは一つだけです。和歌山県は知事の犯罪でこういう制度ができましたので、知事の犯罪を暴けなければ和歌山県の制度として有効ではありません。私が監察査察監から「貴方は問題ですよ」と言われたら隠そうとするかもしれないし、押さえ込もうとするかもしれない。そのときは、直ちに監査委員に報告するようになっています。そうなれば監察査察監の指摘は公になって私は指弾されますので、監察査察監の指摘に従うか、そのようなことはしなくなります。これが和歌山県の工夫です。外務省は大臣の犯罪を暴くことまではありません。

 さらに倫理規則を制定しました。国家公務員倫理法に準じたものですが、知事、副知事も対象にしたところが違います。これまではこのような規則はなかったのですが、なかったから県庁の職員が無茶苦茶していたとは思いません。むしろ民間の方と付き合うことに萎縮していました。県庁にこもって外の人と付き合わなくなると、県民が何を考えているか、特に企業の方がどんなことで困っているのか全然分かりません。分からないのでは困るのでどんどん付き合えと言うと、何か言われないかとなるので、ルールを定めて接触しやすくしようというのが倫理規則制定の趣旨です。
 このような制度を整えて、和歌山県政を清潔にするということはほぼやり尽くしつつあると思います。

 和歌山県の人口は全国の1%で、順位は30台です。昭和50年は35位で、現在は39位と少し下がっています。下がり方が顕著です。平成2年から平成16年を見ると、下がり方の順位が、平成16年で42位となっています。先日、何十年後かに人口が減る県として、1位が秋田県で、2位が和歌山県と報道されました。かつてはほどほどに人口があったのですが、ずるずる減ってきており、若い層が減少しているので、将来はもっと減るというのが現在の趨勢です。これを何とか止めたいと思っています。
 人口が少ないこと自体は、観光などの面でまずいことではないと思いますが、減るプロセスがつらいわけです。急激に減るともっとつらいわけです。上手く減らしていく必要がありますので、そのための政策を行わなければなりません。

 県内総生産は、伸び率で全国の最下位です。和歌山県は貧乏な県ではなかったわけですが、ずるずる下がりつつあります。製造品出荷額は総生産の裏打ちですが、昭和50年は全国22位で、今は33位なので人口よりは上にあるのですが、伸び率は46位です。最下位は東京で、45位は大阪です。東京と大阪は工場再配置法や工場等制限法で工場や大学を追い出しました。国の政策として工場を追い出さなかった和歌山が46位ということは実質最下位です。
 最近、住友金属が大増産しているので、伸び率は瞬間風速ではトップなのかもしれませんが、長い間の趨勢はこのような結果となって現れています。
 かつて和歌山より下にいた山形や熊本が今は上にいます。これはなぜかと分析しました。和歌山の産業構造は、化学、石油、鉄鋼で出荷額の6割を占めます。電気、情報通信、電子部品などのハイテク系で調べると和歌山県の構成比、伸び率は余り高くありません。山形、熊本と比べると全く違います。伸びている地域はこれらの産業の構成比が50%近くになっています。つまり、ハイテク産業を誘致したか、ハイテク系の大企業が進出したかで伸び率に差が出ているのです。和歌山でもハイテク企業で進出していただいたところはあるのですが、大規模なところが多くなかったので苦戦を強いられているのです。

 一方で、中小企業で立派なところがたくさんあります。例えば、食品から申し上げますと、サントリーがモンドセレクション最高金賞3年連続受賞というCMを流していますが、本県の羅生門の龍寿は19年連続で受賞しています。今年受賞したものの1割は和歌山の企業でした。
 経済産業省が発表している元気なものづくり中小企業300社に、昨年は、本県から6社選ばれています。人口比でいうと倍です。今年もまた6社が選ばれました。
 中小企業も、ニッチ系のオンリーワン企業で立派になった企業が随分たくさんあります。大きな企業が進出したときに、いろいろな意味で役に立つと思います。東大阪の中小企業の集積とは少し違うかもしれませんが、利用できるような中小企業が一杯あります。一杯あっても大企業が大規模に進出したところには勝てなかったというのが現在の結果であると思います。

 農林水産物に関しては、果樹生産額の日本一県であります。青森県と競っていますが、我々は連合艦隊で日本一なのです。うめ、かき、はっさく日本一、みかん2位、もも3位など全部あわせると日本一で、りんごだけの青森と競っています。
 それで何を言いたいかといいますと、作るのは上手で美味しいものがあるのですが、例えば大阪のスーパーを見ますと、和歌山県が販促をかけて和歌山の果樹をたくさん置いているところを余り見たことがありません。ブランドを付けて売っているものは他県に比べて少ないと思います。作ることに精一杯で、売る方は大阪の仲買人さんにお任せしてどうなっているか分かりませんというのが現在の和歌山の姿です。これではまずいわけです。皆さん企業人ですので、営業部隊のない企業は考えられないと思います。県が中心に率先して営業力を付けようとしています。
 果樹、野菜の近郊農業としての力は、食品加工系の製造業にはいい背景になると思います。ごく一部にそのことに着目して和歌山で仕事を始めている企業もありますが、もっとあって良いと思っています。

 林業も、和歌山にはお金持ちの林業家がたくさんいらして、そういった方々が和歌山の文化的水準を保っていた気もしますが、国産材の価格が低迷し、人件費が高騰したために、昭和50年頃に植えた木は手入れがなされていません。上から見るときれいな森なのですが、中に入ると間伐していないために細い木ばかりです。林業家はすぐに破産して手放すほどではありませんので、採算が合わなければ放っておこうとなっています。和歌山の森は経済的な価値を産んでいない状況です。
 和歌山は良い木がとれたので、昔風に誇りが高く、柱材の良いものを売るという企業が中心です。合板にしたり、バイオマスで利用するという工夫が全くされていません。柱材にならないような木は間伐されずに残っているか、間伐されても山に放っておかれてメタン発生の原因となって地球環境を汚すことになっています。
 したがって、間伐材を利用できるように紀州材の用途開発を行い、そのために加工業を呼んでくることが必要だと考えています。
 さらに、もう少し安く山の手入れができるようにならないといけません。前知事はこの問題に大変熱心で、「緑の雇用」という立派な政策を行って、国の政策にもなりました。一世を風靡したのですが、問題は需要の方から考えた施策ではないので、政府の補助金がどんどん減ってくるので、緑の雇用で都会から移住した人が定着できなくて帰らないといけないかなという恐怖心があるわけです。
 私は、緑の雇用で入ってきた人に絶対に和歌山県で働いてもらいたいと考えていますので、経済的にペイする林業を作っていかないといけません。

 本来は、先程申し上げた方法で需要を喚起していかないといけないのですが、とりあえず助けて下さいということで「企業の森」を展開しています。
 「企業の森」は、企業に和歌山県で森を借りていただき、そこにレクリエーションを兼ねて社員に木を植えていただきまして、後の手入れを森林組合に委託していただこうというものです。森林組合の働き手となっているのが緑の雇用事業の方々です。そうやって少しでも仕事をいただいて若い人に和歌山に残ってもらいたい。
 地球環境という点からも、木を切って、植林して、良い木を育てることによってCO2を吸収することが大事です。和歌山県は企業にこれをお薦めして、企業には、貴社は何トンCO2吸収に貢献していただいたという認定証をお渡しすることになっています。今は、排出量のキャップ上限もありませんので、このことがどの程度役に立つのかは分かりませんが、少なくとも社会的な流れの中で、良いことをしていただいた方にはお示ししなければいけないというのが和歌山県の考え方です。
 企業の森には現在27社が参加していただいていますが、是非皆さんにもご参加いただきたい。近日、経団連の自然保護委員長の大久保さん(積水化学社長)にもミッションを率いて和歌山県に来ていただくことになっています。先日は、松下電工の社長さんとも龍神で一緒に植林させていただきました。

 それでは産業の条件はどうなっているかといいますとまだまだであります。たくさん課題があります。
 近畿自動車道紀勢線はみなべまで繋がっていますが、海南から南は片側1車線です。少し危ないし、日曜日には渋滞します。日本一交通量の多い片側1車線の高速道路です。2車線の高速道路の中でも中位くらいの交通量ですが、このような状態です。これから道路特定財源がなくなってしまうという事態を目前に控えて、これはいけない、何とか完成してからそういうことを言って欲しいというのが私たちの気持ちです。紀伊半島を一周するような道路と、せめて白浜まで片側2車線にしてもらいたいということが悲願であります。

 2番目に京奈和道路です。これは関西の外環道路であり、早期に完成してもらいたい。関西全体で繋がって、どこでも最適立地ができて、最適住宅選択ができて、最適お遊び選択ができる関西圏を実現したい。
 努力しておりますが、財源などの面で苦戦していますのでよろしくお願いします。

 次に府県間道路です。大阪と和歌山、大阪と奈良の間の道路事情は悪い。特に大阪南部は、財政不如意という面もあるかもしれませんが、和歌山県と比べてすら整備が遅れています。和歌山県は関西と繋がりたいので努力しています。このことは、和歌山県のみならず関西にとっても良いことだと思って頑張っていますが、大阪側が余り応えてくれていません。太田知事に先日ご相談し、これまでは財政状況が厳しかったので大阪南部の開発を凍結していたが、来年度からは考えますとご回答いただきました。皆さんもご声援をお願いします。

 しかし、高速道路網の整備は10年以上かかるかもしれませんし、その間待っているわけにはいきません。観光の面もございますし、海沿いの国道42号だけに頼っていては津波のときに困りますので、新宮、田辺に早く繋がるように山の中を割合速く走る道路を整備しています。一部まだネックとなっている箇所を整備して、和歌山から新宮まで2時間で行けるようになれば、大阪から3時間ですから観光に行っていただくには良くなるのではないかと考えています。

 また、立地環境ですが、和歌山の良いところをPRしますと、紀北は関西国際空港に近い。高速道路は海南まで繋がっていますので、和歌山市周辺は今でも企業用地として使えます。地価も大阪南部、和泉山脈の北側と比べると、昔は高かったですが、今は安くなっています。
 用地も「帯に短し、たすきに長し」ですが、色々なところがたくさんあります。企業がお持ちで手放してもよいと考えているところも含めて、100ha位あるかなり広いところからほどほどに小さいところまであります。
 また、内陸部の橋本市に都市開発機構が開発していた土地があります。小泉改革で開発がストップしていてインフラのところだけはもうすぐ完成するのですが、道や用水の部分は森になっています。進出が決まってから整備していては遅いので、和歌山県の財政は大変厳しいのですが、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」ですので、3億円かけて整地をして皆さんをお待ちすることにしました。
 したがって、土地はたくさんあります。

 労働力は、和歌山の有効求人倍率はまだ0.8ほどです。賃金は下がっています。まだまだ働ける人はたくさんいます。知事選挙のときも、子どもたちが地元で働けないので大阪、東京に出て行っているので何とかしてくれという要望をたくさん受けました。良い労働力も和歌山にはたくさんあります。

 たくさん良いところがあるのですが、さらに和歌山県はもう逃げないと申し上げたい。経済産業省の役人をやっていた頃、企業と住民がトラブルになったときに県が知らん顔をすることがよくあって、企業は腹が立つし、経済産業省も腹が立ちました。腹が立ったら人に言います。人に言うとあっという間に広がります。そういうことになるのがよく分かっていますから、和歌山県は企業と住民の揉め事に関してきちんと対処します。もちろん、公害を出す企業にはきちんとしていただかないといけませんが、問題が解決してからも悪徳企業であるかのように言う輩には、それは駄目だと県がはっきり言おうと思っています。

 最後に関西の話をさせていただきます。和歌山は関西の中でしか生きられません。関西がスケール大きく成長していただきたい。東京と比べて関西が劣っているのはただ一つ、地域的なスケールが小さいことです。東京と埼玉、東京と神奈川が道路で繋がっていないことはありません。都心に住んでいる若者が、伊豆や外房に遊びに行くときに道がひどくて行けないことはありません(道はあるのだけれど、たくさん車があって渋滞というのは仕方ありません。)。 
 最近、友人の韓国総領事に、白浜はとても美しいけれども、道を整備してくれないと韓国でPRできない、大渋滞で大阪まで5時間かかったと言われました。こういうことでは和歌山も駄目になりますが、関西の魅力も落ちるのではないでしょうか。
 大阪は大阪で、和歌山は和歌山でやってくれということではなくて、グレート関西圏で発展していくように、特に関経連の皆さんには世論の喚起をお願いします。和歌山は大阪のために尽くそうと思いますし、大阪は和歌山を子分と思って可愛がってもらいたい。
 ご静聴ありがとうございました。

<質疑応答>

質問:西口元知事とお話ししたとき、和歌山県の発展戦略は紀北と紀南を分けて考えて、紀北は泉南地域と連携してひとつの都市圏を作り上げて発展を考えていく、紀南は観光開発でやっていくとおっしゃっていました。
 木村前知事は大阪に対抗心をお持ちで、泉南地域と一緒にやることは考えずに、白浜は空港で東京と繋がっているので東京と結びついて発展を図ろうとおっしゃっていました。
 仁坂知事は、関西の中の和歌山、大阪との連携を深めるというお考えと思いますがいかがでしょうか。

 関西からの情報発信を色々やってきましたが、なかなか東京に伝わらない。東京にいる方に東京で情報を発信してもらうことに効果があります。奈良県が今、平城遷都1300年記念事業をやろうとしていますが、東京在住の奈良県出身の文化人を大いに活用しました。和歌山出身の力のある文化人を活用して和歌山を売り出そうという計画はおありですか。

回答(仁坂知事):基本的には関西の中の和歌山ですから、何も大阪と対抗していこうとは考えていません。片思いに終わらないようにしたいと思います。
 紀北と紀南に関しては、基本的には西口元知事がおっしゃったことがベースにならざるを得ないと思いますが、南が観光だけでは寂しい気がします。白浜に、バックオフィス的なソフトウェア企業が東京から移ってきて仕事をしている例があります。そういう道をさぐっていく。新宮もかつては林業で栄えて工業も十分あったところですので、交通の便を考えながら最適な産業を考えなければいけませんが、観光だけというのはリスクがあると思いますので、あえてそういった言い方はしておりません。

 2番目の点ですが、和歌山県出身で大阪、東京、世界で活躍している方、近いご先祖が和歌山県出身の方もたくさんいらっしゃいます。そういう方に和歌山のことを少し発信してもらおうと、発信する材料を持って行く努力をしています。先日も、在京県人会の皆さんに和歌山県の現況をお伝えしてきました。
 発信という観点からは、非県人であっても、オールジャパンで発信力のある人を味方にしたいと考えています。たとえば、公共調達がひとつの例ですが、委員長をお願いした郷原さんが色々なところで講演して、マスコミなどに和歌山の制度をPRしてくれています。
 また、道路について、和歌山のような田舎がエゴで言っていると思われては困るので、伊藤元重さん、木村陽子さんなどに実情を知ってもらって、納得して発信してもらうために、和歌山県の道路懇談会の委員をお願いして、本日開催することとしています。
 また、国土交通省で景観法を作る時に中心になった西村先生に県の景観条例策定委員をお願いしました。
 このように、オールジャパンで発信力のある方に和歌山の実情を知ってもらって、納得してもらった上で発信してもらう取組を進めています。

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