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寄稿・提言・訓辞・挨拶集

新聞・雑誌等への投稿や、各種行事での講演・挨拶、政府への政策提言等を通じて、知事の考え方や政策を紹介します。

和歌山県青少年育成協会通常総会

2007年6月16日 和歌山ビッグ愛/和歌山市

 それでは、40分程度時間をいただいておりますので、それに近いところで話をしたいと思っております。和歌山県で講演をさせていただきますのは、これが2回目です。最初は和歌山放送が主催する情報懇談会で国会議員の方もみんなご出席になって、「和歌山をどうやったらいいんだ」という話をしたとき、「一番最初に貴方喋りなさい」ということで、公約みたいなことを喋りました。公約は皆さんのお手元の資料の一番初めにありますが、何度も言っているので既にお聞きになっている方は辟易ではないかと思いますが、5つの目標を掲げて「これでがんばります」と申し上げてまいりました。
 第1にこれが一番大きいのですが、「職づくり、人づくり、地域づくり」。和歌山県は、経済成長等が他県に比べて遅れており、30年間の成長でいうと所得の伸びでは、全国で最下位でございます。これを何とかしなければいけない。人や地域が元気を失っている。青少年育成の関係でもその影響が出てきている。「職づくり、人づくり、地域づくり」は因果関係があるもので、どちらかが何とかなるものではなく、両方をがんばらないといけないということだと思います。次に「談合をなくし、清潔で透明な県政を実現」というのが2番です。去年、思い出すのもいやな事件が和歌山県でありましたので、そういうことが二度と起こらないようにするのがまず第1歩ということでこれを掲げています。次に「安心・安全の確保」。これは大切なことで、教育、医療、福祉、そういうものを手抜き工事すると経済政策や産業政策ばかりやっていても元気が出ないということであります。次に「和歌山の美しさを生かした観光の振興」。本当に和歌山は美しいところだと私は思っていますが、それを売り出して職をつくるというのが大事だということです。4つで終わるのは寂しい気がしたので、5番目の「楽しい和歌山の実現」を考えました。和歌山は、いろいろと志が高く文化活動などが盛んな所で、東京でいるとカルチャーセンター等はあるが仕事で精一杯になる。和歌山では、何かの寄り合いがあったり、祭りがあったり、そういう立派な活動をしていてこれを大切にしていかなければいけないと思っています。その中身は、ひょっとすると段々変わってくるかもしれませんが、みんなで楽しくやろうじゃないかということであります。

1.清潔で透明な県政を実現するために
 私が知事になってから6ヵ月になろうとしております。がんばっておりますが、まだまだのところもありますし、完成に近づいてきているところもあります。一番完成に近づいているところは、清潔で透明な県政を実現するというところであります。清潔で透明な県政を実現するためには、大きく分けて2つあります。一つは、前の知事が捕まったのは官製談合あるいは賄賂によるもので、その官製談合の場所は公共発注だったわけです。したがって、公共調達の制度をきれいにすることが大切です。こういうときに、普通の人は二つ考えます。一つは滝に打たれるような感じで「天地神明に誓って私は悪いことはしませんから、みんな私の目を見て信じてください」。私はそういうことも言いたくなるのですが、一歩踏み込みまして、とても難しくしてしまえば誰もやらなくなるわけで、システムで談合を防止し不正を追放するように考えました。そのためには、公共調達の部分と県庁の制度をきれいにするということです。選挙のときから公共調達をきれいにする方法論は、もちろん頭の中にありましたが、一つの制度を成し遂げようとすれば必ず副作用が出てきます。どのような副作用が出てくるかが分からずに話をすることは少し恥ずかしいことでもあるので、一切喋りませんでした。マスコミからは、ちょっとぐらい話をした方が選挙の論点になってみんなが関心をもってくれ、投票率が高くなるのではと言われましたが、そのような卑怯な手は嫌いであると言いました。大体考えていたんですが、きちんと総合的に考えて実態と合ったものをつくらないと拙いと思いました。それをやろうとしましたが、一気にやろうとするとどういうことになるかと言えば、私の時間がそちらの方に沢山取られてしまいます。いろいろと他のこともやらなければならないので、公共調達の関係で一番レベルの高い人を選んで検討委員会の委員になってもらいました。自信のメンバーであります。昨日、NHKの番組を見ていると国土交通省で不祥事があり、大臣が謝っておりましたが、その対応をしたのが委員長の郷原さんです。今この分野では第一人者である方をスカウトしてきました。委員の佐伯英隆さんは経済産業省の同級生で、現在は京都大学の教授でありますが、元島根県警察本部長も務めております。郷原さんも元検事です。検討委員会には、制度を考える視点として四つのことをお願いしてございます。一つは「効率性の向上」です。談合によって利益を分け合ったりされると、競争によって価格が下がっているわけではないので、県民の貴重な財産が無駄に使われ効率性が損なわれます。二つ目は、「公共工事の質の確保」です。安かろうが悪かろうでできた橋はすぐに落ちてしまったということになるととんでもないことになりますので、質の確保が大事だということを申し上げました。三つ目に、「天の声」はできないようにしてくださいとお願いしました。四つ目は、「和歌山県の建設企業の健全な発展」ということで、これはとても大切なことです。建設企業は談合事件後、元気を失っていました。ある建設業者の方から「私が(来庁したときに)知事のところに寄ったら迷惑ですか」という質問がありました。建設企業の方がみんなマスコミ等から悪者扱いされているわけで、全くそういうことはありません。制度によって人間の行動は変わってくるわけですから、建設企業がものすごく元気がでるような制度にしてしまえば「尊敬される建設企業が生まれてくるはずだ」と思っています。それで何をしたかと言えば、昨日発表しましたが、まず効率性の向上につきましては、評判の悪い指名競争入札は全部止める。全て一般競争入札にしました。今までは5千万円以上の入札は一般競争入札で、それ以下は指名競争入札でしたが、指名競争入札は止める。他県では3千万円や1千万円以下は指名競争入札を行うところもあるが、本県では一切実施しない。それから地域要件というのは、非常に難しいのですが、談合ができやすい条件として地域で現状が固定されている。「この中に貴方は入りなさい」というところに押し込まれています。これだと談合したくなるし、企業の成長もなかなか伸びない。従って、こういう地域要件を緩和していきます。また以前、JVは県内企業と県外企業との組合せに必ずなっていました。前の事件は、県外企業のグループで談合をしていたわけですから、向こうで何が起ころうと県内企業がしっかりしていればよいことにしたらいい。JVで1対1の関係にしようとするから、あのような事件が起こるのです。県内企業を重視して、1社でも立ち向かうのなら談合なんてできっこないのです。談合をしにくくするという意味で、JVで県内企業だけの参加を認める混合入札を導入することとしました。それから大事なことは公共工事の質の確保で、資格審査をもう一度やり直します。これは昨日発表したところに従いまして試験問題をつくる。試験の広告をする。試験をする。格付けをする、とありますが、来年の6月に完成し、このシステムが始まるわけです。この時、ペーパーカンパニーであるとか、能力がないのに格付けが高く、実は全て丸投げしている企業は排除し、本当に一生懸命がんばっている企業がきっちりとした格付がなされるようにしていきたいと考えてございます。それから「天の声」は恣意性がなくなります。客観的な基準を付けて誰でもわかるような形になりますから、透明性を確保するという観点から「天の声」はできなくなると思います。和歌山県の建設企業の健全な発展ということで、いっぺんに地域要件を全廃したり、人の意見を聞かないで資格審査のやり方を考えると混乱を招くことになるので、少しずつ意見を聞きながらやっていくということであります。特に、和歌山県の谷々にある建設企業の雇用がなくなってしまい、和歌山市の大手に取られてしまうと、そこで崖崩れ等の災害があったときにすぐに助けてくれと言っても誰も助けてくれません。そのことの意義等も充分配慮して地域の雇用を守れるようにしていきたい。ただし、「成長すれば損をする」というようなことは止めます。現在は上のランクにいると下のランクの仕事は取れなくなります。成長すると損になります。そういう制度は止めることにしました。一定の大きな企業については、環境貢献などのコンプライアンスを求めていきます。
 次に、監察査察監というのを発表しました。7月1日から元副検事で大阪地検特捜部にいた方をスカウトし、県庁の中に据えます。これは二つの意味があります。一つは、県庁の中に据えることにより、部下を持ち、日常的な仕事をしてもらいます。私は、ああいう事件の後ですから県庁の中で同じような犯罪が起こるとはあまり思っていません。しかし、それを摘発するだけでなく、「日頃無駄がないか」とか「セクシュアルハラスメントがないか」など目を光らせておく必要があるので、組織として県庁の中に据えて日常業務をしてもらうのが一つです。しかし、県庁の中に据えると弊害が一つあります。なぜならば、県庁というのはみんな一家だからです。「あの人の悪口をあの人に言うと、あの人とあの人は仲がよいので逆に自分がやられてしまうのではないか」とか「いろいろとおかしいと思うことがあって通報しようとするが、世の中には親戚が多いことから、通報したことで逆に自分がやられるのではないか」となっては困る。他県では県庁の外に設置され、弁護士さんが監察査察監になっている。それはそれで良いのですが、弁護士の方が片手間でやっていても充分な仕事はできません。したがって、県庁の中に設置する。このような制度を和歌山県以外で行っているのは外務省です。汚職とか非効率なことが多数あった外務省が導入したのがこの制度です。私は、大使であったこともあり、この制度の恐ろしさを分かってきたので採用しようと。このオリジナルは外務省です。ただし、和歌山県のオリジナルもございます。知事の犯罪も不祥事も暴けるようになってございます。こちらに門先生(県議会議員)がおられますけれど、昨年まで監査委員でございました。私が、例えば「自分(知事)がおかしい」と言われたとき、それを圧殺しようとします。監察査察監も私の直系の部下ですから、「それを黙っていてくれ。俺、困るから」と言った瞬間、監察査察監は直ちにその書類を監査委員会に送り、委員会が即座に発表するシステムになっています。ですから私は、怖くて「止めてくれ」と言うわけにはいかなくなります。これが外務省とは違う和歌山県のオリジナルでございます。
 次に、「倫理規則の制定」についてですが、倫理規則を新たにつくりました。別に県庁の職員が倫理的におかしいと言っているわけではありません。ただし、ビビっているとお付き合いできなくなります。県庁の職員は、皆さんとお付き合いをして、情報を差し上げてやり取りしないとダメだと思います。しかし、食事を一緒にしていいのかどうかなどルール化しないといけないと思いました。無理のない制度のものをつくりました。したがって、食事をするときには割り勘にするといった常識的な内容になってございます。その他、県庁退職後5年間はその再就職先を発表するとか、県庁の中の規律を高め、やる気を高め、それと同時に公共調達についても良い制度をつくっていけばそんなにおかしなことにはならない。

2.和歌山県経済の現状と対応
 次に「和歌山県経済の現状と対応」というところを見ていただきますと、人口はズルズルと減っています。新聞にショッキングな記事がありまして、何十年か経過すると和歌山県の減少率が秋田県に次いで2番目に高くなると。この資料を見ていただくとそのことを分かっていただけると思います。県内総生産につきましては、昭和50年頃から伸び率は、全国の順位で最下位であります。それから、製造業の出荷額の伸びは、最下位から2番目であります。「ええ、まだ下がいるのか、嬉しいなあ」と思いますが、違うんです。最下位は東京であります。東京の伸びがなぜ最下位かと言えば、政策によって東京の都内あるいは大阪の中心部から工場を追い出したからです。したがって、京浜工業地帯や阪神工業地帯の中核には工場等はつくれないことになっています。そういう意味で、東京都や大阪府は和歌山県をサンドイッチするような形で最下位の方にいるわけです。和歌山県は何らいじめられておりません。残念ながら実質最下位であります。これを何とかしなければいけないと。比較ですが、昔から山形県や熊本県は田舎だと思っていましたが、伸び率の順位は1桁です。これはどういうことかと一言で言えば、ハイテク産業。この20、30年間の間に、和歌山県にハイテク産業を誘致し損なったことが大きな原因であるというのがこの資料です。詳しくは省略させていただきますが、例えば当県にも島精機やノーリツ鋼機のように上場企業に成長した立派なハイテク企業があります。しかし資料でもわかるように他県にはもっと多くあり、その企業がみんなを引っ張っていき、みんなもそれにくっついて伸び率が高くなったわけです。和歌山県は、昭和50年は製造業のランキングは22位でしたから、当時は充分いろいろなものがあったわけですが、現在は33位に落ちてしまった。ここで言えることは、もう文句ばかり言っていたり、自分のことばかり考えたり、あるいは小さく守ろうとか考えているとそのままズルズルズルといってしまう。企業との関係は、文句を言うべきところは言ったらよいと思います。例えば、公害を出す企業や労働者をいじめる企業はとんでもないと。しかし、それぞれの立場は尊重しながら、みんなで少しずつリーズナブルにやっていかないと。企業活動の地としての和歌山というのは酷い所だという評判が立ち、一つ立つと経済界全体に直ちに伝染することになります。そうなるとダメだと。評価を何とか立て直しながら粘り強く致の努力をしたり、あるいは産業を伸ばしていかなければならないと思っております。始まったばかりでなかなか未だうまくいきませんが、がんばります。
 それから、農水産物、加工食品ですが、和歌山は果樹生産日本一の大農業県であります。また、豊富な水産物もいろいろあります。ただし、作ることは非常に熱心であるけれど、売ることについては仲買人が買いに来てそれで終わりというのが多いわけです。スーパーマーケット等では他県の果物が大々的に売られているのに、和歌山産のものはどこで、どうやって売られているのかみんな知らないというのが多い。それだと実入りが少なくなり、実入りが少ないと生活も厳しくなり、後継者も育たないといった悪連鎖になります。したがって、販売に力を入れて頑張らなければなりません。これは、アクションプランをつくり、県内全域の有意の農業の方に参加してもらって頑張るぞ、というふうに思っております。
 低コスト林業については、和歌山県は林業の県です。私の子どもの頃は林業が盛んで、趣味である蝶を採りに行ったときに、森の木が切られ山に木がなくなっているのを見てこれは拙いなと思いました。帰ってきて30年が経過して山では木が生い茂っており、外から見るとものすごくいい林なんだけれど、中へ入ると荒れている状態になっています。経済的価値が高くなく、木の値段も下がっており、コストもかかるからなかなか切れない。これから立て直していかないと林業の担い手が暮らしていけなくなります。これは誰かを連れてくればいいというわけではありません。経済というのは需要の方から考えないと。「売る」、「儲ける」ということを考えないと。「来てよ」と言っても、「私どうやって生活するのよ」ということになるから、そういうことを考えながら全部やっていくと。これから必死になってやっていきます。これもこれからであります。

3.基盤整備の促進
 それから、観光や産業等をいろいろと考えますと、「条件はどうなっているか」とみんな考えます。この資料を見ると、高速道路の充足率は下から3位、道路の普及率は下から2位、下水道の改良率は下から2位、総合順位堂々1位と。私は、海南までは関空に近く関西に繋がっているので何ら遜色はないと思っています。しかしその南や紀の川筋で、例えば製造業やサービス業をやろうと考えたら、早くというのが今ものすごいポイントなんです。そういうことはなかなかうまくいっていない。何でこういうことになっているのかと思いますが、必死になって盛り返さないといけないので、しょっちゅう東京へ要請に行っています。国に助けてもらいながら、最低限のネットワークはつくっていく。そのためには、わがままを言っているとあかんのです。どういうことかと言えば「うちの前の道もちょっと配慮してくれ」とか「あそこばかりやらないでくれ」とかそういうことがたくさんあります。県の職員は、私もそうですが、心優しいですから、「あの谷筋の人もかわいそう」だとか思ってしまうのですが、それをやっているとその谷もこの谷も、これだけ今年、これは来年と。その向こうはどうなっているかと言えば、全部がつながっていない。こういうことになると、全部がズルズルズルと落ちます。したがって、この際優先順位をつけて順番に予算を回して、実施していく。そういうことをやらざるを得ません。だから評判が悪くなると思いますが、どうぞ和歌山県全体のためだと思い、ご理解いただきたいと思っております。優先順位をつけて重点化しないと、和歌山県のインフラはなかなか良くなりません。

4.青少年育成関係
 それから青少年です。少し時間がなくなってきました。本当はここを喋らなくてはいけないのですが、はじめの方で喋りすぎました。青少年の健全育成というのが一番大事なことだと思っています。皆さんに期待したいのであります。今どういうことになっているかと言えば、人口数では、和歌山県は全国で現在38位。伸び率は、43位で全体的にずるずると下がっています。若い人達の順位は全国で39位、伸び率は44位で、これもあまり伸びていません。例えば奈良県は、和歌山県よりも人口は少なかったのですが、大阪に通う人の影響で人口が伸びました。和歌山県で言えば橋本市がそういう傾向がありましたが、少し頭打ちになっています。これから、もう少し雇用を増やさなければならない時代になっていると思います。次に、児童生徒の不登校数については、全国平均に比べて高い伸び率となっています。それからここには記載されていませんが、引きこもり等の問題もあります。学生の体力については、持久力とか体力が落ちてきています。犯罪については、全国同様に刑法犯少年数が減少しています。しかしこういうものは、ゼロに近づくように頑張らなければなりません。それから、青少年だけではないが交通事故が多いんです。交通事故の中には若者が原因になっているようなものもあります。この交通事故死が段々と減ってはきていますが、まだかなり高いところにあります。この原因の多くは酔っ払い運転です。酔っ払い運転による死亡率が高いのが和歌山県です。こういうことは大人も含めて直していかないといけない。「子どもがどうだ」という話ができないのではないか。青少年の健全育成は、現状を見るとこのようなことが色々あります。特に経済的な発展が盛んな時は、みんなが前を向いてあの坂の上の雲を見て走ったりします。ところが前に坂の上の雲がなくて、坂が何となく淀んでいて、「前に沼地かな」と思えば、いろいろと嫌なことが一杯出てきておもしろくない。そうすると、なんとなく非行に走ったりするというようなこともあるし、大人の気持ちも荒んでくると子どもにも伝染する。ただ、ある程度そういう環境にあっても、努力すればできないことはない。できるだけ大人も元気になって、経済的な発展もみんなで頑張って取り戻して、好循環を和歌山につくっていくことが大事ではないかと思います。目標としては、青少年課が考えた大事なものがあります。「心やさしく、たくましく生きる青少年」を育てる。「つながりのある家庭つくり」をしよう。「つながりのある温かい学校」にしよう。「つながりを深める地域づくり」をしよう。「国際化社会に対応できる青少年の育成」をしよう。我々の大目標であります。具体的に言えば、心やさしくたくましく生きる青少年を育てなければいけない。これは、やっぱり心の問題です。これらを一番阻害しているのが、私は去年のような事件だと思っています。なぜならば、手っ取り早く誰々のところに何かを持っていけば仕事が回ってくる。というような気分でみんなが働いている状況では、青少年に対して「貴方は、高い目標を持ってひたむきに生きろ」と言っても、子どもからすれば「お父ちゃんもやっているやないか」ということになります。したがって、心を磨くというのは大人が身をもって心を磨く。そのためには制度も大事だし、心がけも大事だし、それから家庭も大事だと思っています。最近はお父さんもお母さんも働いておられるところも多く、昔のような大家族は少なくなっています。しかし温かい家庭というのは、和歌山の特色の一つであったわけです。この伝統を守ってつながりのある家庭をつくっていくということを、青少年の育成につなげていかなければなりません。次に「つながりのある温かい学校づくり」につきましては、もう「かけ声」だけでは済まなくなっている段階で、今年からテクニックや制度を導入しています。例えば、問題のある学校に警察OBの方を派遣し、心が荒んでいる子どもたちとじっくり話をしたり、パトロールをしてもらっています。私が和歌山県でとても尊敬しているのが、交通安全と生徒の登下校のときに立っておられ、非常に熱心にケアされている保護者の方々です。みんなで一つひとつ注意しながら、学校教育の面や課外活動、若い人の将来についても考えていく必要があります。これがつながりのある地域づくりになると思います。かけ声だけではなく、そういう地道な一つひとつの活動が、子どもたちからすると犯罪を防ぐということだけでなく、「お父さん、お母さんがこういうふうに僕たちを守っていてくれるんだ」と、「みんなでこうやって地域ができているんだ」と実感できるわけです。これがうまくいけば、都会の子どもたちよりも和歌山県の子どもたちの方が将来に伸びるような子どもになっていくと私は思います。そのためには、テクニックを使わないといけないと思います。例えば、国際交流。和歌山県にじっと閉じ籠もっていると、「浩然の気(俗事から解き放たれた屈託のない心)」を養うことができなくなります。国際交流だけではなく、いろいろな経験をされた和歌山県出身の人や、あるいは和歌山県に好意を持っている人が大勢いると思います。ある意味では、老人パワーかもしれません。苦労して青少年から壮年になって活躍し、またお年寄りになって活躍している人に、若い人たちにその経験を伝えてもらう。そのことも大事だと思います。子どもたちに異文化に接する機会をできるだけ多く提供する。これは、「呼んでくる」という方法と「行く」という方法がありますが、費用がかかったりして大変ですけれど、そういうことを県や県民全部が心がけてやっていかないといけないと思います。とりわけ、一番始めに申し上げましたように、この青少年育成協会の今後の活動には期待しております。県ももちろん頑張りますが、皆さんと一緒に頑張っていきたいと思っております。ただ、世の中はどんどん変わっています。子どもたちの心も少しずつ変わっていると思います。「自分たちの若い時代はこれでうまくいったから、このままで良いのだ」というだけでなく、「今の子どもたちをうまく導くにはどのようにすれば良いか」など。豊富な知恵をお持ちの方が沢山おられますので、これから全員で考えていただき、それを実行し、県もお手伝いさせていただいて、和歌山県の青少年が立派な人達にに育っていくように頑張っていきたいと思います。どうもありがとうございました。

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