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議会説明要旨

県議会での知事説明要旨を紹介します。

平成23年9月定例会

平成23年9月8日

 平成23年9月定例会に御参集いただき、厚く御礼申し上げます。
 ただいま上程されました諸議案の提案理由の説明に先立ち、県政の動きや基本方針等について御説明させていただきます。

台風12号による記録的豪雨による被害と県の対応

 まず、台風12号に伴う記録的な豪雨により発生した災害についてでございます。
 四国を縦断し、山陰沖へゆっくりと進んだ台風12号の影響により、紀伊半島の南東部や山間部を中心に、激しい雨が長時間降り続き、河川の氾濫や土砂崩れによる甚大な被害が発生いたしました。
 県では、市町村からの要請に基づき、自衛隊に緊急出動を要請するとともに、台風に備えて発令していた防災体制を最高レベルの「災害対策本部」に切り替えて、全庁体制で情報収集にあたるなど、人命の保護を最優先に、県としてできる限りの対応をいたしましたが、大自然の猛威の前に、多くの犠牲者が出る最悪の事態となったことは誠に残念であります。ここに、亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた多くの県民の皆様に心からお見舞い申し上げます。
 今後は、被災した地域の迅速な復旧や被災された方々への支援に全力を挙げるのはもとより、今回の災害を教訓に、治水対策の推進や防災対策の強化など、災害に強いまちづくりを進めてまいります。

防災・減災対策の総点検と被災地への支援

 次に、大規模地震や津波に対する備えについてでございます。
 東日本大震災の発生からまもなく半年を迎えようとしておりますが、今なお多くの被災者が避難所での生活を余儀なくされております。また、全国的な電力不足や国の基準を超える放射性物質が含まれた牛肉が全国に流通した問題など、震災や原発事故に起因する様々な問題が、我が国全体に大きな影を落としており、遅々として進まない政府の対応にいらだちを禁じ得ないところです。
 しかしながら、一方で、明日起こるやも知れない東南海・南海地震、あるいは、東海地震も含めた三連動地震を考えると、今、被災地が置かれている厳しい状況は、決して他人事ではありません。県民の尊い生命・財産を守るために、県として、今やれること、やらなければならないことを一つずつ着実に実行していかなければならないと考えているところです。
 このことから、震災発生後直ちに「防災・減災対策の総点検」に着手し、現在の避難場所が適切かどうか、通信手段の確保は万全かどうかなど、避難対策や減災対策の中でも特に緊急性の高い対策に焦点を絞って、市町村とともに、緊急点検を進めてまいりましたが、目標としていた7月末に点検結果をとりまとめたところです。
 今回の緊急点検の結果、洗い出された課題につきましては、速やかに対策を講じることとしており、一部は今議会に補正予算をお願いしているところですが、今後実施していかなければならない対策には、特に市町村に責任を持って取り組んでいただかなければならないものが多いことから、市町村に対する支援を更に充実することとしております。
 また、残された中・長期の課題につきましては、先日、第2回目の「専門家会議」を開催し、座長の河田惠昭(かわたよしあき)先生をはじめとする委員の皆様から、専門家としての貴重な御提言を頂いたところですが、現在、国で進められている被害想定の見直し等も踏まえながら、引き続き総点検を進めてまいります。
 次に、被災地への支援につきましては、県民の皆様から4億円を超える、心のこもった義援金が県に寄せられ、既に大部分は被災県にお送りいたしましたが、特に、暑い夏を乗り切っていただくために、岩手県の応急仮設住宅などにお住まいの方々に対し、紀州南高梅の梅干しをお届けしたところです。今後も被災地の状況に応じた顔の見えるきめ細かな支援を続けてまいります。

現在の経済情勢と「わかやま節電アクションプラン」の実行

 次に、現在の経済情勢等についてでございます。
 東日本大震災の影響により、大きく後退した我が国の景気は、依然厳しい状況にあるものの、時間の経過とともにサプライチェーンも回復し、企業の生産活動が上向きつつあります。本県においても、大手企業を中心に、企業活動は、ほぼ震災前の状態に戻りつつあり、このまま一刻も早く景気が回復することを願うところですが、長期化が予想される電力不足の問題や欧米経済への不安から来る急激な円高の問題など、懸念される要素もあり、先行きはまだしばらく予断を許さない状況が続くものと考えております。
 この間、県といたしましては、産業別担当者制度を活用し、全庁を挙げて関係業界等の業況把握に努めながら、県経済の動向を常に注視してまいりました。特に、震災の間接的な影響によって厳しい経営環境に追い込まれた企業に対しましては、中小企業向けの融資制度を活用して当面の資金繰りを支援するなど、震災の影響を最小限に食い止め、県経済を後退させないように全力を挙げてまいりました。今後も引き続き、県内企業や地域経済等の動向を見極めながら、必要な施策を積極的かつ機動的に講じてまいります。
 また、この夏、特に心配された電力不足への対応につきましては、企業の生産活動にできるだけ支障をきたさないように、主にオフィスや家庭においてピーク時に10%の削減を目標に各府県が努力することを関西広域連合で申し合わせ、これを受けて、県では「わかやま節電アクションプラン」を策定し、まず県が率先して節電に取り組むとともに、県民や企業の皆様にも節電の協力を広く呼びかけてまいりました。
 こうした関西を挙げた取組の結果、電力需要のピークとなる8月を無事に乗り切ることができ、取組に御協力いただいた県民や企業の皆様に心から感謝申し上げます。
 しかしながら、今後も現在稼働中の原子力発電所が順次定期点検に入っていくため、原子力発電の安全性に対する不安が払拭されない限り、来年にかけて更に状況が悪化することも想定されるところです。このため、国が一刻も早く安定したエネルギー供給への道筋を示すことを期待するところですが、この一環として、代替エネルギーの確保や再生可能エネルギーの普及が目標となってくると想定されるため、県におきましても、住宅用太陽光発電設備の普及促進や街路灯、信号機等のLED化など、県としてできる省エネルギー・省電力の取組を、より一層強力に推進していかなければならないと考えております。

活力ある産業づくり

 このように、東日本大震災後の危機的状況に機動的かつ的確に対応しながら、一方で、県経済の活力向上に向けて、県内企業を元気にするための施策にも積極果敢に取り組んでおります。
 まず、技術開発支援と販路開拓を柱に進めている県内企業の活力強化対策につきましては、東京都内に新たに開設いたしました「わかやまビジネスサポートセンター」を通じ、県内企業の首都圏等での販路開拓活動を支援いたします。さらに、これまで県経済を支えてきた地場産業の再生に向けて、産地のもつ優れた技術や経験等を駆使し、新たな事業展開を支援する取組もスタートいたしました。
 また、戦略的で効果的な企業誘致を展開し、働く場の確保や多様な産業の集積に引き続き努力するとともに、ターゲットを絞った積極的なプロモーション活動により、本県への観光客誘致拡大にも力を入れているところです。

農林水産業の振興

 次に、農林水産業の振興についてでございます。
 農林水産業は、地域を支える重要な産業であり、農林水産業の活性化こそが、地域の元気の源であるとの考えから、大きな社会問題となっている有害鳥獣対策をはじめ、生産から販売に至るあらゆる段階の対策を強化してきたところです。
 このような中、秋篠宮同妃両殿下の御臨席のもと、「第60回全国農業コンクール全国大会」を和歌山市で開催いたしました。両殿下には、大会への御臨席と併せて、県内の農業関連施設も御視察いただき、県内の農業関係者にとって大きな励みになったものと考えております。ここに改めて、大会の開催に際し、お力添えをいただいた県議会議員各位並びに県民の皆様に厚く御礼を申し上げます。県といたしましても、これを機に、農林水産業の振興により一層力を注いでいかなければならないと決意を新たにしております。
 さらに、農林漁業者の所得向上を図るために、知事就任以来、重点的に取組を強化してきた農産物等の販売促進につきましては、民間企業とのタイアップによる県産食材の消費拡大を図る新たな取組やトップセールスなど、本年度も「わかやまブランド」の確立に向けて積極的に取り組んでおります。また、国内需要が冷え込んでいる中、海外市場の開拓は有効な手段であり、アジア諸国との商談会や海外での和歌山フェアの開催等、県産農産物の輸出拡大にも県内事業者と一体となって取り組んでおります。
 なお、原発事故発生以来、海外で日本産食品の輸入規制が相次ぎ、本県からの輸出に対しても原産地証明を求められる事態が発生し、現に中国への輸出で支障が出ております。県といたしましては、県内輸出事業者の活動に支障をきたさないように、これにいち早く対応いたしましたが、このような科学的根拠に基づかない措置は不当なものであり、政府に対し、WTOへの提訴も辞さない構えで毅然たる対応をとるよう強く申し入れを行ったところです。

成長を支える基盤づくり

 次に、成長を支える基盤づくりとしての公共インフラの整備についてでございます。
 元気な和歌山の実現に向けて企業誘致や観光振興など、産業や地域の活力づくりを進めるためには、高速道路をはじめとする公共インフラの整備が不可欠です。
 また、先の東日本大震災では、甚大な津波被害を受けた沿岸部の復旧に際して、高速道路を軸とした「くしの歯」ルートが大きな効果を発揮し、大規模災害発生時に高速道路が果たす役割の重要性が再認識されましたが、根幹をなす高速道路が整備されていない本県にとりましては、近い将来発生が予測される東海・東南海・南海地震への備えという意味からも、紀伊半島一周高速道路の整備や基幹道路ネットワークの複線化がこれまでにも増して急務となっております。
 しかしながら、今年度の国の予算は、道路事業費をはじめとする公共事業費が2年連続で削減されるなど、インフラ整備の遅れた本県にとって大変厳しいものとなっております。現在、国で進められている来年度予算編成において、高速道路のミッシングリンクの解消をはじめ、大規模災害に備えた公共インフラの整備が重点的に進められるように、引き続き強く働きかけてまいります。
 さらに、県におきましても、こうした高速道路の整備と併せて、内陸部の緊急輸送を強化するため、「X軸ネットワーク道路」に続き、「川筋ネットワーク道路」の重点的な整備に努めてまいります。

国際交流の推進と海外プロモーション

 次に、国際交流の推進についてでございますが、先月、県議会からも御参加いただき、中国山東省及び遼寧省を訪れ、友好関係の更なる強化を図るとともに、本県の観光・物産の魅力を発信してまいりました。特に、観光・物産のプロモーションには、県内企業や観光事業者の皆様にも多数御参加いただき、県産品の販路開拓や観光客の誘致について、官民一体で働きかけを行うなど、内容の充実した訪問となりました。
 また、11月には、ロサンゼルス市で開催される「南加和歌山県人会創立100周年記念式典」に出席するためアメリカを訪問いたしますが、この際にも観光・物産のプロモーションを行うこととしており、今後も単に友好を深めるにとどまらず、双方に実りのある実質的な国際交流を進めてまいります。

9月補正予算

 続きまして、ただいま上程されました諸議案の提案理由を御説明申し上げます。
 まず、補正予算についてでございます。
 議案第101号は、一般会計で総額13億4百万円余を、議案第102号は、特別会計で3千2百万円余を計上しており、その主なものについて御説明申し上げます。
 一般会計におきましては、先ほど申し上げました「防災・減災対策の総点検」に基づき、避難路の確保等の防災対策を実施する市町村に対する支援を行うとともに、津波発生時の安全確保のため、陸閘(りっこう)の廃止等に取り組んでまいります。
 また、東日本大震災関連予算といたしまして、県内の環境放射能水準のモニタリング強化、被災世帯の幼児、児童、生徒に対する就学支援、さらに被災者の生活再建のための支援金の支払い等のため、各都道府県が相互扶助の観点から拠出している被災者生活再建支援基金への追加拠出に要する経費を計上しております。
 次に、国庫補助金の配分が不十分であった道路事業について、特に早期整備が必要な箇所に対して、県単独による追加事業を実施するとともに、先の梅雨前線及び台風6号に伴う豪雨により発生した土砂災害の対策に取り組んでまいります。
 また、警備対策として、太地町における捕鯨等をめぐる治安維持にも取り組んでまいります。
 県営港湾施設管理特別会計では、港湾施設内における不法占用の解消に要する経費を計上しております。
 このほか、国道168号日足(ひたり)道路の改良工事、太地町における治安対策の実施に要する経費について、債務負担行為の設定をお願いしているところです。

条例案件等

 続きまして、条例案件等について、その主なものを御説明申し上げます。
 議案第103号は、地方税法等の一部改正に伴い、個人県民税に係る寄附金税額控除の適用下限額の引き下げ等、所要の措置を講ずるため、県税条例の改正を行うものであり、議案第104号は、障害者自立支援法に基づく事務の一部を市町村に移譲するため等の改正を行うものでございます。
 議案第107号は、和歌山県高等学校等修学支援対策基金の対象事業に、東日本大震災により被災し、就学が困難となった生徒等に対する支援事業を追加するもので、議案第109号は、特別支援学校の新設に伴う改正、議案第110号は、高齢者の生活支援のための住宅事業登録制度の創設にあたって、手数料の新設をお願いするものです。
 また、議案第111号は、建設事業施行に伴う市町村負担金について、議案第112号及び第113号は、県営住宅の明け渡し等に係る訴訟の提起について、議案第114号は、公の施設に係る指定管理者の指定について、議案第115号は、工事請負契約の締結について、それぞれ議決をお願いするものです。
 さらに、議案第116号及び第117号は、平成22年度の歳入歳出決算及び公営企業決算の認定をお願いするものです。
 次に、諸報第13号から第17号までは、地方自治法第180条第1項の規定による委任専決処分報告でございます。
 このほか、公立大学法人和歌山県立医科大学に関する法人の経営状況を説明する書類及び業務実績評価結果の報告、環境基本条例第8条に基づく年次報告書、さらには地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率等の報告書を別途提出いたしております。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。

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