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議会説明要旨

県議会での知事説明要旨を紹介します。

平成19年1月臨時会

平成19年1月16日

 平成19年1月臨時県議会を招集いたしましたところ、議員の皆様方には、大変ご多用の中をご参集いただきまして、厚く御礼を申し上げます。
 ただいま上程されました議案についての提案理由をご説明するに先立ちまして、お許しをいただき、知事就任のご挨拶と県政に臨む基本的な考え方を申し上げたいと存じます。

はじめに

 私は、県発注の公共工事に絡んで、現職の知事と出納長が逮捕されるという県政史上最も困難な状況に直面しているふるさと和歌山のお役に立ちたいと考え、昨年11月末、知事選挙に立候補いたしました。
 幸い、県民の皆様から多くのご支援をいただき、県政を担当させていただくことになりました。
 誠に光栄に存じますとともに、改めてその職責の重大さを痛感いたしているところでございます。
 今回の事件は、県民の皆様の県政に対する信頼を裏切ったばかりではなく、「和歌山県」のイメージを損ない、県民はもとより、全国で活躍されている県人の皆様の郷土に対する誇りを大いに傷つけるものでございました。
 失われた県政への信頼を取り戻し、本県の名誉と県民の誇りを回復することが、私に与えられた最大の使命であると考えております。
 「信用を築くには10年かかるが、一瞬のうちに壊れる」と言われるとおり、一度なくした信頼を取り戻すことが容易でないことは十分承知しております。
 いにしえ人が、険しく厳しい道のりを越えて「熊野」の地にたどり着くことで、自らを再生できたように、県政の「再生」のため、私を含め、県庁職員が一丸となって、懸命に働くことで、信頼回復への厳しい道のりを越えて行く所存でございます。

県政運営の基本姿勢

 次に、私が、今後4年間県政運営を進めていく上での基本姿勢について、申し上げます。
 第一点は、県民の皆様のご意見を聞くことがすべての出発点であるということでございます。私は、先の選挙期間中、県内を回り、多くの県民の皆様と接し、それぞれの方々が地域づくりや県政について様々なご意見をお持ちであることを実感いたしました。
 こういった皆様の声に真摯に耳を傾け県の施策に活かしていくために、私自身が県民の皆様から直接ご意見をお伺いする機会を数多く設け、早い時期に県内すべての市町村にお邪魔いたしたいと考えております。
 県職員にも、机の上だけで物事を考えるのではなく、現場に出て、できるだけ多くのご意見をお聞きするように求めてまいります。
 また、県民から直接選ばれた県議会議員の皆様は、それぞれ有権者の願いを受けておられることから、十分に意思疎通を図り、「車の両輪」として共に県政を進めてまいりたいと考えておりますので、ご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
 第二点は、当たり前のことですが、県民のための県政を行うということでございます。県民のためになるものであれば、県独自の政策手段のみならず、国の政策も大いに利用させていただきたいと思いますし、市町村と協力して事に当たり、また広く民間の方々とも共に働くという姿勢で臨みたいと思います。
 昨年末の臨時国会で地方分権改革推進法が成立したことにより、第2期の地方分権改革の進展が見込まれますが、私は、地方分権改革は、和歌山県の住民を幸せにするものでなければならないと考えております。
 そのような考えからすれば、県民の幸せを実現するためには、現在ある制度を有効に活用することも重要です。
 国庫補助制度は地方自治体の自由度を損なうとのご意見もございますが、現に制度がある以上は、県民のためになる補助金は積極的に活用してまいります。
 これからの地方自治制度改革の荒波の中に和歌山県が飲み込まれてしまわないように、これまでの国での経験を活かし、政府、国会の動向を的確につかんで適切に対応してまいりたいと存じます。

5つの目標

 次に、和歌山を元気にするための5つの目標について申し述べたいと存じます。
 第一は、談合をなくし、清潔で透明な県政を実現することでございます。
 冒頭申し上げましたように、今回の事件は、県民のみならず、国民の地方行政に対する信頼を損ない、住民に身近なところにある地方自治体の決定権を拡充しようとする地方分権改革の意義、ひいては「地方自治」の理念そのものを大きく傷つけるものでございました。
 失われた信頼を取り戻すためには、再発を断固防止するためのルールの見直しを早急に実施するなど、清潔で透明な県政を実現しなければなりません。
 このため、談合及び官製談合防止のシステムの導入を目指し、専門家による「公共調達検討委員会」を既に立ち上げ、去る10日には、第1回の委員会を開催したところでございます。
 今後は、できる限り速やかに、委員会から報告をいただき、本県の公共発注に関して今回のような事件が起こりえないようなしっかりした制度を作ってまいります。
 次に、談合に限らず違法行為を防止し、職員の規律を高めるために、内部によるチェック機能を強化したいと考えております。
 例えば、本県には、公益通報者保護法施行以前から、職員が業務を行う中で法令や社会規範を遵守し、適正な事務執行を確保するための内部通報制度としての「行政ホイッスル」が全国に先駆けて設けられておりますが、さらに、これらを含めて、監察査察制度の充実を図ってまいります。
 また、一般職員だけではなく、特別職も含めた倫理規程を早急に定めたいと考えております。
 これは、私を含めて県職員が遵守すべき職務に係る倫理原則を明らかにすることで、職務の公正さに対する県民の皆様の疑惑や不信を招くような行為を防止し、公務に対する信頼を確保することをねらいとするものでございます。 
 今回の事件で、県職員が外部の人と付き合うことに萎縮してしまっては、外からの有益な情報が入って来なくなりますので、一定の行動基準を示すことで、外部の方々とものびのびと付き合えるようにしたいということも規程策定の目的のひとつでございます。
 第二は、「職づくり、人づくり、地域づくり」でございます。
 政府が発表した昨年12月の月例経済報告では、「国内の景気は回復している」との基調判断が堅持されております。
 一方、県経済につきましては、化学、鉄鋼等、一部の大手基幹産業は好調でありますが、中小企業においては、業種・業態により、原油価格の高騰などを背景に厳しい経営環境にあると認識しております。
 雇用状況についても、緩やかな改善傾向にあるものの、有効求人倍率など、依然として全国や近畿圏との「格差」がございます。
 これらのことから、県経済浮揚のため、企業・産業活動の現場からのニーズ・課題に対応した即効性のある施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 まず、雇用の場を確保するため、企業の設備投資意欲の拡大と国内回帰傾向が顕著な経済情勢を好機と捉え、企業誘致活動を精力的に展開してまいります。
 何よりも、私自身が、長年、産業界の方々とおつきあいをしてきた知識、経験、人脈等を余すところなく活用して、トップセールスを行ってまいります。
 さらに、県内には元気な企業が少なからずございますので、そのような企業がもっと飛躍できるように、また、元気な企業がもっと増えるように、産学官連携を通じて、地域経済を支える中小企業の技術開発・経営革新等を総合的かつ戦略的に支援してまいります。
 また、本県の強みである豊富な農林水産物の競争力を高めるため、産品のブランド化の促進と販売活動への支援を積極的に行ってまいります。
 私は、農林水産業ほどイノベーションの余地のある産業はないと考えており、その生産性を向上する取組を支援してまいります。
 産業の振興には基礎的なインフラの整備、特に、利便性の高い道路網の構築が不可欠でございますので、必要性と緊急性を考慮しながら、優先順位をつけて集中的に投資を行ってまいります。
 これらの取組により、地域に住み続けたいと考えている若者がやむを得ずふるさとを離れなければならないということがないように、「職づくり」を進めてまいります。
 次に、「人づくり」と「地域づくり」は「職づくり」の結果であるとともに、原因でもございます。
 何故ならば、企業の立地や成長も、その地域の人材や長所なくしては考えられないからであります。
 こういった観点から、和歌山県民の誇りである「進取の気性」、「高い道徳心」などを今一度見つめ直し、和歌山の「人づくり」を進めてまいりたいと考えております。
 教育においては、学力の向上を図ることはもちろんのこと、心豊かで思いやりに富む子どもを育成するとともに、国際化が進む中、世界に通用する幅広い視野を持つ人材を育てる環境づくりを行ってまいります。
 「地域づくり」でございますが、本県の豊かな自然や、歴史・伝統・文化などを活用して、都会の人々が安らぎを感じられるような取組を進め、県外から人を呼び込んでまいりたいと考えております。        
 第三は、安心、安全の確保でございます。
 何よりもまず大切な県民の生命を守る取組についてでございますが、様々な施策を用いて地域医療に従事する医師の定着を図り、県内どこにおいても、病気になったときに安心して医師に診察してもらえる質の高い医療体制の整備に努めてまいります。
 また、医療ネットワークを再点検し、県立医大などとも連携しながら、県内拠点病院で不足している診療科目について医師の確保に取り組んでまいります。
 次に、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりのため、新生児や乳幼児の医療体制を充実するとともに、保育サービスの多様化への対応や、放課後に児童を預かる施設の設置を促進するなど、子育て支援策を充実してまいります。
 深刻な課題である児童虐待、いじめ問題には、行政関係者だけではなく、保護者、住民にも参加いただき地域一帯での取組を進めてまいります。
 さらに、本県は全国的に見て高齢化が進んでおり、かつ一人暮らしの老人世帯が多くなっておりますので、高齢者が安心して地域で暮らせる体制を整える必要がございます。
 年をとっても元気でいられるように青壮年期からの健康づくりや介護予防の取組を推進し、社会の貴重な財産である高齢者の知恵と経験を地域で活かせる仕組みを作り、介護を要するようになった場合には、医療を含めた包括的なケアを地域で提供できる体制を整えてまいります。
 また、社会的に困難な状況に置かれている方々のサポートにも努めるなど、すべての人の人権が尊重される社会づくりを進めてまいります。
 次に、東南海・南海地震など防災対策についてでございます。
 耐震に向け様々なハード整備を進める一方で、行政の力にも限界がございますので、忘れた頃にやってくる災害に備えて、防災訓練や自主防災活動を通じ、自助・共助の必要性を訴え、地域の防災力を向上させることが非常に重要であると考えております。
 今後、30年以内に50~60%の確率で発生が見込まれる東南海・南海地震につきましては、被害を軽減するため、達成時期を定めた具体的な目標を設定し、戦略を定めて、効果的な対策を集中したうえで実施してまいります。
 また、県民が安心して暮らせるように治安の向上にも力を注ぎ、文字通りの「安心・安全の和歌山」を築いてまいります。
 第四は、和歌山の美しさを活かした観光の振興でございます。
 県内各地を回らせていただき、緑の山、青い海、澄んだ川など県土の美しさを再認識いたしました。         本県には、世界遺産である「高野熊野」、ラムサール条約に登録された串本の海、日本一の梅林、随所の温泉など数多くの観光資源がございます。
 しかし、今は、地域間競争の時代であり、優れた資源だけで観光客を呼び込めるわけではありません。
 地元の皆さんや関係業界の方々のご意見をお伺いしながら、これらの素晴らしい観光資源を活用して、日本中、世界中の人達に和歌山に来ていただく「和歌山売出し作戦」を実行してまいります。
 第五は、楽しい和歌山の実現でございます。
 近年、毒物カレー事件や、今回の不祥事など「和歌山」の名誉を傷つける事件が県内で発生いたしました。
 私が一番怖れるのは、県民が自信を失い、「どうせ和歌山は何をやっても駄目だ」というような気分が蔓延することであります。
 現に住んでいる方々が、地域に誇りを持ち、暮らしを楽しんでいなければ、県外の方が和歌山に魅力を感じることはありません。
 ご承知のように本県は、長い歴史と伝統と文化の香り高い地域であり、華岡青洲、南方熊楠、浜口梧陵、佐藤春夫など幾多の偉人を輩出し、人と人を結ぶ「和」、人を楽しませる「歌」、人のこころを癒す「山」を県名に持っている素晴らしいところでございます。
 和歌山県人の誇りを取り戻すため、皆様と力を合わせて、和歌山の歴史と文化を活かし、スポーツ活動や国際交流なども含めた楽しい県民生活を実現してまいりたいと考えております。
 最後に、これら5つの目標を達成することにより、私が目指したいと考えている和歌山の将来像を、県民の皆様に分かりやすくお示しするために、本県の今後の方向を示すビジョンとして和歌山県長期総合計画を、県議会のご意見もお聞きしながら、各分野の基本構想を盛り込んで策定したいと考えております。

 以上、私の所信の一端を申し述べました。
 課題は多岐にわたっておりますが、「元気な和歌山」を創造していくため、誠心誠意かつ県の総力を挙げて取り組んでまいる所存でございますので、皆様方のご支援、ご協力を改めてお願い申し上げます。

議案関係

 続きまして、上程されました議案についてでございますが、議案第1号は、昨年の秋雨前線等により生じた崖崩れや農業施設等に関する災害復旧工事を実施するための補正予算案であり、議案第2号は、それに伴い必要となる県工事施行に関する市町村負担金について議決をお願いするものでございます。
 何とぞ、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
 また、議案第3号は、副知事 小佐田 昌計君が、平成18年12月31日、退職いたしましたので、その後任として、原 邦彰君を選任いたしたく、同意をお願いするものでございます。
 よろしく、お願い申し上げます。

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